6年目となる今の職場を今月で退職いたします。在職中は皆様に大変お世話になりました。


フリーエージェント社員として食べていくことができずどうしようかと露頭に迷っていたところを拾っていただいての入社でしたが、IT×エンタメという法務領域としては旬なエリアで、入社後に運よくヒットコンテンツにも恵まれ、上場と一部鞍替も見届けることができました。役員のみなさまの粋な計らいで上場の鐘を叩かせていただけたのは、貴重な思い出です。


法的に難しい対応を迫られたいくつかのイベントも乗り越え、得られた知見を書籍としてまとめ、気づけば従業員数も自分が入社した時の10倍になり、法務・知財の組織も自分より人物・能力ともに優れた若手がずらりと揃った状況になりました。

個人としては能力不足で経営陣のみなさんの期待に応えられなかった部分も多かったのですが、結果だけを客観的に見れば多少は会社と世の中のお役に立てたのかな、と思っています。


政権交代より世代交代」そして「仕事は5年でやめなさい」を信条とする者としては、タイミングとしてそろそろかなと思っていたところでしたが、好き勝手フラフラしていると心配されてしまう年齢とポジションにもなっており少し慎重になっていました。その背中を押してくれたのは、昨年の秋に読んだ『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)―100年時代の人生戦略』です。




私たちの人生は、これまでになく長くなる。私たちは、人生のさまざまな決定の基準にしているロールモデル(生き方のお手本となる人物)より長い人生を送り、社会の習慣や制度が前提にしているより長く生きるようになるのだ。(P18)
20世紀には、人生を三つのステージにわける考え方が定着した。教育のステージ、仕事のステージ、そして引退のステージである。しかし、寿命が延びても引退年齢が変わらなければ、大きな問題が生じる。ほとんどの人は、長い引退生活を送るために十分な資金を確保できないのだ。(P20)
よい人生を送りたければ、よく考えて計画を立て、金銭的要素と非金銭的要素、経済的要素と心理的要素、理性的要素と感情的要素のバランスを取ることが必要とされる。100年ライフでは、お金の問題に適切に対処することが不可欠だが、お金が最も重要な資源だと誤解してはならない。家族、友人関係、精神の健康、幸福などもきわめて重要な要素とされる。(P24)
3ステージの人生では、大きな移行は2回だけだ。教育から仕事へ、そして仕事から引退への2回である。しかし、人生のステージが増えれば、移行の機会も増える。問題は、ほとんどの人が生涯で何度も移行を遂げるための能力とスキルをもっていないことだ。マルチステージ化する長い人生の恩恵を最大化するためには、上手に移行を重ねることが避けて通れない。柔軟性をもち、新しい知識を習得し、新しい思考様式を模索し、新しい視点で世界を見て、力の所在の変化に対応し、ときには古い友人を手放して新しい人的ネットワークを築く必要がある。(P26)

寿命が延び、いやがおうにも100歳まで生きてしまう時代。30年後も働く自分を想像したとき、本書が警告するように、今やっている仕事と持ち合わせているスキルの延長線で食べていけるイメージは持てない。とはいえ、働き盛りの今、仕事を辞めて教育のステージにまで戻るのはもったいない、それをするならもうちょっと先でもいいのではとも。


これまでの知見を生かしつつも、新しい知識・思考様式・視点・人的ネットワークが得られるステージに移行できないものかをしばらく模索した結果、「リーガルテック」と「パブリック・アフェアーズ」の2つの領域にシフトしていくのがよさそうだ、という結論に至りました。幸いにも、ちょうどそこに思い至ったタイミングでありがたいご縁をいただきましたので、まずはそこでしっかりと結果を出すことに集中したいと思います。