一般社団法人情報法制研究所(JILIS)研究員として、ほぼ初めての発信になります。

本日、JILISより、「著作権侵害サイトのブロッキング要請に関する緊急提言の発表」を行い、私も末尾の賛同者として名前を出させていただきました。

ぜひご一読をいただき、皆様にもご賛同を賜れれば幸いです。


著作権侵害サイトのブロッキング要請に関する緊急提⾔の発表

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私のキャリアの始まりは、通信事業者でした。そこでは、当たり前かもしれませんが法務だけでなく社員全員が、憲法および電気通信事業法に定める「通信の秘密」の重要性を認識し、日々業務に携わっていました。

「電気通信サービスを提供する当社からの請求書の宛名が郵送時に見えてしまうことは、通信の秘密を侵すことにならないのか?」
「請求書添付の明細に通信相手先会社名、接続開始時間が記載されることについてはどうか?」

法律の専門家ではない一般社員が、このような請求書のディティールまでに気を使い、真剣な顔で法務に持ち込み確認をとってビジネスを進める姿を見て、大学時代に憲法すらろくに学ぼうとしなかった自分を恥じるとともに、自社のビジネスが基本的人権という重要なものに関わっていることを再認識させられました。

その後も、ITに関わるビジネスを転々とする中で、そこで交わされる通信ログに関する捜査機関からの協力要請を受けた際などには、職業人としての本分や立場をわきまえつつも、通信の秘密の重要性を人一倍考え、上席に対応方針を提案してきたつもりです。


様々な手段で防御・回復可能かつ一部の著作権者にとどまる財産的損害およびそのおそれよりも、国民全体の通信の秘密(具体的には、通信が知得・遮断されない自由・通信を通じて情報を摂取する⾃由)が保障されることを重要視すべきだと考えます。


著作権者の財産的損害と通信の秘密とを比較し、それでも前者を優先すべきだと言うならば、納得できるだけの損害発生の事実、そして脅かされる人権を保障するための策を、特定の知識人や弁護士によってではなく、著作権者本人が自分の口で説明いただければと思います。