企業法務マンサバイバル

企業法務を中心とした法律に関する本・トピックのご紹介を通して、サバイバルな時代を生きるすべてのビジネスパーソンに貢献するブログ。

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私はあなたに正解を教わりたいのではない、相談しているのだ

 
法務として法的アドバイスを求められたとき、条文を引き、判例や通達を探し、文献や法律問題にならないまでも世の中で問題視された先例も踏まえながら、できるだけ確かな根拠に基づく正しい回答をしなければ、と考えます。

しかし、その場ですぐに間違いのない回答ができると確信できるケースは少なく、多くの場合、何らかのリサーチや確認をし不安を解消した上での回答が必要となります。そんなとき、

「お話を聞いて事実関係はわかりました。ではきちんと調べて、間違いの無いようにお答えしますね」

という対応は、どうやら相談者から期待されている対応ではないということは、ある程度の経験を積んだ方であれば、うすうす感じているのではないでしょうか?


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前職で、Fさんという二日に一度は相談に来る常連の相談者さんがいました。さすがに相談の頻度が多すぎて「よくお会いしますね」といった枕詞で相談がはじまるのがお約束になるほど。その彼からこんなことを言われたことがあります。

「はっしーさんは難しい法律論抜きにまずその場でスパっと見解を出してくれるから、こちらもじゃあこれならどうでしょう?という話ができて助かります」

私は正直、彼のあまりの相談頻度に、組織としてあまりリソースを割いてられないという思い半分で、「後で条文とか通達とかはきちんと確認してレポートしますけど、直感的には〇〇なところが匂いますんで、やめておいたほうがいいかな。もうすこし××な感じにできません?(できるなら、調べなくてすむしね!)」と、言うなれば冷たくあしらうような対応をしてしまっていたつもりでした。ところがそれが意外にも、その「直感的にここがNG」という反応をそこそこの論拠で具体的に返してあげることで、次に自分がプランB・Cの方向性を考えるきっかけになってありがたいと言うのです。


相談者も、リスクだけしかない道を好んで踏みに行きたいわけではなく、ある程度の常識や法律知識をもって、向かいたいゴールに向かう中で最も賢い道筋・ルートはどれかを自分なりに考えているはずです。法務は水先案内人の一人ではあるけれど、結局その茨道を歩くのは相談者自身。自分なりにはリスクは考えて当然じゃないですかと。

自分に降りかかった災難や課題にばっちりはまる正解があるわけではない、世の中はそんなに単純じゃないということは、法律に明るくない相談者であってもうすうすは気づいているものです。自らのリスクを(程度はさておきある程度は)認識して頼ってくださる相談者に対し、自分が持ちうる限りの知識・経験・論理的思考を総動員し、苦しくてもその場で何らかの見解を一つ二つ返してあげるというのは、相談に応じる者の姿勢として大切なことだと思います。


もちろん、その場の反応の精度や品質が低ければ、相談者は二度と現れません。それらを向上させるための業務経験や日々の研究を重ねる必要があることは、言わずもがなとして。
 

【雑誌】BUSINESS LAW JOURNAL 2018年 2月号 ― 五賢人に代わる選者はいないのか

 
今年もビジネスロー・ジャーナル「法務のためのブックガイド」の季節がやってまいりました。





いつものとおり、
・匿名法務担当者5人による購入書籍分野別批評会
・各分野の専門家11名によるエッジの利いた選書
・トリを飾るは企業法務系ブロガー ronnor先生(@ahowota)による辛口法律書レビュー
・最後におまけでデータに見るTOP10ランキング
という構成になっています。

匿名批評会は年を重ねるごとに舌鋒鋭くなっている感じがあり、今回も匿名ならではの「ここまで言うか・・・」というキツいコメントが盛りだくさん。私の共著本も過去ここでご批判を浴びた記憶もありますが、著者にとってはヘビーな一言になっているのではと心配になります。

それと、創刊以来ずっとこのブックレビューをウォッチしていて、そろそろレビュアーの固定化が気にもなりだしています。今年ご登場のA〜Eさんが2015・2016版ブックレビューにどのように登場されていたか振り返ってみたのですが、

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このように、ほとんどの方が3年連続出場されている状況(ちなみに2015年は女性一人が加わっての6人でのレビューでした)。そもそもレビューできるだけの読書量を確保している法務パーソンが少ないのか、編集部が開拓をあきらめているのか、定かではありませんが、我こそはという方は手を挙げられてはいかがでしょう。

ちなみに私は毎年のようにここに出ている人と勘違いされて、今年でいうとC(去年のD・一昨年のA)さんと間違われるのですが、違いますからね〜。


さて、私が毎年作成しているブックガイド「法律書マンダラ2018」はすでに先日アップしたとおりなので、特に付け加えるつもりはないですが、「今年買った本」で絞りをかけると、この2冊かなと思っています。

1冊目が、『法のデザイン』。

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上記匿名座談会では「?」と思うぐらいキツい批判の対象になっていたこの本。今の法律を今の考え方で解説するといった、すぐに陳腐化する方法をあえてとらず、それこそ写真のようにこの激動の時代を法的側面から“切り取った”本として読むべき書籍です。一部の法律業界人だけでなく、まさに写真というアートと同様に多くの人に理解され影響を与えてはじめている本でもあり(そして実際、法律書籍の比ではないぐらい売れています)、後世に残す価値を持ったあたらしいスタイルの法律書だと思います。

加えて、「法律家としてどう役立っていきたいか」「法律をどう役立てていきたいか」を著者としてはっきりと主張・宣言しており、著者水野先生はそこに実践と行動が伴っている点、実務家として見習うべき方ではないかと尊敬しています。


2冊目が、古書ですが『アメリカ契約法

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日本の民法学者が書く契約法の基本書のような体系(契約の成立・締結上の過失・変更→履行→違反に対する救済→免責)で、アメリカ契約法の基礎を概説してくれる本書。

日本語で読めるアメリカ契約法と言えば、平野晋『体系アメリカ契約法』が鉄板と言って間違いありません。しかし、日本の民法知識をベースに(想像しながら)一足飛びに平野本を理解しようとするのは、かなりの無理があります。この本にもっと早く出会えていれば平野本ももっと楽に読みこなせたのに、と思わせてくれる本です。中古が存在するうちに買っておいたほうが良いでしょう。


今年も著者のみなさまに感謝。
来年もよい本に出会えることを祈ります。
 

法務パーソンのためのブックガイド「法律書マンダラ2018」

 
※こちらの法律書マンダラの公開を停止しました。近日別の形で公開予定です。

毎年の“マンダラ形式”のブックガイドを更新しましたので、ご入用の方はGoogle Docsでご覧ください。

同一書籍で新版が出たものについて更新し、一部推薦書の入れ替え・追加削除・分類の見直しをしています。『法のデザイン』のL1ランク入りなど、2016→2017に比べていくつか大きな変動がありました。

法律書マンダラ2018

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書名はそれぞれAmazonへのアフィリエイトリンクとなっており、紹介書籍をそのままご購入いただけます。なお、マンダラ内ではスペースの都合で一部書名を略しています。リンク先では正式書名をご確認いただけますのでご了承ください。
※2018年中は、このリンク先ファイルを随時更新させていただこうと思います。


なお、この“マンダラ形式”のブックガイドのアイデアは、山口周著『外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術』からお借りしています。重ねて御礼申し上げます。
 

賞金制eスポーツ大会の開催を阻む6つの法律


日本が誇る対戦型TPSゲームのシリーズ最新作『Splatoon2』が発売され、下馬評どおり売れ行きは好調、Nintendo Switch本体も入手困難と言って過言ではないすさまじいペースで売れているようです。

私も前作のWiiU版『Splatoon』には大いにハマったクチで、2015年秋〜2016年にかけて数百時間をこのゲームに費やしました。Switchももちろん『Splatoon2』のために早速購入。据え置き機のWiiU版と違い、持ち運んでいつでもどこでも手軽に対戦できるSwitchの誘惑と日々戦っています。こんなに時間を食われることになるなら、Splatoonと出会わなかったほうが幸せだったのかも…と思ってしまうぐらいに、何時間でもやり続けてしまう面白さがあります。



さて最近、この『Splatoon2』に限らず、PC・コンシューマーゲーム機・携帯型ゲーム機・スマートフォンでプレイできる上質な対戦型ゲームが次々にリリースされ、さらにその対戦プレイの様子を実況する動画の人気も高まっています。それもあってでしょうか、こういった対戦型ゲームをスポーツ競技のように捉え、プロゲーマーを賞金付きで集めて行う「eスポーツ」大会と、そういった大会に課せられる法規制の解説記事を多く見かけるようになりました。

隆盛「eスポーツ」に法の壁 賞金たった10万円 (日本経済新聞)
「景表法に触れなければ、いくらでも高額賞金大会が開けるのだが……」
カドカワが3日付で設立したゲーム子会社、Gzブレイン(東京・中央)の浜村弘一社長は嘆く。ゲーム情報誌「ファミ通」で長く編集長を務め、複数のeスポーツ関連団体の役員も務める浜村氏は「eスポーツはゲームの面白さそのものが大きく変わり、新たな収益機会を生み出せる」と期待する。一方で、日本市場は諸外国に比べると出遅れているという。理由として「eスポーツの主流であるパソコン上のゲームがそれほどなじみがなかったこともあるが、それ以上に大きかったのが景表法の壁だろう」と話す。

「レインボーシックス シージ」公式世界大会で日本人だけ賞金を受け取れない「おま賞金」発生 その理由とは(ねとらぼ)
フランスのゲームメーカー、ユービーアイソフトが開催する、FPS「レインボーシックス シージ」世界大会で、なぜか日本人が優勝した場合のみ賞金を受け取れないという規定があり、ゲームファンの間で物議をかもしています。
「日本の法律の都合上」という部分について、これが何の法律のことを指しているのか聞いてみたところ、「専門家と相談した結果、今回の世界大会は景品表示法(以下、景表法)に抵触する可能性を否定できないと判断いたしました」と回答。ただ、具体的に景表法のどの部分に抵触するのかについては、「この質問に関しましては、弊社からの回答を控えさせていただければと思います」とのことでした。

これらの記事では、どうしても景表法にばかりスポットライトが当たっていますが、賞金制eスポーツ大会を開催するには、景表法以外にもいくつかの法律が関係し障害となっています。そのすべてを網羅的にまとめた記事があまり見られないので、それぞれの分野に詳しい方が解説してくださっているサイトをリンク集的にピックアップしつつ、足りない部分を私のほうで補足してまとめてみました。


1.刑法


eスポーツ大会の開催にあたって、参加者から参加費を徴収して優勝者の賞金原資とすると、「刑法」第185条から187条に定める賭博罪・賭博開帳図利罪・富くじ罪等の問題となり得ます。
過去、賞金制麻雀大会を開こうとした団体が警察庁から指導を受け、取りやめた事案も実際に存在します。
一方、参加者がお金を払わず、スポンサーだけが賞金を提供する場合は、少なくともこの賭博罪等刑法上の問題は無くなり、過度に萎縮する必要はないと述べる専門家も少なくありません。

▼賞金付ゲーム大会と賭博罪
http://ameblo.jp/gamblelaw/entry-12112183111.html
▼日本で高額賞金のかけられたゲーム大会が開催されないのはどうしてなのか?法的観点から考えてみる
http://www.gamer.ne.jp/news/201512120002/
▼マージャン全国大会「待った」 参加費から賞金は賭博?
http://www.geocities.co.jp/Athlete-Sparta/3989/news/n2004_03_24.htm


2.風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律


ゲームセンターの営業は、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第2条1項5号により規制対象とされていることに加え、この5号営業を行う営業者が遊戯の結果で賞金を提供することは、同法23条2項で禁止されています。
eスポーツ大会の開催がこの5号営業に当たるか否かは、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則第3条に定める“遊戯設備基準”と、同法第7条に定める“施設の構造及び設備の技術上の基準”に抵触するかかポイントとなりますが、論点になるのは特に後者で、会場を見通しが効く明るい場所とできるかどうかなどが問われることになります。
以下では、改正前の風営法の条文に基づき解説したものを、ご参考までにご紹介します。ここで2条1項8号の営業とある部分が、現行法では5号と整理されています。

▼賞金・賞品付き大会と法律
https://www46.atwiki.jp/xboxcodsearch/pages/35.html
▼日本で高額賞金のかけられたゲーム大会が開催されないのはどうしてなのか?法的観点から考えてみる(再掲)
http://www.gamer.ne.jp/news/201512120002/
▼風営法について考える風営法のひろば
http://cozylaw.com/fu-teki/kihon/005-06.html


3.不当景品類及び不当表示防止法


冒頭述べたとおり、最近のメディアでeスポーツ大会開催の最大の足枷として扱われているのがこの不当景品類及び不当表示防止法、通称景表法です。第4条により、内閣総理大臣が景品類の提供に制限を設けることができるとされ、取引に付随して特定の行為の優劣を争わせて景品を提供することについて、最高額(10万円)と総額(売上予定総額の2%)の金額上限を課しています。
eスポーツとの関係で論点となるのは、eスポーツ大会で勝つ=賞金を得る目的でそのもともとのゲームに関する購買取引が誘引される・取引付随性が発生しているかどうかです。普段そのゲームをお金を払ってプレイしていれば大会に優勝しやすくなるのであれば、<大会の賞金>が普段のゲーム取引の<景品類>とみなされてしまう、というわけです。したがって、ゲームを有料課金でプレイするユーザーが大会で賞金の提供を受けることが容易であれば、当該eスポーツ大会での賞金提供は景表法違反となる可能性が高く、そうでなければ(つまりゲームでの有料課金がeスポーツ大会での勝利を容易にするものでなければ)景表法違反とならない可能性が高いということになります。
この点、カジノビジネスの専門家である木曽崇氏が、ノーアクションレターという形で消費者庁に細かいケース分けをした問い合わせをされその回答をブログにまとめてくださっており、参考になると思います。

▼賞金制大会を巡る法的論争、消費者庁からの公式回答アリ
http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/9355204.html
▼賞金制大会を巡る法的論争、消費者庁からの公式回答アリ(その2)
http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/9355119.html
▼総括:賞金制ゲーム大会を巡る法的論争
http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/9356604.html


4.著作権法


eスポーツに用いられるゲームは当然に著作物となりますので、著作権者の許可なく用いれば著作権法第22条の2の上映権その他の権利を侵害することになります。
過去には、ホテル内でのゲームソフト貸し出しでゲームメーカー側から刑事告訴まで踏み切られた事例もあるようです。
もちろん、著作権者自身がeスポーツ大会を開催したり、著作権者から許諾を得て開催すれば、この問題は生じません。

▼著作権違反:ホテルでゲームソフトを無断貸出、会社役員を逮捕
http://www2.accsjp.or.jp/criminal/2010/1030.php


5.民法


法律上の規制というよりはゲームメーカーとの契約上の制限ではありますが、そのゲームの利用規約において当該ゲームを利用した大会・イベント等の無許諾実施を禁止している場合、民法第415条の債務不履行に基づく損害賠償責任や第703条の不当利得返還義務が発生する可能性があります。
例えば、私が好きなFPSゲームであるBattelefiledシリーズを開発・運営するElectronic Arts社の利用規約には、

6. 行動規範 お客様がEAサービスにアクセスし、またはこれを使用するとき、お客様は以下のいかなる行為も行わないものとします:
(略)
EAが管理および許可していない何らかのサービス上で、または当該サービスを通じてEAサービスを利用しようとする事。

との記述がありました。このような記述は多くのゲームにもみられるものです。
著作権法同様、ゲームメーカー自身がeスポーツ大会を開催したり、許諾を得て開催すれば、この問題は生じません。

▼ELECTRONIC ARTSユーザー契約
http://tos.ea.com/legalapp/WEBTERMS/US/ja/PC/#RulesofConduct


6.出入国管理及び難民認定法


大会にプロゲーマーを職業人として参加してもらうにあたって、出入国管理及び難民認定法および出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令により、興行の在留資格(興業ビザ基準省令3号)が必要になりますが、これが発給されない可能性があります。スポーツ競技はトッププレイヤーが集まるからこそ面白いわけで、これは地味に影響のありそうな法律です。
日本でプロゲーマーのビザ発給が問題になった実例はまだ無いようですが、以下リンクでは、外国で実際にあった事例について弁護士がコメントしています。

▼eSportsにおける法律問題
https://www.redbull.com/jp-ja/interview-with-esports-lawyer-jas-purewal-2017-15-04
▼日本初、海外プロゲーマーに“アスリートビザ”発行へ 「プロスポーツ選手と認められた歴史的な出来事」
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1603/30/news137.html


結論:現状は、純粋な賞金制eスポーツ大会の開催はかなり困難


以上をあわせ読むと、賞金制eスポーツ大会を開催するには、
・刑法上問題にならないよう、第三者のスポンサーを集め、
・風営法上問題にならないよう、健全な環境が確保できる場所を用意し、
・景表法上問題にならないよう、ゲームの有償課金要素が勝敗に関係ないようにし、
・著作権法・民法(利用規約)上問題とならないよう、ゲームメーカーの許諾を得て、
・入管法上問題とならないよう、日本人かビザが間違いなく下りる外国人選手だけを集めて
といった何重もの対策を施さなければならず、かなりの困難を伴うことが分かります。そんな中で、優勝賞金3,000万円という大会を開催されているミクシィさんの取り組みなどは大変なチャレンジで、頭が下がります。

景表法は世界主要国の類似法制と比較してもダントツに(必要以上に)制約が強いので、消費者の不利益とならないものについては告示・運用基準の改正を検討するとか、風営法に関しても、事前の警察への届出などの手続きを踏むことで認めてみるとか、この二法の運用を少し見直してみるだけでも、賞金制eスポーツ大会の開催はかなりラクになるはずです。
 

法務パーソンのためのブックガイド「法律書マンダラ2017」

 
※こちらの法律書マンダラの公開を停止しました。近日別の形で公開予定です。

年に一度のビジネスロー・ジャーナル2月号のお楽しみ企画「法務のためのブックガイド」を拝読しました。




あいかわらず著者に対して遠慮のない辛口トークが炸裂する批評会。これはいざ著者側に立つと読んでいて心臓が痛くなるのですが、出版のなかった今年はそういうこともなく心安らかに通読(実はある書籍の改版がそろそろ出るらしいのですが、間に合わなかったのは幸い笑)。
・・・と油断していたところ、続くカテゴリー別レビューのコーナーで、ヘルスケアベンチャー企業勤務の若菜様・中畑様から昨年出版の『アプリ法務ハンドブック』を推していただきました。さらに、柴田・鈴木・中田法律事務所の柴田先生からご丁寧に弊ブログの存在に言及していただきました。みなさまありがとうございます。


ということで、私も昨年から始めた“マンダラ形式”のブックガイドを更新しましたので、ご入用の方はGoogle Docsでご覧ください。
同一書籍で新版が出たものについて更新したのはもちろんのこと、かなり迷いに迷いながら、一部推薦書の入れ替え・追加削除・分類の見直しをしています。

企業法務マンサバイバル 法律書マンダラ2017

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このブックガイドは、中心に位置する法務パーソンとしてのコアを作るL1からスタートし、以下8つのジャンルに分けて外側に向かって放射状に概観&基礎作りのL2 → 実戦向きのL3と展開したものです。
・契約・商取引法
・消費者法
・情報法
・知的財産法
・M&A・経済法
・会社法
・訴訟
・その他諸法

書名はそれぞれAmazonへのアフィリエイトリンクとなっており、紹介書籍をそのままご購入いただけます。なお、マンダラ内ではスペースの都合で一部書名を略しています。リンク先では正式書名をご確認いただけますのでご了承ください。
※2017年中は、このリンク先ファイルを随時更新させていただこうと思います。


なお、この“マンダラ形式”のブックガイドのアイデアは、山口周著『外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術』からお借りしています。重ねて御礼申し上げます。
 

法務パーソンのためのブックガイド 「法律書マンダラ2016」を公開します

 
※こちらの法律書マンダラの公開を停止しました。近日別の形で公開予定です。

今年もビジネスロー・ジャーナルの「法務のためのブックガイド」企画の季節がやって来ました。私も早速拝読し、昨年に引き続き、ronnor先生柴田先生のキレ味鋭い書評を堪能させていただきました。

弊ブログでもここ数年間、この冬のBLJのブックガイド企画のタイミングにあわせて、「法務パーソンのための基本書ブックガイド」と称し毎年末におすすめ法律書をリスト形式で掲載してきましたが、しかし、どうも面白みに欠け、一覧性に乏しく、紹介対象読者層も絞りにくい(法務パーソンといえどもそれぞれの法分野ごとに熟練度が異なったりする)という課題を感じていました。もう少しみなさんのお役に立てるようなブックガイドの方法はないものかとしばらく模索した結果、今年は新たに“マンダラ形式”でブックガイドを作成することにしてみました。こちらをGoogle Docs形式で公開します。


企業法務マンサバイバル 法律書マンダラ2016

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今回のこのブックガイドは、以下8つのジャンルに分けて、必携のL1からスタートして外側に向かって放射状に概観&基礎作りのL2 → 実戦向きのL3と展開するよう並べてご紹介するというスタイルを取っています。
・契約・商取引法
・消費者法
・情報法
・知的財産法
・M&A・経済法
・会社法
・訴訟
・その他諸法

書名はそれぞれがAmazonへのアフィリエイトリンクとなっており、紹介書籍をそのままご購入いただけます。マンダラ内ではスペースの都合で一部書名を略しています。リンク先では正式書名をご確認いただけますのでご了承ください。
※2016年中は、このリンク先ファイルを随時更新させていただこうと思います。


最近、事情により弊ブログの更新頻度を落としていることもあって、まだブログでも未紹介のものや今月発売されたばかりの新刊もかなりの数入っていますが、いずれも業務に役に立つと実感している書籍です。私が現在所属しているIT×エンタメ業界方向に多少の偏りはあるかもしれませんが、特定業界分野についてだけ述べた専門書は排除し、汎用性のある書籍を選書しています。


なお、この“マンダラ形式”のブックガイドのアイデアは、最近拝読した山口周著『外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術』からお借りしました。この場を借りて御礼申し上げます。
 

法務部のための定期購読誌&データベースガイド

 
法務系Advent Calendar2015の5日目を担当させていただきます。

弊ブログではここ数年「法務パーソンのための基本書ブックガイド」を更新してきましたが、そういえば法務部門で購読しておきたい定期購読誌・データベースの定番的なものをまとめたものはあまり見ないなあということで、今回はそれをまとめてみようと思います。


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1 判例秘書インターネット
http://www.hanreihisho.com/hhi/
裁判例の検索はもちろんのこと、「最高裁判所判例解説(調査官解説)」「判例タイムス」「金融法務事情」「労働判例」等の判例解説、さらに有斐閣データベースの「ジュリスト」「法学教室」等の全文記事検索まで検索できるパッケージ。対応しなければならない法律問題に関し、何らかの手がかりを横断的にリサーチするのに大変便利なデータベースで、何をおいてもこれは契約しておきたいところです。


2 判例時報
※ウェブサイト無し
「判タ」の過去解説記事は判例秘書インターネットで読むとして、それとは別に意識的に判例に目を通す習慣を作るために購読。裏表紙の見出しをざっと見ると毎号1〜2件は興味を引く事件があるので、そこだけは読むようにしています。


3 旬刊商事法務&旬刊商事法務データベース
http://www.shojihomu.or.jp/junkan_ad.html
会社法〜金商法分野に関する情報アップデートのためにはやはり読まなければ・・・いけないんですが、私はこの分野はあまり楽しんで読めない人なんで(笑)。役員にも回覧して読んでもらいましょう。予算に余裕があれば「資料版商事法務」も併せて。


4 ビジネスロー・ジャーナル& Lexis AS ONEバックナンバー検索
http://www.businesslaw.jp/subscription/index.html
最新の法務業界のトピックスを取り上げる速さと、日常の契約法務まわりの記事が多めのBLJは、ダントツで日々の業務でのお役立ち度が高い雑誌です。それだけに、LexisのBLJバックナンバー検索は、法律雑誌のデータベースの中では最もアクセス頻度が高くなります。


5 NBL&NBLデータベース
https://www.shojihomu.co.jp/p006
定期購読がmustとまでは申しませんが、BLJで得られるような法律情報をさらに補完・強化する情報源として。一度定期購読をやめて必要な号だけ弁護士会館ブックセンターに買いに行くというスタイルを取ったものの、著名な先生方が特定テーマを掘り下げた連載(最近でいえば白石先生の景表法連載や森先生のパーソナルデータ連載)はタイムリーに読みたかったりして、結局再契約してしまいました。ところで、データベース契約したのに過去記事検索結果のPDFが画面上うまく表示できないのは私のPC環境だけなんでしょうか…?


6 国際商事法務
http://www.ibltokyo.jp/bulletin.html
日頃から浅く広く外国法をアップデートしておくために、日本語ですばやく読める外国法文献として貴重な国際商事法務。あくまで感覚として、英文契約等の外国法律事務が業務量全体の30%を超えるのであれば購読しておきたいという感じ。


7 WESTLAW INTERNATIONAL
http://www.westlawjapan.com/products/westlaw-international/
外国法に関する具体的な問題に接する頻度が相応にある場合、(使いこなせるかどうかは別として)こういった外国法のデータベースも契約したいところ。このWESTLAW INTERNATIONALについてはドコモの法務部長中村さんがかなり具体的な企業法務での活用事例をご紹介くださっており、そちらをお読みになるとイメージが湧くのではないかと思います。


8 コピライト
http://www.cric.or.jp/publication/copyright/
公益社団法人著作権情報センター(CRIC)による著作権に関する先進的な論文が盛りだくさんの会報誌。各号ごとの個別有償販売には応じてくれず、CRICに入会しないと読めないというハードルの高さがネックです。入会していない人がどうしても読みたい号があった場合は、特定の図書館等で拝見することになります。


9 パテント
http://www.jpaa.or.jp/?cat=47
弁理士会の会員向け情報誌。毎号参考になる知財関連記事が満載です。特許ネタが多めではあるものの、最近の号では茶園先生がキャラクターの保護と著作権についての論稿を寄せられていたりと、著作権まわりも参考になります。弁理士の方が会社に在籍しているとこれが読めるのはありがたいです。


10 季刊労働法
http://www.roudou-kk.co.jp/books/quarterly/
この分野は人事労務部門が労務専門誌(労政時報など)を定期購読しているケースが多く、法務部門として細かい労務事情の動向まで追いかける必要はないかと思いますが、それでも定期的に労働法知識をアップデートする目的で、年4回刊行の本誌がちょうどよいかなと思います。


11 経営法友会リポート&経営法友会ライブラリ
https://www.keieihoyukai.jp/
経営法友会に加入すると毎月送付される会報誌。月例会とよばれる研修会のまとめ記事や、「わが社における法務状況」と題する会員各社が自社の法務体制について報告しているページなどは市販の雑誌には出てこない情報で、法務のリアルを知るのに役立ちます。


「必要な法律情報はその都度顧問弁護士に頼んで調べてもらえばいいし」。私もそういう言い訳をしてこうした情報源への定期的なアクセスとアップデートを怠ってきた者の一人です。しかし、会社が成長して様々な法律問題に遭遇するようになると、顧問弁護士のカバー範囲にも限界があり、またそのスピードでは追いつけないシチュエーションも増えてきます。

一人法務の状態から法務部門を作り、ある程度のチームで法務業務を回すフェーズに入ったその次のステップとして、地味ではありますがこういった権威と定評のある定期購読誌やデータベースにかかる予算を会社に認めてもらい、メンバーが必要な情報に素早く・不自由なくアクセスできる職場環境を作れるかも、腕の見せどころになってくるでしょう。
 

【本】『事業担当者のための逆引きビジネス法務ハンドブック』― この本を超える法的論点抽出力はありますか?

 
これは本当にすばらしい本。そして、法務パーソンの存在価値を問う本でもあると思います。
 

事業担当者のための逆引きビジネス法務ハンドブック
塩野 誠 (著), 宮下 和昌 (著)
東洋経済新報社
2015-08-28



著者の塩野誠様・宮下和昌様より、ご丁寧なレターとともに本書をご恵贈いただいたのですが、そこには、この本のタイトルである「逆引き」に込められた意味が記されていました。

本書は、ビジネス法務の体型を事業戦略の視点で再構築し、必ずしも法務を専門としない戦略部門の方々にビジネス法務のエッセンスをお届けすることをコンセプトに執筆いたしました。

本書の「事業ニーズから法的論点を逆引きする」というコンセプトは、ご著作『良いウェブサービスを支える「利用規約」の作り方』及び橋詰様のブログ「企業法務マンサバイバル」から、少なからぬ着想を頂戴致しました。

私自身があまり「逆引き」という言葉を使わないために、この本のタイトルに当初ピンと来ず、索引が充実した本なのかな?などと大きな勘違いをしていました。「ビジネスニーズから法的論点を抽出し、当てはめる」という法務の作法を的確に言い抜く言葉として、まさにピッタリな表現を紹介していただいたように思います。


本書がその逆引き力をどのように発揮しているか、一例をご紹介しましょう。たとえば商品・サービスの価格設定というテーマについて。

ある営業マンから「3か月前に出した新商品が振るわないので、ちょっと値付けや支払い方法を思い切って変えようと思うんですが、何か“法的”にやっちゃいけないこと・気をつけたほうがいいことってありますか?」といった抽象的な相談を受けたとします。こんなとき、起こりうるビジネス行動・シナリオを即座に想定し、適用されうる法令や規制(この場合、独禁法によるカルテル・不当廉売規制、契約の変更につき民商法、業法・景品表示法による一物二価設定規制、下請法、割賦販売法あたり)を漏れ無く整理し、質問者である営業マンの期待(漠然とした不安を解消し安心して営業活動に打ち込みたい)に応えるわかりやすい回答にスピーディに仕立てるのは、法律自体を知っていても、それなりの実務相談の場数をこなしていないとできません。

この本は、上記のようなビジネスの抽象的な問いを起点とし、「アウトライン」として箇条書きに要点をまとめ、次に発展的論点を調べることができる【参考文献】を紹介し、その上で各論をできるだけポイントを絞ったかたちで(とはいえ必要十分なボリュームで)解説します。

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この問い=項目のたて方と整理の仕方が「こういうフワっとした相談あるよな〜」「でもこの回答はスッキリしててわかりやすいな〜」という感じでセンス抜群なわけですが、このセンスがどこで磨かれたものかと思ったら、お二方の所属が経営共創基盤でいらっしゃり、さらに宮下先生はソフトバンクでのインハウスローヤーのご経験もお持ちという点にありそう。企業の事業戦略策定に関わり、また時に投資先や子会社へのアドバイスを行う過程で、いくつもの業界のビジネスシーンを知り尽くしたお二人のノウハウが結集されていて、読んでいてその網羅性に圧倒されました。「利用規約の作り方」のように限定した分野で書くことはできても、それを一般ビジネスのレイヤーにまで抽象度を引き上げるとなると難易度は数段上がるわけで、私にはこのような本は書けません。

また、ともすると法的論点を表面だけすくった中途半端な本になりそうなところ、そうはならずに深みを感じさせているのは、上記スクリーンショット1枚目の右ページ中段でも確認できるように、“参考文献へのパス出し”の徹底ぶりにあります。巻末には、本書内で紹介された参考文献のリストが7ページにわたり付いていて、私も普段から参照する定評ある書籍・ガイドラインがズラリ。法務のブックガイドとしても優れた出来です。なんと、私たちの利用規約本も、その栄えある1冊としてリストしていただいてました!

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「事業担当者のための」というタイトル、そして著者お二方から頂いたレターにも記載されていたとおり、対象読者は法務パーソン向けではないことになっています。しかし法務パーソンこそ本書を読んで、このレベルの法的論点抽出力を備えているか、それを超える価値を提供できているか、自問自答してみるとよいと思います。「この本に負けない」と自信を持って言える法務パーソンは、実はそう多くはいらっしゃらないのかも。
 

法務パーソンのための基本書ブックガイド2015

 
年末の風物詩、ビジネスロー・ジャーナルのブックガイドの季節です。





今年は、なんといってもP28から4ページにわたる 「企業法務系ブロガー」こと @ronnor 先生のブックレビューが抜群。おすすめ本は1冊を除き同感、私も知らなかったレアな情報もあり、かつブックレビューなのになぜか脚注を読むと大変勉強になるという、おかしなことにもなっています(笑)。一方で、特集全体の感想として残念だったのが、登場する過半数の方が匿名で参加・寄稿されていること。さすがに書評までは守秘義務は及ばないと思うんですが、年々その傾向が強くなってしまっているように見受けられます。匿名は匿名でいいところもありますが、どういうポジション・職務の方が仕事の中でその本を活用しているのかも伺いたく、来年は是非顕名の座談会・レビューを読みたいです。

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さておき、この一年の総括としては、@ronnor先生の冒頭のこの一言に集約されてますね。

2014年出版された法律書は概ね読んだが、正直、良い法律書は少ないと感じる。

私も新刊はかなり買っている方ですが、今年1年の新刊中、ブログで紹介したおすすめ法律新刊書籍はたったの18冊にとどまりました。行き場のない読書欲は、レアな古書・絶版本を掘り起こす方向に向いております。

というわけで、企業法務マンサバイバルの基本書ブックガイドも、ラインナップにあまり代わり映えがありませんが、2015年版をアップしておきます。昨年の2014年版から更新したところだけ、New!マークとコメントを付しておきました。


1.憲法

憲法 第五版憲法 第五版
著者:芦部 信喜
販売元:岩波書店
(2011-03-11)
販売元:Amazon.co.jp


2.民法




3.商法




4.会社法 New!

株式会社法 第5版
江頭 憲治郎
有斐閣
2014-07-31


twitterでも話題になっていましたが、@ronnor先生がブログで公開された第4版/第5版の差分まとめがありがたい。

5.金商法




6.特許法 New!



基本書、という定義からはかなり離れてしまうかもしれませんが、他の本では理解できない特許実務のキモが理解できる、法務パーソンが特許を学ぶのに最適な本だと思います。より実務者向けとしては、改訂されないままの伝説の書吉藤・熊谷特許法概説にたどり着いています。

7.意匠法

意匠法意匠法
著者:茶園 成樹
販売元:有斐閣
(2012-04-05)
販売元:Amazon.co.jp


8.商標法

新商標教室
小谷 武
LABO
2013-06



9.著作権法 New!

著作権法 第2版
中山 信弘
有斐閣
2014-10-27


昨年は加戸先生の新刊を推しましたが、2年ぶりの返り咲き。第一版のときから中山先生がフェアユースに傾いていたら・・・と思うと、残念でなりません。

10.不正競争防止法




11.独占禁止法

独占禁止法
品川 武
商事法務
2013-02-07



12.下請法

優越的地位濫用規制と下請法の解説と分析優越的地位濫用規制と下請法の解説と分析
著者:長澤 哲也
販売元:商事法務
(2011-08)
販売元:Amazon.co.jp


(続きます)続きを読む

ビジネス法務の話題を効率良くインプットしたい方にお勧めなtwitterアカウント20選


2年前ぐらいに法務系のお勧めtwitterアカウントを紹介させていただいて(その1その2)から、しばらく経ちました。そこで今回は、特に最近私が情報源とさせていただいているtwitterアカウントの中から、ビジネス法務系の話題を中心にtweetされているアカウントを選んでご紹介させていただこうかと思います。

選考基準は、私がRT・引用tweet・Favする頻度の高い方ということに過ぎず、優劣を評価したものでもないですし、私の興味関心と重なり具合が強いだけという可能性もありますが、フォローして損はない皆様だと思います。


TwitterID
一言紹介
redipsjp 法務ブロガー()としてもトップクラスの伊藤先生ですが、知財・情報法分野の企業法務の動向を知るには、twitterフォローもマストでしょう。
NakagawaRyutaro 伊藤先生アカウントと並んで私の貴重な情報源。法解釈の最先端をすばやく見つける嗅覚がすごい。海外知財動向の速報性で右に出る者ナシ。
ahowota 企業法務の専門家はここまでやるのだ、をtweetの端々から感じさせるプロ中のプロ。やわらかな物腰で容赦無い#エアリプをいただくと、とっても怖いです…。
katax 彼はニュースそのものをつぶやくというよりも、法務パーソンとしてそれをどう捉えるかを問いかけるタイプ。気付かされることは多いです。
okaguchik 現役裁判官。その独特のファッション感覚ばかりが話題になりますが、法律系ニュースピックの早さも目を見張るものがあります。
kamatatylaw 技術系弁護士。会社員から独立されたご経験から、今の企業法務業界が抱える問題をズバズバ斬る率直な物言いは、かなり刺激的。
lawyerfuru 海外ローファーム事情に通じたお立場から、日本の企業法務が抱える課題の解決のヒントとなる情報を発信してくださいます。
kurikiyo 特許・商標関連のトピックスの中で、ビジネスパーソン全般に受けそうなネタをtweetしブログでも素早く解説。
patesalo 前回は管理人の@otsubo先生のアカウントをご紹介しましたが、ニュースに特化したい方はこちらのフォローがおすすめ。
shimanamiryo 著作権を中心とした知財系ニュースに関する最新の法解釈論に触れたければ、島並先生のフォローはマスト。学者気取りのないとてもソフトな語り口。
Nobuyuki_Kawai 日本の会社法系ニュースの最新動向なら、川井先生でしょう。夜中のツイ消し前提のアブナイつぶやきを楽しみにしている方も多いはず。
overbody_bizlaw 独立されてついに正体を明かされた柴田先生。大手企業に就職→某有名先生の事務所→大手渉外事務所を経てM&A・会社法を専門とされています。
estate4 私もお会いしたことのない、正体不明の研究者。一貫して海外を中心とした競争法・情報法の動向を追いかけていらっしゃいます。
ikegai 2014年の情報法系若手法学クラスタの時の人。日本における共同規制の第一人者。パーソナルデータ法制化真っ盛りの来年は、さらにお忙しくなりそう。
suzukimasatomo パーソナルデータの動向を占うには、鈴木正朝先生のアカウントフォローはやはり必須となるでしょうね。
masanork 法務クラスタではいらっしゃらないのですが、ヤフージャパン渉外の立場からの情報法関連のtweetが多く、参考にさせていただいています。
KTets 消費者法の話題が出た時には必ずKTets先生のtweetをチェック。このへんの話題に敏感に反応してくださる方って、あまり多くないんですよね。
YukiSatoLaw 「福袋と景表法」なんてニッチなネタを取り上げる法務ブログも運営されている女性弁護士の方です。M&A関連ニュースの速報性の高さが特徴。
klempererlove 私が知るこの方は、企業法務の「中」も「外」も知り尽くした方。法務ネタ以外の生活感あふれるリアルタイムtweetも味。
ttakimoto 厳密には法務クラスタではないものの、内田元教授の元弟子だけあって、ビジネスニュース全般を時に法的視点を交えた一刀両断なコメントを付けて紹介。


このへんの話題を集めるのって、GunosyとかSmartNewsとかNewsPicksとか使ってても限界があって、twitterで適切な人を選んだほうが早くて有益な情報が得られるんじゃないかと思います。

なお自己紹介が遅れましたが、当ブログ管理人を務めさせていただいている私のアカウントは、@takujihashizumeとなっております。

 

今年もますますカラフルな判例六法平成27年版が出た

 
平成26年版のショッキングピンクもすごかったですが、このライムグリーンもすごい。でもこのテイストは私は好きです。





昨年版からの大きな変化が、改正条項の横に太い傍線が引かれるようになった点。

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確かにわかりやすいです。ただ、参照した条文に傍線をつける習慣がある方には、ちょっと邪魔かもしれませんねぇ。


私は判例六法プロフェッショナルは仕事用として、そしてこちらのノーマル判例六法は学習用に購入して使い分けていて、昨年版は、この写真のように主要六法ごとに「解体」して使ってみたんですが・・・

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マーフィーの法則ってヤツしょうか、持ち歩いていない法律を引きたくなるケースに結構遭遇すること多数。解体したことをえらく後悔する日々を送っていたので、27年版が出るのを首を長くして待っていたところでした。ちょっと重いし嵩張りますが、この1年はこのまま持ち歩くことにします。


有斐閣の方に一つご提案。このノーマル判例六法の内容はそのままに、判例六法プロフェッショナルのようにA5版・4段組にして、全体ページ数を薄くしてくださいませんでしょうか?カバンに入れて持ち歩くことを考えると、版が小さいことよりも薄いことのほうが喜ばれると思うんですよね。一覧性も高くなりますし。名前は『判例六法セミプロフェッショナル』でいかがでしょう(笑)。

ご検討のほどよろしくお願いいたします。
 

第3回 法務系ライトニングトーク やります(追記あり)

企業法務パーソンたるもの、持つべきものは法務系書籍と法務系友だち!

ということで、 @katax さんと共催する法務系ライトニングトーク(LT)イベントを、今月10月29日(水)に恵比寿で開催することになりました。実に2年ぶりです。

 22:50追記:
 早くも40人の定員をオーバーしてしまいました。。。
 引き続き補欠でのお申し込みされる方がいらっしゃいますが、イベントの特性上キャンセルが少なく、
 繰り上がりは5人程度に留まると思われます。
 せっかくご参加を検討くださったにもかかわらず、申し訳ございません。
 なお「補欠者」状態で当日お見えになられても、受付でご入場をお断りすることとなってしまいます。
 何卒ご注意・ご了承ください。


第3回 法務系ライトニングトーク(ATND)

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お酒を飲みながらのリラックスした場で、5分という限られた時間で参加者が入れ替わり立ち代り、法務に関する「自分が専門にしている・専門にしたいこと」「自分が力を入れて取り組んでいること」をプレゼンしあう、それが法務系ライトニングトーク。

今回は、素敵な恵比寿ガーデンプレイスタワーの新オフィスに引っ越して間もないクックパッドさまのカッコいい偉い方に掛けあいまして、上の写真のような素敵な場所の提供と、飲み物等々のスポンサードを賜ることができ、参加費も無料となりましたー。( ゚Д゚ノノ☆パチパチパチパチ
といいましても、非営利の手作りイベントであることには変わりませんので、当日は私も微力ながら運営まわりや受付等のバックアップでお手伝いをさせていただく所存です (ง •̀_•́)ง。

また今回は、ふだんネット上にはあまり登場されないリアル知り合いの法務の方々にも事前にお声がけをしてみたところ、ありがたくもすでにご参加・ご登壇のご意向を複数いただき、運営サイドの一員でありながら、とても楽しみなイベントとなっています。みなさまにおかれましても、雑誌のインタビューや伝聞では伝わってこない法務パーソンのナマの姿を見て刺激をうけるもよし、LTのネタをきっかけにした法務トークに花を咲かせてお付き合いを広げていただくもよし、人前で自らしゃべるという機会を捉えて自分の成長につなげていただくもよし。とにかく、法務な方々同士の有益な時間にしていただければと思います。

座席数は40席。クローズド感・アットホーム感が保てるぎりぎりの規模を維持しつつ、前回よりも少しばかり定員をふやしてみましたが、もしかすると2〜3日で座席が埋まってしまうかもしれません。お忙しい中とは存じますが、是非ご都合を付けていただき、お早めにATNDの方から参加申し込みをお願い致します。

裁判傍聴記(のはずが法務パーソン向けデートコースの紹介に)

 
久しぶりに妻と裁判傍聴に行きました。私以上に妻が傍聴好きということもあって、たまにこういうデートをします。

民事・刑事・裁判員裁判をそれぞれ2件ずつ傍聴。特に裁判員裁判は、導入期に弁護士会がやられていた模擬裁判やドラマでは見ていたものの、実際のものを傍聴したのはなんだかんだいって初めての機会。噂には聞いていましたが、証人尋問の場面で、弁護人→検察からの証人に対する質問ののち、10分間の「休憩」をとって証人を待たせて裁判員の疑問点を整理し、再開したかと思えば、「裁判所からの質問はありません。裁判員のみなさんからもございませんか・・・(沈黙)」「では、証人は結構ですのでお帰りください。」「ここで再度20分の休憩とします。」…といった不自然なぶつ切り進行シーンを幾度と無く目にすることに。進行上、裁判員への配慮が必要とは言え、果たしてこのままでこの制度が目指す「国民の理解しやすい裁判」になっていくのかは、かなり疑問を感じました。昨日、裁判員による一審の公判前整理手続きの争点整理や審理計画の策定が不適切だったと断じやり直しを命じる最高裁判決が出たとのニュースもありましたが、見直しの余地は少なからずあるのではないかと思います。

また、自分がそういう業界にいるからというカラーバス効果もあるとは思われるものの、今回傍聴した事件の多くでFacebook・LINE・Skypeといったネット上のコミュニケーションツールが頻度高く登場し、証拠の一部として普通に扱われていたのが印象的でした。裁判は人間同士のトラブルなだけにそうしたツールが絡んでくるのは当たり前とはいえ、私も一応同じIT業界に身を置くものとして、そういった危険を無用に発生させていないかを振り返る機会に。


合間をぬって、昼はお約束の松本楼でオムライスハヤシソース&カニクリームコロッケを堪能し・・・

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傍聴一段落後は、裁判所地下の至誠堂書店さんで買い物。霞ヶ関ではなんとなく冊数・物量が多そうな弁護士会館ブックセンターさんのほうをいつも利用させていただいてますが、至誠堂さんの書棚もよく見ると昔のレアな本が刺さっていて面白いです。

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夜はそのまま日比谷線に乗って六本木森美術館のアンディ・ウォーホル展へ。中はもちろん撮影禁止につき、外に置いてあったウォーホルペイントのBMWレーシングカーをパシャリと。この大きな車、今思えばヒルズの53階までわざわざバラして上げたんですかねー(唖)。

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ご存じの方も多いと思いますが、ウォーホルはキャンベルスープのような工業製品の広告をほぼそのままモチーフにしたり、報道写真や映画のワンショットを切り取って引き伸ばしそれに着色する表現手法が特徴の、「流用アート」としてのポップアートの第一人者。その堂々たる流用を目の当たりにすると、法務パーソンとしては「著作権とかパブリシティ権ってなんだっけ?」を考える良い機会にもなること間違いなしです。会期は5月6日まで。


・・・あれ、傍聴記のはずが、ただの法務パーソン向け鉄板デートコースのご紹介記事になってますね(笑)。 

2014年のIT系法務キーワード・テーマ大予測

 
NBL No.1016の特集「2014年ビジネスローの展望」は、展望というよりも2013年の法改正動向の振り返りとまとめと言う趣が強かったのと、そもそも取り上げられている分野がシブすぎて、自分的にはあまりピンと来ませんでした・・・。

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なので、自分のいる領域であるIT系法務におけるキーワード・テーマをあげながら、自分なりに2014年を予測してみることにします。こういう予測記事はハズれるのが当たり前ということで、業界関係者の方は話半分に聞いていただければと思います!

1.「パーソナルデータ」


これは予測ではなくて確実なイシューですね(笑)。憲法13条と判例に基づくあいまいなプライバシー権と、悪法と言われ続けた個人情報保護法の間をどう埋めるか、興味深いところです。12月10日に内閣府のパーソナルデータに関する検討会で議事に付された「パーソナルデータの利活用に関する制度見直し方針(案)」でも

平成26 年(2014 年)年6月までに、法改正の内容を大綱として取りまとめ、平成 27 年(2015年)通常国会への法案提出を目指すこととする。

とあり、事実上4月までに勝負がつくところでしょう。関係者から伝え聞くウワサ話によれば、
  1. 個人情報保護法は大きく変えず、ガイドラインレベルでの統制をベースとしつつ、第三者機関の権限明確化により実行力を与える方向性
  2. 機微情報(センシティブ情報)の定義を条文で明確化する等により、個人情報保護法をプライバシー保護法化してしまう方向性
この2つがあるとか。後者は2010年に米国がチャレンジして挫折していますが、どうなっていくか動向を興味深く見守りつつ、必要に応じて議論に参加してみたいとも思います。

2.「CtoC」


ヤフオク!、gumroad、Stores.jp、メルカリ、ランサーズ、coconala、そしてLINE MALL...と、CtoCプラットフォームは乱立状態になってきました。それぞれ住み分けがあるという主張もあるかと思いますが、以前ブログに書いたように、機能と価格の争いが終わった後は情報と決済機能を握る少数のプラットフォーマーの戦いに収斂していくと予測します。今後は生き残りをかけて合従連衡を繰り返すことになるでしょう。同時に懸念しているのが、「個人」と「商店(個人事業主)」と「企業」のボーダーラインがこれまで以上に無くなっていくことで、様々な法の適用に混乱が生まれてくるであろう点です。紛争解決のベースは民法なのか商法なのか?特商法等の消費者保護法制の適用は?このあたりの法律も早速改正が検討されるかもしれません。

3.「プラットフォーマー規制」


Google・Apple・Amazonと、インターネットサービスのプラットフォーマーとして確固たる地位を築いた3社ですが、その力があまりに強大になりすぎると、独禁法や中小企業・消費者保護政策の観点からは問題視されるようなことが出てきそうな気がします。しかし、彼らの商売が全世界規模であるがゆえに、一国の規制当局の立場からは手が出しにくく、このままみんなが指をくわえてみているだけ…となる可能性もあるのかも。少なくとも、日本の規制当局の姿勢はそのように見えてなりません。

4.「キャラクター(の商品化)権」


私がエンタメ寄りの場所にいるから、ということもありますが、本当に一億総クリエイター時代になってきたなあと実感することが増えました。そして、ゆるキャラブームでも実証されているとおり、企業が自社商品やサービスのマーケティングに(芸能人でなく)キャラクターを活用する動きは間違いなく広がっています。レッシグ以来著作権とはなんであるかが問われて久しいですが、キャラクターとなると、著作権だけではなく、
・商標権
・意匠権
・不正競争防止法
・パブリシティ権
を含めた総合的な保護を考えなければなりません。著作権は「権利の束」と言われますが、キャラクター(の商品化)権は「権利の束の束」ともいえるほど、法的課題は複雑で多岐に渡ります。

5.「音楽著作権」


iTunesによってアルバム単位のまとめ売り商売が成り立たなくなったという変化にとどまらず、PandoraやSpotifyなどのウェブやアプリ上での無料(広告型)配信で十分というライトなリスナーが増え、音楽の楽しみ方に変化が現れてきました。さらにクリエイター側も、DeskTopMusic技術の革新により、楽器やスタジオにお金をかけずとも音楽制作がカンタンにできるようになったことで、音楽そのもののさらなるコモディティ化は加速しています。これに呼応するように、日本国内でもJASRAC独占状態にほころびが見えはじめています。一方で、企業がビジネスで音楽著作物を扱うとなると、権利処理的には高度で伝統的に手間も多く大変です。また、曲が誘引力をもたなくなると、実演家であるアーティストの実演権や氏名権が重要になってくるというストーリーもありえます。生活に身近な音楽のあり方が変わりはじめ、ここにきて一挙にカオスになってくる予感がします。

6.「仮想通貨規制」


スマートフォンにおけるアプリビジネスにたずさわっていると、仮想通貨を発行してこれを販促・マーケティング・決済に用いる手法がよく使われていることに気付きます。しかし、これを届け出もせずに発行している違法状態のアプリ事業者が多すぎるような…。そろそろ、資金決済法や外為法の観点から取り締まりがあるかもと。また、個人的にはビットコインには前から注目しているところです。

電子マネーの一種と紹介されることもあるビットコインだが、日銀金融研究所によると(1)発行体がない(2)発行時の払い込みがない(3)特定の資産による裏付けがない――の3点で従来の電子マネーとは大きく違う。このため、前払い式の電子マネーやプリペイドカードを取り扱う資金決済法の対象にならない。
取引所での両替は2次売買にあたるが、実体を持たないビットコインは金券ショップなどを取り締まる古物営業法の対象からも漏れる。マネーロンダリング(資金洗浄)との関わりでも、疑わしい取引が行われないよう事業者に届け出を求める犯罪収益移転防止法は、取引に使われる通貨を取り締まるものではないため、ビットコイン自体を規制することはできない。ハッキングによる盗難時の取り扱いを含め、既存の通貨の概念に収まらないビットコインに対してどんな法整備が必要なのかは、何か大きな問題が起きて初めて見えてくるというのが現状だ。
(日経新聞「ビットコイン、ギークが育てた無国籍通貨」より)

このようなネット通貨がどう規制されるのか(そもそも規制しうるのか)?私はインターネットそのものをこれまで規制できなかったのと同様、ビットコインの規制も難しいんじゃないかと思っています。


以上に共通しているのは、もはや一つの法律で解決する問題などはなく、様々な法律をまたがる問題ばかり、ということですね。知識は情報検索すれば見つかる(ただし自分なりの日頃からの整理は必要ですが)時代だけに、法務パーソンは、問題の答えを知ってるかよりも、ビジネスを正確に把握してそれをひとつひとつ丁寧に解きほぐし、法や規範に当てはめて妥当な解を導く能力があるかないかが問われることでしょう。

法務はもともとロジックで戦う仕事ですが、この2014年以降は、
・ビジネスの本質とリスクを把握するセンス
・それを適切に要素分解する頭の回転の速さ
これらがあることを前提とした上での、緻密で根気強いロジカルシンキングが、これまで以上に求められる仕事になりそうです。
 

法務パーソンのための基本書ブックガイド2014 第三版

 
年末の風物詩、ビジネスロー・ジャーナルのブックガイドの季節です。





「この覆面座談会企画に毎年登場してる法務担当者って、管理人のはっしーさんも入ってるんですよね?」と聞かれることがありますが、私がでるなら顕名ででますし、これまで入ったこともなければ、お誘いをいただいたことすら一度もないんですよ。誘われない理由が何かあるんでしょうね・・・。

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今年については、寄稿されている法務パーソンの方々もあまりマニアックな本を紹介されておらず、9割がた購入済みの本だったのですが、P38の匿名の電機メーカー法務担当者の方(多分私が知ってる人)が推されていた『英文契約書の法実務-ドラフティング技法と解説-』は、早速購入させていただきました。副題に「ドラフティング技法」とあったので当時スルーした記憶がありますが、この方の書評のとおり、書式集として普通に使える本ですね。

さてこちらも毎年恒例の便乗企画、企業法務マンサバイバルの基本書ブックガイドを以下ご案内します。ここでいう基本書とは、「これ一冊ですべてを賄う」という意味ではもちろんなく、「各法分野の定番本をまず一冊ずつこれから揃えるとしたら外したくない一冊」といったニュアンスで選んでいます。ご自身の所属業界や専門に応じて、適宜追加してください。


1.憲法

憲法 第五版憲法 第五版
著者:芦部 信喜
販売元:岩波書店
(2011-03-11)
販売元:Amazon.co.jp

企業法務で憲法ですか〜?という方には、bizlaw_styleの記事「法律家によるルールメイキング関与の可能性はあるか??」からの引用をご紹介。

そして、憲法感覚・人権感覚:規制の合理性を分析するために、上記の活動全てに共通して必要な感覚ではないだろうか?。(なお、私は昔、ある大物法務担当者に「センセーさあ〜、憲法論を語れない企業法務の弁護士なんてダメだよ!」と言われたことがありますが、今にして思えば深いですね。)

今日にいたるまで、プライバシーが憲法13条だけを頼りにしてきたのも、そういうことですよね。来年、個人情報保護法改正議論が大詰めを迎えるにあたり、上記は改めて刻んでおきたい言葉です。


2.民法



昨年のブックガイドで一度内田民法を選書していらぬ物議を醸してしまい(笑)、川井民法をご案内するという経緯がありましたが、残念なことに、その著者川井先生が今年お亡くなりになりました。民法改正が確実な中、川井先生の本をどなたかが補訂される可能性は低いと思われ、今年第三版が発刊されたばかりの我妻コンメンタールを推薦させていただきます。


3.商法



特に大きな動きがなかったはずの商法ですが、この本には今年も改版が入り第7版に。その必要があったのかは少し疑問。江頭先生って思っていたより商魂たくましい方なのかも…。


4.会社法

株式会社法 第4版株式会社法 第4版
著者:江頭 憲治郎
販売元:有斐閣
(2011-12-19)
販売元:Amazon.co.jp

去年も同じこと言いましたけれども、私は自分使いには『アドバンス 新会社法』推しです。が、定番として最初に1冊選ぶなら、やはりこちらなのでしょう。


5.金商法



BLJのブックガイドでは『ゼミナール 金融商品取引法』がおすすめされてました。たしかにそういう読みやすさも欲しいところですが、1冊となると情報量でこちらを。


6.特許法

標準特許法 第4版標準特許法 第4版
著者:高林 龍
販売元:有斐閣
(2011-12-15)
販売元:Amazon.co.jp

今年は私も特許法を多少学びながら、弁理士の先生方にどの本がいいのか聞きまくったのですが、結果わかったのは、これ!という本はない、ということ。ということで、昨年推薦のこちらをstayしました。個人的には、竹田『特許の知識 [第8版] 』をよく参照しますが、これももう再刷がないようで幻の書となってしまいました。なお、去年twitterで高橋雄一郎先生から、出願は特許庁のウェブサイト、係争向けは高部『実務詳説 特許関係訴訟』というアドバイスもいただいています。


7.意匠法

意匠法意匠法
著者:茶園 成樹
販売元:有斐閣
(2012-04-05)
販売元:Amazon.co.jp

意匠法の基本書自体が少ない中での新し目の書籍として。3Dプリンタも普及しだしたり、ソフトウェアのUIに意匠権が認められる方向性にあったりで、意外にこれから注目の法律になりそうな気がしています。


8.商標法

新商標教室
小谷 武
LABO
2013-06


硬派な方には、小野『新・商標法概説 』なのでしょうけれども、今年はやはりこちら。これまでの商標法の本に無かった、法と実務のスキマをきれいに埋めてくれる良書です。実用書のノリに近いものはありますが、今回はこれを。


9.著作権法

著作権法逐条講義 〈六訂新版〉
加戸 守行
著作権情報センター
2013-08-28


待ちに待った加戸先生の逐条講義の改訂版が今年でましたので、中山先生の『著作権法』と入れ替えました。中山先生の本は2007年刊で、改正に追い付けていないというのもその理由の一つです。


10.不正競争防止法



うーん、相変わらずの不作状態が続く不正競争防止法。昨年推薦した青山先生の本も、在庫が薄いようですのでこちらを。田村先生の『不正競争防止法概説』の改版が待たれます。


11.独占禁止法

独占禁止法
品川 武
商事法務
2013-02-07


今年の新刊本。いつも本棚の中でオレンジの表紙の輝きがひときわ眩しい。規制側の方々が書いた本ということで、どれか一冊となるとやはりこちらかなと。


12.下請法

優越的地位濫用規制と下請法の解説と分析優越的地位濫用規制と下請法の解説と分析
著者:長澤 哲也
販売元:商事法務
(2011-08)
販売元:Amazon.co.jp

こちらも去年からstayです。長澤先生は日経の弁護士ランキング8位にランキングされていました。


(文字数が多くなってきましたが続きます)続きを読む

「eコマース革命」がネットビジネスに与える影響を法務の視点で考えてみた

 
FacebookというSNSができたときも、これはネットビジネスが変わるし法務にも影響があるなあと、しばらくFacebook関連の記事を投稿し続けた記憶がありますが、今回のヤフー/ソフトバンクの「eコマース革命」にも、同じぐらいのインパクトを感じています。

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「C to C」ブームに感じていた違和感


孫正義氏「これまでのヤフーは間違っていた」、EC手数料「無料化」の意図説明(INTERNET WATCH)
孫氏は、「古来より、場を提供する者が利益を得てきた」として、現在でも商業施設に出店するには出店費用が必要であり、eコマースにも出店料や売上ロイヤルティといった場代が存在すると説明。

一方で、ヤフーやソフトバンクグループはインターネットの揺籃期から日本のインターネットがどうあるべきかということを考えてきたが、自由であることが期待されているインターネットにあって、eコマースの分野だけは不自由なままだったと説明。こうした点をヤフーの経営陣と議論していく中で、「ヤフージャパンはこれまで間違っていたということを認めようじゃないか」という結論に至ったとして、「我々はeコマース革命を提案したい。摩擦係数ゼロの世界に発想を切り替えた」と新戦略の意図を語った。

1番目の施策としては「無料」を挙げ、Yahoo!ショッピングではこれまで有料だった出店料(初期費用2万1000円、月額費用2万5000円)と、売上ロイヤルティ(売上の1.7〜6.0%)を無料化すると説明。ヤフオク!についても、ストア出店料(月額1万8900円)や個人の出品時の手数料(10.5円)を無料化する。

昨年のフリーランス時代、テンポラリーなお仕事を含めてITベンチャーをいくつかお手伝いしてきましたが、そのビジネスモデルのほとんどが、「ネットを使って個人に新しい“場”をフリーミアムに提供するビジネス」でした。C to Cというと聞こえは良いですが、要はショバ代ビジネスですね。

そういう案件をお手伝いするたびに、
「これからはC to Cビジネスって言われてますけど、ほんとなんですかね」
「法的には手間がかかってリスクばかり背負ってるわりに儲かる気がしないんですけど、どうやって儲けるつもりですか」
「誰から、いつ、どこで金取るんですか」
「このスキームだと利用規約が免責文言ばかりになってしまうんですが、ユーザーに何の価値を提供しているのか、書けませんか」
「ユーザーはどこがうれしいんですか」
そんな質問ばかりを繰り返していたことを思い出します。

今回のヤフーの発表は、ショバ代ビジネスはインターネットじゃない・そんなものに未来はないと、一刀両断に否定するもの。この一言で、ネットベンチャーの多くが死んだ気がします。


ネットビジネスの生き残る道


ではどこでカネを取るのか。会見では以下のように答えています。

無料化により、ショッピングやオークションではどこで儲けを得るのかという質問には、「広告を中心にしていこうと考えている」として、現在でもショッピングやオークションで出品商品を目立たせるための広告商品を展開しているが、無料化により出品者数が増えることで、こうした広告商品へのニーズが高まることに期待したいとした。

これを読んで、なんだ結局広告なのか・・・昔のインターネットに逆戻りですね、と一瞬がっかりしたのですが、なにかウラがあるのでは?と思い、サービス条件を詳しく読んでみました。すると案の定、こんな条件になってるんですね。

Yahoo!ショッピング eコマース革命、始動!>サービス詳細>料金・費用について>契約プラン

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やっぱり全部が無料じゃないじゃないですか(笑)というのは、孫さんがADSLモデムを配りまくっていた時代から変わらぬ商売をなので特に驚くべきところではないのですが、注目すべきはこの2つ。

・Tポイントの原資負担
・決済サービスの手数料は別途


つまり、「場の提供費用」の代わりに、「パーソナルデータを流通させる費用」と「決済(信用)情報を流通させる費用」へと、課金のスタイルが変わったのだと捉えるべきなのでしょう。情報流通経路の太い幹を抑えているものだけが勝てるビジネスモデルであり、Vodafoneという情報通信インフラ、SBIやクレカ事業等の金融情報インフラを備えた上で、Tポイント(パーソナルデータの流通ルート)やPaypal(決済情報の流通)との提携と布石を打ってきたのは、こういうイメージがあってのことだったのかと、驚かされます。「広告を中心に」と説明したのは、無料イメージを先行させるという意図に加えて、まだ手の内・真意ははっきりと見せたくないということなのかもしれませんね。


ビジネスにおいてカネの取り方が変われば、新しい契約スキームや法的課題も生まれてくるのは間違いなく、法務という立場からみてもこの動きは注目すべき変化だと思っていいます。決済ビジネスがそろそろ来るんじゃないか?となんとなく予感はしていたものの、特にネット界隈の法務で食っている私としては、このビジネスの大変化に取り残されないようにしなければと、一段と気が引締まった2013年10月7日でした。
 

英文で読める法律ブログのサーチ/ディレクトリサービス

 
海外の法律系ニュースをサーチする方法として、私は、有名なLawブログやziteなどのキュレーションサービスから記事ごとに飛んでは、良さげなブログがあればRSSに登録してしばらく様子を見ながら取捨選択していく、というやり方をとっています。結構同じようなことをやってる人はいらっしゃるようです。

そんな矢先、たまたま無料で使える法律ブログのサーチ/ディレクトリサービスを発見しました。


Justia Blawg Search(Justia.com)

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このスクリーンショットのように、人気の法律ブログを日/週/月/All Timesといった軸でランク付けしていたり、Blawg Directlyのページでは専門法律分野/アメリカの州ごと/国ごと/ロースクールごと(?)に整理してくれていたり。もちろん検索窓からtermで検索もできます。

さらには、おまけ的にLegal Birds=twittererのまとめページもあったりします。

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似たようなサービスは色々見てきましたが、こちらが一番軽くて一覧性もあって使い勝手が良いように思います。

日本も人口の割に法曹関係者のブログ・twittererが増えてきたように思うこのごろ。しかしこの圧倒的な量を見るにつけ、特にアメリカの法曹関係者の裾野の広さを感じますね。
 

『インハウスローヤーへの道』で紹介されている米国最高裁傍聴アプリ“PocketJustice”がすごい(動画紹介付き)

 
Lexis Nexis書籍編集部のY様より、『インハウスローヤーへの道』をご恵贈いただきました。ありがとうございます。


インハウスローヤーへの道
梅田 康宏
レクシスネクシス・ジャパン
2013-07-29



ローヤーではない私はこの本の「お役立ち度」については評する立場にはありませんが、採用する側の企業法務部の立場で読んでいても、まったく違和感はなかったので、インハウスローヤーを目指されるみなさんがお読みになっても、企業法務部の実情がしっかりと伝わる本になっているかと思います。

また、企業の選び方として“「業界」軸で選ぶべし”と論じられている部分に共感します。法律職の場合は、所属する業界で磨ける専門性→将来の選択肢が絞られもしますし、なおさら業界にはこだわるべきでしょう。私から付け加えることがあるとすれば、BtoBビジネスよりもBtoCビジネスを選んだほうが、取り扱う法律分野の幅・有資格者としての活躍の場(訴訟、行政との折衝、内容証明等の数)・クレーム対応等を通しての現場との一体感は得やすいと思います。

そのように業界軸に重きをおいていることもあって、大手企業の所属弁護士数データも業界ごとに表でまとめられています。ふつうは在籍弁護士数が多い上位企業だけが紹介されるところ、あえて在籍0人の企業も載せているところが素敵です。弁護士会の検索システムで社名を入れて検索して0人と出ても、本当にこの会社が?と疑ってしまうのですが(事実、インハウスでありながら特殊な登録の仕方をされている方もいると聞きます)、組織内弁護士協会調べで0人ならば、たぶん間違いないのでしょう。

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さて、前置きが少し長くなりましたがタイトルの件。

この本の第4章「インハウスローヤーに求められる能力」の「英語力」に関する項で、こんなアプリが紹介されていまして、これに本当にびっくりしてしまいました。

私が法科大学院生や司法修習生にお奨めしたいのが「PocketJustice」というアプリです。これは、英会話用のアプリではなく、米国連邦最高裁の過去の著名事件の口頭弁論(Oral Argument)を自由自在に聞けるという米国製のアプリです。
このアプリで口頭弁論(Oral Argument)を繰り返し聞いたり、シャドウイングをしたりすることで、リスニング能力が上達すると同時に、法律用語も分かるようになります。各種解説や関連情報も充実していてたった1ドルのアプリですので是非試してみてください

650を超える著名事件の最高裁判例サマリーが検索できる・・・だけでなく、なんと口頭弁論の丁々発止がストリームで読み聞きできるというこのPocketJustice。質問する判事、応答する検察官・弁護士の顔写真とスクリプト付きでスクロールしていくので、現在地点を見失うこともありません。録音状態もクリアで臨場感もばっちり。ネット上でこのアプリの紹介動画がないか探したのですが、どうやらないようです。そこで、ネット関連の判例からReno v. ACLUを選んで、自分でストリームを動画にとってみました。百聞は一見にしかずです。


法律的に必ずしも正確な描写ではないことの多い法廷ドラマを見て英語漬けになろうとするぐらいだったら、こちらのほうが本物だけあってスリリングですし、情報(単語)の密度も高いです。自分の興味分野の判例を選んで、現場の生の英語を見聞きしながら法律と英語の両方を学べるなんてすごい!

いいものを紹介していただきました。
 

本当はコモン・ローな国ニッポンの企業法務に求められる“感性”

 
某国SUPREME COURTの正面玄関にて撮影。

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コモン・ローベースの外国法に触れる機会があるたびに思うのは、学者や実務家が法律を解説してくれる書籍が全く無く、あるのは判例の研究書ばかりだということ。条文の解釈ではなく、積み上げられて作られていく慣習によって裁くのがコモン・ローなのですからそれも当然。困ったときには本を探せば大抵条文解釈が文字になっていて、すぐに答えが分かった気になれてしまう日本とは大違いです。

そうしてコモン・ローとはなんぞや(私にはそれを語る資格も学もありませんが)みたいなことをきっかけに最近思ったのは、ここ成文法の国ニッポンの企業法務もコモン・ロー的感覚をもっと意識したほうがいいのではということ。すなわち、法律の条文や解釈だけでなく、人間社会やビジネスの世界で起きている現実や色々な人の物の見方を多く知った上で、自社がやろうとしている行動・事業が世の中に出たときにどのように捉えられるのか・裁かれるのかを正確に掴む“感性”がこれまで以上に求められていくんだろうなあ、ということです。

「個人情報保護法がザルな条文だから、“パーソナルデータ”は自由に使っていいという事業者がでてくるんだ。是非を判断するプライバシーコミッショナーを置け!」
「著作権法が硬直的な法律だから、イノベーションが生まれないんだ。フェアユースを認めろ!」

法律に書いてないのが悪いだの法律に書いてあるから息苦しいだのと、こういう議論を見かけるたびに、日本法も成文法主義を辞めちゃったほうがいいよねと半分本気で思うのですが(笑)、しかし、

企業行動が「世の中にとって悪いこと」と捉えられる

まずネットで炎上する

数ヶ月してマスメディアが取り上げる

1年後ぐらいに行政が指導・規制に乗り出す

(事案によっては)数年後法律・条例が制定・改正される

というパターンが繰り返されているここ最近の状況は、今ある法律の条文にそれが書いてあるかとは関係なく、ある意味社会システム全体が判例法主義の国の裁判所のように条文にないことすらも裁いていくという意味で、結果としてはコモン・ローを採用しているようなものかもしれません。そういえば2009年から開始(復活)した陪審員制度だって、コモン・ロー由来のものですしね。

とすると、企業法務が磨くべき"感性”は、具体的に言えば、まずは上記フローのスタートに位置するネットでの炎上可能性を冷静に見極められる目とほぼイコールといっても過言ではないのではと。ネットで炎上したからってなんぼのもん、そんなのにビビってどうする、ほうっておけという考え方もあるとは思いますが、その後に控えるマスメディア・行政・法改正というアンコントローラブルなものを相手にする大変さと比較すれば、タバコの火の不始末の防止・それが発生してしまったときの初期消火にあたるここにフォーカスするのが、現実的かつ重要なのではないかと考える次第です。
 

おすすめ企業法務系ブログ15+α選

 
海外の法務ニュースサイトにて、ブログランキング記事を立て続けに目にしました。なぜ今なのかは全くわかりません。

Top 10 in Law Blogs: Elizabeth Warren, UK Social Media Law, Alternative Workweeks
Top 30 Law Blogs of 2013

ということで、私も久しぶりにブログのご紹介をしてみようかと思います。法務系の国内ブログは、私が捕捉している範囲で120程度ありますが、今日現在も着実に更新され私が楽しみに拝読している企業法務系ブログをコメントを添えてご案内してみました。あの有名ブログが抜けてるよ?と思われる方もいらっしゃると思いますが、私の趣味であえて紹介しないブログもありますから、その辺はご容赦くださいませ。
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本格派の企業法務系ブログ15選


1.Footprints
http://d.hatena.ne.jp/redips/
今企業法務ブログ界でNo.1ブロガーの称号は伊藤先生にこそ与えられるべきでしょう。8年という長さもそうですが、例えば去年のファーストサーバ社事件など、断定的なコメントをするのが難しい話題も取り上げて正面から意見を述べていただけるのは、本当にありがたいです。

2.IT判例メモ
http://d.hatena.ne.jp/redips+law/
伊藤先生ブログの別館。IT系の判例を、実務家ならではの端的な短評を加えて紹介してくださるブログ。しかもカテゴリごとのソーティングもあり探しやすくて助かります。ところで心配なのはこれだけの貴重な資料がはてなダイアリーだってところですかね。はてなが傾く前に(ry

3.弁護士植村幸也公式ブログ: みんなの独禁法。
http://kyu-go-go.cocolog-nifty.com/blog/
その名のとおり独禁法領域専門ブログ。更新頻度こそ高くありませんが、アップされるひとつひとつのエントリが「そこいままさに悩んでるんだけど、どの本も触れてくれてなかったです・・・」なポイントをついて解説してくださいます。特に昨年からの景表法まわりの解説は、実務でも大変助けられています。

4.企業法務戦士の雑感
http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/
法律論を起点としながら世の中を舌鋒鋭く斬るジャーナリズムを備えているブログ。私の拙いブログ記事にも何度かツッコミが(汗)。著作権を中心に知財ネタを主に取り上げていらっしゃいます。

5.司法書士内藤卓のLEAGALBLOG
http://blog.goo.ne.jp/tks-naito
すばらしい感度と速度で実務に影響を与える会社法関連ニュースをピックアップし一言解説を加えてくださるブログ。ニュースソースがtwitterやネットだけじゃない感があり、どのように法律情報を集めていらっしゃるのか、とても興味があります。

6.弁護士川井信之のビジネス・ロー・ノート
http://blog.livedoor.jp/kawailawjapan/
機関法務と民法改正の話題が中心。言葉を選んでいらっしゃるようで批判的精神も垣間見えるそのブラックな面影が好きです。

7.栗ブログ
http://www.techvisor.jp/blog/
Appleのパテント紛争などの海外ニュースを中心に、特にtwitterで話題になっているテック系ニュースをいち早く取り上げて分析してくださいます。

8.アニメキャラが行列を作る法律相談所withアホヲタ元法学部生の日常
http://d.hatena.ne.jp/ronnor/
法律書評系ブログ、でありながら単なる紹介にとどまらず、関連する実務上のポイントを具体例を示しながら詳しく解説してくださるのが特徴です。

9.知財渉外にて
http://ipg4000.blog45.fc2.com/
特許法を中心とした知財ブログ。私が著作権・ライセンス以外の知財実務に疎いこともあって、ご紹介頂くネタ・本すべてが新鮮に映ります。

10.名古屋の商標亭
http://blog.goo.ne.jp/aigipattm
上の知財渉外にてさんでご紹介されていて知ったその名の通りの商標特化型ブログ。超実務的で、一つ一つのエントリがオリジナリティにあふれ読み応えがあります。

11.matimulog
http://matimura.cocolog-nifty.com/
情報ネットワーク法学会を中心にご活躍される町村先生のブログ。ネットワーク法はもちろんのこと、憲法・刑法系の時事ネタにも反応されるので、更新頻度が高いです。

12.::::弁護士 川村哲二::::〈覚え書き〉::::
http://stuvwxyz.cocolog-nifty.com/blog/
消費者法関連のニュースを中心にすばやく解説、紹介してくださるブログ。最近はFacebookページの方を中心に更新されているご様子。

13.日々、リーガルプラクティス
http://ameblo.jp/legal-practice-in-house/
BAR合格を目指す日本企業の法務パーソンから見た英文契約実務に関する疑問の目線とその分析が、とても参考になります。

14.企業法務について
http://blog.livedoor.jp/kigyouhoumu/
去年は毎月一本、死にそうになりながらプレゼンをアップしてました。今年前半は『利用規約の作り方』の発売にあわせて利用規約ネタを頑張って投下していましたが、最近はあまり頑張ってないみたいです(笑)。

15.dtk's blog (ver.3)
http://dtk.doorblog.jp/
外資系企業での法務の日常をメモされているブログ。毎日更新されているのは、読んでいる側として驚くばかり。


・・・紹介しているとだんだんきりがなくなってきたのでこのへんで打ち止めにしようと思いますが、共通しているのは、みなさん(途中でブログサービスを乗り換えられたりしているものの)長いこと続けていらっしゃるって点ですね。すごい。
と、ベテランぞろいになってしまうのもなんだか面白みがないよ、とおっしゃる方もいらっしゃるかと存じますので、今年に入ってブログを開始してくださった方々の中で、私が注目しているみなさまも、応援方々ご紹介させてください。

付録 期待の新興ブログ


・AZX Super Highway(AZXブログ)
http://www.azx.co.jp/blog/
契約書ひな形をウェブサイト上で全公開するなど、日頃からサービス精神旺盛なAZXさんのブログ。きっと宣伝色の透けて見えるよくあるダサい法律事務所ブログとは違うユニークなブログに育ってくれるはずです。

・kengolaw
http://kengolaw.tumblr.com/
IT法領域からArtの領域にフォーカスしていると思われるブログ、独特な視点と語り口。よろしくお願いします( ´ ▽`)ノ

・lawyerfuru's blog
http://lawyerfuru.hatenablog.com/
lawyerfuru弁護士のブログ。ご本人からは「あくまで自分の備忘録ですから」とのコメントをいただきましたが、渉外のプロがどのような目線で業務に取り組んでいらっしゃるのかは滲み出てくるはずで、貴重なブログになるはずと期待しています。

・生貝直人の情報政策論
http://bylines.news.yahoo.co.jp/ikegai/
今週はじまったばかりでまだどんなブログになるかまったく不明ですが、情報法、とくに政策論で若手研究者No.1の呼び声が高い生貝先生のブログ。これは注目せざるを得ないでしょう。


以上のブログを抑えていれば、ビジネスと法律のかかわり、企業法務界隈での話題・目線はだいたい掴めるのではないかと思います。私のブログも、品質では上の方々には歯がたちませんが、少しでも法務に興味を持って下さるビジネスパーソンのお役に立ったり新しい目線を提示できるべく、日々之精進する所存です。消尽しないようにマイペースで・・・。
 

2013.6.1追記
一部ご紹介文について修正のご依頼を受けましたので、これにあわせて全体を修正させていただきました。
 
2014.11.9追記
一部URLが変更になっていたブログがあったため、修正しました。
 

新入法務パーソンのためのブックガイド

 
この春から、新社会人として就職され法務部門に配属になった方、または異動・キャリアチェンジによってあらたに法務部門配属となった方のために、(弊ブログがいつもご紹介している法律書や実務書ではなくその手前の)法務パーソンとして実務に携わるにあたっての基本姿勢や基礎知識が学べる本を、何冊かご紹介してみたいと思います。

私も、これらは仕事で悩むたびに都度救いを求めて出会った本に過ぎず、最初から全部読んでいたわけではありません。「私自身が配属当初に出会えてたらよかったなあと今思う本のリスト」といったほうが正しいかもしれませんね。

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1.法務の型を知る


スキルアップのための 企業法務のセオリー (ビジネスセオリー 1)スキルアップのための 企業法務のセオリー (ビジネスセオリー 1) [単行本]
著者:瀧川 英雄
出版: レクシスネクシス・ジャパン
(2013-01-29)

発売当初簡単な書評も書かせていただきましたとおり、高度に・網羅的に・体系化された「法務業務標準マニュアル」です。これ1冊あれば、法務業務をまっとうするにあたってのハウツーはほぼ漏れ無く網羅できます。
じゃあもうこのブックガイドいらないじゃんって話なんですが(笑)、この本で語られているそれぞれのパートを肉付けするのが、以下ご紹介する8冊といったところになります。


2.法律の役立ち方・役立て方を知る


法務担当者のためのもう一度学ぶ民法(契約編)法務担当者のためのもう一度学ぶ民法(契約編) [単行本]
著者:田路 至弘
出版: 商事法務
(2009-09)

ビジネスにおいて、法律が具体的にどう関わるのか・役立つのかを、企業活動において発生する契約・訴訟の側から条文にアプローチすることでわかりやすく示してくれる本。
タイトルだけを読むと、民法を勉強し直す(だけの)本のように見えてしまうかもしれませんが、決してそうではありません。特に第1章では企業活動にまつわる法体系の概略を、第7章では企業としてとりうる紛争解決手段に関わる法制度の概要にも触れられています。企業活動のシーンごとに法律がどのように役立つのかについてイメージできるようになり、経験のなさを多少なりとも補ってくれるはずです。


3.法律の学び方を知る


民法案内1 第二版: 私法の道しるべ民法案内1 第二版: 私法の道しるべ [単行本]
著者:我妻 榮
出版: 勁草書房
(2013-02-25)

民間対民間(消費者)というビジネスの世界を支える「私法」の学び方を学ぶ本。
法学部新入生向けに書かれた本であり、また、法学部や法科大学院で真面目に法学を履修した方にとっては何を今さら、という話ばかりかもしれませんが、法律の基本原理/法解釈の方法/判例との付き合い方といった、実務を通して法律を深く研究していくにあたって知っておきたい常識やテーブルマナー的なところをコンパクトに・講義調の読みやすい文章で読めるところがありがたいです。類書はたくさんありますが、著者の信頼度からいってもこれがベストでしょう。


4.法律の調べ方を知る


リーガル・リサーチ第4版リーガル・リサーチ第4版 [単行本]
著者:いしかわまりこ
出版: 日本評論社
(2012-04-18)

さて、私は最近、法務パーソンは一流の法務パーソンである前にまず一流のリサーチャーであるべきだと思っています。法律の当てはめには要件事実の確からしさが大前提となることからもそれは間違いがないところでしょうし、その重要性(と同時に危険性)については、『企業法務のセオリー』第2部でもリーガルリサーチが一つの章として取り上げられているほどです。
このことについてはまたいつか改めてエントリを立てて述べるとして、では法務業務において行うべきリサーチとは何か、そしてどこにどんな情報源・情報収集手段があるのかをまとめてくれているのがこちらになります。信頼できる情報源には有料のものも少なくないのですが、無料でもこんなにリサーチができるのかといった気づきも得られます。


5.法律文書の作成の仕方を知る


法律文書作成の基本  Legal Reasoning and Legal Writing法律文書作成の基本  Legal Reasoning and Legal Writing [単行本(ソフトカバー)]
著者:田中 豊
出版: 日本評論社
(2011-02-20)

法務の大事な機能として、対外に発信する文書を作成したりレビューしたりする仕事があります。しかし、それが最初からきちんと出来る人、そのための専門的な訓練を受けたことがある人はごく一握りですから、先輩の指導や実践の中で叩かれながら、自ら言語運用力・文書作成力を磨いていくしかありません。そのビジネス法律文書の「書き方」を学ぶまとまったテキストとしては、この本がもっとも硬派で確かなものかと思います。
しかし、その硬派さゆえ、法科大学院や司法修習を受けた方でもないと、読みこなすのは難しい本だと思います。実際、私はいまだ読みこなせていません(ゆえに発売当初に購入したにもかかわらず、今日にいたっても書評すら書けていません)。しかし、この本を読みこなし使いこなせるだけのレベルが、本来法務パーソンに求められるレベルなのだと思います。


6.法律用語の意味を確かめる


有斐閣 法律用語辞典 第4版有斐閣 法律用語辞典 第4版 [単行本]
出版: 有斐閣
(2012-06-25)

法律文書を正確に読み解くためには、正しい法律用語を知るところからがスタートです。知ったかぶりによる間違いや見過ごしは、法務という職業においては恥ずべきこと。そんな言葉も知らなかったの?と先輩社員や相手方法務に馬鹿にされないためにも、法律用語辞典は1冊身近に置いておきましょう。有斐閣の法律用語辞典のいいところは、純粋な法律用語だけでなく、一般ビジネス用語(「ITU」「デリバティブ取引」「当期損益」など)が収録されていて、国語辞典・広辞苑的にも使えるところ。
私はこちらをiPhoneアプリ(デ辞蔵)で購入して持ち歩いています。これだといつでもどこでも調べられますし、相手にこっそり調べていることを気づかれずに済みます(笑)。


7.法令・契約用語の使い方を確かめる


法令用語の常識 改訂版 (セミナー叢書)法令用語の常識 改訂版 (セミナー叢書) [単行本(ソフトカバー)]
著者:林 修三
出版: 日本評論社
(1958-11-21)

特に法律文書、契約書を書く状況において、法令・契約用語の使い間違いは致命的なダメージを発生させるおそれすらあり避けなければなりません。初心者のうちは特に、うろ覚えであれば確かめながら書く、という姿勢でありたいものです。
この手の法令・契約用語の使い方本も数多ありますので、自分に合いそうなものをえらんでいただければよいかと思いますが、ここでは、官僚が教科書代わりに使うほどの定評があると聞くこの本をご紹介しておきます。


8.条文・判例を確かめる


有斐閣判例六法Professional 平成25年版有斐閣判例六法Professional 平成25年版 [単行本]
出版: 有斐閣
(2012-11-22)

条文に当たることの重要性は、言っても言っても言い足りません。あわせてその判例に当たることも重要。ということで判例付き六法の新定番となりつつあるこちらを。
早く出てこいiOSアプリ版!


9.会社(法人)とは何かを知る


会社はこれからどうなるのか (平凡社ライブラリー い 32-1)会社はこれからどうなるのか (平凡社ライブラリー い 32-1) [単行本]
著者:岩井 克人
出版: 平凡社
(2009-09-11)

最後に、ちょっと異質な本を一冊。企業活動の主体である会社(法人)とは何か?を理解することはとても重要なことであり、ビジネス上の会話の大前提のはずなのですが、それを明快に答えられる法務パーソンは実は少ないのではと感じることがあります。社会人経験を通して語れるようになるものではありますが、労働法に従った雇用契約を締結し、会社(法人)を主語とする文書を書き、会社法その他の法律を遵守して経営をサポートする私たちが、足りない経験は知識で補ってでも早いうちに解消するに越したことはありません。そのための本として私がお薦めするのがこの本です。
文庫化の前の単行本が出されたのは2003年と10年前だったにもかかわらず、当時の見通しが現在見事に的中しているところ(「「今後NPOがますます大きな役割を占めるようになるだろう」と述べている点など)からも、本質をついた間違いのない一冊と思います。


本は力


以上いずれも最初から手元に置いて損はない本であり、読めば血肉になる本だと思います。といっても、すべてを一気に揃えるのはおサイフの問題もあるかもしれません。そんな方はまず『企業法務のセオリー』と『判例六法Professional』から購入し、業務の中で先輩に指摘された自分の弱点を自覚しながら、その課題となったところから買い足していってはと思います。

私がおすすめした本がベストかどうははさておいても、法務パーソンにとって本は武器であり、蔵書量の差は戦力の差となる。これだけは間違いがないでしょう。私はかつての恩師に、蔵書を増やせば増やすほど法務パーソンとしての力量も自然に上がるものだと口酸っぱく言われたにもかかわらず、まったく本を買いませんでした、恩師の下から離れてこのブログを書くようになり実際に本を買う習慣がついて数年、やっとそのことを実感できるようになって、もっと早くその習慣を身につけていればと後悔したものです。法律書籍は概して値の張るものですが、できるだけ自分のお金で、自分の手元に本を揃えていくことをお勧めします。本は力。私が新入法務パーソンのみなさまに私から何かアドバイスさせていただけるとしたら、唯一、そのことだけかもしれません。
 
私自身、このエントリを書きながら、これらの本をもう一度読みなおし、初心に帰っているところです。
 

『電子商取引及び情報財取引等に関する準則』の正しいファイリング法

 
IT系・ウェブサービス系企業の法務の人はもちろん、仕事でインターネットを使っているなら必ず抑えておきたい文書の一つが、経済産業省の『電子商取引及び情報財取引等に関する準則』。電子商取引に関わる法律解釈の論点について、あくまで行政の立場から整理したものではありますが、条文や裁判例などもしっかりと引用されていて、有用な文書かと思います(といっても直近の11月改訂については、ビジネスロー・ジャーナル2013年 03月号P58-61で、森亮二先生や上沼紫野先生らから「もうちょっとわかりやすく書けないもんですかね」と、厳しいツッコミも入ってましたが…苦笑)。

しかしこれ、最新の平成24年11月版で323ページもあって、印刷してファイリングすると結構な量と厚みになります。前の職場ではこれだけで一冊2穴キングファイルにファイリングして使ってましたが、それでも2穴部分が破けてきたりして。最近はハンドリングに困って最近は必要なときだけPCやiPad上で検索しながら我慢して見ていました。ところが、中途入社新人のレクチャー用教材としてこれを使う必要が生じ、やむなく私の分と併せて2冊分、印刷してキングファイルに綴じておくように本人にお願いしたら・・・なんとこんな仕上がりに!

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両面印刷 × 30穴 × プラスチック製の表紙&背表紙付き。
これですと、キングファイルに綴じるのと違って、
・破けないし、
・ファイルの厚みがない分邪魔にならないし、
・フルフラットで見開きも折り返しもでき書き込みもしやすいし
と、とっても快適。
私がレクチャーをする立場ではありますが、こうやって印刷してじっくり読みなおしてみると、今まで見逃していた記述・新たな発見もあり、やはり参考になります。

キンコーズにPDFを送ってリング製本で発注するだけ。仕上げまでの費用は4,000円ちょっと/冊。紙代・トナー代のみならず印刷と穴あけにかかる自分たちの手間と賃金も考えると、これならその価値はありますね。コストパフォーマンス的にもすばらしい。

オススメです。
 

法務部のための基本書ブックガイド2013 第二版

 
さて、今年もビジネスロー・ジャーナルのブックガイドの季節となりました。今回は、ネット界隈でよくお見かけする企業法務部門の方・弁護士の方が数多く登場され、ご自身の得意分野に関する本をおすすめされています。


BUSINESS LAW JOURNAL (ビジネスロー・ジャーナル) 2013年 02月号 [雑誌]BUSINESS LAW JOURNAL (ビジネスロー・ジャーナル) 2013年 02月号 [雑誌]
販売元:レクシスネクシス
(2012-12-21)
販売元:Amazon.co.jp
 

恒例の匿名座談会形式の分野別批評会は、法務経験10年超のベテラン揃いということもあってか、例年よりもかなり辛口の意見・ダメ出しが目立って、何もそこまで言わなくてもと読んでいるこちらがドキドキしてしまいました。ネット上の発言と符合して発言者が特定できるコメントもあって、あれ、匿名座談会の意味が・・・という意味でもドキドキ(笑)。

今回紹介されていた235点に関しては、例年より私の蔵書との被り率が高く(それとも今年私が買い過ぎた?)80%超は持っている本でしたが、それでも書店にない絶版本などがちらりと紹介されているのは大変にありがたいもの。今回も、契約法務編で紹介されていた原明彦先生の本などは、早速中古が品切れにならないうちに速攻でamazonさせていただきました。

・・・

さて、ビジネスロー・ジャーナルのブックガイドの季節になると、便乗して勝手ブックガイドを毎年展開している弊ブログ。一昨年は英文契約が書けるようになりたい人のための、そして昨年は法務じゃない人のためのブックガイドを書きましたが、今年はストレートに「法務部のための基本書ブックガイド」を作りました。その場を乗り切るための攻略本的な“実務書”ではなく、法務部門の書棚に常に置いて何度も紐解きたい“基本書”の中からあえて選書するという企画です。

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2012.12.23 第二版追記

そもそも、会社・職場において「基本書」を常備すべきなのか?について、企業法務戦士さんからtwitterで以下コメントをいただきました。


12/22にアップした本ブックガイド初版では、ここまでの差異を意識せずに混在させて作成していました。とは言え、各法について逐条解説・コンメンタール数十冊をいきなり揃えるというのも、予算・置き場所を含め会社の理解を得るのは難しいと思います。そこで本ブックガイド第二版ではその間をとって「実務で辞書的に使うのに耐えうるレベルの書」と再設定し、リストの見直しを行ないました。



1.憲法

憲法 第五版憲法 第五版
著者:芦部 信喜
販売元:岩波書店
(2011-03-11)
販売元:Amazon.co.jp

さすがに憲法のコンメンタールを職場に置くのはtoo much、とはいえプライバシー権等を語る上で何も無いのも心細い、ということで1冊置くとすれば定番のこれ。


2.民法

民法概論〈3〉債権総論民法概論〈3〉債権総論
著者:川井 健
販売元:有斐閣
(2009-04-03)
販売元:Amazon.co.jp

当初このブックガイド初版で内田民法を挙げたところ、「わかったような気にさせるが実はわかりにくい」「自説を通説のようにミスリードさせる」「学説・判例等の網羅性に欠け実務には耐えない」等多数のご批判をいただきました(汗)。
新板注釈民法を揃えられない、ただし総則〜債権各論まで全分野がカバーされていることを条件としてどれを選ぶべきかという選択肢の中で、法律実務家の間で支持が高かった/否定的意見がなかったのが川井民法です。これでなければ我妻・有泉コンメンタールという意見が大多数。


3.商法

商取引法 第6版 (法律学講座双書)商取引法 第6版 (法律学講座双書)
著者:江頭 憲治郎
販売元:弘文堂
(2010-04-06)
販売元:Amazon.co.jp

会社法と完全分離した後はめっきり存在感のない商法からはこちら。やや実務書的なノリもあるものの、やはり通説・判例との紐付けを確認する本として。商法(商行為法)とは直接的には関係のない電気通信事業法や保険法についても触れられています。


4.会社法

株式会社法 第4版株式会社法 第4版
著者:江頭 憲治郎
販売元:有斐閣
(2011-12-19)
販売元:Amazon.co.jp

私は自分使いには未だにアドバンス 新会社法推しだったりするのですが、法務部門に備えるならより網羅的なこの本という結論に。もちろん、コンメンタールを揃えられる環境にある方はそちらで。


5.金商法

アドバンス金融商品取引法アドバンス金融商品取引法
販売元:商事法務
(2009-04)
販売元:Amazon.co.jp

金融や投資会社勤務の知人に聞いたところ、千差万別違う回答をいただいてしまいまったくまとまらなかった金商法。最後は私の趣味で、1冊で完結しかつ辞書的に使えるものとしてこちらを。


6.特許法

標準特許法 第4版標準特許法 第4版
著者:高林 龍
販売元:有斐閣
(2011-12-15)
販売元:Amazon.co.jp

私は特許には強くないため、てっきり中山先生の本が定番だと思っていたのですが、社内弁理士をつとめる某先輩に伺ったところ、「今やスタンダードの基本書としてはこちら」との貴重なアドバイスをいただきました。
twitterでは出願は特許庁のウェブサイトで十分、係争向けは高部『実務詳説 特許関係訴訟』とのご意見もありました。


7.意匠法

意匠法意匠法
著者:茶園 成樹
販売元:有斐閣
(2012-04-05)
販売元:Amazon.co.jp

こちらも前述の某先輩からご教示いただいたもの。意匠法の基本書自体が少ない中、今年発刊というのも魅力的。意匠法なんて関係ないやと思っていたんですが、この前さっそく検討する機会がございましたよと。


8.商標法

商標法講義商標法講義
著者:西村 雅子
販売元:発明協会
(2010-04)
販売元:Amazon.co.jp

商標法も基本書っぽいものが少ないだけにどれを選択するか悩ましい分野です。網野先生の『商標』ですかね?と皆さんに問いかけたら「さすがにあの本は実務とのヒモ付が・・・」とたしなめられた次第。結果、こちらが選ばれました。


9.著作権法

著作権法著作権法
著者:中山 信弘
販売元:有斐閣
(2007-10-15)
販売元:Amazon.co.jp

加戸『著作権法逐条講義』が先、という声もありますが、実際業務で紐解く頻度でいけばこちらの方が高いと思われます。これだけで足りるとは思いませんが、この本が法務部にない状態は想像できないですね。ただし2007年刊。そろそろ改訂されないのでしょうか。


10.不正競争防止法

不正競争防止法不正競争防止法
著者:青山 紘一
販売元:法学書院
(2010-11)
販売元:Amazon.co.jp

実務では結構使うのに、基本書の空白地帯であることが改めて明るみになったこの不正競争防止法。度重なる法改正にキャッチアップできているのは、青山先生のこれか『逐条解説』かのほぼ2択状態。経産省ウェブサイトにある解説で十分との声の他、Google+で色々とコメントをいただく先生方からは田村『不正競争法概説』、竹田『知的財産権侵害要論 (不正競業編)』、小野『新・注解 不正競争防止法』のお薦めが。私としては、田村先生に改訂版を出していただきたいです。


11.独占禁止法

独占禁止法 第2版独占禁止法 第2版
著者:白石 忠志
販売元:有斐閣
(2009-09-07)
販売元:Amazon.co.jp

独占禁止法については白石先生で異論がでなかったあたりに、人気の高さが伺えます。私なぞは、読んでいてその頭の明晰さにクラクラしてまだ本当の凄さに気づけていない気がします。
なお、当初このブックガイド初版では『独禁法講義』を挙げましたが、より辞書的なこちらに差し替えました。


12.下請法

優越的地位濫用規制と下請法の解説と分析優越的地位濫用規制と下請法の解説と分析
著者:長澤 哲也
販売元:商事法務
(2011-08)
販売元:Amazon.co.jp

下請法に関する書籍をブログでよく取り上げられていらっしゃるdtkさんもイチ推しの長澤先生のこちら。公取のせいで面倒くさい思いばかりが先立ってしまう下請法に、独禁法の流れからしっかりと論じて下さる良書。


(文字数が多くなってきましたが続きます)
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『ビジネス法務』2013年1月号に寄稿しました

 
中央経済社『ビジネス法務』2013年1月号の特集“法務部員の弱点克服&スキルアップ”に、企業法務マンサバイバル管理人という肩書きで、「スマートデバイス、SNS、ブログを使いこなしたIT活用術」という記事を寄稿させていただきました。


ビジネス法務 2013年 01月号 [雑誌]ビジネス法務 2013年 01月号 [雑誌]
販売元:中央経済社
(2012-11-21)
販売元:Amazon.co.jp


特集の鏡表紙に、弁護士の先生方に並んで素人が一人混ざっております・・・(笑)。

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6ページに渡り、1日のタイムスケジュールに沿って、私が実際にルーティンでやっている法務系の情報収集・発信についてつらつらと。

足繁くチェックしてくださる方は、このブログが朝更新されることが多いのにお気づきかもしれませんが、私は基本的に夜にインプット→朝はアウトプットというサイクルを意識しています。本記事ではそのサイクルにそって、具体的にどのツールを使ってどのような情報源にアクセスしているのか、そして発信にあたって心がけていることは何なのか、それによって得られたことなどを、私自身の経験に基づき書いています。

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本日11月21日発売です。是非お手にとってご笑覧ください。
 

【本】クラウドビジネスと法 ― 法律家が語りたがらなかったRMT/ID冒用/ソーシャルレンディング/決済代行vs為替取引に切り込む

 
秋のIT系法律実務書祭り、第二弾としてご紹介するのがこちら。今年7月24日のSOFTICクラウドセミナーで発刊がアナウンスされてから3ヶ月、首を長くして発売を待ちわびていたところ、発売日前に第一法規さまからご献本を賜りました。ありがとうございます。


クラウドビジネスと法クラウドビジネスと法
販売元:第一法規株式会社
(2012-10-29)
販売元:Amazon.co.jp



インターネット新時代の法律Q&A』が“広く漏れなく”に重きを置いたレイトマジョリティ向けの作りになっているのに対して、こちらは対象的に“ピンポイントに深く”に重きを置いたアーリーアダプター向けの本、と言ってよいでしょう。この分野に一家言もつ弁護士が最先端課題について掘り下げた論文集といった趣きもあり、読み応えがあります。

タイトルとなっている「クラウド」の法的問題に関して、既に多数発刊されているクラウド法務本がさらっと流して逃げてきたポイントにむしろ突っ込んだ検討がなされている点に特徴があります。企業のクラウド採用に二の足を踏ませているデータ差押えの問題/ボーダレス化に伴う準拠法の取扱い問題に対する論稿がまさにそうですし、より先取り感・新味のあるところでは、特許権への抵触リスクに対する論稿もあります。

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さらに続く後半には、クラウドとは切っても切れないオンラインビジネスに関する論稿もあわせて収められているのですが、私はこの後半に収められた以下4つの論稿に惹きつけられてしまいました。
  • RMT(リアルマネートレード)に対する対応
  • IDパスワードの冒用と「本人利用みなし条項」の有効性
  • 匿名組合型ソーシャルレンディングの法律問題
  • 決済代行ビジネスと「為替取引」規制
上2つは私が身を置くIT×エンタテインメント業界において課題とされながらも長きにわたり解決策が見いだせていない領域のお話。そして下2つは、今まさにネット上の電子マネーがリアルマネーの量を上回らんかという中で答えを求められている領域の話。これらのアンタッチャブルな領域にこのタイミングで突っ込んでいるところに、この本のチャレンジ性がよく表れています。以下は、RMTについての「小括」部分(p162)からの抜粋。

以上をまとめると、ゲーム・プロバイダによるRMT事業者に対する法的対応の可能性を検討すると、以下のとおりである。RMT事業者が自らアカウントを取得している場合には、利用規約違反行為として、利用規約に基づく制裁が可能である。⊆らアカウントを取得していなくとも、第三者を通じてゲーム内で迷惑行為等を行う場合には、不法行為による対応が可能である。ゲーム内で問題行為を行なっていなくとも、ユーザーに対して仮想通貨・アイテムの譲渡を積極的に呼びかける場合には、債権侵害の不法行為が成立する可能性がある。RMT行為を著作権ないし著作者人格権侵害とする主張が認められる可能性は低い。

日夜このRMT問題に気を揉んでいるオンラインゲーム業界の方々には、ここを読んだだけでも、この本の価値が伝わるのではないでしょうか。

法も規制なく判例もほとんどないこれらのテーマについて今言及するのは、法に基づきアドバイスをする弁護士としても、そしてできれば息長く売れる無難な本に仕上げたい出版社としてもつらいところだったと思いますが、こういうチャレンジをしてくださる弁護士であり出版社だからこそ、支持が集まるというところもあると思います。さらには、上記4テーマのうち3つが英知法律事務所の森亮二先生の手による論稿であるという点も、言及をしておきたいところです。SOFTICクラウドセミナーの資料にも森先生が「続きは新刊本で」と煽っていらっしゃった様子が残っているように(以下当日の資料)、それだけこの論稿に力を注がれたということでもあるのでしょう。森先生の各所での精力的な執筆活動に、我々IT業界の法務パーソンは助けられているなあと。

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そろそろ書店にも並ぶ頃かと思います。秋の夜長にしっかりと読み込む価値のある本です。
 

【本】インターネット新時代の法律実務Q&A ― インハウスローヤーが書くと、シャープでしょ

 
ウェブサービス・スマホアプリ全盛の時代ということもあり、この秋はIT系法律実務書の新刊ラッシュです。その中でも選りすぐりの何冊かをご紹介していきたいと思いますが、まず先頭バッターはこの本。


インターネット新時代の法律実務Q&Aインターネット新時代の法律実務Q&A
販売元:日本加除出版
(2012-10)
販売元:Amazon.co.jp



ネットビジネス全般のリスクを解説するQ&A形式の本としては、これまで、岡村・森両先生の『インターネットの法律Q&A』をおすすめしてまいりましたが、ついにそれに代わる本がでたなと。

まず、新刊だから当たり前とはいえ、スマホ/クラウド/SNS/動画投稿/電子書籍などなど、日本でも問題となっている最新のITリスクについて、思いつくものは漏れ無く言及されている点がよいです。かといって、たんに新しいトピックを見境なく並べるのではなく、古くからあるネットショップ・オークション・口コミサイト・オンゲ等の法的リスクについてもきちんとフォローされており、網羅性の高さと専門性のバランスもすばらしいです。出版社のサイトにあるこの本の目次(わかりにくいですが下の方にある「▼目次を表示する」をクリックするとjavascriptで開きます)をご覧いただければ、今すぐ読みたい〜とヨダレがでてしまうウェブサービス法務ご担当は少なくないでしょう。

各Q&Aの内容も、実務にとってはどうでもいいような教科書的な・講学上の論点にこだわることなく、その逆に企業法務パーソンの本当に知りたい情報がズバリ入っています。たとえば、定番の個人情報漏洩リスクの考え方について、理論上は個人情報保護法上の目的外利用がどうだの第三者開示に当たるだのという講釈をいまさら読みたい人はいないと思いますが、そういった役に立たない情報はばっさりカットしたうえで、以下のようなQ&Aで法務の「知りたい」に端的に答えてくれます。

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Q 個人情報を漏えいしてしまいました。賠償額として適当な金額はいくらくらいですか。また、メールの誤送信も個人情報漏えい事故と考えた方が良いでしょうか。その場合、免責条項がついていると相手方の情報利用に対し法的に拘束を及ぼせるのでしょうか。
A 事案にもよりますが、賠償額の現在の平均は4万円程度です。メール誤送信について1件の漏えいでも漏えい事故と言えます。免責条項については、相手方を拘束することはできませんが、相手方の違法行為をけん制する役割はあるといえるでしょう。

つづく解説では、大洲市情報公開条例事件(松山地判平15.10.3)、TBC顧客情報流出事件、JNSA情報セキュリティインシデントに関する調査報告書の考え方を紹介しながら、「4万円」の根拠が示されています。

私たち法務パーソンが、経営者や現場からよく尋ねられることを知り尽くしたQuestionを設定した上で、その回答として求められる情報だけにそぎ落とされたシャープなAnswerおよび解説が書けるのは、マイクロソフト舟山さん、NHK梅田さん他よく雑誌等でもお見かけする大手企業インハウスローヤーの方々が執筆・編者に入っていらっしゃるからこそ、という感じがします。
 

【雑誌】ビジネス法務 2012年11月号 ― 判例マスターを目指すコスト

 
『ビジネス法務』の編集の方からご献本をいただきました。といいますのも、同誌1月号への寄稿をご依頼いただいたためです。『企業法務マンサバイバル』の管理人として登場予定。内容は発売までのお楽しみにということで。

ビジネス法務 2012年 11月号 [雑誌]ビジネス法務 2012年 11月号 [雑誌]
販売元:中央経済社
(2012-09-21)
販売元:Amazon.co.jp


BLJのお手伝いをしていた立場上『ビジネス法務』の紹介は自粛をしていましたが(苦笑)、久しぶりにじっくりと拝読すると、その評判をよく耳にするとおり企業法務部をターゲットとしたキャッチーな記事が増えてますね。特にこの11月号は、ブログやtwitterでも積極的に情報を提供してくださっている川井信之先生による会社法改正の解説、伊藤雅浩先生によるクラウドサービス利用規約の留意点も掲載されていて、ネットを主な情報源としている私のような法務パーソンをくすぐる記事が盛り沢山です。

特に、ほうこれはと興味を引いたのが、特集2の「法務部員 判例マスターへの道」。まずタイトルがなんとも香港映画風で小気味いい。そして、弁護士による「判例の調べ方の基礎」レクチャー+現役企業法務パーソンが語る「企業内での判例の生かし方」が組み合わされているのが、とても雑誌的でうまい特集だなと思いました。

企業法務の役割には、法的紛争を予防し、ビジネスに伴う法的リスクを減少することがある。しかし、どのような場合に紛争が生じるのか、どのようなところに法的リスクが潜んでいるかを発見するのは簡単ではない。自社の事業に関連する判例をじっくりと読むことで、どのような場合に法的紛争が生じるのかについてイメージを持つことができる。また、裁判所が結論を導き出す過程でどのような事実関係に着目したのかを考えることは、法的リスクを発見する訓練にもなる。
(日立製作所法務本部飯田氏)

確かに。企業法務として成長したなと実感できる瞬間って、自分が契約に関わり、その契約がトラブルに発展し(発展しない方がベターですが)、かつそれが解決するまでを見届けられたとき。そういった経験を複数回してようやく一人前の企業法務という感じがします。そういう経験をするまでには期間としては3〜5年は最低でも必要でしょうか。そこにいたるまでの間は、教科書ばかり読むよりも、自主的に自社ケースに近い判例を探して読んで、イメージトレーニングするぐらいの向上心があってもいいでしょう…って、私はそんなに高い意識で判例を読んだことがないかも(汗。

法務部において判例調査を行うためには、少なくとも以下の3つの態勢が必要である。特に判例検索ソフトなしには判例の検索はまず不可能である。
  1. 前提事案の分析と法的な争点の判断がある程度できる人材がいること
  2. 判例検索ソフト(例:「判例秘書」、「Westlaw」等)が導入されていること
  3. 判例調査の結果について相談できる弁護士がいること
(紀尾井坂テーミス法律特許事務所 高崎弁護士)

さて、おっしゃるような判例検索ツールをちゃんと予算をつけて導入してもらっている企業法務部って、果たしてどのくらいあるんだろう?と、素朴に疑問に思いました。私の感覚では、上場企業に絞っても20〜30%位なんじゃないかなと。『会社法務部【第10次】実態調査』によれば、平成21年度に弁護士に支払った総額が3,000万円以下の企業が約80%、1,000万円以下に絞ると約55%ということだそうですが、弁護士にこれしか払わない企業法務部が、判例データベースの維持費にどれだけ費やしているのかは、かなり疑問。

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だとすると、できるだけコストを掛けない判例調査の方法・ツールもご紹介いただけると、さらにありがたかったかなと思います。たとえば、以前北海道大学の町村先生が誠BIZ.IDに「仕事に役立つ『法律情報データベース』」という記事を寄稿されていて、裁判所のWebサイトで公開されている「裁判例情報」の検索の仕方や、以下のような比較表を紹介されていたのが大変参考になったのを思い出しました。
※価格は記事掲載当時のもの

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『判例秘書』をワンセット揃えるのに100万近くかかっていた時代から、ネットで比較的廉価な月額制で判例データベース利用できる時代になったとはいえ、私が今所属している会社がベンチャーであることもさることながら、業界的にまだ判例が多くないこともあって、先述の日立飯田さんがおっしゃっていたような使い方も期待できず、費用対効果を考えると躊躇してしまいます。
 

経営法友会という“ギルド”

 
新しい職場で、経営法友会に参加させていただけることになりました。前職ではわけあって(会員企業一覧に名前はあるのですが)参加を自粛していた関係で、6年ぶりになります。理解ある上司そして推薦状を書いてくださった某社大先輩に感謝。

経営法友会とはなんぞや?というお話ですが、

経営法友会とは

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経営法友会は、1971年、“企業法務実務担当者の情報交換の場”として発足しました。
当会は法人単位の会員組織として企業内の法務担当者(法務・文書・総務・審査・監査等その所属部署名は問いません)によって組織されています。現在の会員数は1,000社を超え、特色ある専門家集団として、その声価を高めつつあります。
当会では、企業における「法務部門」の充実強化を目的とし「法務部門」の組織・運営等について、会員相互の意見交換を行い、わが国企業における「法務部門」のあり方を追求しています。また、研修を通じた担当者のスキルアップ、実務情報の収集、さらに、所管官庁・関係団体に対し実務的見地からの意見提言、意見交換を行っています。

ということで、一言で言えば、法務パーソンにとっての“ギルド”のような存在だと私は思っています。

他社や他業界の法務パーソンがどんな流儀で目の前のリスクに立ち向かっているのかというナマナマしい話は、異業種交流会のような飲みの席であってもなかなか出てくるものではありませんが、同じ悩みを抱えた法務パーソン同士が集まるこの場では、まさにそのような情報が各社の守秘義務が許す範囲で交換されています。また、一般的な研修会社3時間3万円ぐらいとって開催するセミナーを、会員限定に毎月4本ほど無料で開催してくれたり、法務になったばかりの方向けには、3時間×5コマぐらいの時間をかけて、教育をしてくれる講座があったりもします。

私が法務になりたてのときに受けた講座は、
・売買契約:住友商事
・グローバル向け代理店契約:トヨタ自動車
・OEM契約:パナソニック(当時松下電器)
・国際ライセンス契約:住友製薬
・ソフトウェア開発契約:富士通
・債権回収:双日(当時日商岩井)
こういった錚々たる企業で法務の要職に就いているマネジャークラスの方が、実際に自社で使っている契約書雛形を披露しながら、事前学習を前提にバシバシと指名して回答させながら講義をしていくというスタイルでした。そこで得られる雛形や知識ももちろん価値あるものですが、誰もが知っているあの会社の法務部門の水準とはこういうものなのだということを知ることができたのが、目指すべき法務パーソン・法務部門作りをイメージできたという意味で、大きな資産となっています。

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所属会社において先輩から引き継がれるスキル・ノウハウも重要です。しかしそれだけではなく、たとえば上場会社における会社法実務など、業界にかかわらない共通の法的課題は、他社が先に悩んで解決しているはずで、聞いた方が早いということは少なくありません。また、他業界の視点・水準・考え方が自社業界や自社の課題解決に生かせることもあります。何より一番大きな特徴は、クローズドでかつ口頭で情報が交わされるというその閉鎖性にあるのでしょう。私も「いつもブログを参考にしています」などと言って頂けることはありますが、ネット上に表れているノウハウはやはり限定的なところがあって、世の中情報が集まるところには集まっているなあ、表にはあらわれない経験豊富で頭脳明晰な方というのはいくらでもいらっしゃるのだなあ、と感じます。

冒頭ふれたように、既会員企業からの推薦状が必要という点が極めてギルド的ですが、入会できるチャンスがあれば、是非参加されることをお薦めします。

【六法】判例六法Professional ― 二色刷りマジック

 
もうすぐ新しい職場で仕事開始ということもあり、六法を新調しようと思いまして。

これまでは、あまり深く考えずに持ち運び用には『ポケット六法』を、判例付きは会社に『模範六法』をというコンビネーションで何年もやってきました。とりあえず模範六法を買っとくかな、そんなことを考えているときにtwitterのタイムライン上で六法の話題となり、



ということで、私も素直に真似してみることにしました。


有斐閣判例六法Professional 平成24年版有斐閣判例六法Professional 平成24年版
販売元:有斐閣
(2011-11-02)
販売元:Amazon.co.jp



以前より学習者向け判例付き六法として評価の高かった『判例六法』の実務家向け(収録法令数が3倍超)バージョンとして2007年に誕生した、比較的新しい六法。特徴は、

1)条文は黒字、判例は青字の二色刷りになっている
  →超見やすい
2)公法系と民事法系で二分冊になっている
  →持ち運びも可能なサイズ
3)表紙がビニールではなく、防汚加工されたペーパーバック
  →手に持ってめくりやすい

の3つ。特に1は百聞は一見にしかずとはこのことかと言った感じで、模範六法では見る気にならなかった判例の数々が自然と目に飛び込んで来ます。条文を紐解く度に、いかに自分が判例参照を怠ってきたかという気分にさせられます。@terrapie先生が評判を耳にされていたように、判例の要約も、割り切ってる感がとてもいい感じ。加えて、『判例百選』シリーズへのリンクが記載されているのも有斐閣ならでは。これによって数ある最判の中でのその判例の重みもわかるわけです。

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願わくばiPad版が出ないもんかな…とも思ったのですが、その特徴をフルに発揮するために必要となるであろう『判例百選』シリーズがアプリ化されていない様子を見る限り、まあすぐは出ないでしょうし、出たとしてもやはり一覧性やハンドリングの良さには限界があると思いますので、しばらくはこれを使ってみようかなと思っています。場合によってはこれを自炊(代行)にかけてiPadに入れてしまうのもありかもしれません。

@terrapie先生ありがとうございました。
 

第2回法務系ライトニングトークイベント反省文

 
@katax さんが発起人となり、「発表の場を創ることによる法務系パーソンの学習習慣と危機意識醸成」を目的として開催されている法務系ライトニングトーク(LT)イベント。その主旨に共感し、第2回は主催者側として関わらせてもらいました。というか、1回目から共感して主催者だったんですけど、数日前に仕事が入って参加できなくなり、@kataxさんにすべてお願いしてしまってたので。

お陰様で参加者も30名定員のところ50名近くのご希望をいただき、しかも当日もほぼキャンセル無く時間には満員御礼状態。

そんな中露払いのつもりで張り切って一番手を務めた自分のLTが時間も守れず内容もイマイチだったこと、そのダメージでその後のイベント自体の仕切りも甘くなり、多才な登壇者とコンテンツの良さを活かしきれなかったのではないかという反省の気持ちでいっぱいで、飲み会ではあまりお酒も進みませんでした。LTの様子を写真に撮るのも忘れる始末orz。こちらは時既に遅しなれど思い出したようにシャッターとった飲み会の一コマ。

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そんな主催者のイマイチぶりも何のその、みなさんは何かここから起こそうという前向きな気持で参加をしてくださっていて、とてもありがたかったです。何より、今回は企業法務の担当者に加え、複数の弁護士の先生方、電子契約のASPを提供する会社の社長様等々にもお声かけをし、お会いしたかったみなさまのほぼ全員にお集まりいただけて、本当に感謝しております。

以下当日のLTのお題を、オフレコでない方のみ記載(実際はちょっと順番が代わりました)。
※ブログ等にコンテンツをアップした方は、ご連絡いただければリンク張らせていただきます。

順番 お名前 テーマ
はっしー from 企業法務マンサバイバル 『スマートフォン プライバシー イニシアティブ』がヤバい件
keibunibu ぶれない法務
kawailawjapan株主総会対応に弁護士の関与は必要か(仮)
yang_baggio 法務とIRのハイブリッド
@kataxコンプライアンスの正体
isence-h-tsujino電子契約(電子署名)の○○○な話。
dtk(秘密)
TsuKa_m 法務博士の就職
kyoshimine訴訟と統計学的証拠
10@yokoshima_nashi 国際労務トラブル
11micnicontract attorneyについて
12overbody「事業売却〜法務担当の勘所」(仮)
13osoosoウェブでのデータ収集の悩み
14伊藤雅浩@内田・鮫島法律事務所スルガ銀行vsIBM事件から感じたこと
15cone_hこんな項目までガバナンスなの?
16雨宮美季日本の新株予約権を使えるものにしよう!
17coquelicotlog法務ライフバランス
18Setagayanインターネットで悪事を働いても必ず警察にばれるワケ
19kbtpp株主提案権


当日お手伝いいただいた @dtk1970 さん、 @youcutthehair さん、第1回に続いて会場を快く貸してくださった レクシスネクシス・ジャパン ビジネスロー・ジャーナル編集部(@BLJ_Editor )の皆様にも御礼を。

次回はもう少しやり方を工夫して、皆さんがもっと満足してお帰り頂けるようなイベントにします。ご協力・ご参加のほど宜しくお願いします。
 
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