企業法務マンサバイバル

企業法務を中心とした法律に関する本・トピックのご紹介を通して、サバイバルな時代を生きるすべてのビジネスパーソンに貢献するブログ。

本田直之

【本】リーディング3.0 ― ノマドワーカーを目指すあなたが避けて通れない道

 
本を読むことの重要性を私に教えてくれたのは前職の上司でしたが、「本は知識を吸収するためでなく、使うために読むのだ」という正しい読み方を私に教えてくれたのは、本田直之さんの『レバレッジ・リーディング』でした。

その「使うために読む」レバレッジ・リーディング=リーディング2.0の生産性を、デバイスとツールによってさらに高めようというのが、この『リーディング3.0』です。

リーディング3.0 ―少ない労力で大きな成果をあげるクラウド時代の読書術リーディング3.0 ―少ない労力で大きな成果をあげるクラウド時代の読書術
著者:本田 直之
販売元:東洋経済新報社
(2011-04-22)
販売元:Amazon.co.jp


・モバイルデバイス = iPhone
・クラウドサービス = エバーノート・iBooks/Kindle
・ソーシャル・ネットワーク = Twitter/Facebook
この3つを使って、物理的な制約・時間と場所の制約・情報シェアの制約からの脱却を可能にするのが、リーディング3.0。

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特に圧巻は、chapter3以降随所に言及されるiPhone+エバーノートへの本田さんの傾倒ぶり。読んだ本をまとめたレバレッジメモから雑誌から航空券からなんでも放りこみ、エバーノートの全文検索とタグ機能によって、後でいつでも・どこでも検索できるようにします。

本田さんの様にiPhoneとエバーノートを組み合わせて使っている人はもはや珍しくありませんし、私も2010年4月から使い始め、特に12月末に論文を書き始めた頃からwebクリップはエバーノートに一本化しはじめていたのですが、正直言ってクラウドと心中するリスクを背負うにはまだ時期尚早かな・・・と思う自分もいて、なんでも放り込むところまではできていませんでした。しかし、
ごく近い将来、ノマドワーカーのような「制約のない働き方」が主流になっていくでしょう。「1つの会社に所属し、決められた時間と場所で、1つの仕事をこなす」といった働き方は過去のものとなり、「組織に囚われず、いつでもどこでも、いくつもの多様な仕事をこなす」という人が多数派となるはずです。
「もう詳しいのに、そこまでやっているんですか」と驚かれますが、わたしは「そこまでやらないと、アドバンテージを取れない」と思っているからにほかなりません。
もしあなたがウェブ・モバイルリテラシーを一切取り入れず、2.0時代のままのリーディングを続けていても、当面は大きなデメリットはありません。現状維持のまま、何とかやっていくこともできると思います。
しかし、ふと気づいたときには、自分以外のほどんどの人が前に進んでおり、1人だけぽつんと取り残されている・・・。こんな状況は遠からずやってくるでしょう。
この一節を読んで、自分が日本のサラリーマンの殻を破りノマドワーカーを目指す上で、これは避けられない道なのだと覚悟を決めるに至りました

私の最大の障害になっているのが、書籍の電子化です。このブログでも紹介し続けてきた数百冊ある法律専門書。紙ならではの扱いやすさもある中、本当にクラウドに放り込んで困ることはないか?放り込むにしても膨大な作業を自分でやるのか?躊躇する理由は色々あるのですが、やり切ったあかつきにはこのブログでまたご報告したいと思います。
 
そしてもう一つ、これからのノマドワーカーにとって最も大切なスキルだと気付かされたのがこれ。

iPhoneを持たないと差がつく時代だと痛感したわたしは、「タイピングHi」というアプリを使ってフリック入力がより早くできるように、3〜4日練習しました。
かつてパソコンを始めたときは、最初にタッチタイプの練習だけを徹底して行なったことがありました。タッチタイプができるか、一本指で打っているかで圧倒的な差がついたものですが、今や同じ状況がiPhoneにも訪れているのです。こういうストック型スキルを身につけているのといないのとでは、後々に大きな差が出てきます。

タイピング Hi -フリック練習
価格: ¥230 App
更新:2010/09/08


“外付けキーボード”という前時代的デバイスの呪縛から脱却するために、フリック入力を極めるのがノマドワーカー流。こちらも早速買って特訓開始です。
 

「ネットでは実名出しても顔写真は出すな」は、実名・匿名論争に続く火種となるか?

実名・匿名論には常に賛否両論がつきまといながらも、twitterを始めとするSNSですでに実名を晒している私。

実名バレ状態であれば、もはや顔バレも全然怖くないし、ネットつながりで初めて会う方にも分かりやすいだろうというわけで、twitterのアイコンも当然のように写真で顔出しをしていたところ、

本田直之さんの新著『パーソナル・マーケティング』に、こんな記述が。

顔写真も必要がなければ出さない
顔写真についても、私がプロデュースする場合は基本的に出さないようにしています。それは、イメージがついてしまうからです。とくに本の内容で勝負したい場合は、写真のイメージがコンテンツを邪魔する場合があるので気をつけています。

クレディビリティ(信用)を築くためには、実名出しは必要だけれど、顔出しはかえって誤解を招くこともあるかもね、と。

確かに、twitterつながりで顔写真しか知らない私に初めて会った方には「もっと怖い人かと思った」とか、「マッチョな人かと思った」とか(笑)、見た目と中身とのギャップを口にされたのも事実。思い当たる節があるなあと。

というわけで、早速twitterの顔写真アイコンを変更しましたよと。

とはいえ、さすがにFacebookやLinkedinは顔写真出さないと意味ないと思うのでそのままです。あれは基本的に知り合いと繋がるものだし、コンテンツもなしだから、顔出ししといていいんですよね?とか色々考えると、議論が白熱しそうだなこのネタは…。


【本】意思決定力―意思決定をしないでいることが人生における最大の失敗であるとまで言われたら、人間黙っちゃいられないでしょ

 
例によって本田さんの本は迷うことなく買うことにしてます。

今回は読んで損はないどころか、本田さんの意外なカミングアウトもあったりして。

意思決定力



誰かの意思決定に従いたくなければ、恐れず意思決定せよ

本書のテーマは、意思決定力をどう高めていくか、というもの。
自ら意思決定をしないとは、「誰かに意思決定をしてもらっている」ということ。
そこまで言われたら、その意思決定力とやらを身につけなきゃ、って思いますよね。

意思決定力強化のための55のルールを7つのSTEPに分けて順を追って読み終わる頃には、ジャッキー・チェンの映画を見た後にカンフーの達人になった少年のように、その気にさせられていること請け合いです。

中でも私は、STEP6の「意思決定が間違いだったことに気付いた時にはリカバリーすればいい」というアドバイスを聞けた(読めた)のが、なんか最近張り詰めていた緊張がほどけ、気分的にも楽になれて助かりました。体験談として紹介されている本田さん自身のエピソードがとても印象的だったことも大きかったと思います。

本田さんの本を1冊でも読んだ事のある方ならご存知だと思いますが、本田さんは20代後半にアメリカにMBA留学されてます。しかし実はこの留学、将来のハワイ暮らしを目指してCPA(米国公認会計士)を取る為の留学だったそう。
それが、やってみてCPAの仕事が自分の性格にまったく合っていないことに気付き、即座にやめる決断をし、そこからリカバリー先に選んだのが、ITの世界だったと。
その後の活躍ぶりはご存知の通りですが、この留学が実はCPA狙いだったというエピソードは、今まで著書の中では触れられていなかったのではないでしょうか。

意思決定が間違ってたら、その時に意思決定をし直してリカバリーすればいい。
それを怖がって意思決定をしないでいれば、誰かの意思決定に従うことになる。


もともと意思決定ということに苦手意識はないつもりの私でしたが、この本によって胸に刻まれた2つの教えは、私の生き方に大きく影響を与える言葉になるんじゃないかな、と思います。

【本】働き方革命―クリックだけでお手軽に行動ログが取れるSlim Timerでメンバーの生産性を可視化する

 
メンバーの一人からオススメされた本。

働き方革命―あなたが今日から日本を変える方法





病児保育を手がけるNPOフローレンスの代表理事を務める駒崎さんが、コーチング界のグルと呼ばれるルー・タイスとの出会いをきっかけに、ワーカホリックだった自分自身と組織の働き方を見直し、18時退社を可能にする「働き方革命」を起こした姿を自伝的に描いた物語。

実際に駒崎さん自身が、そして駒崎さんの組織が変わっていく姿をみることで、自分もマネージャーとして働き方革命を実践できるのではないかと大変励まされたわけですが、

それより何より、超強力なマネジメントツールをこの本で知ることになり、本当に感謝しています。


Slim Timerを使って実際の仕事時間を計測する

ルー・タイスとの出会いをきっかけにした自問自答が彼の意識を大きく変えたわけですが、その彼の革命の意志を行動につなげた強力なアプリケーションがこちら。

Slim Timer(スリムタイマー)
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右側のポップアップウインドウにあらかじめタスクを登録して並べておいて、クリックすると計測開始、タスクが終わったらまたクリックすれば計測停止と、ストップウォッチのようにタスクごとの通算所要時間が計れて、週ごとや月ごとのレポートも出せるというアプリケーション。もちろん無料。

社内会議や電話対応など、非生産的になりがちな時間にどのくらいを費やしているのか、逆に計画や社外アポなどの生産的な仕事にどのくらいの時間を投資できているのかが、クリックだけの簡単操作で一目瞭然に生産性を計る行動ログが取れる、というシロモノです。

自分が何にどんな時間を割いているのかを記録して見直すことの有用性は、本田直之さんの『レバレッジ時間術』でも言われているものの、いざ計測しようとしても手帳に記録するようなやり方では、正確には記録できず長続きもしません。しかし、このアプリなら比較的簡単に取り組めます。

私も早速先週から使ってみたところ、精神的には「あー忙しい!」と思っている割には、意外に何のタスクもしていない無駄なアイドルタイムがあることを自覚するにいたりました。

加えて、タスクを切り替える際にスリムタイマーをポチっとクリックする動作が、自分の頭を切り替えるスイッチにもなり、今何に集中すべきかを自分自身に言い聞かせて集中を高める副次的効果もあると実感しています。


メンバーの生産性を可視化する

自分自身の時間の使い方以上に、メンバーの時間当たりの生産性を高める役割を担うマネージャーとしては、メンバーがどのように時間を使っているかを可視化し把握することは、本来はもっと必要でしょうし、堂々とやっていいはず。「いったい彼/彼女がこの資料を作成するのに何時間かけたのか?」が分からなければ、具体的に時間の使い方を指導をしようにも、指導しようもありませんから。

このアプリは、そんなグループの生産性向上に課題意識を持つマネージャーの悩みを解決する強力なツールにもなりえるものだと思います。

実際、この本の著者である駒崎さんも、このアプリを使ってまず最初に自分自身の時間の使い方を見直した後、マネージャーへと展開し、最終的にはメンバーの意識改革・マネジメントにも利用して効果を発揮しているとのこと。

メンバーからこの本をすすめてもらったということもあり、私のグループでは早速全員にSlim Timerを使ってもらうことにしました。さて、結果はいかに・・・。

【本】Den Fujitaの商法2―サービス業が不況においても忘れてはならないたった1つのこと

 
本田直之さんの『レバレッジ・マネジメント』の巻末にある必読書リストに素直に従って読んでみた本。

Den Fujitaの商法〈2〉天下取りの商法



口の汚さも天下一品

藤田田(デン)さん、とにかく口が汚い(笑)。
今日のように、これだけ物資が豊富になり、人間が贅沢になると、どこに本当の需要があるか、見つけにくい。
食べ物にしても同じことである。食べものもあまっていて、誰もが何を食べるべきか迷っているのが現状である。だから、相手の口の中へ、なんとかしてハンバーガーを押し込んでいかなければならない。それがむずかしいのだ。
本当に商売をする気があるのなら。40歳以上は切り捨てて、39歳以下のムダ使いをする連中を相手にしなければ儲からない。
客だからというので、大きな態度で、ハンバーガーを注文する。
そんな客も、女の子が、「ありがとうございます」というと、しびれてしまう。ほんの3秒間ぐらいの間だが、催眠状態におちいる。
商売を成功させるのが先であって、上品さなど百害あって一利なし、といわんばかりの口ぶり。

そんな生粋の商売人が、油ののった頃(1983年初版⇒1999年新装版として加筆)に、経営論だけでなく科学的な部分もふくめたマクドナルドの成功ノウハウの数々を惜しみなく公開しながら、商売の秘訣を語っています。

この口の汚なさを含めて、帯にも書いてあるとおり、不景気を言い訳にしがちな今の日本や自分に喝を入れるのに丁度よい刺激を与えてくれます。


サービス業の良し悪しは、従業員の“雰囲気”で決まる

加えて藤田さんについて忘れてはならないことが一つ。

日本における偉大な経営者として挙げられる松下幸之助さん・井深大さん・本田宗一郎さん達はいずれも製造業の経営者であったのに対して、藤田田さんは、日本のサービス業で大きな成功を収めた偉大な経営者の先駆けであるということ。

日本は一次産業も二次産業も行きづまってしまっている。このままでは、どんな政治家がでてきても景気回復は、はかれない。
これ以上、モノはいらないから、一次産業や二次産業ではダメで、残されているものは三次産業しかない。つまり、サービス産業である。
サービス業の偉大な経営者の言葉だからこそ、今そのサービス業に身を置く私のような者に、刺さる言葉が溢れているのです。

「良くて、安い」ものでも、かならず売れるとは限らない。売るためには、「良くて、安い」上にプラス・アルファーが必要なのだ。
そのプラス・アルファーとは何か。
私は雰囲気だと思う。ショッピングをしやすい雰囲気を作ることが大切だ、と思う。
良いもの、安いものにプラス舞台装置、上手な演出。これが必要なのだ。これがなければ「良くて、安い」ものでも売れるとはかぎらない。
その藤田さんの言葉の数々の中で、一番考えさせられたのがこれ。

今、私がいる人材サービス業界は、「良くて、安い」サービスを追及するだけ追求し、競争を生き抜こうと過当競争に陥っています。二言目には、「不景気でも品質と価格で勝ち抜いているユニクロを見習え」と。

しかし、我々はユニクロとは違うサービス業です。人とダイレクトに接し、人そのものがサービスである人材サービスにおいては、藤田さんのいうとおり、“雰囲気”が商品そのものと言っても過言ではないはず。

その“雰囲気”を創るのは誰か。

それは従業員。
従業員の雰囲気こそが、そのままサービス力になる。

だからこそ、藤田さんがこの本のそこかしこで語っているように、従業員を大切にすることでサービス業は強くなるわけであり、実際に長年にわたりマクドナルドがサービス業の雄として生き残っているんだなあと。
このことは、私の親戚にもマクドナルド関係者がいるだけに、リアルに実感できます(昨年の管理監督者騒ぎは残念でしたが)。

私が身を置き、今苦しみもがいている人材サービス業がこの不況において今何をすべきか・何を忘れてはならないかを深く考えさせられた本でした。

【本】レバレッジ・マネジメント―本田さんの本業が経営コンサルなのを忘れてた

 
レバレッジ・シリーズの中で、もっとも食わず嫌いが起きそうなのがこの『レバレッジ・マネジメント』でしょう。

そもそも対象が経営層という位置づけになっていて敷居が高い感じがします。加えて、Amazonのレビューにも「これまでのレバレッジシリーズの二番煎じ」的なコメントもあり、食わず嫌いに拍車をかけそうです。
実際私がそうで、他のレバレッジシリーズは全て購入しておきながら、これだけは手が伸びずにいました。

ところがある日、Amazonのレビューの星の数が、他のレバレッジ本は3.5点もしくは4点止まりなのに対して、この本だけ4.5点が付いている(2009/5/14現在)ことに気付いた私。

何かある、と思って読んでみたら、やはりそれだけの理由がありました。


レバレッジ・マネジメント―少ない労力で大きな成果をあげる経営戦略



ついに個人レベルを超えて組織レベルのレバレッジへ

その違いの理由は、今までの“個人レベル”のレバレッジにとどまらず、“組織レベル”のレバレッジに大きく踏み込んでいるところにあります。

第1章は、経営の前提となる「経営者の頭の中」のレバレッジのかけ方を学ぶ章。この本の中で唯一“個人レベル”の改善にフォーカスしたこの章は、確かにこれまでのレバレッジシリーズと同じコンセプトであり、1冊でも読んだことのある方はデジャブ感は否定できません(おそらく本田さんはこの第1章を、レバレッジシリーズ初体験の読者に向けた章として割り切って書かれたのだと思います)。

しかし、この本の本領はこの第1章ではなく、そのレバレッジ論を“組織レベル”に高めた、第2章〜5章に居並ぶパートにあります。

・第2章では、「戦略」のレバレッジとして、
 会社の方向性の定め方を、
・第3・4章では、「営業」「ブランド」のレバレッジとして、
 売り込まなくても売れる仕組みの作り方を、
・第5・6章では、「仕組み化」「組織」のレバレッジとして、
 自分ですべてをやらなくても済むようになる方法論を、

今までのレバレッジシリーズよりも、もう一段高みに立った視点で語ります。

メンバーは課長の視点で、課長は部長の視点で、部長は社長の視点で仕事をせよというビジネス格言がありますが、経営者ではなくても、このような高みにたった視点を持つのは有用だと思います。


組織レベルの各論の、そのさらに先の具体的手法まで

そしてこれらの“各論”のさらに“具体策”まで踏み込むのが、本田さんの本の魅力。

たとえばこの本の第3章、「営業」のレバレッジの中での印象的な部分を引用させていただくと、
経営者は先頭を切って営業しなければならない。こう述べると、決まって同じような反応がある。
「そんなこと、いわれなくてもやっています。実際、私自身が営業成績トップと言う状況で、何件もの顧客を廻るのに大忙しです」
こう答えて胸を張る経営者は、「先頭を切って営業する」という定義を誤って理解している。
先頭を切るとは、レバレッジ営業の根本的な仕組みを作ることだ。具体的にはまず、「キーとなる有良顧客」を取ること。これは数社でよい。「あの会社と取引があるなら安心だ」と思われるような顧客を、経営者もしくは幹部クラスががっちりつかむ。すると、営業部員たちの仕事は格段にやりやすくなる。
「こうやればうまくいく」がとても具体的で、説明も分かりやすいので、読後の満足感が高いのもうなずけます。

しかもそれらの手法論は、バックスグループの経営者として本田さん自身が効果を実証済み。
たとえばバックスグループでは、クレジットカード会社へのサービス展開を検討していた時、私の人脈を使って、某外資系クレジットカードから大きな仕事を取った。するとその後は、他社への営業がやりやすくなり、十億円規模の事業に成長することができた。
ここが、単なる経営コンサルタントと違う本田さんの最大の強みだなと、改めて思います。

【本】本田式サバイバル・キャリア術―会社員としてのキャリアから上手に脱皮するカギは「打診」

 
「サバイバル」をタイトルに冠する弊blogとしては取り上げないわけにはいかないですね、この本は。

本田式サバイバル・キャリア術


「安定」がなくなったこの時代に、ビジネスパーソンとしてどう生き抜いていくべきかを、本田さんが自身の体験をベースに語っています。


会社員というキャリアの価値

これまでの“本田本”に見られなかった点が1つ。

それは修行期間としての会社員というキャリア(コーポレートキャリア)を正面から肯定した上で、「まずは10年」とその長さの目安とタイミングを具体的な数字で提示している点。

これには私も大いに共感。
私の周りの大物を見ても、コーポレートキャリアが10年以下の人はいませんし。

そして、その10年間を有効に過ごすための心がけを、10の法則にまとめたものがこちら。
法則1 市場価値・期待価値に惑わされない
法則2 お金を払ってでも働きたい会社で働く
法則3 エージェント五社以上に登録する
法則4 勝ち馬に乗る
法則5 会社の看板にレバレッジをかける
法則6 社内人脈から社外人脈へ
法則7 社内ルールからサバイバル・ルールへ
法則8 社内研修からパーソナル研修へ
法則9 コーポレートブランドからパーソナルブランドへ
法則10 他人コントロールからセルフコントロールへ

この法則の根底に流れているのは、「今の自分がおかれた環境(会社)を恵まれていないと嘆くぐらいなら、自分でその状況を生かす・変えるための努力をまずせよ。」ということだと思います。

子供の頃何気なく耳にしていた、カトリック教会のラジオ番組「心のともしび」のキャッチフレーズを思い出します。
暗いと不平を言うよりもすすんであかりをつけましょう


定年のないパーソナルキャリアへの昇華

そうして10年間を過ごした後の30〜40代は、1つの会社に依存しない、定年もないマルチキャリアへの展開を図るフェーズです。

リスト好きの本田さんらしく、こちらも法則を7つにまとめています。
法則1 起業をゴールにしてはいけない
法則2 「本業か副業か」の発想をやめる
法則3 ポジションではなくポータブル・スキルを究める
法則4 マルチ・インカム、マルチ人脈を確保する
法則5 キャリアをすり減らす転職をしてはいけない
法則6 うねりを見据えてキャリア・サーフィンする
法則7 最悪の事態をシミュレーションする

この7つの法則を通して本田さんが力説されるのは、いきなり独立という危険を冒すべきではないということです。

まずはblogを書く・論文を発表する・本を出すなど、アウトプットを通して不特定多数に「打診」をしながら、自分の中の価値あるバリューを見つけ、磨き、育てるべきであると。

コーポレートキャリアの10年がようやく経ち、まさにパーソナルキャリアへの昇華を図ろうとしている私が今やるべきことはまさにこれ。

このような形でblogをやっているのは、まさに世の中に対する「打診」だったりするわけですが、この「打診」のチャネルをもっと増やしていくことが“今”の私の課題であることが自覚でき、本田さんはそれをどのように行っていたのかを垣間見れたのが、この本を読んでの“今”の私の最大の収穫でした。

読者自身が置かれたステージに応じて、参考になるポイントがそれぞれ異なってくる本だと思います。また数年後に読み直すと“今”とは違うその時に心に響くメッセージが新たに見つけられそうです。

【本】面倒くさがりやのあなたがうまくいく55の法則―レバレッジ・シリーズの本田さんを支える信条と4つのキーワード

 
レバレッジ・シリーズの最新刊『レバレッジ・マネジメント』がバカ売れしている横に、なぜかそっと置いてあった、本田さんの新刊。


「レバレッジ」の冠が付けられていないのは、レバレッジ・シリーズのエッセンスを抜き出した入門編といった位置づけだからでしょうか。

そのタイトルどおり、面倒くさいことは嫌い、だけど最近面倒なことばかりが起こってダウン気味・・・どうしたら良くなるのか、と滅入った気分のときに読むと即効性ありだと思います。

そんな即効性重視の本でありながらも、他の本に書かれていなかった本田さんの意外な“信条”がこっそり披露されており、感じるものがあったので、ここに紹介させてもらいます。


歴史は信じない。競争で磨かれた原理原則&科学を信じる。

わたしが自分の仕事やライフスタイルを考えるとき、ひとつだけ気をつけていることがあります。それは、根拠のない行動はとらない、ということです。

そんな本田さんの信条を支えているキーワードが、以下の4つ。
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古くから競争で磨かれた原理原則と、能科学という最新の科学とをバランスよく組み合わせて行動の根拠とすることで、自信をもって道に迷わずに前に突き進んでいくエネルギーを得る、というわけです。

そして、続くこの一節に、新しい時代のリーダーたる本田さんらしさを感じ、唸らされました。
歴史に学ぶ風潮が、かつてほど流行らなくなった理由は、組織の規模や形態が変化したことが大きいと思います。
戦国武将的な組織論は、大企業のマネジメントには向いているのでしょうが、現在は組織も小さくなり、企業の中でもチーム単位でのマネジメントが重要になってきました。
そうすると、何万の大軍を動かす戦国武将より、10人単位を動かす野球やサッカーのマネジメントの方が役に立つわけです。

PRESIDENTのようなビジネス誌で半年に一回はある「経営者が座右の書とする歴史書」みたいな特集を見るたびに、「この人たちは歴史書を読んで本当に経営に役立てているのだろうか」と疑問に思っていた私。

この本でこの一言に出会えて、“やっぱ歴史書読まなきゃだめなのかな症候群"(笑)からようやく解放されたのは、本当にありがたかったです。

こんな風に、この本の55の法則の中には、きっとみなさんのココロを解放してくれる法則がいくつか入っていることと思います。
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