北海道一人旅3日目、夕刻に富良野到着。
駅舎の街案内パンフには「富良野カレー」の文字が踊る。そう、富良野はオムカレーで有名な町らしく、十数軒ほどカレー屋の紹介文がのっていたが、車のない私はとりあえず徒歩圏内に絞って、駅近くの3軒ほどチェック。
しかしよく考えたら昼間にビールを飲み過ぎたせいか、胃が“オムカレー”モードではない。ここは視点を変えて、北海道ならスープカレーということで、ほぼ強引に「ふらのや」に決定。
あたりはすっかり暗くなっていたが、住宅地にぽつんと灯る店の明かりにすいこまれるように入店。
ドアを開けたとたん、何とも言えぬスパイスのいい香りがした。

初回なら王道のチキンカレーを...と思うものの、限定メニューの「マニアックカレー」の文字がどうしても気になる。しかも“酸味と辛みが絶妙”....と書いてあれば、私の好きな系統であることは間違いない。
ということで意を決して(←大げさ)、しかし小声で、「マニアックカレーを5辛で」と注文。
ホールの女の子は、とても事務的に、ハキハキとした声で、「マニアックカレーをお一つ、辛さは5ですね。」と復唱する。こういうとき、私のような小心者の一人客は、どうにも落ち着かない気分になってしまう。
まぁ、それはさておき。

ふらのや/店内
店内はこんな感じに、漫画棚がどーんと、そこかしこにあり、これらの漫画は全て閲覧可能のようだ。壁の裏などにもあるみたいで(入口付近に座った私は、店の広さがイマイチ把握できていないのだが)、天井の高さからいっても、ゆとりのある空間はいかにも長居しやすそうである。
周りのお客さんは注文を待っている間に読むというよりも、むしろ食後も読み続けて、長居していたもよう。
(私は漫画に興味がないので、ひたすらカレーが来るのを待っていた。)
で、これが頼んだマニアックカレー。
ビジュアルと香りがもう、、、、!!私のテンションをより一層高くする。
ふらのや/マニアックカレー

食べて一口二口、、、予想を裏切らない、いや、いい意味で予想を超えたスープカレーの味。
う、うまい。そして深い。
やや辛めなので汗をかきつつも、箸・・・じゃない、スプーンが止まらぬ勢いで口とお皿を往復する。回を重ねるごとにスパイスが色々な角度から表情を見せ、じわじわと旨みが増幅していくのだ。
もちろん、具材もバランスがいい。ナイフを使わなくてもほぐれる骨付きチキン、そして、パリっと固めに素揚げしたピーマン、特筆すべきは、ニンジンやカボチャそのものの美味さ。これは北海道のほかの場所でも思うのだが、例えばジャガイモやトウモロコシなども素材の味が濃くて新鮮、そして旨味がぎゅっと詰まっているのである。

そんなわけで、食後のコーヒーもいただき、すっかりご満悦で富良野の初日は終了。

カレーしか食べてないじゃん!ということになるが、実際そうだったし、東京に戻ってからも、私の中で「富良野」といえば「ふらのやのカレー」が真っ先に思い浮かぶくらい、印象的だった。
次回の富良野に行ける機会があれば、オムカレーも挑戦してみたいものだが。。。さてはて!?

ふらのや

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