2009年10月27日

いま、自殺対策は政治の出番だ

インターネットニュース番組の「マル激トーク・オン・ディマンド」に
出演しています。「民主党政権の課題」というシリーズの第五弾で、
自殺対策について論じております。

第446回(2009年10月24日)シリーズ・民主党政権の課題5


この番組は、毎回ひとつのテーマをじっくり掘り下げて、二時間くらい
かけて議論するスタイルを取っています。
大手メディアでは伝えることのできない(大手メディアが伝えない)
部分にも深く切り込んだ熱い議論を、ぜひお楽しみください。


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2009年10月15日

祝う気にはなれない5周年

ライフリンクは今日、5周年を迎えた。
少しはめでたい気分にでも浸りたいものだが、
どうにも素直に喜ぶ気になれない。

2004年の10月15日。1日90人もが
自殺で亡くなる緊急事態に一石を投じようと
活動を始めたわけだが、いまだにその緊急事態が
続いてしまっている。。。ライフリンクが5周年を
迎えたということは、裏を返せば、緊急事態が
この5年間ずっと続いてしまっているという
ことだからである。

自殺対策を自律的な軌道に乗せて、発展的解消
という意味で無事にライフリンクが解散できる日が
一日も早く来るように。いまは緊急事態なのだという
意識を絶対に失わず、走り続けよう。

これまでお世話になった方々へのお礼は、結果を
出すことでしか果たされない。そのことをしっかりと
肝に銘じながら。

清水康之

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2009年10月09日

自死遺族の方たちからのメッセージ

とても切なく、ずしりと胸に迫るメッセージです。

でも決してそれだけでなく、そこには悲しみや痛みを
抱えながら生きていこうとする「人間のたくましさ」が
宿っているようにも感じます。

V.E.フランクルじゃないですけど「それでも人生にYESと
言う」といか。普遍的で、人間的な、存在の肯定感に触れ
たようで、なんだかとっても温かい気持ちになりました。

制作にかかわられたみなさん、ありがとうございました。




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2009年10月03日

この一週間のあれこれ(9/25〜10/3)

【9月25日・金】
午後、自殺対策担当の福島大臣を内閣府に表敬訪問。
この忙しい最中、一時間も取っていただき、現在の自殺対策の
問題点と今後の課題について報告させていただいた。

その際、政府と民間団体とが一体となって自殺対策を推し進めて
いくための「自殺対策100日プラン」を提案。いまここで内容を
詳らかにすることは避けるが、具体的に検討していただくことに
なった。(目下、打ち返しを待っているところ。)

「脱官僚・政治主導」といっても、現場の実態に即した対策を政
治主導するのでなければ、単なる権利の濫用になってしまう。
新政権になり、「施策者本意でなく、現場(当事者)本位の自殺
対策」を推進するための枠組みはできたわけだから、それが枠組
みだけで終わらないように、私たちとしても具体的な施策を積極
的に提案していかなければと思っている。
ある意味で、これからは民間団体の力量も問われてくる。現場か
ら、相も変わらず批判や要望だけしているようでは、結局「官僚
主導」に舞い戻ることになるだろうから。

夕方は、報道2社からの取材対応。
夜は、翌日に控えた秋田での自殺対策全国集会の準備。


【9月26日・土】
朝7時過ぎの羽田発便で秋田へ。
昼前に打ち合わせを行い、集会のキックオフとして一時間の講演。
その後のパネルディスカッションにも登壇。関連記事

夕方からは懇親会。全国各地から集まってきた仲間たちと再会を
果たし、しばし歓談に酔いしれる。あらためて「つながっている
こと」の心強さやありがたさを実感。
せっかくの機会なので、本当は二次会にもなだれ込みたいところ
だったのだが、翌日の分科会での発表準備があったため、泣く泣
くホテルの部屋にこもって資料づくりに没頭した。


【9月27日・日】
久しぶりの完徹。苦笑。午後の分科会で発表する資料を11時頃に
ようやく仕上げた。疲れもたまっていたので、さすがにしんどい。
ちなみに、プレゼンは、「秋田の自殺対策におけるマスメディアの
役割について」
。秋田魁新報社と「秋田 心のネットワーク」の
関係者の皆さん、それに輿論科学協会の方々にご協力いただいて
行った調査をまとめた。とにかく無事に「形」にすることができて
よかった。
関連記事

夜、秋田発の最終便で羽田へ。
事務所で少し仕事をしてから、調査担当スタッフと軽く打ち上げ。
気づいたら2時を回り、お店で最後の客となっていたので、帰宅。
上機嫌のまま、翌日の足立区長との打ち合わせの準備をして就寝。


【9月28日・月】
朝から足立区へ。道中の車内、電話で新聞記者と今後の企画につ
いて打ち合わせ。
9時半に足立区庁舎着。10月末まで、一階のロビーにライフリンク
作成の「自殺実態や対策概要に関するパネル」が展示されている
のだが、この時も中高年女性が二人、足を止めてパネルに見入って
いた。

区長室で打ち合わせ。都市型の自殺対策ネットワーク事業について。
足立区内の自殺者データの分析結果を踏まえて、失業者対策と多重
債務者対策とを二本柱にして展開していくことで合意。
その場での話し合いがすぐに施策に反映されることになるので、や
はりトップの決断は重い。

打ち合わせ後、庁舎内の相談関連窓口を見学して回る。リーフレッ
トの配置状況などを確認し、改善点が多々あることを発見。やはり
情報提供の仕方も縦割りになっていて、当事者のニーズに合わせる
形でパッケージ化されていない。

次の打ち合わせ先に移動する途中、北千住駅近くにある東京芸術セ
ンター内の「ハローワークあだち」に立ち寄る。心の健康相談や
法律の無料相談を実施するスペースがあるのかどうか、自分の目で
確かめておきたかった。
6階は人でごった返していたが、7階には十分すぎるほどのスペース
がある。残る問題は、国の出先機関であるハローワークと、区とが
縦割りの壁を越えて連携できるか。施策者本意の縦割り支援ではな
く、当事者本意の包括支援へ。これは大きな試金石になる。


【9月29日・火】
取材対応に追われる一日となった。
朝から、新聞社、テレビ局(3番組)、週刊誌、そして新聞社。。。
そんなこんなでしゃべりっぱなし。夜にはすっかり声がかれて
きてしまった。。。苦笑

10月上旬に立て続けにある講演や研修会の資料を整理して就寝。


【9月30日・水】
9月11日に内閣府が発表した「地域における自殺の基礎資料」を
の読み込み作業。
報道関係者や行政担当者から、資料をどう読めばいいのか分から
ないという声が多く寄せられているので、遅ればせながら分析し
ようと、あらためてすべての資料に目を通した。

データの整理の仕方はなるほど不親切な部分も多々あるが、この
資料からは確かにいろいろなことが見えてくる。もっと分析を
しっかりやれば、現場の対策にとっての貴重な基礎資料となる
のは間違いない。

ただ、せっかくの資料が市区町村の自殺対策担当者に届いていな
いようだ。というか、資料が公表されていることを知らない担当
者が少なくないようで、本当にもったいない。
資料公表の際にも、これを啓発につなげる工夫がまったくなかっ
たため、小さくしか報道されなかったし。
せっかくこちらからもアドバイスしているのに、そうしたことが
まったく活かされないのはどうしたものか。。。


【10月1日・木】
午前中は、貧困対策と自殺対策の融合方法について打ち合わせ。
結局どの分野でも「行政の縦割り」「専門分野の壁」が課題に
なっているわけなので、そうした社会構造的な問題にどう対処
していくべきか、継続して検討していくことになった。具体的
な行動に打って出ることも、もちろん視野に入れながらだ。

午後は、足立区庁舎へ。この日が、第一回「足立区こころと
いのちの相談支援ネットワーク連絡会」だったので、そこで
これからの自殺対策ネットワークのあり方について講演する。

夜は、たまっていたメールの返信と、原稿のゲラチェック。


◆◆

ちなみにいまは、10月3日の午後17時過ぎ。
栃木県・小山市で講演を終えて、新幹線で帰京中である。
来週は講演が5回、自殺対策関連会議が2回、取材対応が4件、
会合・会食が4件と、はたまた怒涛の一週間になりそうだ。。。

いつまで経っても「非常事態への対応」が終わらないわけ
だが(苦笑)、とにかく気を引き締めていこう。


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2009年09月17日

自殺対策新担当に福島みずほ大臣!!

自殺対策にとっては極めて朗報である。

新政権で、消費者行政・少子化などの担当相になった
社民党党首の福島みずほさんが、自殺対策も担当される
ことになったのである。

福島さんは、「自殺対策を考える議員有志の会」の発足
当初からのメンバーでもあり、これまでの対策の経緯や
問題点を大変よく理解しておられる方だ。私たちにとっ
ては、連携のパートナーとして非常に心強い存在となる
ことは間違いない。

しかも、福島さんが党首を務める社民党のマニフェスト
には、自殺対策の推進がハッキリとうたわれている。
http://www5.sdp.or.jp/policy/policy/election/manifesto03_02.htm

【4.自殺対策】

■国・自治体・民間の実態調査、情報提供を踏まえ、地域の
 特性や原因に即した戦略的な自殺総合対策を推進します。

■自殺は、その多くが防ぐことのできる社会的な問題であり、
 早い段階で経路の連鎖を断ち切ることが重要です。ハロー
 ワークなどを拠点に、就労と生活支援、心の悩み相談、多
 重債務者支援等のワンストップ窓口を開設します。

■自殺未遂者の自殺再発を防ぐために、救命救急センターに
 精神科医師を配置するなど、精神科医による診療体制の充
 実、福祉との連携強化等をはかります。家族など身近な人
 の見守りを支援します。
 NPO団体の知恵と熱意を最大限に活かします。


それに、なんといっても昨夜の閣僚就任記者会見だ。
こだわっている仕事として、あえて自殺対策に言及し、「体制も
含めて見直す」といった踏み込んだ発言もしていた。
これで間違いなく、本当の意味での「総合的な自殺対策」が、
動き出す。

さあ、私たちも覚悟を決めて準備をしよう。
福島さんと全面的に連携をして、日本の自殺対策を、なんとし
ても自律的な軌道に乗せるように全力を尽くそう。自殺対策を
突破口にして、日本を「生き心地の良い社会」に創り変えてい
こう。

追伸。昨年8月に対談をさせていただいたことを、福島さんが
ご自身のブログで紹介してくださっています。
http://mizuhofukushima.blog83.fc2.com/blog-entry-942.html

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2009年09月10日

今日は「WHO世界自殺予防デー」

私がNHKを辞めてライフリンクを立ち上げたのには
いくつかの理由があるのだが、実はそのひとつが、
「WHO世界自殺予防デー」に深く関係している。

私は2001年に「クローズアップ現代」という番組で、
自殺で親を亡くした子どもたちのことを取材してから、
現代日本の自殺問題に強く関心を持つようになっていた。

ただ当時はまだNHKの内部でも「自殺は個人的な
問題」だと思い込んでいる、現場を知らない上司も
数多いて、なかなか番組を作ることができずにいた。
(私の力不足がそもそもの原因なのだが。)

そんな折に、といっても2003年のことになるのだが、
かの有名なWHOが、9月10日を「世界自殺予防デー」に
制定することを、海外のネットを見て知ったのである。

これは番組の企画を提案する絶好のタイミングだ!と、
私は日本で「世界自殺予防デー」の制定にあわせて
開催されるイベントがないか取材しまくった。

行政だろうと民間だろうと、自殺の問題に関係すると
思われる人たちにあたりまくったのが、誰も何も
企画していない。(というか、そのことを知らない人が
ほとんどだった。)

結果、せっかく日本でも、自殺の問題を社会に訴えかける
これ以上ない日があったのに、そのタイミングがみすみす
スルーされてしまうこととなった。というか、自分自身も
スルーせざるを得なかった。。。


それで、ああ、これじゃあ、日本の自殺対策はだめだ。。。
こっちが報道しようと思っても、報道する対象がなければ
何もできない。。。

だったら、自分が現場に入って、現場から報道してもらえる
ようなネタを投げればいいんじゃないかって、単純に言えば
まあそう思ったわけだ。


それで、ライフリンクを立ち上げてから2005年の9月10日に
さっそく大きなフォーラムを開いた。これが第一回「WHO
世界自殺予防デー」シンポジウム。日本で開催された最初の
自殺予防デー関連イベントである。

そしてそして、今年は9月6日に第五回目のシンポを開催。
http://www.youtube.com/watch?v=X800J_Cjoao


ああああ、とか何とか言っている間に、
NHKの生番組に向かう時間が迫ってきた。ぎゃーーー。


なんだか中途半端な日記になってしまったが、
とりあえずこのままアップ!

今年もこのタイミングを活かして自殺問題についての
啓発につとめるぞー!


ということで、以下が本日私が出演する予定の番組です。

■NHK「生活ほっとモーニング」  (8:35〜9:25)
■中京テレビ「NEWSリアルタイム」(16:53〜19:00)
■NHK教育「福祉ネットワーク」  (20:00〜20:30)
■日本テレビ「NEWS ZERO」    (22:54〜23:58)
■テレビ東京「Tokyo マヨカラ!」 (26:00〜26:15)

特に、福祉ネットワークがおすすめです。
「政権交代 自殺対策への提言」というテーマで
議論が白熱しています!!


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2009年08月30日

「声なき声」は届いているのか 〜総選挙開票速報に想う〜

民主党の圧勝で終わった今回の総選挙。
テレビの開票速報を眺めながら、2年前の夏のことをふと思い出した。

◆◆

2007年7月30日の午前4時。
私は、参議院選挙の開票速報に釘づけになっていた。参議院の改選
議席121の内、すでに119議席までが決まっているのに、残り議席が
2となった段階になっても、まだそこに、山本孝史さん(民主)の名前が
なかったからである。
山本孝史さんと言えば、自殺対策基本法を、まさに命懸けで成立させて
くれた国会議員。「命を守ることが政治家の仕事」と言い切り、信念を貫く
ために行動してくれる政治家を、私たちは絶対に失うわけにはいかないと、
大変微力ながら山本さんのことを応援していたのである。

《選挙戦に向けて私が編集した山本さんの国会演説が、なんとまだyoutubeに
残っていた。いまでも決して色褪せない名演説を、ぜひご覧いただきたい。》



山本さんは全国比例で立候補していたのだが、他の多くの候補者たちと
違って、全国的な支援組織があるわけではなかった。当時も民主党への追い
風が確かに吹いていたが、「山本孝史」という名前を投票用紙に書いてもら
わなければ一票にもならない全国比例の戦いの中で、想像以上に苦戦して
いた。

その象徴が、投票日の前日、つまり選挙戦最終日の夜の出来事である。
山本さんは新宿駅南口で、最後の訴えを行っていた。南口のメイン広場は、
全国組織からの推薦があって当選確実と言われていた民主党のA候補の
選挙カーに独占されていたため、山本さんは広場の奥の、人通りの少ない
スペースで演説することを余儀なくされていた。

しかも、A候補の選挙カーは、よくある演説台つきのもので、大きな拡声器が
四つもついている。山本さんの演説会場にまでA候補の声は響いてきて、
いまにも山本さんの声がかき消されそうな状況だった。(山本さんの選挙カーは、
普通のワゴン車のようなサイズで、もちろん演説台などついていない。全国
組織の応援があるわけではないから、すべて手弁当。要するに選挙資金だって
限られているのだ。)

それでも、山本さんは酸素チューブをつけた状態で、いつも通りに訴えを行った。
決して興奮しすぎることなく、静かな熱気と確固とした信念を言葉に込めて、
政治家としての思いを聴衆一人ひとりに語りかけるようだった。
応援の演説に駆け付けたのも、大物議員などではなく、社会の様々な現場で
実際に命を支える活動に取り組んでいる市井の人たちだ。がん患者の会の
方々や、親を亡くした子供たち、交通事故で息子さんを亡くして命の大切さに
ついて訴え続けている方、それに自殺対策に取り組んでいる方々など、みんな、
政治家・山本孝史と共に活動してきた同志たちである。

もちろん「景気対策」も重要だし、「年金問題」も極めて重要。
でも、いまないがしろにされてしまっている命を守るということが、政治課題
としてもっと優先されるべきではないだろうか。
山本さんは、社会の中に埋もれてしまっている「声なき声」に耳を傾けることを
何よりも大切にしていた。声の大きな人たちの言葉は、誰にだってよく聞こえる。
でも、いまにもかき消されてしまいそうな人たちの声は、よく耳を澄まさなければ
聞こえない。しかしそうした人たちの言葉の中にこそ、いまの社会を映し出す
真実が宿っているのだと、そう山本さんは考えていたのではないだろうか。

周囲の状況に屈することなく、最後まで「命の訴え」を続けた山本さんの雄姿を、
私は決して忘れない。

◆◆

今回の総選挙前夜、私は最後の遊説を見届けようと池袋に行ってきた。
東口では麻生現総理が、西口では鳩山次期総理が、大きなスピーカーを備えた
大きな選挙カーの演説台の上で、大観衆を前に熱弁をふるっていた。

麻生総理の演説鳩山代表の演説





去年の参院選。山本さんは結局、ギリギリのところで当選を果たしたのだが、
ご承知の通り、その年の暮れに、2年間に渡る闘病生活の末に他界された。

遺された私たちは、山本さんから「命のバトン」を引き継いで、いまでも
社会の様々な場所で、それぞれの活動を続けている。山本さんに恥ずかしく
ないようにと、それぞれが精一杯「命を支える活動」を続けている。


次期総理となる鳩山さんは、生前山本さんと親交があったと聞く。
昨夜の会見で「民主党の勝利ではなく、国民の勝利にしなければならない」と
言っておられたが、その「国民」の中に「声なき声」の人たちは含まれている
のだろうか。

今回の選挙で、小泉チルドレンの多くが国会を去り、小沢チルドレンが多く
誕生したらしい。

私たちも、山本チルドレンここにありの心意気で、気を引き締めていこう。
自殺対策の現場から、積極的に、鳩山政権に協働を呼び掛けていこうと思う。



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2009年07月26日

『希望と絆 いま、日本を問う』 姜尚中著

希望と絆―いま、日本を問う (岩波ブックレット)
希望と絆―いま、日本を問う (岩波ブックレット)
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『悩む力』の著者として有名な姜尚中さんの新刊本です。
姜先生が私の大学時代の恩師だったことは、過去にこのブログでも
書きましたが、実は『希望と絆』の中で、姜先生が私の学生時代の
ことを赤裸々につづっています!

というのはもちろん冗談ですが(苦笑)、自殺問題とライフリンクの
活動について、なんと項目まで立てて触れてくださっています。


◆◆

『希望と絆 いま、日本を問う』

第一章 絆の痛んだ時代に
 ・「地域」から日本を考える
 ・自分の「郷」への思い
 ・命をつなぐ、ライフリンク
 ・一年間に三万人が自殺する国で
 ・「正直者がバカを見る社会」
 ・一人では生きられない
 ・薬物中心の治療への疑問
 ・一卵性双生児、韓国と日本
 ・絆が痛み、社会が痛んだ
 ・非常識が常識に

第二章 平和のために日本ができること
 ・オバマの核軍縮宣言
 ・日本の核をめぐる動き
 ・私のとっての韓国、北朝鮮
 ・日朝平壌宣言の背景
 ・北朝鮮の「飛翔体」
 ・アメリカの選択
 ・北朝鮮を「知る」ことの必要性

第三章 正当性を問い、希望を語る
 ・言いたいことが言えなくなる危険性
 ・問題にすべきは「正当性」
 ・「チェンジ」の歴史はめぐる
 ・常識からみて正当かどうか
 ・希望のある社会のために

◆◆ 


以前、毎日新聞の企画で姜先生と対談をさせていただいたときの
キーワードも「希望」でした。《対談記事はこちら》

深い闇の中にある時代だからこそ、いまならば小さな光も明るく
見える。自殺問題という、非常に深刻な社会問題のその奥にこそ、
これからの社会のあるべき姿を考えるヒントがきっと隠されている。

『希望と絆』を読んでいると、そんな勇気がわいてきます。
希望とは、暗闇の先に光を見出そうとする意志なのだと思います。


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2009年07月07日

【報告】 河村官房長官に「自殺論議はお涙ちょうだい」の真意を聞いてきました


_MG_2887すっかり報告が遅くなってしまいましたが、
6月24日(水)に首相官邸に行き、河村官房長官に直接「申し入れ」をしてきました。
全国の民間有志35団体の連名で、「自殺論議はお涙ちょうだい」と発言したとされることの真意を確かめ、自殺総合対策会議の会長として自殺対策に懸ける思いをうかがってきました。《詳しくはこちら》


官房長官からは、「私の言葉の、そこだけのところ(お涙ちょうだい)が独り歩きしてしまって、みなさんに厳しい思いで受け止められたことについて、とても残念に思うし、申し訳なかったと思っている」と、まず率直な心境を聞かせていただきました。
また「お涙ちょうだい」と言ったのは、自殺の問題がそうだというのではなく、党首討論の場において民主党の鳩山代表が、財源論を示さないまま命の大切さを訴え続けた、その議論の仕方が「お涙ちょうだい的だ」と批判したのだということでした。

政府としては、「生活苦や過労、格差など、今日的な問題が自殺の問題に集約されていると受け止めており、今後より一層自殺対策に取り組んでいきたい」。「自殺対策は非常に大きな課題であるから、今回の予算でも100億円の基金を作った。特にNPOの方々に使ってもらうために作ったものなので、ぜひ活用してほしい」。「進んだ日本の国で、一方ではこういう問題はやっぱり看過しちゃいけないと私も思っている」など、日本の自殺対策の責任者として大変心強いお言葉をいただきました。


_MG_1324私たちの説明にも真摯に耳を傾けてくださり、本心から自殺の問題を何とかしたいと思っている様子が伝わってきました。(私がパソコンを手で持ちながら説明しようとした時などは、そっとパソコンに手を添えて支えてくださるお気遣いでした。)
また閣議等の場でも積極的に自殺対策の必要性を訴えてほしいとの要望にも快く応じてくれました。


雨降って、地固まる。
いや、雨降って、地固める。ですね。

◆◆

最後になりますが、急な呼びかけにもかかわらず「申し入れ」に賛同してくださった全国の民間団体のみなさま、また国会が非常に忙しいこの時期でありながら、ことの重要性を鑑みて官房長官への申し入れを即座にセッティングしてくださった「自殺対策を考える議員有志の会」の尾辻秀久会長、それに柳澤光美事務局長小池晃議員に、心から感謝申し上げます。(写真奥)

現場と国会とが連携をして、さらに気を引き締めて、これからも自殺対策を推し進めていければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。


                              7月7日
                              民間有志35団体を代表して 
                              清水康之


追伸。今日は、自殺対策基本法の生みの親でもある山本孝史さん誕生日ということで、報告させていただきました。

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2009年06月18日

自殺問題を「情緒的な話」で済ませようとする人こそが情緒的である。

自殺の問題を「情緒的な話」で済ませたがる人は決して少なくない。
今朝の読売新聞には、こんな記事が載っていた。

◆◆◆

鳩山代表の自殺論議は「お涙ちょうだい」…官房長官が批判

河村官房長官は17日の記者会見で、民主党の鳩山代表が党首討論で
医療事故や若者の自殺問題などを取り上げたことについて、「お涙ちょ
うだいの議論をやるゆとりはないのではないか。財源の問題や外交・安
全保障などテーマは多々ある」と述べた。

長官は「人の命は重要なテーマだと考えているが、情緒的な話をしてい
る段階ではない」とも語った。

野党は「『お涙ちょうだい』という言葉が出ること自体が、若者の自殺
問題の深刻さを理解していないことの表れだ」(民主党幹部)と批判し
ている。

(2009年6月18日01時21分 読売新聞)

◆◆◆

官房長官といえば、閣僚で作る「自殺総合対策会議」の会長でもあり、
自殺対策推進に関する政府の言わば責任者だ。

そのような立場の人が、法治国家である日本において、2006年に議員立
法で成立した「自殺対策基本法」の存在すらをも否定するような、かく
のごとき発言をするはずはないから、きっとこれは読売新聞の「誤報」
なのだろう。

だって、人が毎日100人も自殺で亡くなっていく異常事態が、情緒的な
話であるわけがない。
生身の人間がそれだけたくさん死に続けている現実が、「お涙ちょう
だい話」なんかであるわけがない。

自殺は、人の生き死ににかかわる極めて個人的な問題であると同時に、
生活苦や過重労働、介護疲れやいじめ等と通底する社会的な問題であり、
また地域のセーフティーネットや縦割り行政の弊害とも関連する社会
構造的な問題でもあるのだ。
それこそ、極めて今日的な社会の課題が、自殺の問題に凝縮されている
と言っても過言ではない。

それを「情緒的な話」で済ませられる人がいたとしたら、それは現実を
まったく知らないか、その人が情緒的過ぎるかのどちらかだろう。
いのちが不本意な形で失われていくことの壮絶さを知っている人ならば、
自殺問題を「お涙ちょうだい」で語れるわけがないのだ。


繰り返しになるが、だから今朝の読売新聞は「誤報」だろうと思う。
だって日本の自殺対策の責任者でもあられる官房長官が、かくのごとき
発言をするわけないだろう。「救えるはずの命」を守ろうと、いろいろ
な形で、それこそ命懸けで奮闘している人たちのやる気をそぐようなこ
とを公の場で言うわけがないだろう。

ただ念のため、というか官房長官の誤解を解くためにも、私たちは
全国各地で自殺対策に取り組む民間団体に呼びかけて、近く官房長官に
「申し入れ」をしようと考えている。
官房長官の真意をあらためてお聞きし、自殺対策の推進に懸けるご決意と
ご覚悟を、ぜひとも公の場で語っていただきたいと思っている。


何か進展があったら、ぜひまたここでもご報告します。

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2009年06月17日

最近「心中」が目立つ、、、

最近「心中」に関する記事が目立つ。
今日だけで3つもあった。


■無理心中:父と3児死亡 部屋に炭燃やした七輪 (毎日新聞 広島)
 2009年6月16日 23時13分 

 16日午後3時ごろ、広島市西区のマンション1階の室内で、無職、川口靖宏さん(41)と、川口さんの子どもの龍馬君(4)、翔馬君(4)、彩香ちゃん(3)が死亡しているのを、部屋を訪れた川口さんの両親が見つけた。部屋には炭を燃やした七輪があり、食卓には遺書のようなメモが書かれたノートが残されていた。広島県警広島西署は、無理心中の可能性が高いとみて調べている。
 同署によると、死後数日とみられる。遺体に目立った外傷はなく、部屋に荒らされた形跡はないという。川口さんは4人暮らしで妻は別居中だったらしい。近所の人の話では、川口さんは元会社員。生活保護を受けていたらしい。【寺岡俊、矢追健介、星大樹】


■東京・練馬区のマンションで32歳母親と1歳長女が死亡しているのが見つかる 無理心中か(フジテレビ)
 6月16日23時12分配信

 東京・練馬区のマンションで、32歳の母親と1歳の長女が死亡しているのが見つかり、警視庁は無理心中とみて調べている。
 16日午前10時半ごろ、練馬区のマンション駐車場で、湯元 奈津子さん(32)が死亡しているのが見つかった。
 湯元さんはこのマンションに住んでいて、部屋で1歳の長女・ひかりちゃんが首を絞められて死亡していた。
 部屋には遺書が残されていて、警視庁は、湯元さんがひかりちゃんを殺害したあと、飛び降り自殺したとみて調べている。


■死亡の夫を書類送検=石垣一家5人無理心中−沖縄県警(時事通信)
 6月16日13時53分配信

 沖縄県石垣市の民家で3月、一家5人が死亡した事件で、県警八重山署は16日、無理心中を図ったとして、殺人容疑で、飲食店従業員東浩吉容疑者=当時(45)=を容疑者死亡のまま書類送検した。
 同署などによると、東容疑者は3月11日、石垣市新栄町の自宅で、妻=同(37)=と当時3〜8歳の子供3人を自宅にあった包丁で刺すなどして殺害した疑い。同容疑者は4人を殺害後、ガソリンを使って焼身自殺した。



 そもそも日本では、毎日90人以上が自殺で亡くなっているのだから、確かに心中で亡くなる人も少なくないのだろう。
 一体どういう思いで家族に手をかけ、またどういう思いで亡くなっていったのだろうか。

 想像を絶する現実が、私たちの社会の日常になってしまっている。。。
 


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2009年05月23日

自殺統計を対策に活かせ(アメリカの例)

アメリカの自殺統計は、日本の市区町村よりも若干平均人口の多い
郡(county)単位でまとめられているようだ。(日本の市区町村が
約7万人で、アメリカの郡は約10万人。*1)

コロナー(検死官)制度だったり、Medical-Examiner制度だったり
なるものがあって、郡ごとに「死に関する様々な情報」を調べて、
地域の対策に役立てているのである。

◆◆

例えば、高橋尚子さんがかつて合宿を張ったことで有名な、コロラド州の
ボルダー郡では、年間自殺者が50人程であるにも関わらず、いくつもの
項目に分類したデータをネット上で公表している。
http://www.lifelink.or.jp/hp/Library/boulder_suicide.pdf
http://www.bouldercounty.org/coroner/

《分類項目》(すべて1人単位で公表されている)
(1)年間人数
(2)月別人数
(3)5歳区分での年齢別(15〜19歳、20〜24歳など)
(4)性別
(5)手段(ピストル、ライフル、薬物など)
(6)場所(自宅、駐車場、公園など)
(7)要因(経済問題、仕事関連、健康問題など)
(8)未遂歴
(9)自殺予告歴
(10)婚姻歴(結婚・離婚など)

さすがにこれは遺族への配慮という観点からも明らかにやり過ぎだと
私は思うが、自殺の発生地にドットを打って公表しているところもあった。
http://www.hamilton-co.org/coroner/SUICIDE%202007.htm

いずれにしても、「死から学び、その学んだことを社会に還元しよう」
という明確な意思が、社会に根付いている証だろう。

◆◆

実態が郡ごとに明らかになっているから、自殺対策も自ずと郡ごとになっている。
ヤフーで「county suicide prevention」で検索してみたら、実にたくさんの
対策計画がヒットして出てきた。(「county」は郡のこと。)例えばこれだ。
http://www.hamilton-co.org/coroner/SUICIDE%202007.htm

郡の自殺実態を元にして地域の自殺ハイリスク群を明らかにし、その上で
処方箋を講じている。問題解決の手法として当然のステップである。

日本では情報が公表されないために、実態に即した実効性のある対策を
取ることができずにいるわけだから、まったくその逆。
(アメリカでは、交通事故に関する「調書」も警察は開示
 http://www.mika-y.com/journal/amerika.html)


◆◆

今回、ちょっとした理由で急きょ必要性が出てきてザッと調べたアメリカの
事情だったのだが、日本の対策を戦略的なものにしていくためには、こうした
研究も(こそ)重要だと思うのだが。。。



(*1)
アメリカの人口:3億1500万人
郡の数:約3000
⇒郡の平均人口:約10万5000人

日本の人口:1億2700万人
市区町村の数:約1800
⇒市区町村の平均人口:約70500人

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2009年05月14日

今日発表された「自殺統計の概要(警察庁)」を読む

本日、昨年の「自殺統計の概要」が警察庁から発表されました。
先月すでに発表されている総数の、今回は内訳(職業別、年齢別、要因別など)です。
http://www.npa.go.jp/safetylife/seianki81/210514_H20jisatsunogaiyou.pdf

◆◆◆

資料を読み込んだ限りで言うと、特徴は大きく3点あります。
(1)時間軸的な特徴、(2)年齢構成的な特徴、(3)社会要因的な特徴の3点です。

(1)時間軸的な特徴ですが、「10月」が年間を通して最も多い月でした。
 これは過去10年を遡ってみても例のないことです。9月のリーマンショックの
 影響もあり、そうなったと推察するのが自然でしょう。

(2)年齢構成的には、30代が過去最多となっています。
 しかも10代、20代も増加傾向にあります。中高年世代の自殺が依然として高止まりを
 続ける中で、若年世代の自殺も増え始めた。事態がより複雑かつ深刻になってきて
 いると言わざるを得ません。

(3)要因的な特徴としては、「経済生活問題」の総数はほぼ変わらないのですが、
 その中身が変化しています。負債関連の項目については11%減少しているのに対して、
 失業・就職失敗・生活苦の合計が18%も増加しているのです。

◆◆◆

以上3つの特徴を踏まえて概観すると、

▼30代、つまり社会に出た時は就職氷河期だったために非正規として働かざるを
 得ない人が多い世代(それだけ生活の基盤が脆弱である世代)に、9月以降の世界
 同時不況の影響が最もシビアに直撃し、結果、失業して生活苦に陥り、再就職も
 果たせない中で生きる道を失って自殺に追い込まれていったのではないかと推測
 できます。

 そもそも30代というのは、内閣府が行った意識調査の中で「自殺を本気で考えた
 ことがあるか」との問いに対いして「はい」と答えた割合が最も高かった「生きる
 モチベーションが脆弱な世代」です。社会的な問題の打撃を受けやすい土壌があった
 とも考えられます。
 http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/survey/report/2-3.html

▼また、多重債務問題に対しては、グレーゾーン金利の撤廃や市区町村レベルでの
 相談窓口開設、民間による啓発などの対策が成果を出し始めた結果でしょうし、
 その一方で、「雇用対策」「生活支援」が現場にまでは十分に届いていない中で
 セーフティネットのほころびが生じ、そうした要因がきっかけとなって自殺に追い
 込まれる人が増えたのではないかとも思います。

◆◆

 しかし、いずれにしても、今回のデータは全国規模のものだけであり、地域レベル
 での特徴はまったく見えてきません。これを基にして市区町村レベルで対策を取れと
 言われても、できるわけがありません。

 政府は、警察署単位で自殺実態を把握しているわけですから、自殺で亡くなった人
 たちが最後に残した「生きた証」を、これから同じような形で自殺に追い込まれる
 人を一人でも減らすために、最大限活用すべきです。「死から学ぶ」という謙虚な
 姿勢で、亡くなった人たちの存在を、せめて社会に還元すべきではないでしょうか。

 また要因についても、毎年「健康問題が●●%」「経済生活問題が●●%」といった
 ような出し方をしていますが、もっと対策に役立てることを意識して、どういった
 要因と要因との組み合わせが多いのか、対策の連携に資する様な形でデータを出す
 べきです。これについても、すでに情報は政府が持っているわけですから。
 それにマスコミも、警察発表を真に受けてばかりいないで、もっと考えて報道すべき
 です。「健康問題がトップ」だなんて当然のこと。自殺は人の「いのち」に関わる
 問題で、そもそも健康問題でもあるのですから。(「病苦」とかが多いというので
 あれば分かりますが。)

◆◆

 自殺総合対策大綱には、「自殺は追い込まれた末の死である」とあります。また
 WHOは「自殺は避けられる死である」と言っています。
 追い込まれていく人を自殺から守ることはできるはずなのに、それが日本でできて
 いないのは、対策の根拠となる形で自殺者統計が発表されていないために、戦略を
 立てることすらできていないからです。

 自殺へと追い込まれていく「いのち」を、一体いつまで見捨て続けるつもりなのか。
 一刻も早く、政府には市区町村単位で自殺のデータを公表し、いい加減に、対策の
 足を引っ張るのをやめてもらいたい。

 100人が自殺で亡くならなければ、一日を終えることができない。
 悲しいかな、それが私たちの社会の現実です。

◆◆◆

なお、本日(5/14)自殺統計に関する私のコメントが、メディアに載ります。
▼読売、朝日、日経、東京、地方紙(共同配信)の「本日夕刊」
▼NHK「ニュース7」(予定)、また日テレ「NEWS ZERO」ではコメントはなくとも
それなりに丁寧に報道してくれると思います。

以上です。


◆◆

追伸。自殺者データの公開については、遺族のプライバシーが守られる範囲において、
というのが大前提です。
4月24日に開かれた自殺対策推進会議で、具体的な公開方法について提案しています
ので、関心のある方は、ぜひ↓こちらを↓ご覧ください。
http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/suisin/k_7/pdf/ss3.pdf

また「自殺統計原票」も掲載しておきます。これは警察が個人情報を排した形で
データ化した「自殺で亡くなった方についての記録」です。
これが、自殺で亡くなった方お一人おひとりについて作られ、警察署単位でまとめられて
いるのです。
http://www.lifelink.or.jp/hp/Library/jisatu_genpyo.pdf

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2009年05月11日

アメリカの底力


「ホワイトハウス記者協会」が主催した夕食会での、オバマ大統領の演説がなんともお見事である。(以下は、youtubeへのリンク)

http://www.youtube.com/watch?v=6npOSHUmQUc&feature=related

こういうのを見せられると、アメリカの底力を感じずにはいられない。
ただ単に国のトップのユーモアセンス云々といったことではなく、こうした機会を設けてそれを楽しむことのできる社会的な余裕や、こうした機会を設けながらも緊張関係を失わず対峙することのできる政治とメディアの関係など。根底に流れる「プロ意識」の違いなのかもしれないが、どれも日本にはないものばかりだ。。。



私は、高校二年から大学二年の終わりまでをアメリカで過ごした。
最も多感な時期に、単身で「野生の王国」みたいな自由と責任の地に渡り、なんとか生き抜くことができた経験は、いまでも自分を形作る重要な基礎となっている。

学校初日に誰も仲間がいない中で、ひとりカフェテラスでランチを食べなければならなかった時のあの緊張感も、数学の宿題に出た文章問題の意味が分からずに、徹夜で辞書を引き引き机に向かった夜のことも、サッカーチームに入って試合で活躍した途端、みんなが「ヤズー」「ヤズー」って学校の廊下ですれ違うたびに声をかけてくれるようになった日のことも、車の教習場で知り合った別の学校の女の子と、ホームカミングパーティーの晩に、その子の母親の運転で日本食レストランにスーツを着て食べに行ったことも。笑

どれもこれもすべてが、今となってはかけがえのない大切な思い出である。



誰の人生も、例外なく終りが来るものだから、生きている限りはできるだけたくさんの思い出を作ろう。
そして人生の幕を下ろす時、あらためて過去を振り返ってニヤニヤしながら、大切な人たちに囲まれて旅立つことができたなら、それはどんなに幸せなことだろうかって思う。

今だって、未来にとってみれば、思い出の一ページ。
それがどんな「今」なのであろうと、過ぎ去ってみれば思い出へと変わるもの。

だから、悲しむのであれば思いきり悲しんで、苦しむのであれば思いきり苦しんで、楽しむのであれば思いきり楽しんで、笑いたいのであれば思いきり笑って。

いつか「今」を過去として振り返った時に、「ああ、あの時ね!」って、せっかくだから思い出せるような「今」にしていきたい。かけがえのない「今」に。

そのためにも、日々を精一杯生きようと思う。
これがなかなか難しくて簡単にできることではないけれど、できるだけごまかさずに生きていきたいものだ。できるだけでいい。できるだけでいいのだから。


追伸。なんだか本当に私的な日記みたいになってしまいましたが、まあたまにはいいでしょう。笑。このまま公開いたします。

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2009年04月29日

【記事】 豚インフル対策「人と金惜しみなくつぎ込む」…与謝野財務相


ネットサーフしていたら、こんな読売新聞の記事を見つけた。


豚インフル対策「人と金惜しみなくつぎ込む」…与謝野財務相
4月28日10時14分配信 読売新聞

 与謝野財務・金融・経済財政相は28日の閣議後の記者会見で、豚インフルエンザへの対応について、「人とお金を惜しみなくつぎ込み、被害を発生させない、被害を極小化させることを心がける」と述べ、財政面での支援体制を強調した。

 「必要な時に必要なお金を使うのが大事。当然予備費の支出も可能だ」と語り、2009年度1次補正予算案に計上しているインフルエンザ対策費1300億円に加え、必要に応じて予備費を活用する考えを示した。(後略)

◆◆


「必要な時に必要なお金を使うのが大事」。当然だろう。

ただ、必要な時に必要なお金が使われないことが多い。
不必要な時に不必要なお金が使われることも多い。

豚インフルだけでなく、人の「いのち」の脅威になっている諸問題に対して、政府は然るべき予算を確保して、「被害を極小化させる」ように当然努めるべきである。


ところが、「最後のセーフティーネット」とも言うべき自殺対策の本年度予算は、30憶円弱。
補正予算で100億円の基金を作るといっても、合わせて130億円足らずだ。(しかも基金は3年分である。)

心ある議員たちと基本法を作り、社会的な事業として国に自殺対策に取り組ませることができるようになったとは言え、ホントまだまだ課題山積だ。日本では、年間3万人、一日90人もの人たちが、自殺で亡くなっているというのに。。。


ちなみに「30億円弱」というのは、「純粋な自殺対策」に係る予算です。
政府が発表している今年度の自殺対策関係予算「160億円」には、「介護支援専門員資質向上事業」や「就職支援アドバイザー事業」、「国営公園整備費」なんてものまで含まれていて、なんのこっちゃ!?なので。苦笑

平成21年度自殺対策関係予算「160億円」(内閣府HP)


追記。姜先生との対談記事はこちらから

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2009年04月15日

『悩む力』の姜先生と対談しました

姜先生対談0414 012昨日、毎日新聞の企画で、『悩む力』のご著者としても有名な東大大学院教授の姜尚中さんと対談をしました。

何を隠そう、姜先生は私の大学(ICU)時代の恩師なのであります。先生は政治学がご専門で、私も当時は国際政治に関心があったので、「国家という枠組みの限界性と絶対性」というテーマで卒論を書きたい!と、姜ゼミの門をたたいたのが15年前。それ以来の、お付き合いになります。(と言っても、私が一方的にお世話になっているだけですが。苦笑)

最初はなんとも尤もらしいテーマで卒論を書こうとしていた私だったのですが、その直後に起きたオウム事件などに影響を受けて、すっかり関心が「国際政治から日本の若者の生き方論」に移ってしまいました。先生に、卒論のテーマを変更したいと相談に行った日のことは、いまでも鮮明に覚えています。(あー、懐かしい。笑)

というのも、「日本脱出マニュアル」などという、おおよそ学問的とは言えないようなテーマで、よく言えば実践的な卒論を私は書きたいと思っていて、でも果たして先生がそんなテーマでOKしてくれるかと、もしかしたら怒られるのではないかと、先生のオフィスを訪ねた時は内心ドキドキものだったからです。(だって、これってほとんど「卒論詐欺」のようなものですし。苦笑)


でも、さすが、姜先生は器が違いました。

怒るどころか、「いーじゃないか、清水くん。とてもいいテーマを見つけたね。現代版“出・日本記(出エジプト記ならぬ)”だね」と、とってもよろこんでくれたのです。

卒論を提出したときも、V・E・フランクルの著書を引用して、「それでも人生にイエスと言う。いいと思う!」とコメントしてくださったのを、本当によく覚えています。(ゼミでプレゼンした時の、先生の最初の感想は「清水くん、君がまぶしいよ」でした。笑)


私がICUを卒業してNHKのディレクターになってから、「いつか先生と一緒に仕事をしたい」と思っていたのですが、結局それが叶う前に私が辞めてしまいました。
それが、今度はライフリンクを立ち上げてから、こうやっていろいろと仕事をご一緒させていただけるようになるなんて、本当に人生とは分からないものです。

ということで、、、
姜先生との対談記事は、今月20日(来週月曜日)の毎日新聞・夕刊に掲載される予定です。ぜひとも、手に取ってみてください。(記事で漏れた分は、あらためてここでも掲載したいと思います。)

ちなみに、記者さんから提示されたテーマは「この国はどこへ行こうとしているのか〜自殺大国」というものだったのですが、対談を通して出てきたキーワードのひとつが「希望」でした。
なんだか、卒論について先生と語り合った時のワクワク感が蘇ってもきて、小恥ずかしいやら、うれしいやらで、あっという間に過ぎた一時間半でした。

とにもかくにも、20日の毎日新聞・夕刊。お勧めです!(3回シリーズで行われる企画でありまして、22日には上田紀行さんも登場するそうです!これも必見!)

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2009年03月09日

書けることだけでも、、、


なんとも久しぶりの「日記」になります。苦笑
まず、いつ刊行されるか分からない性質の悪い「季刊誌」のように
なってしまっているこんなブログに、懲りずに訪ねてきて下さって
いるみなさん、申し訳ありませんというか、ありがとうございます。

これまでのことがありますので、あまり大きなことは言えないので
すが、これからは「書ける範囲のこと」だけでも、少しずつ書いて
いくようにしたいと思ってます。
実は私の活動は「公にできないこと」の方が多くて(例えば、、、
すみません、例え話もできません。。。苦笑)、話としてはそっち
の方がよっぽど面白くもあるのですが、そんなことを言ってると、
これまでのように「結局何も書けない」ことになってしまいますの
で、これからは方針をあらためるようにします。

ただ、ブログに書き込んで下さったコメントに対してのコメントは
しないという方針は、今後も変わりませんので、あらかじめご理解
下さい。(もちろんすべて読ませていただいてはおります。)

では、これからはせめて「月いち」で(苦笑)、書いていくように
がんばりますので(「月いち」の更新が努力目標というブログも、
きっとそうないですよね)、今後とも温かく見守っていただけると
幸いです。

どうぞよろしくお願いいたします。


bbe99a7e.jpgライフリンクがいま行っている「自治体の
自殺対策に関する実態調査」の作業ボード
です。調査の結果は、今週中にも発表する
予定でおります。


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2008年09月10日

「勉強会」を無事に終えました

080910_有志の会ヒアリング_1「自殺対策を考える議員有志の会」が主催してくれた勉強会でのプレゼンを、無事に終えることができました。

衆参両院の議員と秘書の方、あわせて50人くらいが、政治的にとても忙しいだろうこの最中に、会場に駆けつけてくださいました。


「みなさんがお話下さったことは、必ず対策につなげていきます」。
実態調査に参加して下さったご遺族への約束を、これでまた少し果たせたかなと思うと、安堵の気持ちでいっぱいです。


080910_有志の会ヒアリング _2勉強会終了後、これからもガッツリ連携をしていくことを、議員の方々と誓い合いました。自殺対策は、「支援者の視点」から「当事者の視点」へと、施策の起点を切り替えていく構造改革でもあるので、心強いです。

※写真は、左から「有志の会」の石井みどりさん、会長の尾辻秀久さん、事務局長の柳澤光美さん、私。


さあて、次は914シンポ
はりきっていくぜ。

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今年の「世界自殺予防デー」は国会議員の方々と


今年の「世界自殺予防デー」は、国会議員の方々と過ごします。
7月に発行した「自殺実態白書2008」についてレクチャをして欲しいと、「自殺対策を考える議員有志の会」が主催する勉強会にお招きいただいているのです。

いまは、例によってそのための資料作りに追われているところ。
この分だと、またライフリンクの事務所で朝を迎えてしまいそうです。苦笑

でも、志を共にする仲間たちと過ごすこうした時間は、とても貴重なものでもあります。
過去として今日を振り返ったとき、「あのときは精一杯やったよなー」と美味しいお酒を酌み交わせるように、とにかく全力を尽くそうと思います。

自殺の実態を議員の方々にも理解してもらい、国会からも対策推進を後押ししてもらえるよう、それではがんばって参ります。



080819_114208 (2)
追記。明日の会場に、自殺対策基本法の生みの親でもある山本孝史さんがいらっしゃらないのが残念でなりません。ただ、天国の山本さんに報告するつもりで、プレゼンしてこようと思います。
なお、この写真は、先月「自殺実態白書」ができあがったことの報告のために、山本さんのお墓参りに行ったときに撮影させていただいたものです。ご自宅にお邪魔すると、山本さんのお写真と一緒にこんな言葉が飾られていたのです。法語だそうですが、山本さんからのお言葉のように感じられて、自分の日々を戒めた私でありました。

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2008年04月28日

「坑道のカナリア」の声を聞け 〜「硫化水素自殺」報道に思うこと〜


多くの遺族と接してきたからだろうか。
自殺の報道に触れるたび、思い浮かべるのは亡くなった本人やその家族のことである。


《4/24 毎日新聞》
硫化水素自殺 中3女子が死亡 住民80人が避難

新聞報道によると、少女は13歳。母ひとり子ひとりの、親子二人で市営住宅に暮らしていたという。
「女子生徒は2年時には約7割の日数を欠席していた。しかし、2年終わりごろの進路相談で、担任教師がある高校を薦めると、女子生徒は興味を示していたという。3年になって登校に意欲は見せていたが、今月7、8日に登校し、23日まで欠席が続いていた。3年に進級して学習面に不安があった」のだそうだ。

そういえば、ちょっと前まで「再チャレンジ」というスローガンが連呼されていたが、この13歳の少女にはどう響いていただろうか。
失敗を繰り返して成長していく場であるはずの学校で「再チャレンジ」が果たせないと悟ったとき、いったい誰がその先の人生に夢や希望をみることができるだろう。


《4/10 産経新聞》
「硫化水素発生中。入るな」36歳男性が自殺 亀有の都営住宅

都営住宅に、親と同居していたという。36歳と言えば、私と同い年。幼い頃には、ガンプラやファミコンに夢中になった世代(第二次ベビーブーマー)である。
記事には無職と書かれていたが、ずっと仕事に就いていなかったのだろうか。それとも何らかの理由で離職したのか。

いずれにせよ、きっと彼にだって私たちと同じような子供時代があったはず。いったい彼は人生のどの辺りから、自殺へと足が向き始めてしまったのだろう。いったい何が、彼を自殺へと追い込んでいったのだろうか。


《4/25 読売新聞》
横浜でも38歳男性が硫化水素自殺…マンション住民も被害

記事の中に「帰宅した小学生の二男(8)が頭痛などを訴えた」という一文があり、私はそこが一番気になった。
父親が亡くなっている姿を最初に発見したのが、この子だったのではないかと想像したからである。(実際に遺児の子たちから話を聞いていいると、子どもが第一発見者である場合が少なくない。)

もしそうだとしたら、この子は父親を見て何を思っただろう。
フラッシュバックに悩まされてはいないだろうか。

それに、「硫化水素自殺=迷惑」という見られ方をする中で、ちゃんと親父さんとお別れができたのかな。
「父ちゃん、なんで僕をおいて死んじゃうんだよ」って、亡骸にすがりつきながら大泣きすることができただろうか。「やだよ、父ちゃん。早く起きてよ」って。。。


4/09 無職少女が硫化水素で自殺 大阪(産経新聞)
4/13 硫化水素自殺 19歳男性が自宅浴室で 岡山(毎日新聞)
4/13 大阪でも硫化水素自殺 18歳女性が浴室で死亡(産経)
4/16 硫化水素自殺 静岡で34歳女性 ガス吸った父も入院(毎日)
4/16 硫化水素自殺 横浜で27歳男性 隣室2人巻き添え軽症(毎日)
4/17 硫化水素 乗用車内で夫婦中毒死 心中か 北九州(毎日)
4/18 練馬の会社員 硫化水素自殺(産経)
4/23 22歳男性 硫化水素で自殺 横浜市(産経)
4/25 硫化水素で親子自殺? 浴室から異臭 青森(河北新報)
4/26 17歳、硫化水素自殺か=マンション住民50人避難 横浜(時事)
4/27 相次ぐ硫化水素自殺 4月はすでに50件超す(産経新聞)


当たり前のことではあるが、亡くなり方は同じようでも、亡くなった人に同じ人はいない。
自殺が起きるたびに、誰かのかけがえのない「いのち」が失われていっている。誰かにとって大切な人の「いのち」が失われていっている。

だが一連の報道からは、そうしたことがまったくと言っていいほど伝わってこない。いや「ひと」の気配すら感じられない記事が多い。

「周囲への影響」のことばかりが強調されて、まるで「死にたい奴は勝手に死ね。ただし、周りに迷惑を掛けずに独りで死ね」と言わんばかりの論調である。(そもそもWHOの「自殺報道ガイドライン」を無視した報道も目立つ。)


確かに自殺の巻き沿いを食わされたらたまったもんじゃない。私もそう思う。
でも報道によると、亡くなったほとんどの人たちが「張り紙」をしていたらしいではないか。

「硫化水素発生中 入らないで下さい」
「毒ガス発生中 すぐに通報して下さい」
「危険 硫化水素発生中 絶対に開けないでください」など

社会に対するルサンチマンがあって不思議ではないのに、人生最後の言葉が「他者への警鐘」だなんて。なんという律儀さかと、あまりにも切なくなってくる。


「坑道のカナリア」という言葉をご存知だろうか。
坑道の中などで有毒ガスの発生を、人間が感知する前に知るために、籠にいれて持ち込まれるカナリアのことである。

硫化水素自殺。
奇しくも彼らは、日本社会に蔓延する「生きづらさ」「息苦しさ」を真っ先に感知して、私たちに警鐘を鳴らしているのではないか。

いやもっと言えば、毎年3万人、一日90人に上る自殺者が、現代日本社会における「坑道のカナリア」なのだろう。


自殺は、あらゆる社会問題が最も深刻化した末に起きている。
過重労働、いじめ、多重債務、介護疲れ、差別、犯罪被害など。

だから自殺で亡くなった人たちの「声なき声」に耳を傾けると、この社会で「いのち(私たち自身の者も含めて)」がどんな扱いを受けているのかが良く見える。
私たちが漠然と感じている「生きづらさ」や「息苦しさ」の正体が、極めて具体的な形で浮き彫りになってくる。


「硫化水素」という表面的な手段にばかり目を向けていたって、「天唾」にしかならない。
自殺で亡くなる人たちが何に生きづらさを感じ、どんな支援を必要としていたのか。それらを明らかにすることこそが、私たちの社会が抱える奥深い問題点に迫ることにつながっていくはずなのだ。

自殺の問題について考えるとき、私は決してそうした視点を忘れてはならないと思う。そこから「ひと」の面影を決して消し去ってなるものかと思う。


カナリアたちの「声」に耳を傾けるのか。それとも「声」を聞き流して、聞こえぬふりをして、このまま坑道を突き進んでいくのか。

亡くなられた方々のご冥福を祈りつつ、私は前者に努めることをここに誓いたい。


【参考資料】
「1000人の声なき声に耳を傾ける調査(自殺実態調査)」
「いじめ自殺と報道 ガイドライン策定が急務」
代表日記「メメント・モリ〜死を憶えよ〜」


なお、「硫化水素自殺」対策に関して簡単に具体的なことを補足しておく。

考えられるのは、緊急避難的な対策と根本的な問題に迫るための長期的な対策だろう。

緊急避難的な対策については、大きく2点。
ひとつは、報道の仕方をあらためること。WHOの「自殺報道ガイドライン」を参考にして、自殺対策に資するような報道に変えていくことである。

もうひとつは、ネットでの対策。「自殺」「硫化水素」と検索したときに、相談窓口のHPが先に検索されるような仕掛けにすること。加えて、2ちゃんや自殺掲示板などに、相談窓口のHPアドレスをカウンター的に打ち込んでいくこと。そうやって、自殺の方向に向かう情報ばかりが集まっている状態を、生きる方向に向かう情報を増やしていくことで「中和」させるべきだろう。

また長期的な対策も、2点。
ひとつは、教育の中で「悩みを打ち明ける訓練」「死にたいという気持ちになったときそれを伝える訓練」をすること。
自殺予防教育というと、すぐに「命の大切さを教えよう」ということになりがちなのだが、子どもたちだって「命が大切なこと」くらいはすでに分かっているわけで、問題はその「大切な命」を守れなくなってきたときに助けを求める方法を教えてあげることなのだと私は思う。

またもうひとつは、「生きるに値する魅力的な社会にしていく」ということだ。そのためにも、社会がもっと「死から学ぶ」ための仕組みを整えるべきだろう。当事者の声が施策に反映されるような仕組みを作っていく必要があるのだと思う。


とりあえず、今日はここまで。
上記に関連することでライフリンクが取り組んでいるプロジェクトについて、追って補足していきたい。

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