このところ、私は鈴を持って歩いています。ポケットに入れたりベルトにくっつけたり、また首からぶら下げたりしています。
熊除けもそうですが、山道を歩いている時のヒタ ヒタッとか、ペタ ペタッとかいう自分の靴音に混じって、
コオロギや鈴虫でしょうか、虫達の声。山の森を揺するゴォーッという風。
カラス。澄みわたるトンビの声。
ピュールルルルッ。
そうした中に私の鈴の音は歩くリズムと共に鳴り、鳴らしています。
下からの鈴、腰あたりの鈴、胸板の鈴。
下から上、上から下へ、
鈴の音を這わす。
深夜、東京からの帰り、真っ暗な山道でこの鈴はまた鳴ってもいます。
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