シリーズ第三十九回目。
 
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日本人が知らない「二つのアメリカ」の世界戦略 深田匠(P21~P31)
 
マスコミが報じないイラク人質事件の真相

 平成十六年四月のイラク邦人人質事件では自己責任論が噴出した。しかしこの事件の本質はそんな甘いものではない。実はこの事件の背景には、マスコミがその左派的体質または臆病さ故に全く報道していない重大な疑惑が今も解明されないまま存在する。その疑惑を詳述する前に、先にもう一度この事件後の流れを整理しておこう。

 平成六年十月二十五日の朝日新聞はルワンダPKOへの自衛隊派遣に反対するために「紛争でも非武装ジャーナリストは安全だ」と述べ、またTBS『ニュース23』でも筑紫哲也が「ボランティアのほうが、制服・武器を持っている一国の軍隊よりもふさわしい。しかも安全の点でも丸腰の民間人のほうがいい」と言い放った。これら左派マスコミの吹く笛に踊らされ、稚拙な妄想的反戦平和主義者たちが海外危険地帯へ無防備に渡航する中、かくてイラク人質事件は起こるべくして起こった。そして日本政府が十三回も退避勧告を出しているイラクへ浅慮無謀にも渡航した三名のために、誘拐犯から日本国が脅迫されるという事態に至ったのである。しかし、ご存知のとおり、この人質の家族は「自衛隊を撤退させよ」「犯人の要求を受け入れよ」「人命よりも国家のメンツを優先するのか」「お話にならない」などと威丈高に日本政府を非難し続けた。個人の行動と国策による派遣を混同し、己の家族を助けるために国家の名誉も威信も同盟国との信義も全て捨てよと怒号し、毎度のごとく「人権、人道」の合唱を行ったわけである。人質家族の増長は「ほっかいどうピースネット」という団体を通じての声明で「自衛隊の即時の撤退と、イラクからの全ての武力の廃絶を訴え続けます。即刻の停戦を求めます」と米国の国策変更を要求するまでに及び、「最悪の事態が起きたら(政府を)絶対許さない」と発言するにも至った。勿論この家族たちからは、自分達の家族の無謀な行動で国が脅迫されたことへの謝罪は一切なく、政府が必死であらゆる救出ルート開拓に取り組んでいることへの感謝も一言も口にしなかった。

 このあまりにもエゴイズム剥き出しの家族の言動に対して、日本国民の多くが怒り、家族の自宅には抗議・批判が殺到した。左派マスコミは「心ない嫌がらせ」「これ以上家族を苦しめるな」と相変わらず馬鹿なことを並べていたが、この抗議・批判こそが日本人の良識である。ひと昔も前であれば「家族がかわいそう。人命第一にして自衛隊撤退せよ」という声が大々的な世論となった可能性も否定できないが、今や日本人は段々と目覚めつつある。TBS『ニュース23』で共産主義者の筑紫哲也(その思想背景については後述する)は、「私たちはこういう若者(人質三人)を必要としているのか、いないのか、そして、さらに卑劣な中傷をする人たちとどちらを必要としているのか」とまで言い放ったが、もう日本国民多数の答は出ているのだ。このように左派マスコミがいくら笛を吹けども国民は踊らず、どのアンケート調査でも大半が自衛隊撤退に反対していた。私がこの国民の良識ある反応に感慨を覚えたのも事実だ。

 さて実はこの家族の異常な言動の背景に反米左翼勢力の「活躍」が有った。まず高遠菜穂子が過去に常連的に参加していたシンポジウムは日本赤軍が関与しており、高遠のイラク入りは日本赤軍人脈を使っていた可能性が高い。高遠の弟と妹も赤軍シンパの可能性がある。さらに高遠はワールド・ピース・ナウ(WPN・・・・・・詳細は後述)という反米共産主義団体の連合体と密接な関係にあり、同組織に反米の檄文を寄稿してもいる。高遠と極左の関係は、毛沢東原理主義を信奉する極左セクト「労働者社会主義同盟」の機関紙「人民新報」(平成十五年十二月十五日号)に、高遠が自衛隊派遣反対の記事を執筆していることからも如実に明白であろう。なお東京新聞がカイロ特派員電として、高遠が事件前にサラヤ・ムジャヒディン(戦士旅団)のメンバーと接点があった旨を報じていたことを指摘しておく。

 次にこの高遠よりもさらに思想背景が明確なのは、今井紀明の一家だ。今井紀明の父親は全教の教師、母親も共産党員、今井紀明本人も共産党系過激分派MDSが推進する「ブッシュの戦争犯罪を裁く法廷」広報担当を務め、さらに共産党系の「NO!小型核兵器・サッポロ・プロジェクト」を設立して代表を称するなど反米共産主義活動に励んできた人物だ。要するにこの家族はバリバリの共産主義一家だったのである。マスコミがフリーライターだのNGO団体代表だのと呼んでいた今井紀明の正体は民青(共産党民主青年同盟)の活動家であり、高校生の頃から極左誌「週刊金曜日」「世界」などにも投稿し、日本を共産主義国にするための防衛力弱体化=「反戦平和」運動に取り組んできた第五列であった。さらに今井は革マル派との関係も指摘されており、JANJANというインターネット新聞に「酒鬼薔薇聖斗はA君ではなく事件は国家による捏造」という革マル派の受け売りの陰謀論を平成十五年十月八日号に書いてもいる。
 
 さて人質事件が起こって犯人側が自衛隊撤退を要求していると判明した途端に、共産党と反米左翼組織は「待ってました」とばかりに大挙して家族の「支援」に繰り出し、この事件を反米・反政府活動に転化させた。民青・全労連を始めとして、ワールド・ピース・ナウ系の諸団体、革マル派、赤軍派、元ベ平連、ピースボートなど、共産党から極左過激派まで反米マルクス主義勢力が一致協力してこの家族と連帯して動き始めたのだ。まさに「事件だよ、共産主義者全員集合!」である。この勢力は自衛隊撤退を求める署名を集め、連日に渡って撤退要求デモを行い、「自衛隊撤退と小泉政権打倒の好機」と檄を飛ばした。赤軍派系のピースボートの吉岡達也共同代表はカタールに飛び、アルジャジーラに出演して反政府・反米を叫び、自衛隊撤退が日本国民の総意であるかのように吹きまくった。首相官邸近くでの抗議集会は、毎日正午と夕方の二回行われ、全労連を始めとする共産党系の全組織がフル回転してのべ一万人の左翼活動家が動員され、ゲストとして福島瑞穂・天木直人・川田龍平といった反米マルクス主義者も加わって気勢を上げた。家族の記者会見には常に民青の幹部が同席しており、共産党一家の今井家は言うまでもなく高遠の弟妹も、これらの左翼団体の宣伝カーに上がって政府批判を叫んで自衛隊撤退を求め続けた。要するに家族の下司なエゴイズムと反米左翼の思惑が一致したということだ。当人に何の落ち度もなく国内で北朝鮮に拉致された方々のご家族が、エゴイズムを抑えて毅然とした姿勢を貫いてこられたことに比べ、この家族とそれを運動に利用する左翼の何と醜いことであろうか。国民の多くはその醜さに気付いたから抗議の嵐という良識を示したのである。

 この国民の怒りの声に驚いた家族は、世論を敵に回さないために初めて謝罪と感謝を口にした。なお郡山総一郎本人はともかくも、その母親は共産主義者ではなく一度も「自衛隊撤退」を口にしていないが、この郡山の母が今井・高遠の家族に対して「人質問題をあまり政治的に関連付けるのはどうだろうか」と諌めたことも、他の二家族が表向きの態度を変える要因となったことを付記しておく。人質の家族の記者会見で外国人記者が「特定の政党を支持しているのか」と質問したことは、この今井と高遠の二家族の言動が明らかに反日的分子、すなわち反体制共産主義者の言い分そのものだったからだ。今井紀明の両親が首相官邸に届けた「自衛隊撤退を求める十五万人の署名」なるものは、共産党が党組織をフル動員して集め、さらに不破哲三ら党幹部が全国各地で街頭演説に立って署名を呼びかけ二日間で集めたものである。つまり国民の世論というよりも単なる「共産党員・共産党支持者名簿」にすぎない。このように反米共産主義勢力総動員で政府に圧力をかけようとする最中に、馬鹿な菅直人は「何故人質の家族に会わないのか」と小泉首相を批判したが、小泉首相はこの家族とは会えない、いや会ってはいけない家族だったのである。

 今井紀明は解放後に在イラク日本大使館員に「イラク人は悪くない。自衛隊が悪いんだ。自衛隊を即時撤退させろ」とも述べており、この狂信的な極左活動家を救出するのに日本政府が費やした我々日本人の税金は二十~三十億円(産経新聞)といわれる。昭和五十二年のダッカ事件で赤軍に払ったのが約十六億円であるから、それよりも高いのだ。私たちがもし税金を滞納すれば政府は差し押さえをしてでも取り立てるが、そうやって取った税金を無謀かつ感謝のカケラもない極左活動家の救出に充てられたままでは納得できない。自民党の柏村武昭参院議員が参院決算委員会で「同じ日本国民であっても、そんな反政府・反日的分子のために数十億円もの血税を用いることは、強烈な違和感・不快感を持たざるを得ない」と述べたのは、まさに多くの国民の怒りを代弁する正論である。柏村議員は左派マスコミの非難に対しても発言撤回を拒否した。日本にはまだ気骨のある政治家もいるのだ。

 ちなみにヨルダン政府が協力の見返りに対日債務の棒引きを要求していたという情報もある。この人質たちは国家と国民に対して、一生かけても償いきれない損害を与えた。金だけではない。万人単位の政府機関職員が徹夜を重ねて奔走し、天皇陛下までもがチェイニー副大統領に「人質のことをどうかよろしく」と頼まれた。反天皇・反政府を呼号する反日分子の生命の安否を、政府のみならず陛下までも案じられたのだ。ところが今井紀明は記者会見で政府への感謝もなく自己責任を否定し、「帰国の旅費が税金から出ているから返せみたいな言われ方をされるんだったら、航空券を持っていて自分たちはその方法で帰ろうとした」と言い放っている。それならば政府はこの二十数億円全額を請求するべきだ。自衛隊撤退要求に署名した十五万人の共産主義者に、一人あたり二万円ずつカンパしてもらえば全額払えるだろう。もし払えなければ三人とも自己破産すればよい。それこそが自己責任というものだ。

 帰国後に今井紀明は「週刊現代」のインタビューで、「日本政府は今回の対応(自衛隊撤退の拒否)で国際的な評価を落としたはずです」と勝手に決めつけ、さらに「政府は、自衛隊派遣によって事件を引き起こした責任をどう取るのかなっていう気持ちはあります」と述べている。驚くなかれ、何と今井は事件を引き起こしたのは犯人でもなく自分たちの無謀な行動でもなく、政府が引き起こしたとして政府に「責任」を取るように求めているのだ。ちなみに郡山も「週刊金曜日」で「政府からは申し訳なかったなどの言葉は一言ももらってません」と述べており、要するに自分たちが謝罪するのではなく、政府が自分たちに謝罪するべきだと考えているのである。

 さらに今井紀明はマルキスト同士の気安さからか、「週刊金曜日」のインタビューに対しては「日本に帰って、別の意味で(行動の自由が全くなく)拘束されていると感じています。(小略)日本社会に拉致されたという感じです。(小略)生還の喜びすら人質から奪ってしまった日本社会は、やはり侵略戦争を国を挙げて支持した昔ながらの集団主義から、脱却していない不気味さを感じた。(小略)日本の政府やマスメディアのひどい点がよく見えました」とまで言い放っている。いかにも洗脳された共産主義者らしく「侵略戦争」云々とは笑止のこじつけだが、それよりも「日本社会に拉致された」とまで言うのならば、再びイラク武装勢力のもとへ送り返してやればよいのだ。仮に自らの思想信条がどうであれ、当事者として絶対に言ってはならない言葉というものがある。しかし異常な極左少年にはその程度の社会常識さえもないのだ。

 なお今井紀明が取り組んでいた劣化ウラン弾の被害なるものは、共産党と反米極左グループが反米プロパガンダに近年捏造した新ネタであり、はっきり言って全くのデタラメである。そもそも劣化ウラン弾の放射線量は天然ウランの百分の一であり、仮に被曝しても体内に吸収されるのは全体量の一~二%にすぎないため、放射線障害が起こることは有りえない。これは厚生労働省も認めており、科学的知識のある人間の間では常識の話である。ところが共産党を中心に反米左翼はこの劣化ウラン弾を反米プロパガンダに用いるために、その被害を針小棒大に歪曲し、あまつさえ完全に捏造し、各地でヤラセ写真展なんかを催している。衛生整備の遅れた国では奇形児の出産率が高いのだが、要はその奇形児の写真を片っ端から撮りまくって反米に利用している訳だ。つまりこの今井少年は、劣化ウラン弾で反米感情を扇動する→日米間を離反させ日米安保を破棄させる→中共の対日赤化工作によって日本を共産化させる、という共産党のシナリオの一番末端で活動していたのである。物理学の専門知識もない浪人生がイラクに行ったところで、劣化ウラン弾の一体何が分かるというのか。つまり劣化しているのはウランではなく、この少年の脳味噌だ。

 劣化ウラン弾は、米国以外にロシア、フランス、日本、パキスタン、タイ、韓国、台湾、ヨルダン、イスラエル、クウェート、バーレーン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦などが保有しており、当の中東イスラム諸国も保有しているにも拘らず、反米共産勢力はこれをアメリカだけの武器であるかのように喧伝するという、二重の嘘をついている。しかもフォトジャーナリストを自称する反米左翼活動家の森住卓という男が原作を書いた『汚れた弾丸』なるマンガが「少年マガジン」誌に連載され、今井が劣化ウラン弾云々と報じられたことから、このマンガの単行本がベストセラーになっているが、これは子供にまで捏造したプロパガンダによる反米意識(そして米国に協力する日本政府への反感)を植え付けようという戦略である。森住は「アメリカに対する怒り、ブッシュに対する怒り」を子供たちに与えることが目的だと述べているが、こんな非科学的でデタラメな政治的宣伝マンガで子供たちが「今井少年化」することを私は危倶する。

 なお今井ら三人に続いて人質になった二人の邦人の内、一人は「人間の盾」をやっていた単なる左翼反戦運動家であるが、もう一人の渡辺修孝という男の背景には注目しておく必要がある。この男は元々は自衛官であったが、除隊後はイラクとコネクションをつくるために、イラクと密接なパイプを持つ反米右翼団体の一水会に籍を置いていた。さらにその後、米兵や自衛隊の行動を監視するという「米兵・自衛官人権ホットライン」(自衛隊員に任務ボイコットを呼びかける「反戦自衛官」の小西誠なる中核派元活動家が主宰)なる極左グループに参加し、ハーグ大使館人質事件の日本赤軍リーダー重信房子や連続爆破テロ事件の東アジア反日武装戦線「狼」グループなどの支援活動に従事し、赤軍派の塩見元議長とも接点を持っている。さらに渡辺は平成十二年から一年間、レバノンに滞在してテルアビブ空港乱射テロの犯人である日本赤軍・岡本公三と行動を伴にしてもいる。渡辺には平成四年一月にブッシュ父の来日に反対して、首相官邸前でアジビラを撒き、さらに官邸に赤ペンキを投げつけて道路交通法違反で逮捕された前科も有るのだ。つまり一言で言えば渡辺は極左過激派活動家なのである。日本赤軍がテルアビブのロッド空港で二十六人を殺害した事件が代表するごとく、日本の極左過激派はパレスチナ急進過激派PFLPGCなどと連携しており、渡辺がおそらく「特殊な目的」のためにイラク入りしていたことは間違いない。要するにイラクで人質になったのは極左過激派と共産党関係者だけであり、これでは自作自演を疑われるのは至極道理のことである。(なお現在渡辺は、自分が人質にされたのは自衛隊派遣が原因だとして、国に五百万円の賠償訴訟を起こしている。)

 ともあれこの人質事件の主役たちの背景が示すように、日本の左翼は反米という共通項において、イラクやイスラム武装勢力と連帯するに至っている。しかしクリントンがその在任中に計七十六回もの対外武力行使を行ってきてもこれほど騒いでいなかった日本の左翼が、ブッシュ政権の武力行使に対しては気が狂ったかのごとくヒステリー状態の反米プロパガンダを絶叫するのは何故であろうか。それはひとえにブッシュが「強い日本」を待望する対日戦略を持っていることに由来する。左翼にすれば『アーミテージ・レポート』のように日本が軍事的にも自立した強い国になってしまえば、そして日米間の絆が深まれば、中共の支援による日本共産化(属国化)の可能性が潰えるからだ。現在日本国内でアルカーイダやイスラム過激派によるテロを手引きする可能性の高い第五列は、共産党最左派グループと極左過激派であり、彼らが殺人や爆破などテロに肯定的であるのは戦後の国内治安史が証明している。

 さて、いよいよ冒頭で述べた重大な「疑惑」について述べることにする。これまで自作自演を疑わせる不可解な状況が多々あることは、産経新聞や週刊新潮などが何度も報じてきた。いわく「イラク特措法と憲法に関する論議など、日本の特殊な国内事情を何故イラク武装勢力が詳しく知っているのか」「広島や長崎への原爆投下を知っている人間が何故その綴りを間違うのか」「武装グループと人質三人の考え方に一致点が多すぎる」「小泉首相が撤退拒否を明言したのに何故三人は殺されずに解放されたのか」「コーランでは異教徒からの略奪を正義と説くのに、何故三人は高額のカメラも含め一切何も奪われていないのか」「解放された日、すでに安全な場所にいる三人が何故テレビカメラの前でも覆面したままで、イスラム武装勢力が解さない英語で『Where is it ?』などと奇妙な芝居をしていたのか」「なぜワールド・ピース・ナウは、政府よりもアルジャジーラよりも先に『解放するという情報を犯人グループから得た』と発表していたのか」等々である。この不自然な状況に警察庁極左対策室や警視庁公安一課(極左取締担当)は自作自演を確信したという。
 
 また解放後の今井と郡山の記者会見においても不可解な点が多々有った。細かい箇所まで指摘するとキリがないので「絶対に有りえないこと」だけを述べておこう。今井たちは拉致された時の状況を「アラブ人の子供が出てきてタクシーの運転手から乗客の三人が日本人であることを聞き出した」と言った。しかしこの三人はアラビア語は全く話さないのだ。ならば何故その会話が理解できたのか。テレパシーでも持っていると言うつもりだろうか。アジトに連行された三人は「英語を話す将軍からスパイかと疑われて尋問され、自分たちの職業や目的を説明したところ、将軍は感動してスパイの疑いをかけたことを謝罪した」とも言う。あの三人のあやふやな英語でよく伝えられたものだと不思議だが、それ以上に何の根拠もない説明に対して武装ゲリラの頭目が「感動して謝罪した」などという馬鹿げたことは絶対に有りえない。アラブにおけるスパイ容疑者の尋問とはすなわち拷問である。仮に拷問しなかったとしても、意志の疏通さえもあやしいカタコトの英語の説明を聞いて「感動」だの「謝罪」だの、そんなやわな武装ゲリラなど世界のどこにも存在しない。この「将軍が感動して謝罪」なる話は、何故か三人が拷問も虐待も受けず所持品も奪われず五体満足で解放されたことに関し、その辻褄を合わせる捏造であるとしか思えない。「話せば分かる」の対極にいるのがテロリストやゲリラである。こんな不可解な言い訳はこれまで聞いたことがない。

 そしてさらに最も不可解な極め付けの疑惑が三つ存在している。この疑惑についてもまだ何一つとして解明されていない。まず一つめは、犯人グループの二回目の声明文に西暦(キリスト教暦)が記されていたことである。イスラム教徒は独自のイスラム暦を使っており、モハメッドがメッカからヘジュラヘと追われた年を元年とする。西暦二〇〇四年は、イスラム太陰暦では一四二五年、イスラム教シーア派の太陽暦では一三八三年となる。そしてキリストの誕生から始まる西暦は彼らにとって禁忌でもある。従って犯人グループがスンニ派なら太陰暦を、シーア派なら太陽暦を必ず用いる。ましてやキリスト教国家アメリカと戦争中のことである。イスラム武装勢力が西暦を用いることは、日本の反天皇制共産主義者が声明文に皇紀を用いるようなものであり、百%ありえない。さらにこの声明文の西暦は表記順序が年・月・日の順に並んでいるが、こんな表記をする欧米人は存在しない。こういう表記をするのは世界で一ヵ国、日本だけである。つまり結論として、この二回目の声明文を書いたのはイラク武装勢力でも欧米英語圏の人間でもない。日本人だ。従って犯人グループの名で発表された二回目の声明は偽ものであるが、しかし何故かその声明通りに三人は解放されている。

 次に二つめの大きな疑惑は、この事件の発生を知らせる最初の報道で、朝日新聞とNHKだけが三人の過去の活動風景の写真及び映像を流したことにある。この三人は事件までは全くの無名であり、朝日やNHKがあらかじめ彼らの「劣化ウラン弾の危険を訴える活動風景」や「イラク現地でボランティア活動する風景」の映像を持っていたことは考えられない。つまり事件が発生することを知っていた「誰か」が発生と同時に両社に持ち込んだのだ。なお詳しくは別章で述べるが、共産党員の人数は新聞社では朝日が第一位、テレビ局ではNHKがTBSとほぼ同数で第一位である。これは何かを示唆しているのではないか。ともあれ共産党民青活動家の今井紀明の活動風景の映像を含め、これらの映像を持ち込んだ人物は、日本国内にいながら事件が発生することを事前に知っていたとしか判断できない。

 そして実は三つめの疑惑こそが、一つめと二つめの謎を解き、全てのカラクリを明らかにしているのではないだろうか。その三つめの疑惑とは、事件発生前の四月七日に「今井」という名の人物が日本国内の友人に対して送ったメールである。このメールを初出で紹介したマスコミは「月刊日本」誌の同年五月号だが、以下そのメールの文を引用する。「ヒミツの大計画!(笑)投稿者・・・・・・今井です 投稿日:2004/04/07(Wed)09:57 今日は週刊朝日の記者さんと知り合いになりましたよ!アンマンで取材されているフリーライターなんだって。とりあえず仲良くなったところで、郡山さん(記者さんね!!)が、あるとっておきの計画を持ち出したよ!これってサィコーかも?(笑)。歴史に名前を残す大偉業のような気がする!一緒に聞いていた高遠さんも乗り気みたいだし、これはやってみる価値アリだとおもうね。そのうち日本でもニュースになると思うから、チェックしてね!」。もう説明は不要であろう。

 このメールの真偽が確認できなかった為に大手マスコミはこれを一切報じなかった。また人質たちも帰国後の記者会見では、怪しげな「心の傷」を理由に質問を受けることは一切拒否した。しかし「心の傷」を受けている筈のその今井と郡山は、現在各地の左翼集会で講演を続けている。つまり左翼集会ならば疑惑の追及を受けないからだ。犯罪心理学も研究している私には分かるが、過剰なまでに自らの責任を否定して他社への責任転嫁(このケースの場合は「政府は事件を引き起こした責任をどう取るのか」)する場合は、それが自己の犯罪隠匿目的の心理であることが多い。もし仮に自作自演であったならば、それは刑法第八十一~八十二条「外患に関する罪」に該当する重罪である。すでに首相官邸や警察庁外事情報部は全てを知っているのかもしれない。しかしもし左翼勢力の手によって重大な犯罪が行われていても、現在の国際状況下、政府はその事実を公表しないかもしれない。公表すればまさにこれほどの国恥はない。

 しかし私は疑惑を完全に解明し公表するのが政府の責務だと考える。自衛隊撤退を呼号する左翼勢力が実は何を目指しているのか、カモフラージュの「反戦平和」ではなくその本意とするところは何か、それは本書を最後まで読了して頂ければご理解頂ける。その左翼勢力の策謀を打破するためにこそ、全ては明らかにされるべきなのだ。今はまだ状況証拠であり、物証も自白もないため断定はしない。しかし幸いにも、幼稚な少年共産主義者が得意気にその尻尾を出した可能性がある。良識ある日本国民よ、その尻尾をつかんで影に隠れている「赤いケモノ」の胴体と頭を白日の下に引きずり出せ。もし灰色が黒であったとき、国家反逆者が帰るべき場所は自宅ではなく檻の中なのだ。
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 当時ニュースはあまり観ていませんでしたが、この事件は何となく覚えています。と言うのも、私もこの数年前海外に滞在した事があり、帰国して少し経ってから911が起こりました。911後は海外渡航全般が大変危険だと報道されていました。

 空港での所持品検査も厳重になり、当時のイラクというかアラブ諸国にテロを行った組織があると言われていたので、命の保証は無いというのは当たり前でしたが、冒頭にあるように「紛争でも非武装ジャーナリストは安全だ」「ボランティアのほうが、制服・武器を持っている一国の軍隊よりもふさわしい。しかも安全の点でも丸腰の民間人のほうがいい」とかいうメディアの主張もありました。

 そこまで平和ボケしたバカがいるのか? と思っていたので、この事件を知った時には、思わず「バカだ」と口にした記憶があります。しかし報道では大体が、人質擁護の内容だったと思います。『ニュース23』は暗いイメージがあったので、ほとんど観てはいなかったのですが、100%日本が悪いという感じの報道を行っていて気分を害し、すぐにチャンネルを変えていた記憶があります。
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すめらぎ いやさか★彡