エスカレーターに乗る際、一列に並び、急ぐ人を通すように片側を空ける習慣がある。

 東京では左側、大阪では右側に並ぶが、仙台ではどうだろうか。

 平日の朝、仙台市営地下鉄の仙台駅。ホームと改札口をつなぐエスカレーターでは、通勤・通学客が右側に列を作っていた。市交通局も「一般的に右側に列が出来、左側を空ける傾向がある」と話す。

 仙台市中心部で100年以上の歴史を持つ百貨店「藤崎」も「左並びのお客様もいるが、右並びが多い」(広報)という。

 ただ、JR仙台駅のエスカレーターでは、右側に列が出来たかと思うと、左側になるなどして一定しなかった。東京からの乗客が多い新幹線ホームも、左で列が固定されるわけではなく、まちまちだ。

 JR東日本仙台支社は「駅では立つ側を決めていない。利用客は前に立った人がどちらに並ぶかで判断するようだ。左右どちらが多いかは分からない」と話す。

 大阪便が1日15往復ある仙台空港(岩沼、名取市)に聞いても「右に固まらず左右同じぐらい」(空港ビル)との答えが返ってきた。

 どうやら仙台の場合、「右並びが優勢」だが、「前の人がどちらに立ったかに影響されやすい」傾向があると言えそうだ。

 前の人に影響されやすい点は「支店経済」と呼ばれ、県外からの転勤族が多い仙台らしい特徴とも言えよう。ただ、どちらかと言うと「右」が優勢なのは、なぜなのか。大阪より東京の方が近いのに意外だ。

 これについて、エスカレーターに詳しい高橋儀平・東洋大教授(建築学)は「地理はあまり関係ない。その土地ごとに、自然発生的にできた慣習なのではないか」と話す。

 社会心理学が専門の佐藤達哉・立命館大教授は「エスカレーターで、人は後ろから歩いて上ってくる人に文句を言われるのを避けようと、前の人に合わせようとする。多数派でいようとする心理が働きやすく、それが蓄積して暗黙のルールになっている」と解説した。その上で、右に立つ人が多いことに心理学的な理由はないとし、偶然によるものだと説明した。(山下真範)

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