「人間の欲望」

人が生まれ、際限無く追い続けるモノ。
それが「欲望」だ。

「腹が減ったから何か食べたい」「髪が伸びたから少し切りたい」という日常のライトなモノから、「大金持ちになりたい」「有名になりたい」という俗的なモノ、「傷みから、悲しみから脱却したい」と言ったような精神的なモノまで、その種類はまさに多種多様。

欲望達成の為には軽微な労力で済むモノから累々たる労力を必要とするモノまで色々あるが、共通して言える事は「達成しても、刹那の喜びしかない」という事だ。更に「際限が無い」

故に大事な事は「自分には、どこまでが必要か」という事を現状を踏まえて模索する事。そうするとボヤけていた幸せの形、自分の存在理由等の形が今までよりは、よりハッキリと見えるようになるだろう。

今日は、そんな事に纏わるエピソードをお届けしよう。



「嗚々、情熱大陸~マイカーを探せ~」前編
著;TOKI 民明書房刊
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TAKURO:「TOKIさん、車を買い換えようと思うんだ」

TOKI:「え?そうなの?」

TAKURO:「GLAYも軌道に乗ってきたんで、自分への御褒美ってトコっすかね」


デビュー後、3~4枚のシングルとアルバムを出し、TVの出演も多くなってきた。

私が当時購入したセリカのコンバーチブルを見て、兼ねてから彼は今まで乗ってたスカイラインからの乗換えを望んでいた。


TOKI:「予算は?」


TAKURO:「100万前後くらいですかね」


TOKI:「う~ん、中古で程度の良いヤツとなると・・・」


私は10代の頃に就職したガソリンスタンドで整備士の免許を取り、メカニックの一切を任された工場長だった経験を活かし、TAKUROにいくつかの車種を提示した。そして、大よその車種に絞った。

スカイラインGTS(R32型)


サバンナRX-7(FC3S型)


シルビアQ`s(S13型)

TOKI:「R32スカイラインは予算よりオーバーするかもしれないけど、程度の良い奴が多いと思うし、日産伝統のL型、あ、お前の今のスカイラインのエンジンなんだけど、それ以来の新L型とも言えるRBエンジンは、とにかく評判がイイ、6発とは思えないほどレスポンスはイイぞ。RX-7は前期型と後期型があって、あ、それはテールランプとモールで違いが分かるんだけどさ、ホラ!フロント見れば分かりやすいでしょ?あ!後期型は確かエンジンに改良が施された筈だよ。確かハナっからブースト圧が低めに設定されてるからVVC、あ、ブーストヴァリアブルコントローラーって言うんだけど、コレを付けるだけで結構パワーは上がるんだけど、アペックスシールがヤラれてるのが多いから過走行車には相当気を付けた方がイイ。シルビアは直4の割りにエンジンは重いけど、燃費に関しては・・・」



TAKURO「なに言ってるかワカンないよ!」



TOKI:「え?あ、そう?まぁ、じゃ見てくれだけで決めてイイんじゃない?」


TAKURO:「買う時、TOKIさん付き合ってよ?」


TOKI:「あぁ、イイよ」


TAKURO:「壊れたらTOKIさん直してね」


TOKI:「え?あ、まぁ、クラッチ交換くらいまでなら出来るよ」


TAKURO:「何かあったらスグ飛んできてね」


TOKI:「あ、あぁ、まぁ、行けたらね」


TAKURO:「壊れたら全部TOKIさんのせいだからね」




TOKI:「何でじゃ!」



そんなテンヤワンヤを経て、2~3日で車種を決定するという事で落ち着き、TAKURO宅を後にした。

そして、数日後。自宅の電話が鳴った。



TAKURO:「TOKIさん!シルビアに決めたよ!」


TOKI:「お、そうか。シルビアならQ`sで十分だと思う。K`sはターボモデルなんだけど、TAKUROは飛ばさないからQ`sで十分だろうね。その下にJ`sって云うのがあるんだけど、これはパワーウィンドウが付いてない、いわゆるベース車なんだよ。これがあったら絶対に安いから、それも視野に入れて・・・」



TAKURO
:「なに言ってるかワカンないよ!」



TOKI:「え?あ、そう?まぁ、わかったよ。まずはいきなり買おうとはしないで、車体の歪みとか事故車かどうかの見極め、もちろん、ショップに置いてある他の車両も見て、そのショップの車両メンテナンス度を計ってだな・・・」



TAKURO「今度の土曜空けといて!」(ガチャ!)



TOKI:「え?え?おい!モシモーシ!」


そんなこんなで土曜日を迎えた。


つづく。