え~・・・まだ大脳がムニャムニャしてますが、楽しみにしてる方が非常に多いようなので朝イチで頑張ってみました!ちょっと時間が掛かった!(何かくれ。なんなら君自身でも構わないぜセニョリータ)



※前編を読んでいない方は前編から読んで下さい。

「嗚々、情熱大陸~マイカーを探せ~」前編
http://blog.livedoor.jp/c4toki/archives/65442006.html



「嗚々、情熱大陸~マイカーを探せ~」後編
著:TOKI 民明書房刊
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TAKURO:「シルビア、どうですかね?」

土曜の昼。私の車の助手席に乗り込むなりTAKUROは聞いてきた。

TOKI:「いや、人気車種でタマ数が多いから、ちゃんとしたモノに出くわす確率は高いと思うよ」

TAKURO:「スカイラインとRX-7をヤメて正解ですかね?」

TOKI:「スカイラインはまだチョット高いな。RX-7はエンジンの耐久性に疑問があるから、中古ならシルビアは正解だと思うよ。他の2台より燃費は絶対イイし」

TAKURO:「そうっスよね!そうッスよね!」

TOKI:「うん、間違いないよ!」

TAKURO:「シルビア~シルビア~♪」


私達は私のセリカに乗って、埼玉県戸田市近辺の中古車センターからアタリをつけた。すると早速スポーツカー専門店のような店を発見。


TOKI:「お!ちょっとココ覗いてみようぜ?」


狙いのシルビアはもちろん、選考から外したスカイラインやRX-7も大量に在庫している。

私は10台前後あったシルビアからTAKUROが希望していた「黒色のシルビア」に絞って、まず「年式と走行距離のバランスと車体価格が妥当であるかどうか?」これをクリアしてる車体を探し、更に入念に外装のチェックをしていた。「板金した痕跡はないか?」,「部品交換した形跡は無いか?」目を皿のようにして集中力を高めた。

しかし、板金痕のあるものを誤魔化す為だろうか、洗車もロクにされていない車両が多い。


(ここはダメだな・・・)


そんな決断が脳裏をよぎった時、背後で


店員:「じゃ、事務所の方で契約書類を書いて下さい」


TAKURO:「は~い!いや~「黒い弾丸」だな!!カッチョイイ~♪」


という声が聞こえた。「は~い!」とか「黒い弾丸」という声はどこかで聞いた声。

振り返ると「スカイライン~スカイライン~♪」という鼻歌交じりで小躍りしてる久保琢郎(当時24歳)が満面の笑顔で事務所に入ろうとしていた。


TOKI:「おい!ちょっとちょっと!」


私は急いでTAKUROを呼び止めた。


TAKURO:「何スか?」


TOKI:「いいから、ちょっと来い!」


あからさまに「チッ」という顔をしたショップ販売員を尻目に私は店舗の外までTAKUROを連れ出した。


TOKI:「お前、なに考えてんだよ!ちゃんと車見たのか?」


TAKURO:「いやスカイラインが突然良くなっちゃったんで」


TOKI:「バカ!ちょっと俺が見てみるよ!モノが良かったらイイけど、そうじゃない場合、さりげなく店を出るから!も~!とにかく俺に任せとけ!」


スッとぼけた顔で再び店内の敷地へ小走りで戻る。


TOKI:「いや~どもども」


さっきより態度が若干コワばっている店員に軽い愛想を振りまきながらTAKUROが購入しかけた黒いスカイラインの程度を見てみた。


ざっと見ただけでも右フロントフェンダーのみ他の外装パーツと「劣化度数」が違う。

ボンネットを開けてみないと確証は無いが、多分、大なり小なり事故車の可能性が高い。


TOKI:「これ、修復歴ありますよね?」


店員:「え?あ、えぇ。でも走行に問題はありませんよ」


しかし車体の価格ボードには「修復歴無し」と明記してある。


TOKI:「まぁ、ちょっと考えます。また寄りますから」


そう言い残し、私はTAKUROを連れ店を出た。



TOKI:「ダメじゃないか!あんなの買ったらエラい事になるぞ!」


TAKURO:「わかりました!次からは大丈夫です!ちょっと興奮しちゃって」


TOKI:「よし、じゃ、次から行く店では、俺がダメだなって思ったら、ウインクみたいな目配せで合図するから俺の顔をよく見るようにしてくれよ?」


TAKURO:「わかりました!」


・・・次なる中古車センターを探して走る事、10数分。


また在庫豊富なスポーツカー専門店を見つけ、早速店内に入る。


TOKI:(え~とシルビア、シルビアと・・・)


すると若干、過走行気味だが、それなりの黒いシルビアを見つけた。

私は早速、車体チェックに入った。外装に特に問題は無いが、
何となくピンと来るものが無い。


TOKI:(う~ん、エンジンルームも見てみたいな)


チェックする為に店員を呼び寄せようと敷地内を見回すと、TAKUROが、いつのまにか店員と赤いRX-7の前で話し込んでいる。

(あ!また!)

急いで駆け寄り、TAKUROと店員が会話しているところに急行。

二人の傍に行き、会話に耳を傾けながらRX-7の状態をチェック。


(問題が多いとされている前期型で、6万Km以上も走行している。これはナシだな)


その旨を伝えようとTAKUROと店員の弾む会話のスキを伺うが、



TAKURO:「いや~赤い彗星っスよね!」


店員:「えぇ!もう大変お買い得な車両となっております!」



私は「先ほど促した合図」をTAKUROに送った。



しかし「赤い彗星・・・」「赤い彗星・・・」と念仏のように呟き続けて、私の合図に一向に気付かない。



必死にウインクしまくる私。




道行く人から見たら

真っ昼間から求愛している

ホモにしか見えないだろう。






TAKURO:「これ買います!」


店員:「ありがとうございます!」


TOKI:「ウォッホンッ!あ~、TAKURO?腹減ってないか?」


TAKURO:「え?減ってないよ?」

TOKI:「ア~、グォッホンッ!腹減ってるよな?」


TAKURO:「いや、別・・・」




TOKIが減っる筈だろノヤロウ!」



再び、なかば強引にTAKUROを店外へ連れ出す。



・・・・・・・・


・・・・・


・・・



こんな事を4~5店で繰り返し、昼から夜の7時くらいまで必死に探して、やっと程度の良いブラックシルビアを探し当てた。

車の売買契約を済まし、店を後にした。
あとは10日後くらいの納車を待つばかりとなった。
帰り道の車中でTAKUROは神妙な顔つきで言った。


TAKURO:「TOKIさん、ホント、アリガトね」

TOKI:「いや、別にイイよ」

TAKURO:「大事に乗りますよ」

TOKI:「あぁ」



・・・10日後。TAKUROから「納車なんでシルビア取りに行ってきます!」という電話があった。



(ヤツの事だ、車を受け取り、家に着いたら、あらためて礼の電話でも寄越すだろうな)


私は「親しき仲にも礼儀あり」という言葉の中の「礼儀」というモノは言葉じゃなくても良いと思っている。言葉の要らない関係。それこそが真の信頼関係なんじゃないだろうか。


そんな事を思った矢先、電話が鳴った。


「TOKIさん?TAKUROっす」


フッ、礼なんか要らないって言ってるのにな。でも、その気持ちは正直・・・嬉しい。

親友に嬉しい事があった。それは俺にとっても同じくらい嬉しい事なのだから。





「TOKIさん?あのさ、帰り道でおんなじ車と40台くらい擦れ違ったよ。すんげー萎えた。恥ずかしくなったよ」





・・・・・・・・・・・








なら・・・・・









「チャリンコでも乗っとれや!」

チャリンコです。






完っ!