東京・多摩地区で産出する杉材を家具などに組み立て可能な木材ブロックに加工して売り出す計画が地元NPOの手で進められている。「TAMAWOOD(たまウッド)」と名付けてブランド化し、収益は森林資源を生かした芸術イベントなどに活用、荒廃が進む山の再生に役立てるという。多摩地区の約2万ヘクタールの杉林は首都圏のスギ花粉の主な発生源の一つでもある。事業の展開次第では、花粉症対策としても期待されそうだ。

 計画を進めているのは、東京都青梅市在住の芸術家らでつくるNPO「文化交流機構『円座』」のメンバー。理事長で日本画家の杉本洋さん(58)が、趣味の山歩きを通じて多摩の山の荒廃ぶりを目の当たりにし「地元のために何かできないか」と仲間に協力を呼びかけた。

 都森林事務所によると、多摩地区ではピーク時の1958~62年に4624ヘクタールで杉などが植えられたが、その後、木材価格の低迷で林業が衰退。60年に2165人いた林業従事者は、05年には203人にまで減った。昭和30年代に大量に植樹された杉は既に成木になっているが、手入れが行き届かず「密林状態」のまま放置されている場所も多い。

 一方、こうした杉林からは大量の花粉が飛散する。東京都は06年度から花粉症対策事業に着手。多摩地区の杉林を伐採し、花粉の少ない品種の杉や広葉樹に植え替えたり、多摩産材の消費の推進を後押しするなどして、10年間で花粉の2割削減を目指している。

 TAMAWOODは現在、商品化に向け画家、家具職人、工業デザイナーなどがアイデアを出し合って試作品作りを続けている。大小さまざまな形の木のパーツをネジやシャフトで組み合わせ、家具やベンチ、床材や壁材などにも使えるようにしたいという。10年度中の製品化が目標だ。

 杉本さんは「TAMAWOODをきっかけに都会の人たちに山へ関心を持ってもらい、森林の再生につなげたい」と話す。問い合わせは円座事務局(03・6411・7358)。【袴田貴行】

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