2020年06月06日

サイボーグステッキ。


退院しましたが、腰椎ヘルニア関連の記事は
【入院編】のカテゴリを付けています。



今日の仕事場は何かと所縁のある京都でした。

初めてのジャンルのお仕事で、
大変な興奮を味わせていただきました。
内容は公開できないのですが、情報が解禁になった時はぜひ皆さまに知っていただきたい仕事を
ちょうだいしました!
(仕事に優劣をつけている訳ではありません。ジャンル・カテゴリ等により、皆さまの目に(耳に)入る事のない種類の仕事もありまして…。で、今回はたくさんの人に接してもらえるジャンルのお仕事でしてん)

京都との所縁(ゆかり)といえば、
初めてのレギュラー番組ナレーションが、京都の職人・文化を紹介するBSの番組でしたし、初めての地上波のレギュラー番組は、京都の職人さんの技と伝統を紹介する番組でした。
自分のナレーション史上最長収録時間を記録したお仕事も、京都の製作会社さんと作った作品でした。

そんな京都にまたもやお邪魔した今回。
が…、お話はナレーション仕事から離れ、
身体(と心)のお話をば。



これから自分にとって半ライフワークとなるのが、腰を基調とした【身体の作り直し】であります。
前述のとおり、カラダの要を"ほとんどサイボーグ"化した俺は、毎日(毎分、毎秒?)腰の様子を伺っております。
手術により神経痛はもうほとんどありません。すごい事です。何かしらの痛みが出る事に関しては、必ず動作としての原因がある事を認識し、対処を試みます。
こないだの、退院後初の経過診療の時には、主治医から『そんだけ動けたら痛み止めはもう大丈夫ですよね?』と言われ、とっさに「大丈夫ですけど、ちょっとはください」と変なお願いをして、頓服薬として痛み止めを引き続き処方してもらいましたが、つまりこれも【オアシス】です。

だから、杖なしで京都へも行けます。
でも杖があると楽チンです。
【オアシス】は、物理的にも精神的にも作用するのです。


久し振りに乗った電車、杖の威力は如実に表れました。周りの人が、ちょっと気ぃ遣うんです。
仰々しく見えるサイボーグアーマー(コルセット)は上着で隠しましたが、杖は杖でした。スッと視線が寄ってくる。歩きスマホなどの人はもちろんそれには気付きませんが。
なるべく杖をつかず、英国紳士のステッキのように地面から浮かせて歩いたりして、謎の【平気アピール】もしてしまいました。

優先座席は身体がどんな状態であれ、俺にとってあれは座り辛いオーラをまとった座席です。「お前に座る資格があるのか?」とほのめかしてきます。
いつしかあんなとこ、座れる気がしなくなりました。
イヤホンしてスマホしか見ずに足投げ出して優先座席に座れてるヤツの気が知れん・・・。

だから優先座席を避けて普通座席を探し車内をさまよい、見つけた普通の席に、杖を抱えて座る。

なら、やっぱり杖要らんやないか…!
側から見れば俺も気が知れんヤツかも…!

そんな葛藤がしんどいので、やっぱり公共交通機関が嫌いな俺です。


本日の総移動時間、7時間ほど。
杖をしっかり地面についた総時間、50秒ほど。

という事で、杖はもう要りません。
が…4,000円ぐらいしたし、愛着があるので、
大事に置いときます。





c_bomber at 01:02|この記事のURLComments(0)入院編 

2020年06月02日

サイボーグアーマー。


入院前の検診の時に、【コルセット屋さん】と打ち合わせしましてね。
京都から来ている装具師のお兄さんに、胴体の型を取ってもらい、そこから俺専用のコルセットを作成してもらいました。

製品価格は60,000円ちょっと。保険が効くので個人負担額は18,000円ほどの鎧ができました。

お医者さんが推奨するには、最低三ヶ月間はこのコルセットを装着して生活し、三ヶ月経ったら【軟性コルセット】というのを新たに作り、また三ヶ月間ほどそれで生活するものだと言われてます。

ギプスみたいなものですね。
このコルセット、ちょっとよくない姿勢になると『ほら、腰を真っ直ぐにっ!』と叱る先生のようです。



具体的に、術後の俺の腰がどんな状態かと言いますと。腰椎(腰骨)の間にある【椎間板】という有機物質が神経を圧迫して痛みをもたらしていたので、この椎間板を手術で取り除いたのです。軟骨みたいな、ラードみたいな物でした(触ってはないけど)。

今回は10年ぶりに再発した症状で(椎間板は身体の中で自然に作られる)、この10年の間に量を増やし、かつ患部の周りに癒着をおこして拡がっていたんですね。

という事で、それら術後の問題も踏まえ、
あれから10年の時を経た医療技術により、

【椎間板が癒着し、はみ出ている部分の上下の腰骨を削って小さくし】

【増えた椎間板を取り除き】

【取り除いた場所に、もう増殖しないよう隙間を確保するため"スペーサー"と呼ばれる人工器具を入れ込み】

【それにより不安定になった腰骨二つをしっかり固定するためのプレートをボルトで固定する】

という手術をしました。


ですので、
俺はもうほとんどサイボーグです。
身体のおよそ1%の組織が、人工物なのですから。
ほとんど、サイボーグです。

これから三ヶ月間、新しくなった身体を正しく使えるようリハビリし、馴染ませていきます。

これからまさに夏の盛り。
ガッチリコルセットを付け続ける汗かきの俺は、身体の矯正以外にも色々気をつけていきたいと思います。

匂いとか。




c_bomber at 19:56|この記事のURLComments(0)入院編 

2020年05月30日

最後の夜。


このほどお世話になっている整形外科専門病院。

とても良い病院で大好きになった。

でも自分の家も大好きなので、
退院できる事もとても嬉しい。


良い病院と、良い出会いをした。


ここの食事はいつも美味かった。
もちろん入院食なので、味付けは薄く、栄養のバランスが計算されており、物足りない。
だけど、ほのかに食材の向こう側にいる味にちゃんと気付けたし、その【ほの味】でいただく白飯も、日常で味わうものよりありがたかった。


これから13時間もすれば、
荷物をまとめて家路につく。


帰る道すがら、
ケンタッキーで何をテイクアウトしようかと、
空想が尽きない。

家に着いてから、丁寧に、
ケンタッキーの味の向こう側を
感じてみようと思う。


ありがとう、この病院。
大好きな病院ができた。





c_bomber at 21:12|この記事のURLComments(0)入院編 

2020年05月29日

新しい展開。


入院から5日目でございます。

昨日主治医の先生に「何でもしますから煙草を吸わせてください」と泣きついたところ、もともと仕事が決まっていたため、外出許可を取っていた日(入院から一週間にあたる日)に、いっそ退院しちゃいましょうか。と提案された。


目から鱗の衝撃だった。

【煙草を吸わせてください】

【コロナ禍により院外に出てはいけない】
【院内で煙草を吸ってはいけない】

【じゃあ頑張って退院しちゃいましょう】

何というコロンブスの卵ッ!!


当初の予定より半分の入院生活で、退院を認められるというのだ。たまらない提案だ。

そうなると、ますますリハビリにも熱が入る。
退院がかかっているのだ。辛さなどない。
自由な喫煙がかかっているのだ。
スクワットも階段の登り降りもいくらだってできる。


毎日二回、リハビリの時間が設けられている。
その都度、違うリハビリ医の指導のもと身体を動かしている。

で、今日の午前のリハビリで、ちょっと面白い事が起こった。


遡ること2014年。
ひょんな事から俺はEXILEトライブの全国ドームツアーに参加していたというのは、未だに信じられない嘘みたいな本当の話なのだが…

今日のリハビリ担当医のお兄さんはEXILEグループの大ファンだそうで、ライブにも足繁く通っているのだという。
話してる内に、2014年のツアーの話になり、「とあるワンコーナーで進行MCをしていたのは私です」と言うと、思い出したと言う…!あの時、実際にEXILEのステージに立つ俺を観た人に会ったのはこれで二人目だ!(一人目は石井テル子さんだ!)


あれから6年の時を経て、こんな場所であの時の話ができるなんて、思ってもみなかった。

そして余談だが・・・
研修としてその様子を見学していた新人リハビリ医のお姉さんは、まったくEXILEに興味がないとの事だった。
まぁ、余談だが・・・



c_bomber at 11:55|この記事のURLComments(0)入院編 

2020年05月27日

地獄の峠は越えたか・・・?


月曜日の朝9時に病院にやって参りまして。
術前の検査をいくつか行いまして、シャワー浴をさせていただきました。さすが病院のシャワー室、とても浴びやすかったです。
食事も昼・夜としっかり食べて、翌火曜日の手術に向けて意気込みました。
『アイアム冒険少年』をしっかり3時間観ました!

明けて火曜日の朝。早朝から薬と点滴で手術準備をし、いざ手術へ。
最初はただの酸素をボンベで吸い、じょじょに麻酔を効かされていくあの感じ、魔法にかけられたようにフワ〜っとなります。

次に気がついたのは、手術が終わり麻酔を解き挿管を引き抜いたところでした。

『いかがですか?』という医師の問いに、端的に現状を伝えなければと思い「とても痛いです」と「とても気分が悪いです」と咄嗟に言いました。
そこから自室へと移動してから、じつに24時間、寝たきり状態でした。

これがツライのなんの…!
手術の創(キズ)により、寝そべる状態が最も痛みを伴うため、寝てられない。が、頭はぼーっとするし気分は悪くて起きていられない。。が、寝ようとすると傷が引っ張られて痛い痛い・・・。

とにかく、
寝たきり状態で尿道カテーテルと患部の血抜きカテーテルと抗生剤カテーテルが身体の内外を貫き、紙オムツは無駄に下半身を圧迫し続け、何をどう我慢すればいいのかわからず、痛いし眠いしどうしようもないストレスの中で朦朧とし続けまして…。やがて術後初のリハビリの時間がきました。
無理にでも体を動かした方が手術創の痛みを忘れられる事がわかり、スタスタ歩くと褒められ、痛み緩和のストレッチを熱心に教わり、やがてあまり手術創を引っ張らない動き方ができるようになってきた。


しかし夜を迎えた今、怯えている事がある…
眠るとやはり手術創に障る…
それを上手くいなして眠っても、眠ってる間にまた身体は緊張し、痛みやストレスをもたらすかも…


寝るのん怖いなぁ…
寝返り打てるベッドとちゃうしなぁ…
寝返り打てるベッドやとしても、寝返り打てるほどまだ回復してないしなぁ…

寝るのん怖いなぁ・・・

立ったまま寝られるならなぁ・・・


あと…
煙草吸いたいなぁ・・・






c_bomber at 21:27|この記事のURLComments(0)入院編 

2020年05月24日

準備。



明朝、入院生活がはじまります。

しばしの自分の部屋との別れ。

自分ん家大好きやから嫌やなぁ。


などと憂いにふけりながら、入院に必要な物をまとめております。

病院でもらった冊子【入院のご案内】には、「電子機器の持ち込みはご遠慮ください」という一文がある。
手続きや説明をしてくれた事務員さんに、つかぬ事を聞いてみた。
…ホームWi-Fiは、持ち込めないですかね・・・
事務員さんは患者の権利を尊重してか、ダメとは決して言わず、しかし良いとも言わず、上手い事質問をいなしたねぇ・・・おみごと。


ホームWi-Fi、あきらめよう。

地上波テレビとラジコでやりくりしよう。

毎日リハビリでくたくたになろう。


では、
入院前の自宅での最後の夜を過ごします。



c_bomber at 23:55|この記事のURLComments(0)入院編 

奇跡の高気圧。



1015hPa(ヘクトパスカル)。

この時期の晴れの日の気圧。



前回のブログ更新日以降、できるだけ普通に動くように心掛けている。身体を普通に動かす。
階段を怖がらず、登り降りしてみる。痛くなったら【オアシス】。

さいわい良い天気がつづき、高気圧は腰のサポートをしてくれる。


いけるかも…と、洗濯をしてみた。
洗うのは洗濯機だが、問題は洗濯物をベランダに干すという動作だ。
それまでもベランダに出てペットボトルに入れた水で頭を洗ったりしていたので、これは自信があった。
辛くなったらベランダの手すりに身体を預けて【手すり鞍馬】だ。
見事洗濯物は天日にさらされた!


えいや!っと飛躍して、階下の洗面所で歯磨きしてみた。何日振りだったろうか。
それまでは"歯磨きシート"なる物で、寝そべりながら歯を拭いてはいたが。やはり気持ちいい。
これまでにないフリーハンドで突っ立っている時間、足腰はビックリしていたようだが、口内は喜んでいた。

せっかくだから…と、風呂に挑戦してみた!
湯船に浸かるわけではなく、シャワーを浴び、頭を洗い、身体をゴシゴシ洗った。
数十秒に一度、湯船のヘリで【鞍馬】をして腰を伸ばし、痛みをいなす。和らいだところで続きのゴシゴシ。

痛みを天秤にかけてこの気持ち良さなら、
大いにやってよかった。


あれから俺は、それまで出来ていた色んな動作がまた出来るようになりつつあります。

オアシスあればこそですが。


そうして入院準備を着々と進めていましたとさ。




c_bomber at 22:14|この記事のURLComments(0)入院編 

2020年05月17日

からだに聞く。そらに聞く。


前述した日の夜は、
どうもこれまでと様子がちがっていた・・・

一日中様々な動作を試し、夜も更けてきたので眠る事に。が、最大のオアシスであるはずの仰向けでも痛みの指数がリセットされない・・・
新しい薬のせいか…?
あらゆる動作を試し、症状が悪化したのか…?

何にせよ、ヘコみにヘコんだ・・・
入院までまだ10日ほどある。それまでこんなに不便で、こんなに痛いままなのか・・・?
そんな事を憂いていると、雨音が聴こえてきた。

雨音は大好きだ。
古い家だからよく響く。
悲嘆に暮れ、好きな音を聴きながら眠った。



痛みで深くは眠れないまま朝になった。
薬を飲んでいいタイミングだ。
横になりながらサンドイッチの残りを食い、薬を飲んで、また仰向けに戻る。
座れないため、食事はこうして摂っている。
慣れればさほど不便はないが、長く続けると痛みが出るため適度に仰向けに戻ってリセットしながら。

薬を飲んでから身体が楽になるまでの時間がわかってきた。飲んでから一時間弱、というところか。そこから痛みは緩和される。
良かった。今日は薬が効いてきた。

昨日と同様、行動と痛みの範囲を模索する。


飲食物はどうしているかというと、母親が弁当などを買ってきてくれる。
これがじつに情けない・・・。
恥ずかしさや申し訳なさからなるべく助けを求めずやっていたが、病院から戻り丸一日、二階から降りて来ない息子を案じて声をかけてくれた。
もういいおっさんの俺がろくに動けず、いいお年寄りにおつかいをお願いする。
病状とは別のところで堪える・・・

そうして食事は事なきをえている。
風呂は階下にある。が、階段を降りたとして、風呂で身体を洗えるとも風呂場から出て濡れた身体を拭けるとも、無事に部屋に戻って来られるとも今は思えない。行動シミュレーションでもまだそこに到達していない。
二階ベランダに簡易的な水場があるので、その水道でタオルを濡らし、身体を拭いて事なきをえている。もちろんオアシスを行ったり来たりしながら。

トイレは・・・
さいわい自室のすぐ前にある。
この部屋は中学の頃は俺の部屋だったが、実家を出て以降は父親の部屋になった。父親は自分の部屋まわりを便利にアップデートし、中学の時にはなかったトイレまで部屋を出たところに作った。
その頃俺はこの家からほんの少し離れた家屋に住んでいた。歩いてほんのすぐのところに。
父親が死んでからしばらくして、ここがまた俺の部屋になった。

だからトイレにはすぐ行ける…のだが・・・
かねてから言っているように、今の俺には"座る"というのが最も辛い動作である…。ゆえに一筋縄ではいかない。座るという動作での活動限界は1分間ほど。限界が来ると無理にでも一旦終えてオアシスに逃げる。これを何度かに分けて行うのだ。
・・・汚い話で本当にすまない…。。


そんなふうにして、日々を過ごしている。

そして今日になった。
寝ている間に発生する鈍い神経痛を感じながら目覚め、腹に物を入れて薬を飲む。ゆっくり身体の制限がほぐれてくるまで一時間弱。薬が効き始める時間は昨日と同じか少し早いぐらいか。ここから効き目がなくなるまでだいたい二時間ほどか。

身体の使い方を模索する。
基本的にコルセットは常に付けていた方が調子がいいのだが、その時々によって微妙に効き具合いが変わる。昨日の後半は腰のこの位置でこれくらいの強さでしめていたのが、今朝は違う位置と強さの方が調子がいい、というように。

そしてふと気づいた。
なんだか調子が良い・・・
薬の効き目が長い・・・

気温が高い・・・

・・・いい天気だ。


なるほど!
今日は気圧が安定している。
いい高気圧だ。

このあいだは、
雨音を聴きながら、低気圧の中眠っていたんだ。


雨音、好きなんだけどなぁ・・・




c_bomber at 17:37|この記事のURLComments(2)入院編 

オアシスをみつける。【その2】


入院予定の病院から家に帰り着いてからのお話。

今回の病院では、これまでと痛みに対するアプローチが違う鎮痛剤を出してもらえた。ツイッターでも書いたが、わかりやすく言うと、痛みを脳に伝えにくくするという薬。これが俺と相性が良い。強めの薬であり、その分いろんな副作用に気をつけなければならない。めまいや食欲不振、吐き気などなど。だが幸い俺にはほとんどそれらが出ない。加えてこの薬はこれまでの痛み止めと併用できるという事で、精神的にも随分楽になった。

帰宅してすぐにその薬も飲み始めたのだが、なかなかすぐに効果は現れない…。プラシーボでも何でもいいのでこれまでより楽になりたかった。
だが変わらぬ痛みにヘコみつつ、フィジカルの観点で痛みの緩和も考えるようにした。
どうなろうと手術するまでは痛みを無くす事はそもそもできない。手術まで待つ時間は残念ながら結構ある。

という事で、強い痛みが発生する動作のパターンを知っておこうと思った。それと並行して、動かすべき筋肉や休めるべき筋肉をさぐる。
前提として、自分には【仰向けで寝そべる】という保険がある。どんなに痛み指数が募っても、仰向けに寝そべりさえすればリセットできる。
左右の脚に対する体重のかけ方、腰の前後の角度・左右の角度、腹・背中・胸の力のかけ方伸ばし方、などなど。
少し模索しては痛みが募り、そして【仰向け寝そべり】というオアシスに避難して回復する。
仰向けという手段が使えない場合は、杖に体重を預けへそから下への荷重を分散する【杖鞍馬】に避難する。
杖鞍馬では、残念ながら募った痛みが完全にリセットされる事はない。良くても痛み指数は20%ほど残ってしまうが、それでもつかまる物のない空間では充分なオアシスだ。


重力というものをこれほど痛感するのは10年振りだ。
10年前に腰椎ヘルニアを発症した時は、手術までの数週間、検査入院をしていたので生活動作にさほど困る事はなかった。
なにせ病院で過ごすのだから、あらゆるケアを受けられて、建物も病人・怪我人に不便が少ない構造になっている。183cmの俺が真っ直ぐ背筋を伸ばして歩いても、どこにも頭をぶつける事は無いし、かがんでくぐる敷居ももちろん無かった。


そうして、
祖父母の代に建てられたこの家で、私生活で必要な動作の行動制限を探る冒険をはじめた。





c_bomber at 16:03|この記事のURLComments(0)入院編 

2020年05月16日

オアシスをみつける。【その1】


昨日、手術と入院の受け入れ先となる病院に行き、入院前の色々な検査をしてきました。


家を出る前に自分の身体の状態を確認しましてね。(座るのは無理なので)どれくらい立ったまま耐えられるか、立ちながら出来るだけ痛みの少ない体勢を探せるか、などを試しておこうという訳です。

自分の部屋は二階。ベッドに仰向けに寝た状態からの、行動シミュレーション開始です。

・【身体を起こす】痛みの限界15%ほど
・【身長より少し低い部屋の敷居をくぐる】
痛みの限界35%
・【階段を降りる】痛みの限界95%
・【泣くのを我慢する】痛みの限界変わらず
・【これで病院まで辿り着けるのか?と絶望する】心の限界100%

痛み止めを飲んでいるというのに、自室から一階まで降りてきただけなのにこの有り様……。たまらず床に仰向けに寝て「ギュイィーーン!」を和らげる。その体勢のままこれから行く病院に電話をかけた。
椅子に座って待つ事ができない事。立って待つのもきっとすぐ限界がくるだろう事。仰向けにならせてもらえれば大丈夫という事。それらを電話対応の人に伝えた。
『すぐに受け付けの者にその旨を伝え、良きように手配いたします』との事・・・良い病院だ!

仰向け状態でギュイィーーンを緩和しつつ、有難い対応で痛みの限界指数をリセットしていく。そしていざ、出発。
タクシーや電車の座席には座っていられないので自転車で。不思議な事に自転車を漕ぐのは割と楽なのだ。乗る時と降りる時が超痛いけど。だから、いっそずっと漕ぎ続けていたい。漕いだまま病院の受け付けを済ませ、漕いだまま各種検査に臨みたい。漫画「Dr.スランプ」に出てきた"オートバイ小僧"のように。
そんな夢想を抱きながら自転車を漕ぎ進め、病院に着いた。着いてしまった。
・【自転車から降りてスタンドをロックし鍵を抜く】痛みの限界60%・・・
まだ駐輪場だ…腰はこわばり、ギュイィーーンが脚を叩く。が、入り口にいる職員さんから見えるこの場所で仰向けに寝そべってしまえば、「自転車を停めて寝る男」として、病院に入らせてもらえないかも知れない…。

仰向けに代わるギュイィーーン緩和の体勢はどこにある?腰から体重の圧力を逃すには…?

まだ目の前にある自転車のサドルに両手を乗せ、腕を突っ張って両脚を地面から浮かせるように体重を預けた。体操の鞍馬のスタート時のような感じで。

ゆっくりではあるが、ジワリと引いていくギュイィーーン・・・いいものを見つけた!!

仰向けに寝るほどではないにせよ、サドル鞍馬を数十秒間続け、痛みは随分和らいだ。ちなみにサドルの高さは股間ぐらいなので、側から見ると俺は「苦しそうに両手で股間を押し下げようとしている男」だ…!自転車を降りて数十秒間もそうしている男だ…!!
地面に仰向けに寝そべる男と比べて、受け入れやすいだろうか…?

ともかく病院内の受け付けに行かなければ。
一歩一歩、ジワリジワリと痛みが脚に溜まっていく。入り口まで来ると、職員さんが『どうぞ』とアルコール除菌ジェルを促し、体温を 「ピッ」となるレーザー的な物で測る。痛みの限界は70%ほどまで来ていた。
入り口を抜け、受け付け窓口へ向かう。幸い順番待ちはない!助かった…倒れないよう気をつけながら鞄から予約票を出しながら窓口へもたれかかった。

『おはようございます。まずはこちらの問診票にご記入いただき、お待ち下さい』とA4サイズのバインダーとボールペンを差し出す若年の受け付けの人。
すぐさま「事前に電話した座れない者ですっ…!」と叫ぶように伝えると、隣にいた先輩受け付けの人が『近藤さまですね?すぐ看護師が参ります!』と言うと、程なくしてストレッチャーを持った看護師さん三人が駆けつけた!
・・・めちゃめちゃ良い病院だ!!
倒れるようにストレッチャーに横になると『お履物、失礼しますね』と素手でサンダルを介助してくれる看護師さん!
・・・そんな事させてごめんなさいっ!!

そこからは、すべての検査に要する待機と移動をストレッチャーにて、最低二人ずつ体制で施してくれる皆さん。
終始「すみません」と「ごめんなさい」と「ありがとうございます」しか言えない中、各種検査を終えた。


担当の先生から、手術が可能な日程は直近で二週間ほど後で、その日までに入院の段取りをあらためてしましょう。との説明を受け、その日は帰る事に。
その日の精算が完了するまでストレッチャーに寝かせてもらい、時間を見計らって受け付けのある待合いへ。

・・・うん、後はその日の費用を払って家に帰るんだ・・・そうだった…。

すぐ受け付けに呼ばれたが、すでにジワジワ痛みが歩み寄る中、精算額を聞きながら「杖とかって、ありますか…?」とたずねると、『少々お待ち下さい!』とバックヤードに駆け込む受け付けさま。戻り『松葉杖はレンタル可能で、一本杖は販売のみとなります。いかがなさいますか?』との事。自転車で帰る事を考え「一本杖はおいくらですか?」と聞くと『値段…失礼しましたっ、聞いて参ります!』とバックヤードへ。いやそんな…ほんっと申し訳ないぃ〜!

杖は数種類あり、値段はそれぞれという事で別の担当の方が代わり対応してくれる事に。しかも説明のためにリハビリ担当の方も呼び出してくれた…。
感涙を堪えアドバイスを聞き一本を購入。
これでサドル鞍馬の代わりになる!


そうして家に帰ったのが昨日のことでした。


(・・・つづく)

c_bomber at 21:56|この記事のURLComments(0)入院編 
Recent Comments
RSS