2010年05月22日

大宰府を巡る(1)(観世音寺・戒壇院・水城)3

古代日本にとって九州は非常に重要な地でした。

首都こそおかれはしなかったものの、天皇家とも縁が深く、さらに当時の首都だった平城京や平安京に次ぐ都「大宰府」が置かれていたのです。

今回は、その古代日本の歴史と絡めながら、大宰府周辺の遺跡を紹介しようと思います。

しかし、まず、その話を進める前に、ここでいう古代日本とはいつからいつまでをさすのか、前置きしておこうと思います。

飛鳥時代(7世紀)
  → この記事におけるこの時代の登場人物:天智天皇(中大兄皇子)
奈良時代
  → この記事におけるこの時代の登場人物:聖武天皇
平安時代
  → この記事におけるこの時代の登場人物:菅原道真


ではでは、まず、大宰府観世音寺に向かいましょう〜

観世音寺石碑

こちらが観世音寺石碑です。
飛鳥時代、大化の改新でも有名な中大兄皇子、後の天智天皇が母親である斉明天皇の冥福を祈るために建立された寺院です。
完成したのは少し先の奈良時代、聖武天皇時なんですけどね。



観世音寺
観世音寺は、平安時代の11世紀頃に災害により消失してしまうものの、当時の規模は西日本随一の壮大さといわれていたそうです。
そして、この左の写真に見られる講堂は、江戸時代に再建されたものです。


梵鐘現在残っている創建時からの遺物は、日本最古の鐘ともいわれる、この梵鐘です。
消失はしたものの、それでも復興以降に造られた多くの仏像は多く残っており、それらは隣接された収蔵庫にて確認することができます。3体の十一面観世音菩薩を初めとして、息を飲む雄大さです。入場料は500円ですが、それだけの価値はあります
しっかし、仏像って、写真やテレビなどの映像で見るよりも、生で見たほうが断然感動する気がしするなぁ

さて、この観世音寺は、それだけで有名だったのではありません。
ただ、斉明天皇の冥福を祈るためだけの寺院でもないのです。

戒壇院入口日本にある寺院のなかで、ごく限られた寺院にだけ与えられた資格をもつ寺院だったのです。
おれが奈良時代に置かれた戒壇院です。
奈良時代の僧(お坊さん)は、国から資格が与えられたものが名乗れる、というものだったのです。

戒壇院つまり、国が認めてくれないと、いくらお経を勉強したところで、いくら修行を積んだところで、法(律令)に違反しているということになってしまうのでした。
戒壇院は、国家が認める正式の僧としての資格を与える場所なのです。この資格を与えられるのは、この観世音寺戒壇院の他、奈良東大寺と、下野薬師寺のみでした。いかに戒壇院が重要な寺院だったかがわかります。

さて、場所は少し離れますが、天智天皇の話をしたので、続けて飛鳥時代に造られたものを紹介します。
太宰府から福岡方面に向かうと、それは見えます。

水城跡碑そう、特別史跡に指定されている水城跡です。
これを語る上では中大兄皇子が生きていた西暦600年代後半の朝鮮半島情勢が欠かせません。
簡単に言ってしまうと、当時、朝鮮半島にあって日本と仲が良かった百済(くだら)が、同じ朝鮮半島にあった新羅(しらぎ)と唐(中国)の連合軍に攻撃され、滅亡してしまった、
そこで再び百済を再建しようとして663年、百済の残党と日本が、新羅と唐と戦った事件がありました。

この戦いを白村江(はくすきのえ)の戦いといいます。

水城2さて、白村江の戦いの結果ですが・・・日本の大敗
当時、実権を握っていた中大兄皇子は、あわてに慌てます。
「もしかしたら、唐と新羅の連合軍は勢いづいて日本にまで攻めてくるのではないか?もしそうなった場合、一番危険な地域は博多湾、そして大宰府だ

水城1そして、大宰府を守るための、土塁や堀を作ります。それが水城。
現在でもその面影が残っています。
上と左の写真はいずれも水城跡ですが、左の写真についていえば、左側が大宰府方面、右側が福岡市(博多湾)方面です。
今は国道や高速道路で分断されていますが、全長1.2kmもあります。実際、高速道路からの眺めが一番よく見える、と個人的には思っています。

さて、余談ですが、中大兄皇子がこの水城を造ったのは664年、さらに翌年には水城から東の方向にある四天王山に大野城を築き、さらなる防護を固めるのです。
大野城の記事はこちらをご覧ください。


しかし、ここで疑問が。
大宰府ってそんなに守らなきゃいけないほど、日本にとって重要な土地だったのか
ということ。
1.2kmに及ぶ水城を造って、さらに山頂に城も建てるなんて、非常に敏感な反応な気がします。

しかし、それもそのはず、大宰府は日本にとって、首都に次ぐ大事な場所だったのですから。

(次回に続く)

c_eyes_modest at 17:11│Comments(0)TrackBack(0)  史跡 

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