190416スギタニ01


 ↑ スギタニルリシジミと勿忘草。顔が面白いので「今日の一枚」に(^^)
   蝶の顔が大好きです。

 4月16日。とても暖かくよく晴れた、春というより初夏のような一日でした。
 朝まで仕事して、ほとんど寝てなかったのでボーッとしていたんですが、こんなによく晴れた日は蝶を見なくてはおさまらない(笑)
 どこに行こうか、と迷ったんですが、今年はまだ見ていないトラフシジミが出ているかも、と、裏高尾を歩くことに。
 でも家を出るのが遅くなっちゃって、現地に着いたのは午前11時頃でした。トラフシジミの吸水タイムにはもう遅いか。ま、トラフは駄目でも、スギタニルリシジミくらいはいるかな? と、登山道に続く林道を歩き始めました。
 でも歩き始めてすぐ目についたのは、スミレ、スミレ、スミレの群生!
 お馴染みのタチツボスミレだけでなく、いろいろなスミレが咲き誇っています。植物の同定は超初心者レベルなので、スミレは判別できない〜 でも、手当たり次第に撮る(^^)

 そうこうしているうちに、ようやくスギタニルリシジミを発見。でも地面で吸水しているのに落ち着いてくれず。そのうちに花にとまるのも見つけられそうだったのでスルーして歩いて行くと……

 「トラフ!」夫が叫びました。

190416トラフ01


 いたー。
 トラフシジミ(19-007)です。春型。
 トラフは春型と夏型とあるんですが、春型のほうが白い帯状紋がくっきりしていて綺麗。
 実はトラフシジミの表翅は溜め息が出るくらい美しい、濃い青色で、輝きも独特。吸水に地面に降りている時に開くことがあるので、開いてくれないかなあ、と待っていたんですが、開かずに飛んで行っちゃいました。
 でも少し歩くとまた別のトラフが。
 3〜4頭が、代わる代わる、歩いている地面にふら〜、と降りて来ます。

190416トラフ02


 トラフを見られただけでも嬉しいことは嬉しいんですが、どうしても欲が出て、翅の表が撮りたくなりますよね〜
 いつかは、トラフの表翅を美しく撮るチャンスに恵まれるかな。
 それほど珍しい、という蝶ではないんですが、ピンポイントで生息場所を絞れないので、「あそこで見たよ」という知人友人からの情報を頼りに探すんですが、特に春トラフはなかなか遭遇できません。夏トラフは、リョウブの花などで吸蜜するので見つけやすい。

 トラフを見つけて喜んでいると、すぐにまた夫が「コツバメ!」
 やったー。今年は見ることは見ているんですが、撮影が出来ていなかったコツバメが、やはり地面で吸水してました。

190416コツバメ01


 コツバメ(19-008) ↑
 しかし。
 コツバメは顔がとても可愛くて、目が大きく、頭にぽわぽわと毛が生えていて、ぬいぐるみみたいなんです。なので顔をアップで撮らないと面白くない。
 オスはテリ張りをする習性があり、細い枝や草の先端などによくとまります。そういう時はカメラを近づけても逃げないので、マクロでどアップも撮れちゃいます。でも吸水の時はとても敏感で、ちょっと近づくとパッと飛んでしまいます。
 だるまさんがころんだ方式で少しずつ距離を縮めたんですが、マクロで撮れるとこまでは無理。仕方なく望遠ズームで撮ったら……ボケました(^^;;;; 失敗したよ〜 
 夫は静止画像を諦めて飛翔を撮ってたけど、やっぱり「当たり」はなかったらしい……

190416コツバメ02


 わたしはレンズをつけ変えるのが面倒だったので、望遠で飛翔を狙いましたが、ピントは合わず。
 でも撮った画像を確認して、メスだと判りました。
 昨年、南アルプスのクモマツマキチョウを撮りに行った時にも、地面で吸水しているメスのコツバメの飛翔撮りに成功しているんですが、コツバメはメスのほうがよく吸水するのかな?

190416コツバメ03


 今回はこんなもんが精一杯でした。

 同じような場所に、スギタニルリシジミもいました。そろそろ裏高尾でもシーズンが終わりだと思うのでボロボロの子もいましたが、割りと綺麗な個体もまだいました。

 というわけで、冒頭の、勿忘草とスギタニルリ。

190416スギタニ02


 こちらは構図としては平凡。↑
 ただ、野生の勿忘草とスギタニルリのコンボを撮ったのは初めてでした。花がとても可愛いので、なかなかいい「春の図」になりますね。
 でも色が今ひとつ出ません。晴れ過ぎで、露出をかなり暗くしても花の色が飛んでしまいます。とても綺麗な青い花なんですが。

190416スギタニ03


 飛翔も追いかけてみたけれどうまく撮れませんでした。

 あまりいい写真は撮れなかったけど、トラフ、コツバメ、スギタニルリと、いちおうこの季節にここで撮りたかった蝶は撮れたので、往復3キロくらい歩いて本日は終了。

 では、往復3キロの林道歩きで撮ったスミレ、家に帰って図鑑とにらめっこして、なんとか名前が判ったものを並べます。

190416マルバスミレ01


 ↑ マルバスミレ。里山ではよく見かけるスミレですね。葉が丸くて可愛いんですが、花が終わると葉は少し細長く変化するらしいです。

190416エイザンスミレ01


 これは見たかったので嬉しい。エイザンスミレです。↑
 葉が他のスミレとはまったく違っているので、同定はしやすいですね。
 そして、エイザンスミレで吸蜜してくれたスギタニルリシジミ ↓

190416スギタニ04


 エイザンスミレは里山よりもう少し山の深いところや、杉林などの縁に生えることが多いようで、わたしたちがいつも行く里山ではほとんど見かけません。スギタニルリシジミは年に一度、今の季節だけに見ることができる蝶。この組み合わせはちょっと嬉しい(^^)

 
190416アカフタチツボ01


 ↑ アカフタチツボスミレ  タチツボスミレによく似てますが、葉に赤いフが入っているので、あれっ? と。こういうのって、個体差なのか種類が違うのか、植物の同定に慣れていなので判断できないんですよね〜 なのでとりあえずちょっとでも違ってたら撮る。家で図鑑を見て「撮っておいてよかった〜」と(笑) 
   
 葉にピントを合わせています。赤いフがはっきりわかります。↓

190416アカフタチツボ02


 他にもまだ同定できていないスミレの写真が十数枚あります。いろんな角度から撮ってはあるんですが、スミレの同定は難しい〜
 優勢なのはやはりタチツボスミレで、なぜかスミレ(葉が細く花の色が濃い、種としての名前がスミレ)はほとんど見かけません。ノジスミレもなかったなぁ……
 黄色いスミレもありませんでした。時期的なものかしら。

 で。
 今回、実はいちばん嬉しかったのがこれ。↓
 と言っても、初めて見たので現地ではよくわからず、とりあえず撮ったこの一枚しかありません。
 もっとじっくり撮っておけばよかった。

190416タカオスミレ


 タカオスミレです。↑
 その名の通り、高尾山で採取されたものから命名された、いわば「ご当地スミレ」。
 ヒカゲスミレの仲間だそうで、特徴は葉の色。
 すでに花が終わりかけていたのでだいぶ薄くなっていますが、花が咲き始める頃の葉は濃い紫色なんだそうです。今でも、昔のほうれん草のような、紫混じりの暗い緑色で、異彩を放ってますね。
 でも陽射しが強過ぎて、かなり露出をマイナス補正して撮ったんですが、全体に色がとんでしまいました。

 蝶がいるとそっちに気をとられてしまい、スミレは気づいたら撮る程度でしたが、スミレだけじっくり撮りに来ても楽しそうです、裏高尾。

 もう1〜2週間でアオバセセリも出て来るだろうし、連休中は虫好きの人でいっぱいになりそうな林道ですが、人が多いのは苦手なので、我々は連休中に行くことはなさそう。

 そうこうしているうちに、ウスバシロチョウの季節が来てしまいますね。