マンガレビュー第二弾はまたも漫画脳さんの企画です。
３位（１P）：笑えぬ童子 〜108の業〜（真野 真/コアミックス コミックゼノン掲載）
本作が特徴的だったのは『webマンガとの連携』という形態。
本作の登場人物達はみな人生の『重大な選択』迫られるコトになるのだが、雑誌掲載時に選ばれなかった『もう一つの道』の行く末を、web版で公開していたのだ。
雑誌では片方の結末しか読むコトは出来なかったが、コミックスでは両方が掲載されており、読み比べてみると、コレがなかなか味わい深い。結構面白い試みだったと思う。
残念ながら本作は志半ばにして終了してしまったが、機会があれば続きを読んでみたいモノである。

２位（２P）：好いとっと！？（かがみふみを/エンターブレイン ファミ通コミッククリアにて配信）
『方言女子』というのが流行っているとかいないとかいう話をたまーに耳にするが、そんなムーブメントのど真ん中をぶち抜くような本作。
屈託のない明るさとのどかな田舎の生活。今時の少年少女が織りなすノスタルジックな世界。
ちょっとにまにましつつ、妙に安らかな気持ちになれます。

１位（３P）腕 -駿河城御前試合-（原作：南條範夫、作画：森秀樹/リイド社 戦国武将列伝掲載）
チャンピオン紳士淑女的には（いや、そうでなくても今時のマンガ読み的には）南條範夫の『駿河城御前試合』といえば、山口貴由の『シグルイ』が連想されると思う。実際、長く絶版状態の原作小説がシグルイ効果で新装版が発行されたワケだし、そのインパクトは無視できない。
しかしながら『シグルイ』は山口氏の大胆なアレンジが為された、言ってみれば変奏曲的な側面が強い。
それに対して本作『腕』はあくまでも正統派の剣豪劇画として描かれており、ストーリーもまた原作に忠実だ。
あくまでもオーソドックスな表現を貫き通す本作は、だからこそ原作の常軌を逸した凄惨さが一層引き立っていると言える。
ちなみに題名は『うで』じゃなくて『かいな』と読みます。念のため。


さてさて、それでは今回惜しくも選外となった作品をいくつか…

ハッピーネガティブマリッジ（甘詰留太/少年画報社 月刊ヤングキング掲載）
面白いんだケド、同時にいろいろ心に刺さってくるという諸刃の剣みたいなマンガ。
『非モテ』とか『三十路』とか『オタク』とかだとその威力は倍増。
いや、いい作品なんですよ…なんですケド…ケド…orz

ダシマスター（原作：早川光、漫画：松枝尚嗣/集英社 グランドジャンプ掲載（現在休載中））
昨年も推したこの作品、残念ながらトレス疑惑が取り沙汰され休載というコトに。
一応物語に区切りが付いた直後の休載というのがせめてもの救いか。
作品の出来はいいだけに再開される日を待ちたい。

図書館の主（篠原ウミハル/芳文社 週刊漫画TIMES掲載）
『児童書』にスポットを当てた作品。児童書の世界も奥が深いのです。
そういえば明日には新刊が出るんだっけ。