October 24, 2008
ちょっとした、本当にちょっとしたお知らせ
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October 03, 2006
トリコ劇場第5回公演「神様の不在」
トリコ劇場
2006年9月21日〜9月25日 高円寺明石スタジオ
作・演出:米内山陽子
出演:菊池美里 山岡未絵 石川朝子 キム木村(ZIPANGU Stage) 高橋洋平 田名加パン 鳥居信康(オケラジ!) 箕浦倫子 森将和(ミシンゼム) 森谷ふみ ヤビマーヤ(危婦人) 酒巻誉洋(elePHANTMoon)
22日公演を鑑賞。チラシに描いてあった地図が分かりづらくて軽く迷う。交番で道聞いたら「また明石スタジオか」とか言われたりして。劇場は地下にあって妙な雰囲気が出てるところでした。
戦争をやってる現代日本における、神様についての話。いいたいこと、やりたいことはわかる、わかるんですよ。でもやっぱり宗教、神様をテーマにするとなると相当上手くやらなくちゃ観客を引き込めないと思うんです。特定の信仰を持ってる人も持ってない人も「この人たちは何を言い出すのだろう」と思わず構えてしまうから。聞きたくもない説教を無理やり聞かされている感じがしたのは僕だけではないと思います。
菊池美里さんはおしい役者。この方演ずる空子の中の神様が変わっていくことが大きなテーマなのに、ずっと同じ平坦な演技なので感情移入しづらい。不思議な持ち味は別の生かし方があるはず。最後、タバコに火をつけるシーンはきれいだったし。あと衣装とセットにもっと客の目をひきつけるための工夫が欲しかったところ。
September 28, 2006
庭劇団ペニノ第13回公演「アンダーグラウンド」
庭劇団ペニノ
2006年9月15日〜9月20日 下北沢ザ・スズナリ
作・演出:タニノクロウ
出演:佐山こうた(p) 中林薫平(b) 長谷川学(ds) 安藤玉恵 佐山和泉 島田桃依 瀬口タエコ 保坂エマ 吉原朱美 横畠愛希子 飯田一期 マメ山田
18日昼公演を鑑賞。ものすごく金と手間のかかった冗談。薄暗くじめじめとした手術室で患者である大男のお腹をひたすら弄繰り回す看護士たち。手術室に住まう小人の悪ふざけと癒し。ジャズ演奏とメスのかちゃかちゃやる音がセッションしてる。1時間半あるうちずっと手術とその準備なのだけど全然退屈しないーと言い切れるほど僕はまだ芸術に対し理解がないので、ストーリーが一切なかったのはやっぱりきつかった。
女優さんは全員看護士役。マスクをした上でボソボソと喋っているので、台詞はほとんど聞こえません。超リアルなセットに演技はポツドールっぽいんだけど、根本的な部分でリアルが削除されていることにやがて気づくことになる。たとえばマメ山田。たとえば切り裂かれた腹から取り出される臓器。手術が始まってからはもうひたすらスリリング。劇場全体にエコーがかかってるんで、メスをかちゃかちゃやる音が超響く。観客側も一切物音を立てられない。緊張感。隣に座ってる人が唾を飲む音が聞こえてくる。
心躍るストーリー展開を期待していくとぶっちゃけ肩透かし。でもたまには壮大な子供だましに騙されてみるのもいいかもしれません。
September 18, 2006
スロウライダー第8回公演「Maggie」
スロウライダー
2006年9月13日〜9月18日 下北沢駅前劇場
Inspired by『西瓜糖の日々』リチャード・ブローティガン作 藤本和子訳 河出文庫
作・演出:山中隆次郎
出演:児玉貴志(THE SHAMPOO HAT) 日下部そう(ポかリン記憶舎) 笹野鈴々音(風琴工房) 松浦和香子(ベターポーヅ) 佐々木光弘(猫☆魂) 夏目慎也(東京デスロック) 芦原健介 數間優一 山中隆次郎
18日夜公演を鑑賞。ブスに告白され何故か切れたニートのものがたりホラー風味。金も居場所もない主人公がリチャード・ブローティガン『西瓜糖の日々』を居候先でもアホみたいに読み続けている話。のめりこみすぎて小説の中の登場人物と主人公が会話し始めるところなんか高野文子『黄色い本』を思い出します。この舞台ではもうちょっと行き過ぎて、小説の中のユートピアに住み始めちゃうわけですが。
しかしまあ寝てる観客の多いこと。役者さんは上手いことやってくれてるのに、話の魅せ方や展開が分かりづらかったり拙かったりベタだったりして、なかなか退屈。理由は説明不足でもあったりするけど、これ以上わかりやすくすると物凄く安っぽくなってしまうし、怖くもなんともなくなってしまうので、いやこれはもう演出家さん頑張ってくださいと言うよりない。なんで主人公が『西瓜糖の日々』を手に取り(しかもハードカバーで)、読んでいたのかも分からないので冒頭からちょっとだけ戸惑ったし。せっかく面白いこと考えてるのに、この不器用さはとても勿体無い。当日券の価格設定(前売りと千円の差がある)まで、考えるべきことは多いように思う。もう一息。
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September 10, 2006
中野成樹+フランケンズ「暖かい氷河期」
中野成樹+フランケンズ
2006年9月8日〜9月18日 STスポット横浜
原作:カルロ・ゴルドーニ「2人の主人を一度に持つと」
誤意訳・演出:中野成樹
出演:村上聡一、福田毅、野島真理、石橋志保(以上、フランケンズ) 、篠崎高志、ゴウタケヒロ(以上、POOL-5)、本多幸男(第七病棟)、タケシタユウジ(Dotoo!)、松村翔子
10日昼公演を鑑賞。原作に触れたことのあるわけもなく、翻訳劇初体験ということでびくびくしながら観にいったら超面白くて二度びっくり。こんなにオモロイのに横浜という土地柄からか客席が30くらいしかないのにガラガラの回もあるようで、もったいなさ過ぎる。
客席のすぐ前の音響関連の機械の前に座っていた男性が開演直前いきなり立ち上がり、「どうも演出の中野です」と前説を始めて驚いたり、音響担当していたと思ったらいきなり舞台に上がって役者に早代わりするし、作品自体の展開・演出も王道から一つづつズラしながらも統一感を失わせず、めちゃくちゃエンターティメントしてました。役者さんの衣装も普通のTシャツにジーンズだったりして適当に思えるんだけども不思議と引き締まって見えるからすごい。
役者さんたちのかもし出す雰囲気と、元気のいい演技がとても心地よい。特に目立っていたのがベアトリーチェ役の野島真理さん。男装の麗人役だからってこともあるかもしれないけど、宝塚っぽいというか、とにかくカッコ可愛くて痺れました。衣装もブラウスとスラックスでビシッと決めてたし。横浜は我が家から比較的近くて便利なので、どんどん公演やってもらいたいですね。
September 03, 2006
ペンギンプルペイルパイルズ第11回公演「道子の調査」
ペンギンプルペイルパイルズ
2006年8月23日〜9月3日 下北沢ザ・スズナリ
作・演出:倉持裕
出演:小林高鹿 ぼくもとさきこ 玉置孝匡 内田慈 近藤智行 吉川純広 松竹生 山本大介 伊藤留奈 加藤啓(拙者ムニエル)
9/3の公演を鑑賞。失踪した女を探す調査員・道子がかつて女と関わりのあった人間を呼び出し、一癖ある連中を相手に話を聞いていく。どこか西澤保彦を髣髴とさせる会話中心のミステリータッチで話は進み、六年前の出来事の回想と平行して舞台は進行していく。つかみ所のあるようなないような台詞から引き出される『失踪した女』代沢波子の姿が、矛盾する証言の中から徐々に形作られ、その正体が観客にもうっすらと分かりかけてくる頃には話はもう佳境というかなり緻密に編まれた構成に脱帽。終演後におもわず今回公演の台本を購入してしまいました。
役者さんはみなさん見ごたえある演技を存分に発揮し、出演者による演技合戦の様相を呈してきたりしてそっちの意味でも面白い。ぱっと見ジャニーズな吉川純広さんがしっかり小劇場の舞台役者していて興味を引かれるし、内田慈さんは相変わらずかわいいし、加藤啓さんは謎めいていて(ぶっちゃけ「密室彼女」とかぶっている)カッチョ良い。ところで拙者ムニエルの役者は客演のほうが映えるというのは本当?
代沢波子、砂恵の上司、道子の夫に密告する女と舞台上に姿を現さない人間は3名いて、あきらかに「登場する人たちにとっての都合のよさ」を象徴しているように思える。あとそもそも代沢波子の行方調査を依頼したのは誰なのか?ていうかラストシーンわけわからんとかとか謎は色々あって、あと一歩でわかるような気がするんだけどという気持ちを抱きながら家へと帰ることの出来るかなりお得なお芝居でしたよ。
August 22, 2006
少年社中第17回公演「アルカディア」
少年社中
2006年8月15日〜20日 シアタートラム
作・演出:毛利亘宏
出演:井俣太良 大竹えり 岩田有民 堀池直毅 森大 廿浦裕介 加藤良子 長谷川太郎 杉山未央 山川ありそ/宇都宮直高 松下好(エルカンパニー) 宮本行(ブルージェイイースト) 土屋雄(innerchid) 鈴鹿貴規(Team AZURA) 加藤敦(ホチキス) 芳賀淳子(Ele-C@) 園山琴絵(SUPER★GRAPPLER)/末冨綾
20日の千秋楽を鑑賞。前回公演ですっかりファンになった小松愛さんが今回急遽降板ということでテンション下がるも、公演自体の評判はものすごく良いので張り切って観にいく。一緒に行く4人分のチケットを僕が取ったのですが、期せずして良い席を確保できたため、何だか褒められてしまいました。
音楽も衣装も小道具もすごい劇団だけど、僕が少年社中を観るうえでどこを楽しむのかっていうと役者たちが体中からダラダラ流す汗なんですよね。照りつけるライトと激しいアクションで汗だくになりながら演技を続ける彼らに、公園を一生懸命に走り回って遊んでいる子どもたち、みたいなイメージが重なるんですよ。前回の圧倒的なスピード感と比べるとテンポがしっくりきておらず、三部作の最後ということもあってか説明台詞が多くて(聞いても頭に入ってこない)ダレる部分もあったけれど、それでも勢いは存分にあって引き込まれた。
キャラクターではシーラカンス博士(宮本行さん)がお気に入り。グリフォン役の長谷川太郎さんがあんな可愛い顔をしているのを初めて知った。元劇団四季の宇都宮直高さんを主役に据えてしかも歌を露骨にストーリーに絡めてくるのはちょい微妙に感じたけれど、ほぼ登場人物全員にちゃんと見せ場があったのはよかった。今回のクチイヌ(井俣太良さん)はすごく暑そう。ヒロイン、パナップ(芳賀淳子さん)は、可愛いんだけど正統派というか、良い子すぎて夢中になるには何かが足りない。タイホン役の加藤敦さんはギャグっぽいところもちゃんとはまっていてカッコ面白かった。パピコ(園山琴絵さん)の出番がひとりだけ妙に少なかったのは、やっぱり少し本を書き換えたのだろうか。