日本三大漆器の一つと言われる「根来塗ーねごろぬり」。
鈍い朱色の艶と下地の黒が表れる使い込んだような意匠で、深い味わいが特徴です。

加賀や会津の漆器のように華やかで繊細な技法を凝らしたものではなく、
素朴で厚み、あたたかみのある質実で古い歴史を思わせる日用の美があります。


只今「根来塗」の汁椀などが入荷いたしましたので、
まず、その歴史や地域についてのバックグラウンドをご紹介できればと思います。

 
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「根来塗り」は和歌山県 根来寺に由来し、古くは鎌倉時代より作り伝えられる日本を代表する
塗りの手法。

数奇とも言える歴史を辿った漆器です。
宗教的に高野山で対立し根来に本拠を移した僧徒たちが寺内で使うために製作したのが始まり。 
質実堅実、飾り気が無く用の美に長けているのはそのためでしょう。
それが広がり木材の豊富な地域の特色も活かし地場産業に発展していきますが、
豊臣秀吉の『根来攻め』にあい漆器職人たちは輪島や薩摩に分散してしまい一時途絶えてしまう
「根来塗り」。
しかし各地でそれぞれに成長し現代、世界で「ジャパン」と称される漆器のルーツであるとも
言われています。

また近隣で継承した黒江(和歌山県海南市)は今も漆器の町として有名です。


さて、本来の「根来塗り」はその後どうなったのでしょうか。

和歌山県をあげて根来寺以来の伝統産業として復活を図り、取り組んでいますが、
新たな技巧を取り入れたり、「根来塗り」の特徴を逸した部分で発達するなどの過程を経て
伝承技術の後継者不足という伝統工芸品全体が瀕している危機に直面してもいるようです。

今は「根来」と言えば、色を反転させた「曙」と並び、殆どが国外で生産されたものです。
デザインや技術の管理、また食洗機に対応するなどの技術開発を国内(根来や黒江)で担い、
新たな展開を目指している状況といえるでしょう。

優美で華やかな漆器と並び、ベーシックでシンプルな「根来塗り」はコンテンポラリーな
モダンジャパンの側面も持ち合わせていると思います。

どのようなテーブルコーディネイトにも馴染み、且つ存在感のある個性的な漆器。
ナチュラルでぬくもりがあり日常的なカジュアルな用途に対応し、
且つ歴史と伝統に裏付けられた本物の秀品である、それが今求められる「根来塗り」の姿です。


以下、ご参照ください。

50
出典:世界に誇る近代漆器のルーツ「根来塗」(http://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/000200/ren/web/ren7/negoro.html)

174-2
出典:和歌山県フォト博物館/商工業 伝統工芸/根来寺根来塗
(http://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/000200/photomuseum/174.html)

51
出典:wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/根来塗)



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