2006年04月24日

く1「くさや」

 初めて食べたのは伊豆だったと思う。夜の町を友人達とぶらぶらしていて、フラッと入った居酒屋にあったのだ。名物だ、というので注文して食べた。
 なんとなく噂には聞いていた。曰く、臭いがひどいとか、クセが強いとか。でもその時は何の抵抗もなく食べられた。むしろ旨いと思ったし、これならこれからも食べるだろう、とも思った。
 その時聞いた話だったかどう定かではないけど、くさやの付け汁は、そりゃあもう何百年も続けて使っていて、減った分だけ新しいのを足していくだけらしい。そうやってずっ発酵し続け、薄められてはまた発酵し、あの味を醸し出しているのだ。
 そんなこと、今時保健所が許してくれるのかどうかは聞きそびれたけど、とにかくそういう風して、ずっと作られてきたもののようなのである。
 その後、飲み屋のメニューで見つけると頼んで食べるが、最初の時ほど美味しいとは思わなかった。それは多分慣れもあっただろうし、その時の状況にもよるんだろうけれど。
 でも、くさやってどこの飲み屋にも置いてあるわけじゃないので、たぶんあの後3−4回しか食べてないんじゃないかな?
 そして、ベトナムでくさやに再会したのである。
 これはまったく予期せぬことで、かなり驚いたのだ。
 ある日、韓国人と知り合いになって、連れて行かれた観光料理屋でのこと。一通りのメニューを食って、腹も一杯、というころに、その韓国人がおもむろに
「この店には特別な魚料理があるけど、食べてみるか」
といいだした。なんだか知らないけど、もちろん食べてみるに決まっているのだ。そしてでてきたのがまさにくさやだったのだ。
 旨い、と言って食べるオレをみて、韓国人はちょっとびっくり。なんでだろうと思ったら、韓国でも食べられない人がいると言うではないか。いや、これは日本にもあるんだ、と説明して、改めて日韓の近さを確認しつつ、くさやで真露を飲み続けたのだ。


Posted by cafesiesta at 12:37│Comments(0)