私の過去の経験話をひとつ
まだ会社勤めをしていた頃、ひとりでアメリカ西海岸に仕事で出張したことがあります。
ロサンゼルス空港でトランジットをしてサンノゼに入る工程で、トランジットの時間を潰している時のこと。

アメリカのとあるチェーン店に入って、ペプシを飲んでいたのですが、ちょっと小腹が空いたので、フロアの店員に声を掛けてオーダーしました。
「フライドポテトをください」と。
女性店員が「???」って顔をするので、「あぁ~、“r”の発音が悪いんだなぁ」と思って、すっごく“r”を意識してなんども言っても通じない顔。
身振り手振りと「ポテト」と言うと、「あぁ」みたいな顔をして去って行きました。
「通じたのかなぁ~」と思っていると、その女性店員が「フライドポテト」が乗った皿を持って近づいて来ました。
そして「これか?」と聞くので、「そうそう」と答えると、その女性店員がため息とともに一言。
「French fries」
そうそう、アメリカでは「French fries」と言うんですよね。ちなみにイギリスでは「chips」が一般的だそうです。
喫茶店あるあるでよく登場するのが「ウィナーコーヒー」。
頼まれたけどそんなコーヒーあるのか?って考えた挙句にウィンナーとコーヒーを一緒に出して・・・
という小話によく使われる「ウィナーコーヒー」。

正解は、コーヒーを半立ての生クリームで蓋をしたアレンジコーヒーです。
もちろん地元ウィーンでは「ウィナーコーヒー」とは言いません。
ではウィーンではなんと言えば、このコーヒーが注文できるのか?
正解は「アインシュペンナー」です。
ご存知の方には馴染みのコーヒー文化の中心地“ウィーン”。
ウィーンには100年以上営業している「伝統カフェ」がいくつもあるくらい、ベネツィアと並ぶ二大欧州コーヒー文化発祥の地です。
それには理由があって、どちらもコーヒー文化の母体 イスラム文化との欧州側の最前線であったことです。
そんなウィーンではコーヒーのアレンジの種類が40種はある、と言われていて、ウィーンオリジナルのアレンジだけでも20種類ある、と言われています。
ですから「ウィナーコーヒー」と言っても、「どのウィーン風アレンジですか?」となってしまうのです。
「アインシュペンナー(Einspänner)」はウィーン発祥のアレンジコーヒーのひとつです。
ちなみにウィーンにおけるホイップクリームの役割は甘さではなく、クリーム自体の持つ濃厚なコクとテクスチャを味わうものなので、お砂糖は加味されません。
ウィーンに訪れた際には、ぜひ「アインシュペンナー」とオーダーしてみてください♪
まだ会社勤めをしていた頃、ひとりでアメリカ西海岸に仕事で出張したことがあります。
ロサンゼルス空港でトランジットをしてサンノゼに入る工程で、トランジットの時間を潰している時のこと。

アメリカのとあるチェーン店に入って、ペプシを飲んでいたのですが、ちょっと小腹が空いたので、フロアの店員に声を掛けてオーダーしました。
「フライドポテトをください」と。
女性店員が「???」って顔をするので、「あぁ~、“r”の発音が悪いんだなぁ」と思って、すっごく“r”を意識してなんども言っても通じない顔。
身振り手振りと「ポテト」と言うと、「あぁ」みたいな顔をして去って行きました。
「通じたのかなぁ~」と思っていると、その女性店員が「フライドポテト」が乗った皿を持って近づいて来ました。
そして「これか?」と聞くので、「そうそう」と答えると、その女性店員がため息とともに一言。
「French fries」
そうそう、アメリカでは「French fries」と言うんですよね。ちなみにイギリスでは「chips」が一般的だそうです。
喫茶店あるあるでよく登場するのが「ウィナーコーヒー」。
頼まれたけどそんなコーヒーあるのか?って考えた挙句にウィンナーとコーヒーを一緒に出して・・・
という小話によく使われる「ウィナーコーヒー」。

正解は、コーヒーを半立ての生クリームで蓋をしたアレンジコーヒーです。
もちろん地元ウィーンでは「ウィナーコーヒー」とは言いません。
ではウィーンではなんと言えば、このコーヒーが注文できるのか?
正解は「アインシュペンナー」です。
ご存知の方には馴染みのコーヒー文化の中心地“ウィーン”。
ウィーンには100年以上営業している「伝統カフェ」がいくつもあるくらい、ベネツィアと並ぶ二大欧州コーヒー文化発祥の地です。
それには理由があって、どちらもコーヒー文化の母体 イスラム文化との欧州側の最前線であったことです。
17世紀にウィーンがオスマントルコ軍の攻囲を受けた際、潰走したトルコ兵の置土産であったコーヒー豆を見つけたことが、ウィーンでのコーヒー文化の発祥と言われています。
ちなみにオスマントルコ軍は、騎乗でジルジャンというシンバルを鳴らす隊も含めた楽団の音楽とともに進軍して相手を威圧する戦略を取り入れていました。
音楽の街、ウィーンで「トルコ行進曲」が生まれたのも、恐怖と同時に、聞こえてくる異国の音楽に魅了されていた結果なのです。
ウィーンでのコーヒー文化は19世紀に絶頂をむかえ、カフェは世紀末芸術家や文豪たちの集う社交の場となりました。コーヒー一杯の注文で何時間も、時には丸一日を過ごす……そんな優雅なカフェ文化は、いまだウィーンの街で健在です。
ちなみにオスマントルコ軍は、騎乗でジルジャンというシンバルを鳴らす隊も含めた楽団の音楽とともに進軍して相手を威圧する戦略を取り入れていました。
音楽の街、ウィーンで「トルコ行進曲」が生まれたのも、恐怖と同時に、聞こえてくる異国の音楽に魅了されていた結果なのです。
ウィーンでのコーヒー文化は19世紀に絶頂をむかえ、カフェは世紀末芸術家や文豪たちの集う社交の場となりました。コーヒー一杯の注文で何時間も、時には丸一日を過ごす……そんな優雅なカフェ文化は、いまだウィーンの街で健在です。
そんなウィーンではコーヒーのアレンジの種類が40種はある、と言われていて、ウィーンオリジナルのアレンジだけでも20種類ある、と言われています。
ですから「ウィナーコーヒー」と言っても、「どのウィーン風アレンジですか?」となってしまうのです。
「アインシュペンナー(Einspänner)」はウィーン発祥のアレンジコーヒーのひとつです。
アインシュペンナーとはもともと「一頭立て馬車」の意味です。
御者がひとりだけの馬車です。
※ドイツ語は単語をスペースを入れずにどんどん足していってひとつの単語にするのが特徴的な言語で、EinspännerはEinとspännerが一緒になった言葉です。

御者がこのスタイルのコーヒーを好んで、よく手に持っていたことが名前の由来です。
御者がひとりだけの馬車です。
※ドイツ語は単語をスペースを入れずにどんどん足していってひとつの単語にするのが特徴的な言語で、EinspännerはEinとspännerが一緒になった言葉です。

御者がこのスタイルのコーヒーを好んで、よく手に持っていたことが名前の由来です。
コーヒー文化の黎明期、コーヒーは高価な代物で、庶民には手の届かない物でした。
しかし時代が進み、庶民も愉しみ始めた頃、現在のタクシーの役割を馬車がしていた時代があります。
庶民が使う馬車は1頭立てでした。
そしてお客さんがカフェでコーヒーを愉しんでいる間、馬車を操縦する御者もお客さんを待っている間、眠気覚ましやリラックス効果のためにコーヒーをよく飲んでいたそうです。
そしてお客さんがカフェでコーヒーを愉しんでいる間、馬車を操縦する御者もお客さんを待っている間、眠気覚ましやリラックス効果のためにコーヒーをよく飲んでいたそうです。
待ち時間が長ければ長いほど、せっかくのあったかいコーヒーも冷めてしまう。そこで、考えられたのが、コーヒーにホイップクリームを乗せて“蓋”をすることでした。
冷たい生クリームで蓋をしたコーヒーの保温効果は抜群!
そしていざ馬車を操縦することになっても、揺れる馬車の上でもこぼれにくくなることから、クリームを乗せたコーヒーは、御者の間で人気となります。
そしていざ馬車を操縦することになっても、揺れる馬車の上でもこぼれにくくなることから、クリームを乗せたコーヒーは、御者の間で人気となります。
そしていつしか、「コーヒーにホイップクリームを乗せて“蓋”をした飲み物」のことが「アインシュペンナー」と呼ばれるようになりました。
「アインシュペンナー」はウィーンの庶民の生活の中から生まれたアレンジコーヒーなのです。
ちなみにウィーンにおけるホイップクリームの役割は甘さではなく、クリーム自体の持つ濃厚なコクとテクスチャを味わうものなので、お砂糖は加味されません。
ウィーンに訪れた際には、ぜひ「アインシュペンナー」とオーダーしてみてください♪
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