ワインというと、赤、白。
あと、最近では日本語の二文字読みに合わせて「泡」と呼ばれる発泡系ワイン、をイメージされるでしょうか?

このように、日本では「ロゼ」ワインの知名度と親しみ度が、ほかのワインに比べると少ないです。
スーパーマーケットやコンビニエンスストアでは見かけませんし、ワイン専門店でも割かれているスペースが狭いところが多いです。


ロゼ」とはフランス語でピンク色、またはバラの意味があります。
英語ではローズと発音しますが、意味は同じです。
つまり、ロゼワインとはピンク色のワインを指します。

ロゼワイン

一口に「ピンク色」と言っても、サーモンピンクのような明るい色から紫のニュアンスがある赤に近い濃いピンクまで色合いは様々で、味わいも辛口から甘口までバラエティーに富んでいます。さらには「泡」まであります。

ボトルは語る 色編」の記事で紹介しましたように。ロゼワインは、鮮やかなピンク色が目に見えて美しいワインですが、それをボトルに入っているうちから愉しんでもらいたい、というメッセージとともに透明ガラスのボトルが使われます。
その色の美しさを堪能するのもロゼワインを楽しむポイントです。
無色透明で中がよく見えるために、ボトルを開ける前からロゼワインの優美なバラ色を楽しめます。



ちなみに、
ピンク色は「幸福感」「安心感」のイメージがあり、攻撃性や怒りを抑制する効果をもつといわれます。 ピンク一色の部屋にいれば、怒りは15分も経てば静まってくるそうです。
また海外では刑務所だけでなく、警察学校や学校、精神病院などで活用されており、日本でも同様の事例がでてきているそうです。


ロゼワインは、その色において、赤ワインと白ワインの中間に位置しています。
また、色だけではなく、醸造法も赤ワインに似ていたり、白ワインに似ていたりします。
そうしたことから、ワイン法の製法が詳細に法律で規定されているヨーロッパにおいてもロゼワインを技術的に定義する条文はありません。


赤ワインとも白ワインとも言えない中途半端な特徴が好かれなかったのか、ワイン愛好家からは重要視されて来なかった、という不遇さな扱いを受けてきたロゼワイン。
しかし、南仏などでは、男性も好んでロゼワインを愉しむなど、フランスでは重要なワインのひとつとなっています。実際、フランスで生産されるワインの3分の1がロゼワインとなっています。


赤ワインと白ワイン、両方の要素を持ち合わせるロゼワインは、どんな料理でも合わせやすいのが特徴です。
実際には白ワインに近い味わいなので、少し低めの温度の方がロゼワインの持つ良さを発揮しやすいです。

辛口であれば料理に合わせやすく、生ハムやサラミといったシャルキュトリーなど、ロゼワインの本場での鉄板の組み合わせはもちろん、ベーコン、サーモン、海老、かにといったピンク色の食材や和食にとてもよく合います。
甘口であればクリームチーズやフルーツを使ったデザートと相性が良いです。

ロゼワインとフードのペアリング

さらに、辛い料理とのマリアージュもロゼワインがおすすめです。

辛いものを食べると何か冷たいものが飲みたくなります。
低温が適した白ワインだとスパイシーな味わいに負けてしまいます。
とはいえ、赤ワインを冷やしすぎると渋味が際立ってしまいます。
そこで、白寄りでありながら赤のニュアンスもある味わいのロゼワインが活躍するというわけです。

実際、フランスにあるタイ料理やベトナム料理などの辛口料理の飲食店には、ロゼワインが置いてあります。

そのほか、サングリアにするのもおすすめです。
辛口のロゼワインにフルーツとはちみつを入れて漬け込み、丸一日置けば飲み頃。
スパークリングウォーターで割るのは、ロゼワインの本場南仏での愉しみ方です。