2014年06月27日

あの有名な補題の証明

ガロア理論の基本定理の証明で顔を出す、次の有名な補題の証明が簡単にできなかったので、ここにさらしておきます。
不確かな記憶ですが、30代になってから数日悩んでかろうじて絞り出したと思います。

補題1.任意の集合A,Bと AからBへの任意の写像 f に対して、次の(1)、(2)は同値

(1) f : A−>B が全単射
(2) ある写像 g : B−>A が存在して、 g・f=(AからAへの恒等写像)、f・g=(BからBへの恒等写像)

[証明]
(1)=>(2) g=f の逆写像 とすれば良い。

(2)=>(1) 背理法による。すなわち、f が全射でない、または, f が単射でない と仮定して矛盾を導く。

まず、f が全射でないとすると、

ある b∈Bが存在して、b はf(A)に含まれない。また、定義から、g(B)⊂A なので、(f・g)(B)⊂f(A)。
したがって、b は (f・g)(B)に含まれない。

一方、仮定から、(f・g) の像は、B全体。
これは矛盾。


次に、f が単射でないとすると、

ある 異なる x , y ∈Aが存在して、f(x)=f(y)。

したがって、(g・f)(x)=(g・f)(y)。

一方、仮定から、(g・f) は、AからAへの恒等写像。それゆえ、

x=(g・f)(x)=(g・f)(y)=y

これは矛盾。(Q.E.D)


もっとわかりやすく簡潔な記述はあるでしょうが、定義から丁寧に書くとこうなりました。

この記事へのコメント
(2)→(1)の証明はもっと簡単にできます。
・fが単写であること
f(a)=f(b)ならば、両辺をgで写せばa=g(f(a))=g(f(b))=bとなりfは単写である。
・fが全写であること。
任意のa∈Bに対して、g(a)∈Aであってf(g(a))=aである。よってfは全写である。
Posted by 山隆 at 2014年11月07日 11:48
i -> iiはその逆写像の存在を示せというものなので間違いです
Posted by さかたに at 2017年12月15日 15:47