2004年10月09日

宿題

先日 n さんから、”A⇒Bの真理表がこうなるのは何故ですか?”と聞かれました。念のため、再度その真理表を書きます。

----------------
A B A⇒B
----------------
T T T
F T T
T F F
F F T
----------------

それに関して、少し調べたので報告します。

まず、以下の大前提を仮定します。

(大前提)
1.「偽でなければ、真である」
2.「偽命題を前提にすれば、どんな命題も導き出せる」(Aが偽ならば、A⇒Bは常に真)

1.は、我々は、古典論理=二値論理 で考えているので、これは当然かと思います。


2.は、「兎に角、記憶しろ!」(疑問を持たずに!)という本が多いなか、しつこく説明してある本を見つけ(いや、再発見と言うべきか)ました。


数―体系と歴史

2.の説明を含め、上記の本を見て下さい!で終りなのですが、私も例題で考えてみます。

A=「1≠1](偽命題)
B=「calcは堀江社長である」(偽命題)

で、A⇒Bを証明してみます。

・C=「1=1]とおくと、¬A=C ¬C=A です。
・Cは真だから、C∨Bは真である。
・ところが、A=¬Cは真と仮定する(前提にする)と、C∨Bが真であるためには、Bが真でなければいけない。
Q.E.D.

それでも、更に、なんでこうなるの、といわれれば、
「こう定義すると、都合がよく、いままで矛盾を生じないから」
というしかないですね。

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calc さんとの話 の中でうまい例が思いついたので,まとめてみることにする.論理学の「ならば」の真理値に関する問題である.なぜ「偽の命題を仮定すれば,どんな命題も導き出せる」のか? 「偽を仮定すると,結論がどうであっても常に真」となるのか?...
「偽→真」は常に「真」【nlog(n)】at 2004年10月29日 21:39
この記事へのコメント
そうそう、僕もこの本持っているんですが、「偽命題からは何でも導ける」ということを示す例としてラッセルの例を引いてますよね。面白いなぁと思いました。これがないと数学では空集合の扱いが困るのではないでしょうか。
Posted by night_in_tunisia at 2004年10月09日 10:34
>night_in_tunisiaさん
この本では、ラッセルの説明と思われるものの推測を載せていますね。ラッセルはどうだったのかはわかりません。

論理の何を仮定にするか、は20世紀前半には解決しているのですが(これを完全性という)、心から納得しているか、と言われると、違うと思うのです。

たぶん n さん もそのことを聞きたかったのだろうと思います。
Posted by calc at 2004年10月09日 11:00

含意するですよね。
そういう演算だと思わないとしょうがないですね。
そういうのが使えると便利な時があると・
(p⇒q)∩(q⇒p)は同値をあらわすとか・
Posted by BLUEPIXY at 2004年10月10日 02:37
>BLUEPIXYさん
>そういう演算だと思わないとしょうがないですね。
本によっては、真理表のみ、書いてあって、詳しい説明はないのです。
(大前提)とその説明を明確に書いてあるのは、上記本ぐらいでした。

記号論理学、という体系があって、
∧(かつ)、∨(または)、⇒(ならば)、¬(でない)、⇔(同値)、∀(すべての)、∃(存在する)
の7つの記号をもとにすると、現在の古典論理で説明できる数学は、この記号で記述できることがわかっています。(記述できないものは、発見されていない、というのが正しいか?)

指摘のとおり、p⇔q は 、(p⇒q)∧(q⇒p)と同じことだと取り決めます。
Posted by calc at 2004年10月10日 07:29
調べて頂き、ありがとうございました。
ちゃんとした証明ではありませんが、次のような例を考えてみました。

「整数 m が 4 で割れれば、m は 2 で割れる」という命題は常に真であると、納得できます。

ここで、m に 3 を代入すると、「偽⇒偽」となりますが、この命題は常に真でしたので、「偽⇒偽」も真となります。
m に 2 を代入すると、「偽⇒真」という真の命題が得られます。

前件部が「偽」の場合、その命題が「真」となるという雰囲気がつかめます。少し弱い主張ですが…。
Posted by n at 2004年10月12日 23:45
>nさん
自分で考えられたのですか。これぞまさに、哲学!いろいろ理屈はつけられるのですが、
「こう定義すると、都合がよく、いままで矛盾を生じないから」
ということで、もし、おかしいようなら、定義自体を変更する、というやり方で、数学は歴史を重ねてきたという実例ですね。

私のほうこそ、勉強になりました。と同時に、あやふやな理解が少しだけ、補正されたような気がしました。
Posted by calc at 2004年10月13日 06:43
calc さん
この例は、たまたま思いついたものです。ということもあって、私の中ではかなり説得力のあるものになっています。
うまく行き過ぎてる感じもしますので、もしかすると論理学の本の例題にあるかも知れないなぁ、と思いました。
Posted by n at 2004年10月13日 21:30
だからといって、「1<0 ならば 1=2」が「真」だときっぱり言えないという、もどかしさはあるのですが…。
Posted by n at 2004年10月13日 22:06