相加平均・相乗平均 その1
まずは定義から。タイトルの不等式は次のとおり。
n>1 を整数とする。n個の正の数 a_1,a_2,...,a_nに対して
A(n)=(a_1+a_2+・・・+a_n)/n
G(n)=(a_1*a_2*・・・*a_n)^(1/n) (=積のn乗根)
と置くとき、
A(n)を相加平均、G(n)を相乗平均という。この2つの平均値に対して、次の古典的不等式が成り立つ。
A(n)≧G(n)
このことを
(相加平均)≧(相乗平均)
と書くこともある。
なお、
f_n=(1/a_1 + 1/a_2 + ・・・+1/a_n) (=逆数の和)
H(n)=n/f_n
とおくとき、H(n)を調和平均という。実は、
(相加平均)≧(相乗平均)≧(調和平均)
という不等式が成り立つのだが、それはおいおい説明することにする。
相加平均は算術平均、相乗平均は幾何平均とも呼ばれ、上記不等式は
(算術平均)≧(幾何平均)≧(調和平均)
と書かれることも多い。
式から簡単にわかることは
a_1=a_2=・・・=a_n のときは
(算術平均)=(幾何平均)=(調和平均)
となり3つの平均値は一致する。
こんな簡単な不等式をネタにしても一冊の本になるくらい書くことがある。まず、
・多くの証明がある
・関連する不等式が多い
などなど、不等式の初歩を学ぶ人間にとってさまざまな意味でお手本になる不等式である。
これらすべてのことを説明することはできないが、この3つの不等式を常に念頭に置きながら不等式を考えていこう。
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まずは、
(相加平均)≧(相乗平均)
から
(相乗平均)≧(調和平均)
が簡単に証明できることを示す。
(証明)
b_1 = 1/a_1, ・・・, b_n = 1/a_n とおく。
b_1, ・・・,b_n に関する相加平均、相乗平均をそれぞれ、A_b(n)、G_b(n)と置くと、
A_b(n)≧G_b(n)
この両辺に、1/{A_b(n)*G_b(n)}を掛けても不等式の向きは変わらないから
1/G_b(n)≧1/A_b(n)
が成り立つ。ところが、この式をよく見てみると
1/G_b(n)=G(n)
1/A_b(n)=H(n)
となっており、よって (相乗平均)≧(調和平均)
は証明された。 Q.E.D.
Posted by calc at 10:32
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英語で言うと、3つの平均はそれぞれ
算術平均 − Arithmetric Mean
幾何平均 − Geometric Mean
調和平均 − Harmonic Mean
という。その他、
(相加平均)≧(相乗平均) のことを、ArithmetricーGeometric Mean Inequality(Or GeometricーArithmetric Mean Inequality)という。
【誤植】
a misprint ? ---->
算術平均 − Arithmetric Mean
---------------------------------------
http://mathworld.wolfram.com/ArithmeticMean.html
◇meanさん 指摘ありがとうございます。
間違っていますね。修正しておこうと思ったのですが、修正コメントに辿り着くまで時間がかかるので、元記事および指摘の記事をそのままにおきます。