2009年09月16日

正しいと思うのですが

実数列{a(n)} で、次の有名な問題がありますよね。

(A)
{a(n)} が ある値(=実数空間の'点') に収束する => 相加平均 も同じ点に収束する。

では、次の問題はどうでしょうか。

(1){a(n)} を複素数列に変更した場合には上記命題は成り立つでしょうか?
(2){a(n)} を(有限次元)ユークリッド空間の点列に変更した場合には上記命題は成り立つでしょうか?
(3){a(n)} をバナッハ空間の点列に変更した場合には上記命題は成り立つでしょうか?
(4){a(n)} を(完備とは限らない)ノルム空間の点列に変更した場合には上記命題は成り立つでしょうか?(線形空間とその空間でノルムが定義されているという意味ー線形性は実または複素のどちらでもよいものとする)


ここまでは普通に思いつく問題ですが、私の問題はこれからです。


(5)(A),(1)−(4)に共通に適用可能な証明の方式をできるだけ多く考えて下さい。

(1)−(4)はすべて多分正しいと思うのですが、どうですか?

イプシロンーデルタ論法の練習問題としてはいい問題だと(個人的には)思います。

微積分(1変数実解析)の入り口の段階で、ノルム空間まで持ち出すというのは抵抗がありますが、収束概念という観点および、空間概念とは独立の論法の確認という観点からです。  

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2009年09月09日

実数の性質

実数の性質を整理中。
・代数構造
・順序構造
・位相構造
 (連続性、完備性、コンパクト性など)
アルキメデス順序体(=アルキメデスの公理とも言われる)は、有理数で成立するから、実数でも成立するのね、という当たり前のことを確認した。

やさしい イプシロンーデルタ論法の問題 を併せて取りまとめています。
よくあるイプシロンーデルタ論法の問題は、いきなり難しすぎる と思う。
そんなところで、易しいドリル的問題を20個ほど考え中。
あとは、否定命題の作り方とその証明をいくつかパターンを挙げればひとまず完了。

大学2年ぐらいで、イプシロンーデルタ論法を使うと面倒な問題の一つは、

・リーマン積分の変数変換(n≧2変数版)の証明

だろう。解析学の本で、この辺を(イプシロンーデルタ論法を使わずに)ごまかして書いてあるものが結構ある。

たとえば、2変数の場合だけ厳密に証明した(ふりの)あと、n変数も同様、としか書いてなかったりして。

一方、これと比較して

・ルベーグ積分の変数変換(n≧2変数版)の証明

なんかは結構簡単になってしまう。こんな所にも、ルベーグ積分の威力の凄さを感じたのはごく最近のこと。

よくルベーグ積分は難しい、と書いてある解析学の教科書とかあるけど、この箇所だけはリーマン積分のほうがよっぽど複雑だということをもっと書いてもいいと思う。

実数の性質、易しいイプシロンーデルタ論法の問題を考えて、ふとそんなことを思っていた。

昔の証明が厳密じゃないとぼやいている現代の数学者だって、微積分でイプシロンーデルタ論法を使いこなすのは面倒なのだ。  
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2007年02月23日

積分法その後

リーマン積分において、

ダルブーの定理の記述と証明

を中心とした扱いをいろいろな微積分の本を読んでいたところで、肝心の「解析概論」を抜かしていました。以下その簡単な報告。

解析概論 改訂第3版 軽装版


第3章 積分法  (=いわゆる1変数のリーマン積分論)
§28 古代の求積法
§29 微分法以後の積分法
§30 定積分 91ページー97ページ
§31 定積分の性質
・・・

の、わずか7ページに、

不足和、過剰和と区間の分割に関する基本的性質
連続関数に原始関数が存在することの証明
ダルブーの定理とその証明
リーマン積分の定義(1変数の場合)
連続関数、単調関数が有限閉区間においてリーマン積分可能であること(定理31,32)の証明
簡単だけども重要な注意

が簡潔かつコンパクトにまとめられています。
これだけ見ると、簡単だけども、解析学のエスプリというか古典解析学のエッセンスぞここに極まれり、ということを感じさせてくれます。

連続関数が積分可能であること(定理31)以外の記述は、実数の連続性と極限に関する基本的性質さえわかっていればすらすら読める(はず)。
さすが、日本が世界に誇る高木貞治!

同上書の

第5章 解析関数、とくに初等関数(201−267ページ)

も良い出来という評判だけど、出来の悪い教官の下手な積分の講義よりはこの7ページの部分だけ抜き出して読ませたほうがよっぽどいいと思いました。  
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2005年01月27日

今日の問題

岩波数学辞典第3版の項目「有界変動関数」を読んでいたら、私でも証明できそうな問題を見つけたので、ここにさらしておきます。

個人的には、3通りの証明を目指します。
(2月1日ぐらいに解答をアップする予定)

(問題)
「有限区間で有界・単調な実関数は、リーマン積分可能であることを証明せよ」


2/1 22:50 略証3通りを書きました。  続きを読む
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2004年07月16日

数列収束の定義

岩波数学辞典第3版 の「収束」からの引用。

数列 {a(n)} が収束であるまたはa に収束するとは、
任意の正の数 ε に対して、自然数 N_0 を適当に(十分大きく)選ぶと、N_0 より大きいすべての n について、|a(n) - a|<ε となることをいう。

このとき、a = lim a(n) または a(n)->a (n->∞)と書き、a を数列 {a(n)} の極限という。数列の極限は、存在するならばただ1つである。収束しない数列は、発散であるまたは発散するという。

これが、あの悪名高き”イプシロンーデルタ論法(数列版)”です。

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2004年07月15日

上極限・下極限2

昨日定義した上極限・下極限は割とわかりやすいものでしたが、以下の定義が、ふつうの微積分の教科書に出てくるものです。

(上極限)
有界な数列 {a(n)} に対して、A が上極限であるとは
(1)任意のε>0 に対して A - ε < a(n) となるnは無限個存在する
(1)任意のε>0 に対して A + ε < a(n) となるnはたかだか有限個しか存在しない
の2つの条件を満たすことを言う。

(下極限)
有界な数列 {a(n)} に対して、A が下極限であるとは
(1)任意のε>0 に対して a(n) < A + ε となるnは無限個存在する
(1)任意のε>0 に対して a(n) < A - ε となるnはたかだか有限個しか存在しない
の2つの条件を満たすことを言う。

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2004年07月14日

上極限・下極限

昨日の上界・上限、下界・下限が理解できれば、今日の上極限・下極限も少し考えればわかるはず。

今、数列{a(n)} が有界であるとします。このとき、上極限・下極限は次のように定義されます。

(上極限)
n≧1 に対して、
 b(n)=sup{a(k) | k≧n}
とおいたとき、{b(n)}は収束します。
この極限値を上極限といい、記号で、limsup a(n) (=lim b(n) )(n->∞)と書きます。

(下極限)
n≧1 に対して、
 b(n)=inf{a(k) | k≧n}
とおいたとき、{b(n)}は収束します。
この極限値を下極限といい、記号で、liminf a(n) (=lim b(n) )(n->∞)と書きます。

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2004年07月13日

上界・上限、下界・下限

上界・上限、下界・下限 は、それぞれ
じょうかい・じょうげん、かかい・かげん と呼びます。

これは、大学入学後の微積分の最初に説明されるキーワードで、これがすんなり解ると、微積分の最初の関門を越えたことになります。

ちなみに、私は最初の数ヶ月わからないまま過ごしました。  続きを読む
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2004年07月12日

今日の問題

土曜日の問題で証明をさぼったので、罪滅ぼし?に今日証明します。超有名古典的問題はこちら。

「実数列{a(n)} がある実数値 A に対して、a(n)->A ( n->∞) ならば、
 (a(1)+a(2)+・・・+a(n))/n)->A ( n->∞)
 となることを証明せよ」

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この問題の解答はできるだけ早めに書きます。  
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2004年07月10日

大学院入試問題に挑戦

懲りもせず引き続きこれです。

京都大学大学院理学研究科(数学・数理解析専攻)の平成16年度大学院入試問題からです。

「実数列{a(n)} が
  lim(a(n+1)-a(n))=0 (n->∞)
を満たすとする。このとき、
  lim(a(n)/n)=0 (n->∞)
を示せ.」

この問題の解答は深夜にでも。

ヒントは、いろいろありますが、ひとつの考えとして
a(n)->A ( n->∞) ならば、
 (a(1)+a(2)+・・・+a(n))/n)->A ( n->∞)
となることを利用してください。  
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