相加平均・相乗平均の不等式証明で、今日は微分および数学的帰納法を使う方法を。
まず、n個の数 a_1,a_2,...,a_n の大小関係について、a_1≦a_2≦a_3・・・≦a_n と仮定してもよいことがわかります。
なぜなら、この相加平均、相乗平均をそれぞれ A(n,a_n),G(n,a_n)とおくと、A(n,a_n),G(n,a_n)は対称式なのでn個の数の任意の入れ替えに対しても変わりません。したがって、順序関係の仮定はA(n,a_n),G(n,a_n)の値に(したがって大小関係に)影響しません。
また、(n-1)個の正の数 a_1, ...,a_(n-1)の相加平均・相乗平均をそれぞれ、A(n-1),G(n-1)とおきます。
数学的帰納法の仮定より、A(n-1)≧G(n-1).
次に、n個の数のうち、最後のa_nを変数 x に置き換え 、f(x)=A(n,x)^n - G(n,x)^n とおきます。
B=(a_1+a_2+・・・+a_(n-1))/(n-1)=A(n-1)と置くと、結局、
x≧B ならば f(x)≧0
を証明すればいいことがわかります。
ここまでくるとあと少し。証明はこちら。
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