厳しい経営状況の中で、自宅は、経営者にとって唯一のオアシスなのかもしれません。

地獄の様な不安と苦悩の日常から解放され、唯一、安らげるのが、家族との時間であり、温かいお風呂やふんわりとしたベッドなのでしょう。

経営の厳しい環境であるならば、そんな自宅だけは絶対に守りたいと思うのは、なおさら当たり前なのだと思います。

しかし、経営環境が大きく変化する状況において、自宅を守るという意義について、冷静に考えていただくことも必要なのです。



経営者の自宅だけは、どんなことがあっても守り抜く・・・。

この仕事を始めた頃、冒頭の理由から、ご相談者に対して、この様にアドバイスをしていました。

現実的に、いつ経営破綻するかもしれない厳しい経営状況において、自宅を守る様々な手法を屈指して、普通であれば守れるはずのない自宅を守ってきたのです。

資産を予防的に保全する3原則に則り、担保になっていようが、オーバーローンであろうが、どの様な状況であろうとも、自宅に住み続けることを最優先にして対策を実施します。

住宅ローンを全て弁済し、無担保となっている自宅であれば、知人からの借入れについて担保として提供することで、債権者金融機関の担保要求や差押えも無意味にすることができます。

身内が、新たに住宅ローンを組んで、購入してくれたこともあります。

知人が、自宅を買い取ってくれて、そこを賃貸借して住み続けることなどは、珍しくもありません。

余裕がないタイミングで、配偶者控除の特例を活用して、奥様に贈与したこともありました。

様々な自宅を守る手段について、其々の特徴やデメリットも理解し納得したうえで選択して取り組みます。

その時、何よりも留意すべきことは詐害行為です。

詐害行為と間違われないように、受益権者との関係や、手続きの流れ,実施のタイミングについて配慮することが、何よりも大事になります。

その結果、自宅を守る行為や対策について、詐害行為として追及されたことは1度もありません。

専門家として、自宅を守れればそれでいいと考えて取り組み、失敗したことがないのが誇りでしたが、数年前から、考えが変わってきました。



詐害行為からは自宅を守ることができましたが、結果的に、自宅を喪失されてしまったご相談者がおられます。

それも、お一人ではなく、複数の方が、せっかく守り切ったはずの自宅を手放すしかなくなってしまわれました。

それは、経営者の環境の変化と、自宅が適合してなかったからという理由に起因します。


経営者が、愛着を持っておられる自宅というのは、豪華なものが少なくありません。

経営者保証ガイドラインでも、経営者の自宅を守る前提として、華美でない自宅という限定をしているほどですから、中小企業経営者のご自宅は豪華で華美なものが多いというのが現実なのでしょう。

たしかに、全てを事業につぎ込んで、汗水流して人一倍働いてこられた結果ですから、豪華な自宅を持っておられて何の不思議もありません。

それなりの収入もあったでしょうから、豪華な自宅を維持することも負担ではなかったと思います。

ところが、中小企業経営者の生活は、会社の業績に大きく左右をされます。

資金繰りが厳しくなった経営危機状況では、自宅を維持する費用をねん出するのも大変になるでしょう。

ましてや、経営が破綻するような状況おいては、日常の生活費さえ事欠く状況ではないでしょうか。

そんな状況で、無理して自宅を守ろうとすれば、環境はさらに厳しくなってしまうのではないでしょうか。

たとえば、セール&リースバックにより、知人に自宅を3600万円で購入してもらい、賃料を払って住み続けたとします。

知人に払う賃料は、年間表面利回り10%として360万円になり、毎月の賃料は30万円となるのです。

経営が順調な時ならいざ知らず、会社の資金繰りが悪化した状況で、30万円の賃料が払えるのでしょうか。

短期間、一時的に払えたとしても、長期に継続して払い続けられるものではないでしょう。

愛着のある自宅に、固執し住み続けたいという気持ちは判りますが、物理的に不可能だと捉えるべきなのでしょう。

ここは、自宅の意地を諦めて、次の人生のために、限られた資産を使うべきだと思います。



環境が変われば、考え方も変わり、対応も変えて当然です。

環境に左右されやすい中小企業経営者も、環境に合わせて生活を変化させるのは当然のことになのです。

経営破綻するような状況においては、自宅に対する考え方も変化させ、身の丈に合った自宅という捉え方をされるべきだと思います。

無理をして、豪華な自宅を守ろうとするのではなく、環境に見合った自宅に住むということが、今後の人生にプラスになるのではないでしょうか。



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