2018年6月10日 コンパニオンプランツとバンカープランツ

 自然農法による家庭菜園、順調に進んでいますが、
予定より実が大きくなるのが遅いようなので、今回
はコンパニオンプランツとバンカープランツについて
アップします。
 まず、自然農法で土づくりをした後、ほとんど手間
いらずで植え付け・種まきから一カ月してどうなったか
というと…。
結構、緑豊かになりました。
左は一か月前、右は今日の午後、ほぼ同じ場所から撮って
います。ラバンダ・グロスというラベンダーが開花し、黄色
はサントリナ。ともに蚊やダニ類が嫌う臭いを発するそうです。
縁石の内側でマリーゴールドが育っています。今後はさらに
ボリュームアップして花かご風になることでしょう。ローズマリー、
エストラゴン、オレガノ、セージ、タイムも植わっています。
20180518_142645_resizedSaien

 なんだか、半信半疑でしたが、こうやって改めて見ると、やる気が
でてきます。わたしは準備だけしかしていませんから、自然の力、恵
みというやつです。自然のなかに神様がいるというのは本当です。
これからは、自分の畑がパワースポットであるよう心掛けることに
します。
 先週より収穫が始まっているのが、胡瓜とイチゴです。
家庭菜園では誰もが実感することなのでしょうが、味というか、香り
が凄く良いものができます。変な水っぽさや匂いはありません。
香りで食べるものなのだと思ったりもします。病みつきになります。
Kyuri1Kyuri2 (1)
 こんなかんじの実が毎朝、2~3本獲れます。
来年は日本の胡瓜を作ってみようかと思います。胡瓜は
水と肥料をたくさんやらなくてはいけないと聞いていま
したが、自然農法ということで、土づくりをした後は、
たまに芝刈りのカスや枯れ草などを苗のまわりに敷いて
乾燥を防いだほかは、覚悟していた追肥も一切やらずに
順調に収穫できています。
 きゅうりと一緒に植えてているのは、マリーゴールド
とポロネギです。数日前に枝豆の種も蒔いています。
 家庭菜園をなさっている方や興味のある方はご存知か
もしれませんが、コンパニオンプランツというのがあって、
複数の種類の野菜や果物、またはお花などを一緒に育て
ることで、病気や害虫を防ぎ、風味を高めたり、成長
を助けたりという効果を得ることができます。
 下の写真は、イギリス、フランス、そして聞いてみるとアメリカでも、
家庭菜園の定番脇役、ボラージュ(英語ではコーンフリーと呼ぶことが
多いようです)。お花をいくつか摘んで、サラダに載せて頂きます。蜜
が強いせいか、蜂がたくさん来ます。
Bourrache

 その逆に、一緒に植えると成長を阻害したり病気や
害虫の被害にあいやすくなったりする組み合わせもあり
ます。胡瓜と良い組み合わせのものは、いろいろあります
が、中でも長ネギや豆類は良いようです。豆類のなかでも
胡瓜と同じく水が好きで、浅く横に根を張る胡瓜と違って
下に根を張る枝豆を混植することにしました。
 ポロネギや長ネギは土地の生物活性を高め、育てやすく、
たいていウリ科(胡瓜、カボチャ、メロン、スイカなど)
やナス科(茄子、トマト、ピーマン、ジャガイモなど)と
一緒に植えると丈夫に育つという話です。というわけで、
葉も虫にやられず、元気に育っています。支柱で縦に
誘引した7本の苗が、ほぼ同じ高さ(160㎝くらい)に生
えそろって扇祭りのようで綺麗です。
 イチゴは、コンパニオンプランツとして植えたにんに
く3本を収穫しました。生で刻んで、1本はサラダに入れ
て楽しみ、2本は日陰で干しています。イチゴは鳥たち
が狙っているので、周囲にネットを張りました。イチゴ
コーナーの真ん中に植えたボラージが茎の太さが直系4㎝
と巨大化し、イチゴも4~5倍のボリュームに成長して
しまったので、にんにくを抜いても、一見すると何が何
だか判らない、むさくるしい状況になっています。イチゴ
コーナーの周りには、悪い線虫よけ(害のない線虫もいます)
のマリーゴールド、野生のゼラニウムが3種類咲き、種を蒔い
たカランデュラ(キンセンカ)が開花し、球根を植えて置いたダリ
アも蕾が膨らんでいます。鳥は近づかなくなったけど、ありと
あらゆる蜂が集まってきています。
その蜂を狙って、トンボや、先日はスズメバチが偵察に来て
いました。(怖)しかし、ここには全長30㎝の緑トカゲ、ス
ズメバチが好物という鳥もいるので、おそらく大丈夫でしょう。
緑トカゲというのは、人に害はありませんが、初めて遭遇した
ときは悲鳴をあげてしまいました…とほほ。 
IchigoMelon (2)
 どういうわけか、お酢とラム酒ととうがらしにニームオイル
を合わせた殺虫剤しかつかっていない(それもたまに散布をさぼ
って、週に1度くらいの頻度)割には、虫喰いがないのが嬉しいです。
 では、作物を守るために、害虫をおびきよせてもらったり、
害虫の天敵となる虫たちの棲家となる、バンカープランツの利用
をご紹介します。うちの場合、初心者なので、コンパクトに安く
できるもの選んでいます。
 まず、これは写真の向かって右がトマトコーナーになっています。
合計で15本のトマト苗が植わっているのですが、その左端は家庭菜園
の外に面しています。とういことで、自然の防御柵をバンカープラント
で作っています。(下左)
Banker plantsTomatos


 まずは、ツートンカラーのマリーゴールド、雨蛙さん
の傘のような可愛い葉っぱで朱色の花をつけている
のが、キンレンカです。その脇に蕾をつけたボラージュ
があり、後ろに見える背の高い、黄色い花をつけている
のが、ご存じ、菜の花くんたちです。
 これ以外に、トマトの苗1本につき、3本~5本のマリー
ゴールドをあちこち植えこんでいます。
 トマトには、必須といわれるマリーゴールド、そしてバジル
もグッドということで、たまにポロネギや玉ねぎも植えたり
しています。(上右)トマトはアブラムシがつということで、アブラムシ
が大好きなキンレンカを植えましたが、ほぼ無傷です。
 バンカープラントは害虫の餌食として植えるそうですが、
それは忍びないため、手作りの殺虫剤をついでにかけてあげ
ています。そのせいか、ほとんど、被害がありません。
 トマトも自然農法で土づくりをした後は、雑草処理やトマトの脇芽
かきででた捨てる草類をそのまま上に敷くようにして土を守り、
追肥は一切なし、雨以外は水やりもなし(雨が2週間降らなければ
水やりする)ということで、すべての苗が、しっかりとした実を
つけています。葉っぱの様子も良好で、樹も暴れすぎずに樹勢も
安定しています。

Kabocha (1)Kabocha2

 かぼちゃは、自分たちが食べて美味しかった種をただ、
水洗いして、土づくりせずに適当に蒔きました。芽が出て
もそのままにしておいて、適当に間引きをしました。
あとは、大きめの株に育ったものの周りに、枯れ草とか
落ち葉が出たときに適当に蒔いて、水やりはしていません。
地面がカラカラ、ガチガチでも大丈夫のようです。バター
ナッツというのと、日本で一般的に「西洋カボチャ」と
いわれている2種類の種をまいています。全部で10株くらい、
大きいのが育っています。一番大きい株の下をのぞくと、
もう、雌花ができています。(上右)
 かぼちゃが秋に収穫できたら、その後は秋蒔きのトウモロコシ
を植えようかと考えています。いろいろ育てることで、良い
土にしていきたいと思っています。秋にコンポストが完熟した
ら、それを足しこんでみようと思います。かぼちゃの隣りの空
きスペースではスイカが育ち始めています。
Melon (1)

 これは、自然農法実験として、あまり期待しないで
作り始めたメロンのコーナー。枝豆、ポロネギ、
マリーゴールド、キンレンカ、トマトの余った苗など
適当に植え付けていますが、順調に育っています。
追肥はこちらもしていません。
Saien2

 というわけで、ビギナーズラックなのか、なんなのか、
自然農法は順調にスタートしています。蜂もいろんな種類が
とんできて、実は鳥も爬虫類もでてきています。虫といって
もいろいろいますが、家庭菜園はみんなで作るもののようです。
 神様は、自然のなかにいるということが、実感できます。
 収穫のご報告は、もう少し先になりそうです。

 前にもご紹介しましたが、やっぱり、この一言につきるのかも
しれません。

お天道さま、ありがとう。
東城 百合子
サンマーク出版
2000-05-01


 小さなレモンの木で、念願だったレモンを作っていますが、
この本は予想以上に面白かったです。レモンにこだわらず、
自然が好きな人におすすめです。




世の中に対して不安になるのは、知性が足りないせい、理性的に考えられない
せいでした。

2018年5月18日 癒しの家庭菜園

 

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 前回のアップから5週間あまりが経ちました。
 今回も園芸日誌で、自分のログ用につけていますが、畑をやっている人は、隣の畑をのぞく気持ちで読んでやってください。知り合いが日本で市民農園で野菜を作るというニュースがありました。
 
 パリでもテロがあったり、政治が悪いせいか世の中混乱しておりますが、あまり振り回されずに生きたいと思います。

 さて、こちらは台所裏の勝手口前に植えてあるレモンバームとシブレットという
小ネギ。右側にはミントがあります。ミントは植えると増えすぎて危険という人が
多いので、ちょっと用心していましたが、一度に大量消費するせいか、脅威とはな
っていません。まとめて料理に使う際にほとんど丸坊主にしてしまいます。その繰
り返しで、ミントが野生化せずにいつまでも美味しくいただけます。
 レモンバームはこぶし大の苗だったのが、1年でこんなに大きくなりました。ハー
ヴティーにすると良いらしいですが、単なる飾りになっています。ちぎるとよい匂い
です。

 裏手にみえるのはサルビアです。試しに芝をまいたら青々としましたが、サルビア
は原則、水やり不要ということで選んでいます。クマンバチやマルハナバチなど丸い
体をした蜂が好きな花のようです。芝は枯れてしまったら、それはそれで良いと
思って生やしています。土づくりに必須のコンポスト容器も両脇に写っています。
この一帯は、水やりをせず、天候にまかせている場所です。粘土質で年中日陰の箇所
が多いためか、それで済んでいます。

 ところで、一昨日に育てていたトマトの苗を定植し、夏野菜の植え付けがすべて
完了しました。実は、今年はまだ実験段階で、区画によって土の作り方を変えてい
ます。来年からは、馬糞もつかわず、コンポスト堆肥一本、完全無肥料でやるのが
目標です。
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 左はコンポスト堆肥と一緒にダンゴムシやミミズ、細菌類が入って生命力が蘇った
かんじのする裏庭。

 右の写真は、前回はまだスカスカ状態だった苺コーナー、ここから菜園づくりを
はじめて、緑の輪が裏庭に広がりました。今ではもう、3~5倍の大きさになった苺
の葉で溢れています。実はまだ青白いのですが、さかんに伸びるライナーを切りな
がら、順番に収穫していきます。苺はアルカリ性の土が良いということですが、理想
は弱弱酸性ということで、酸性度がちょっと高くて湿った土(アジサイ用用土)をうっ
すら足しています。馬の糞と混ぜ合わせて元肥としています。苺と相性の良いニンニ
クももうすぐ収穫です。中心の葉野菜のように見えるのが、英語で「コーンフリー」
もしくはボラージ。これは植えておくだけで土が肥えるという草で、フランスやイギリ
スの家庭菜園では必須と言われている草です。花も食用にでき、葉は水につけて液肥
にしたりすることができます。一年草なので、種をとって毎年咲かせようと思います。
今年は種を50粒1ユーロ(130円前後)で買いました。綺麗な実がとれるよう、自然
受粉促進のために周りに虫寄せとして、野性種のゼラニウムを植えています。苺は品
種を複数一緒に植えると良いと聞いたので、2種類入れています。実がなったら、ご
披露します。

 左から、つるなしインゲン、ナス、きゅうりです。
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 つるなしインゲンは、手間いらずで育てます。地温が高くないと
発芽しないので、地温が上がってから直播きしました。アルカリ性
土壌が適しているので、うちの裏庭では調整不要です。土づくりは、
まず、30センチの穴を掘って、庭木の剪定のときに出た枝をしきつめ、
その上に枯葉と土をかぶせ、その上の最上層は、以前住んでいた人が
残していた2年以上たった乾いたコンポストを載せています。
庭の枯れ草を多少敷いて、表面の乾燥を防ぎ、水やりの回数を減らします。
ボラージ、マリーゴールドなどを混色しています。追肥はしない予定。
菜園は、害虫の天敵を呼び寄せたり、人間には判らないけれど植物が出す
エキスなどで畑を病気から守るため、花を植えこんでいます。手入れがい
らないコスモスの種を側に蒔いておいたら綺麗に生えそろってきました。

 ナスの若苗君は、蕾がついています。こちらは、深さ30センチの穴を
掘り、去年から仕込んであったコンポスト(堆肥)を入れました。肥料が
好きな植物ですが、黒々として湿った状態の堆肥100%で育てて、ほかには
ボラージとネギとマリーゴールドを添えただけです。乾燥が苦手なので、
枯れ草の天然マルチングを施しています。コンポスト中には、恐ろしい、巨大
な白いなにかの幼虫が20匹以上もヌラヌラとヌクヌクしていました。流石に
気持ち悪かったです。畑には来てほしくない類のものなので、スコップで捕殺
しています。

 命を育てる反面、こういうこともあるわけですが、生きることはきれいごと
の理屈ではないということが良くわかります。

 キュウリは、あと10日くらいで収穫が始まりそうです。こちらもスーパー
で売っている普通の種から苗を育てています。ポロネギと混植し、マリーゴー
ルドを添えています。キュウリは水と肥料が大量に必要と聞いていましたが、
実は空気がなにより必要だそうです。そのため、メロンなどと同様、浅く植え
つけ、つちの表面の乾燥防止に一番気を付けています。土づくりは、その点を
考慮して、空気が入りやすく、水を多く含むスポンジ成分が多いものにしてい
ます。まず、30センチの穴を掘り、庭木の剪定で出た枝を敷き詰めます。その
上に芝生の刈りカス(藁でもよい)と芝生が苔化してしまったところを削って、
それをフカフカに敷きつめました。その上に土を敷き、2週間置いて、かさが減
ってきたなと見たら、また芝生を刈ってそのカスをフカフカに敷き、今度はそこに
馬糞とコンポスト堆肥を敷き詰め、その上から土を薄く敷きこみました。そして、
一カ月後、スコップで土に空気を入れてからキュウリのヒョロ苗を植え付けました。
すると、2週間でこんなに立派になりました。庭の枯れ草を薄く引いて、保湿して
います。追肥は樹勢をみて、300倍~に薄めた液肥を必要ならばあげようと思います。
今のところ、必要なさそうです。土づくりでは一番、手間がかかりましたが、後は
おまかせです。


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 今回、苗を買ったのは、ポロネギとピーマン(パプリカ)です。
左上が、その赤ピーマンの苗。主人に頼んだら、虫食いだらけの苗をつかまされて
きました。もうこれからはその店では買いません。虫食いの葉をすべてむしってし
まって、液肥を300倍にしたのを2度あげて復活しました。左隣はスーパーの野菜売
り場で安く売っていた黄ピーマンの苗。接ぎ木したもので、丈夫で健康そうです。
買った苗と並行してフランスのこの地方に伝わる種類を種から育てています。ピー
マンは高温で乾燥気味、肥料少な目で育てるそうです。ただし、苗の成長が遅くて葉
が虫に食われやすいため、手作りで小さな温室を作って、その中で育苗しています。
土はもとからある土に堆肥を30%すきこんでいます。原則、放任です。

 とにかく、最初からお金をかけないのが、語学でもスポーツでもビジネスでも、
その道で成功するコツということで、雑草と呼ばれる草も土とテントウムシたち
に良いものは残してみました。右手はそのうちのシロツメグサとアカツメグサ。
子供の頃に遊んだレンゲ、クローバーです。この脇によりそうように、カボチャ
の種をまいています。食べて美味しかったカボチャの種を水で洗ってから蒔きま
した。カエサル・シーザー流に、なんでも一石二鳥、三鳥、四鳥を狙います。

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 これ以外には、メロン、トマト、カボチャ、すいか、玉ねぎ等があります。
 メロンの土づくりは、ほぼキュウリと同じ。枝豆とポロネギを混ぜて植えて
います。樹勢を見て、きゅうりと同じく、今年は1年目なので、液肥を与える
可能性があります。

 トマトは、深さ30センチの穴を掘り、芝の刈りカスと馬糞で土台をつくり、
1カ月くらい寝かせた後に、コンポスト堆肥をいれました。種から育てた苗
(ウイルスや病気がない)を45度寝かせ植え(以下の『三浦伸章 ガッテン
農法』をご参照の程)しています。植穴には馬糞を多少混ぜてあります。
トマトはパイナップルトマト、牛の心臓と呼ばれる実の柔らかい大きなトマト、
マルマンドと呼ばれるこの土地名産の大きな赤いトマト、黄色いプチ
トマトと赤のプチトマトの5種類選びました。来年はもっと古い品種に挑戦します。
 追肥すると虫や病気が出るそうなので、追肥は一切なしで行きます。マリーゴ
ールドを思いっきり一緒に植えています。バジル、ボラージ、長ネギ、玉ねぎ、
キンレンカなども混ぜて植えています。雨で葉が濡れるのが心配ですが、割り切
って露地もので行きます。

 玉ねぎは、日本では通常こんな時期に苗を植え付けたりしないそうですが、
南仏のやり方でやっています。実は、南仏原産のものすごく甘い玉ねぎがあって、
主人などからその伝説的な美味しさは耳にしていました。ところが、みんなこちら
の人はその玉ねぎを知っているのに、スーパーや八百屋、市場でもみかけません。
調べたところ、大量生産の玉ねぎに押されて、最近では希少な品種になってしまって
いるということでした。そこで原産地の農家に連絡して、100苗ほど分けてもらい、
それを定植しています。数株ほど別に飢えて、来年花を咲かせ、最終的には種をと
って育てたいと思います。

 このまま何もしないと、世界中で同じような野菜や果物しか食べられなくなりそう
で怖いですよね。将来の人間に少しでも美味しいものが残せるよう、種で地球の
財産を繋ぎます。自然栽培をやっていくと、虫や鳥や小動物などとの交流が増えます。
自然は凄いと思う、決して忘れてはいけなかった、一種の不思議体験の連続です。

 ひと月後にはどうなっていることでしょうか…。
 荒地っぽかった裏庭が、なんとなく菜園っぽくなりました。縁どるよ
うに植えたに防虫効果の高いラベンダーやローズマリー、サントリナ、
タイム、オレガノなどがたくましく育っています。ミツバチ、くまんば
ち類はおろか、スズメバチもたまに来ます。小鳥たちもオールスター勢
ぞろいなので、なんとか、ミニ生態圏としてバランスとれそうです。

 ちなみに、防虫剤兼肥料ということで、日本で有名な「ストちゅう」
というお酢や焼酎などから作った日本伝統の一品をアレンジして使いま
す。わたしはニームオイル、ラム酒、食酢をそれぞれ小さじ2杯に鷹の
爪を1個を20リットルの水で薄めたのを、週に2回くらい散布しています。

 とにかく、土を触ると癒されます。

 枝豆が取れる頃(あと1カ月ちょっとくらい)にでも、ご報告します。
その頃にはもっと、お花も咲いていることでしょう。

 ちなみに、わたしの実験の情報元となっているのは、南仏のベテラン菜園家
たちと、イギリスの達人、Charles Dawdings氏のユーチューブなども参考にし
ています。同氏はコンポスト堆肥を使用し、温度管理を徹底しています。コンパ
ニオンプランツの利用も参考になり、何より見て美しく食べて美味しい庭を造って
います。先日、日本でも素晴らしく実用的な本をみつけました。この本は本当、
素晴らしいです。自然農法を始めたい人にはお勧めです。




タネが危ない
野口 勲
日本経済新聞出版社
2011-09-06




2018年4月11日 魅惑の土いじり

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 庭に今咲いているサクラです。今年の南仏の桜の開花は、
去年に比べて1カ月ほど遅れています。その脇には鮮やかな
ピンクの桃の花が咲いています。ただ桜(桜は必ずしも「桜
色」ではないのですね)というのとはなんとも清楚で、心が
洗われる感じがします。あと2カ月もすれば。美味しいさくら
んぼがなることでしょう。

 パリから南仏に越して以来、徐々にインターネットを見る時
間が減り、大好きな読書さえままならないほど、生活が変わっ
てしまいました。実は2年目にして、わたしは畑づくりという、
かなり奥の深い世界に足を踏み入れはじめてしまいました。

 仕事の余裕のあるとき、晴れた日には一日5~6時間は野良仕
事をしています。去年は腱鞘炎になり、今年は畑づくりで働き
過ぎて2日も寝込んでしまいましたが、それでも土いじりは止め
られない。暑い日にはレモネードを作って、寒い日には大好きな
紅茶を飲んで一休み。ラプサンスーチョン(紅茶)と家庭菜園と
は、なんと幸せなことだろうと、自分ひとで悦に入っていますが、
人間、本当の満足とはいたって単純なものです。

 しかし、長年の夢だった家庭菜園づくりに張り切ったものの、
昨年は4月から9月半ばまでほとんど雨が降らず、60年振りという
降水量の少なさを記録する程の難しい年となりました。そのうえ、
それまで台所でバジルの鉢植えに水をやるくらいで、土など無縁の
ど素人がはじめた土いじり…、2017年の収穫は、
ミニトマト120個あまりとインゲン20本あまり、それとにんにく
3株だけという惨敗に…。

 一方、南仏名物のハーヴ類は、苦労なく茂り、ラベンダー
ローズマリー、レモンバーム、ミント、セージ、シブレット、タイム
セルフィーユ、オレガノ等、握りこぶしほどの小さなプラスチック製の
容器に入っていた苗が、今年はもうすでに両手で抱えきれないほどの株
に育っています。小さな果樹園(といっても、さくらんぼと杏子と桃と
プルーンが一本づつ)コーナーでは、水やりも肥料も枝の剪定すらして
いないのに、豊作でした。
 セージ、タイム、ローズマリー、ラベンダー、サントリナなど、日当たり
風当りの強い過酷な場所でたくましく育つハーブたち。
Printemps3

 人生もそうですが、苦労しないでできたらそれは「正解」ということだ
と痛感。苦労して上手くいかないということは、間違っている(やり方
か考え方か)ということです。そこで、去年作った畑は、ハーヴを植えつ
けた部分以外は、思い切って一からやり直すことにしました。



 昨年の秋のこと、隣のおじさんアンドレが自分で作った大きなトマト
をくれたので、畑をみせてもらいました。なんと、六畳ほどの小さなコー
ナーにはナスとトマトがびっしりなっていました。奥様によると、20年
かかって、やっとトマトができるようになったけれど、クルジェットは
まだ駄目とネタ晴らしをされました。お隣では家庭菜園コーナーは日陰
にひっそりと作られていましたが、庭全体は見事な芝が一年中手入れさ
れ、青々としています。大きな木や生垣、球根のお花を中心に庭造りを
している模様。一方、ゴルフ場なみに除草剤と殺虫剤と化学肥料を投入し、
かなり手間とお金のかかることをしていました。家庭菜園は水やり用のポ
タポタ式の装置を手作りで設置していますが、おじさんは、春夏秋と一日
2回、たっぷりと庭に水やりをしており、いくら井戸水があるとはいえ、
なにかと水を遣り過ぎの印象がありました。いただいたトマトは美味しく
見事だけれど、考えてみると、これでは採算がとれず、参考にはあまりな
りません…。

 実は、お隣のアンドレおじさんはフランス北部のご出身。45年以上こち
らに住んでいるけれど、この土地で生まれ育ったわけではありません。乾
燥対策を過度なほど敷いているのはそのせいかもしれません…。いくらなん
でも、トマトとナスに20年はおかしい…ではありませんか。

 隣村に住む義理の姉にその話をしたところ、その後数日して、「知り合い
が畑の達人だから紹介してあげるわよ」という話になりました。その達人は
80代のこれまたアンドレさんで、もともとこの近所で農家をやっていたらし
いのですが、今では大半の土地を売って隠居し、ご自分と奥様の食べる野菜
だけを(すべて)作っているということでした。やさしそうなアンドレ匠で
す。初心者というものの、わたしのやたら熱い情熱は判ってくれたらしく、
いろいろと丁寧に教えてくれました。

 ちなみに、ヨーロッパは農薬の使用や遺伝子組み換え作物など、農作物に関
する規制が厳しいところです。それでも、そのアンドレ匠によると、自分が食
べるものはずっと自分用に作っているということです。プロとして作物を作る
ときは、生活に関わることなので、消費者が求めるものを、お店で売れるもの
を失敗なく、ある時期にある程度の数量で、そつなく作れるようでなければな
らないため、人工的な技術やものを使わなくてはならないということです。ただ、
自分と家族が食べるものくらいは、少量を自分たち用に昔からの方法で作っている
ということでした。

 見せて頂いた畑の土は、触ってみるとうちの畑の土とあまり変わらない、粘
土質でした。黒々としているわけでもみずみずしいわけでもありません。乾燥
したような土にトマト、ナス、きゅうり、インゲン、クルジェット、かぼちゃ、
ピーマン、ソラマメ、メロンなどが、青々とふさふさと葉を茂らせ、葉を
かきわけると大きな実や小さな実がたくさんなっていました。水はからからに
乾燥する暑い暑い南仏の真夏でさえ、一週間に2回しかやらないそうです。水や
り設備らしきものはみあたらず、各畝の両脇に一筋溝が掘ってあるだけでした。

 このあたりは、トマトやナス、メロンなどの栽培で古い歴史のある土地です。
この達人の畑は、そういう土地の歴史を感じさせるものでした。

 達人曰く、水をやりすぎるのは水がもったいないし、作物がかえって上手く
育たないのだそうです。土地の状態は植え付け前に確認し、苗や種がしっかり
ているかを見て、なにより作業のタイミングを間違えないように気を遣うけれど、
余計なことはしないのだそうです。

 植え付けをうまくやれば葉が大きく茂るので、それが結果的に根を乾燥から守るこ
とにもなるそうです。畝に沿ってつけた溝には週に2回の水やりのときに水を流し
込み、あまり葉や茎に水をかけたりしないそうです。溝には水が残り、葉で日光によ
る蒸発時間が遅くなるので、それを根が徐々に吸い上げるため、毎日の水やりは必要
ないとのこと。ビニールのマルチはここでは中に熱がこもりすぎるため、夏は根を焼い
てしまうので使わないのだそう。きゅうりやメロンなどには馬の餌に使う藁をひいてい
ましたが、あまり目立ったことはしていませんでした。

 化学肥料は、徐々に土地を枯らすので自宅の畑では一切使わず、鶏を10羽ほど卵を
とるのに飼っているのでその糞(鳥小屋の藁や土なども)を使っているということで
した。コンポスト堆肥を使うのも良いけれど、作る手間もかかるから、鳥の糞を使う
といいよという話でした。(アンドレ匠の鶏は自然な餌を食べて放し飼いの模様です)
 これがその畑です。20170715_105053_resized

 スポーツでもなんでも、達人というのは簡単そうにやっていますが、無駄のない
(無駄なコストや手間がかからない)とても洗練された、高度な畑でした。訪問した
ときも、すでに2カ月以上、雨が降っていませんでしたが、黄色に葉が変色していた
のは、収穫期終わりの作物だけで、虫食いや痛みはありませんでした。

 これは是非とも参考というより、弟子入りしたいかんじの畑でした。無造作に植わ
っているようですが、無駄のない凄い畑でした。「またおいでね~」と優しい匠です。

 ただし、うちでは鶏は飼えない(主人が反対)ので、鳥糞の肥料を農業組合に見に
行ったら、馬の糞よりも高価なのでびっくり。牛や豚は強すぎたり、虫が出ることが
あるけれど、馬の糞なら大丈夫ということで、堆肥と馬の糞を併用することにします。

 いずれにしても生半可な虫(芋虫類)は、南仏の強い太陽熱で、葉の裏でも生き延び
られなかったりするそうです。用心は土の中の根切り虫類で、土の中の虫よけのマリー
ゴールドはトマトなどの足元にびっしりと植わっていました。

 というわけで、2017年度は自分の失敗、他人の成功からいろいろと学ぶ年でした。 

 わたしのような初心者でも、本に書いてあるテクニックに頼らずとも、普通に考えてみれば、明白でした。本を見て育てようなどと、わたしの考え方が間違っていました。

  1. 土の性質(水はけ、保水、アルカリ性、酸性)を考慮する。
  2. 日当たり、風あたり、雨などの土地の気象条件を考慮する。
  3. 気温、地温に気を配る。
  4. できるだけ自分の畑の自然の条件に合った、無理のないものを作る。

 日本の園芸番組などをみていると、逆の発想をして取り組んでいることが多いように
思いました。土や肥料を買ってきて、それを鉢やプランターのなかに入れて植えると言
う、まるでクッキング教室のような話になってしまう。まるで熱帯魚を飼うような、お金や
手間をかけて環境をつくらないと成り立たないことになってしまい、野菜や果物を買った
のと同じかそれより高くなってしまいそうです。簡単にいうと、過保護な気がします。
失敗しないで作る方法でないと苦情がくるからでしょうね、きっと。

 まず、もっと自然の力を利用したかたちで、お金をかけないでやってみようという
基本姿勢が初めて明確になりました…。去年はトマトやインゲンを作って食べると言う
イメージのみが先行していたため撃沈してしまいましたが、今年は進歩したい。

 不確実性要素の高いなかで確実なのが、苺コーナー。イチゴはデリケートだと思って
いましたが、南仏の苺農家の知り合いがいるという人に聞いたら、とんでもない。去年
植えて置いたにんにくが芽を出していたので、その場所に合わせて苺コーナーを作りま
した。にんにくはいちごの病気を予防し、虫よけにもなり、いちごの風味を増すという、
いちごのコンパニオンプランツです。藁は庭の植木の枯葉を切ったもので十分間に合い
ました。中央のペットボトルを利用したクローシュの中にあるのは、ボラージという地
中海原産の一年草の芽。土地を豊かにし、ミツバチやテントウムシなど受粉に必要で害
虫を食べてくれるものを引き寄せる植物です。お花はサラダにして食します。日本では
食べ過ぎないようにとか注意事項が書いてあるのをみかけますが、欧米では家庭菜園
に不可欠と言われる植物です。液体肥料を作ることもできますし、軟膏にもなるし、
生えているだけで、周りの食物や人間や昆虫を助けると考えられています。
(ねぎのようにはえているのがニンニク、葉が7~8枚ついて元気そうなので、
大玉がとれそうです。生で食べるニンニクは、甘みがあってピリッとして最高です)

20180405_120829_resized

 ところで、日本でもパーマカルチャーというか、自然農法のノウハウを公開し
ているサイトがありましたので、今後はそちらも拝見してみることにしました。
公益財団法人自然農法国際研究開発センター」というところのサイトは参考に
なりましたし、主婦の方(実は達人です)が「食べ蒔き」ということで、食べた
ものの種を植えて屋上やベランダで作物を栽培しているという凄いHPがあるの
ですが(「種はごみじゃない」で検索してみてください)、そこに記載されている
情報も大いに参考になりました。自分で食べたレモンやマンゴやカボチャの種で
現在、苗を育てています。


 わたしの場合、住んでいる南仏での家庭菜園の成功例や、イギリスやオースト
ラリアで盛んな「パーマカルチャー」の本を読んだり、ビデオをみたりして、
コンポスト(堆肥)づくりをしています。また、作付け部分に穴を掘って、薪や
枯葉や暖炉の灰や緑肥(雑草や芝刈後のかす)や小枝(庭木など)やコンポスト
といったすべて自分の家の庭や台所で出る資源を断層状に埋め込み、地熱で発酵
させるという方法を試しています。土地を耕さない(不耕起)で、(地上もしく
は30センチの深さの穴を掘り)ラザニア・ベッドという畑の土台をつくって作
物を植え付けるという方法です。

 最終的には、お金と時間、無駄な労力を使わずに楽しく収穫すること、何より
も地球というか自分が住んでいる土地を豊かにして、そこに住む鳥たちや小動物
(リス、ふくろう、ハリネズミ、ミニ蝙蝠、とかげたちなど)、ミミズをはじめ
とする虫類(害虫は限度問題だけれど)、木や植物微生物と共生していける生活
を目指しています。害虫やもぐら、いたずら鳥(苺やサラダやトマトをつつく)
対策も昔ながらの方法を基本にやっていこうと思っています。

 わたしの仕事部屋の窓辺にはたいてい数匹のトカゲが。夜は鎧戸の内側で2~3匹が
眠ります。これは家族のボスママのトカゲで、大きいです。家の外壁の虫を家族総出
で全部食べてくれています。
20170918_165135_resized


 そんななか、庭の椰子の木の芯が外来種の蝶の幼虫に食われて、人知れず大変
なことになっていました! ナチュラルと言うのは簡単ですが、グローバル化で
これまでにない病害虫がでてきていることも確か。なんとか、この土地ならでは
の健やかな生態系を維持しながらやっていくには、ときには化学兵器も必要なの
でしょうか。これもまた、勉強です…。

 今、世界的に畑がブームになっていて、アメリカなどでは自給自足が死活問題
と考える人が増えているせいか、効率よく作物をとれる畑の土台づくりをいろい
ろと研究している人が多いようです。種も自分で作った作物から自分でとる人が
増えています。日本も日本固有の種を守っている人がいるおかげで、あまり自覚
されていない「危機」をなんとか免れているという人もいます。わたしも収穫後、
種取りすることにします。

 この50年で世界が失ったものは得たものより多いかもしれませんが、今それを
巻き返そうという新しい動きが世界中で芽生えています。きっと、わたしもそん
な無意識の潮流に沿っているのだと思います。そういう発想をオカルトと否定す
る人もいますが、やはり「百匹目の猿現象」みたいなことってわたしはあるんじ
ゃないかと思います。正解か否かは、各自が幸せと感じるかどうかで決まること、
人に向かって証明しなくて良い話なのかもしれませんね。

 来年からは不耕起、今年は土中コンポストを中心にをミミズが少しでも住める
ような土に近づけていこうと思います。まだまだ、形になっていませんが、なん
とか豊作のご報告ができるよう、顔晴ります。

 …というわけで、20年前には園芸なぞ無縁の人生だったわたしが、今ではどっ
ぷり浸っています。人生最大の贅沢が畑仕事とは、イギリス人は偉大でしたね。
…と、理想は高いが、まだまだ感の強い春のわたしの畑…。興味を持った方は、
植木鉢なり、裏庭なり、共同で畑を借りるなり、一緒に土いじりしてみませんか。

 植え付けまでまだ1カ月半ありますが、またご報告させて頂きます。

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 小さな桜の木ですが、さくらんぼを一杯くれます。ありがとうございます。
綺麗な姿を愛でてやってくださいまし。

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 本を読むひまさえ削って土をいじっていますが、もちろん、この著者の本は面白く、かなりなるほどです。



 フランス人の有機農産物派から、2回もこの人の名前を聞きました。フィロソフィーとして
素晴らしいということで、フランス人の心に響くものだそうです。もちろん、わたし
も素晴らしいと思います。



やっぱり、頭の良い人の書いたものは面白い。昆虫の専門家でもあります。
そういえば、日本人の虫嫌いは、いつからはじまったのでしょうか…。




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  • 2018年6月10日 コンパニオンプランツとバンカープランツ
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