Yashica(ヤシカ)

2016年01月02日

カメラ修理 YASHICA LYNX-1000 ヤシカリンクス1000

こんにちは。

2016年が明けました。皆様いかがお過ごしでしょうか。

修理の仕事はじめは6日からですが、年初めの更新をしてみました。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。



きょうは、YASHICA  LYNX-1000 です。

本機は1960(昭和35)年発売の露出計付き距離計連動レンズシャッターカメラです。

レンズはYashinon45mm/F1.8

シャッターはコパルSV、1/1000~1秒、シンクロ接点、セルフタイマー付き。

露出計はセレン光の定点合致式で、指針が中央に来ると適正を示します。

絞りリングとシャッター速度リングが連動するライトバリュー方式です。

なので露出値(LV値)一定で絞りとシャッター速度の組み合わせを変えることが出来ます。

もちろん連動距離計内蔵。



距離計内の部品欠落、各部不具合の修復を含めた、総合整備一式を行いました。

距離計ミラーの修復を中心にご紹介いたします。


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トップカバーを外すと、黒くて丸く見えるのは露出計メーター。

そこから左側に出っ張っている部分は、トップから確認用の指針と、ファインダーに露出計情報を送る部分です。



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シャッター、ヘリコイド、その他不具合修理のため、前板を取りはずしました。

この後、シャッターユニット、各リング類、摺動抵抗やコンタクト部分など各所の整備をします。



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距離計内の欠落部品は、ミラーでした。

さらに悪いことに、中央から二つに割れていました。

とりあえず、透明な接着剤で直してはみたものの、ファインダー内の露出表示部真ん中に亀裂が見えてしまいNG。

新しく表面鏡を切り出して製作しました。



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上側のは割れていた元のミラー。

下は同じサイズに切り出した表面鏡。保護用にフィルムが貼られていますので、それをマスキングに利用し蒸着部分を剥がす作戦です。

透明にする部分のフィルムをカッターナイフで切り、剥がします。



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セリウムを、湿らせた綿棒に付け、その部分を気長に磨きます。



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磨きにちょっとコツが要りますが、何とか同じものを複製することが出来ました。

上部の角状の透明部分は、露出計情報が透過するところです。

中央の小判形は距離計像の透過部分になります。



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ミラーを組み込んで距離計の調整、露出計情報の見え方等を確認します。



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露出計は抵抗体を入れ替え適正に。外装も磨かれて綺麗に仕上がりました。

まだまだ活躍できそうです。



次回機種は未定です。お楽しみに。





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当工房では、良いものを長く、愛着を持って大切にされるお客様の気持ちになり、真心をこめて修理致します。

              国産MFカメラ修理専門
              カメラ修理工房 ミノハ


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また、記事の内容や表現等に、工房主の不勉強、無知識による間違いなども多々あるかと思います。

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ありがとうございました(^_^)


工房主
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camera_repair_minoha at 22:00|PermalinkComments(2)

2014年08月11日

カメラ修理 YASHICA ELECTRO35 P(ヤシカエレクトロ35プロフェッショナル)

こんにちは。

きょうは、YASHICA ELECTRO35 PROFESSIONAL  です。

初代エレクトロ35は、1966(昭和41)年に発売された、ICを内蔵した国産初の電子シャッターカメラでした。
レンズはYASHINON DX45mm/F1.7の大口径で、ローソク1本の灯かりから撮影できるという、長時間(約30秒程度)の自動露出が可能な性能を有していました。
この後エレクトロ35はマイナーチェンジや改良を重ね、ヒットし機種を増やしていきます。

このプロフェッショナルは、初代エレクトロ35をブラック塗装したものです。
ブラック塗装は当時、スナップ撮影などで目立たないように、プロ写真家の愛用が多かったようです。
「PROFESSIONAL」のプレートが誇らしげですね。でもあまり数は出なかったようです。


総合整備一式を行ないました。

RIMG1422

RIMG1423

本体と前板を分離します。レリーズ機構周り、CdSと露出回路、ランプ類は前板と一体になっています。


RIMG1426

エレクトロ35のウイークポイント。ラバーバンパーが経年劣化で溶けたようになっています(もにょもにょのところ)。

レリーズは電気スイッチに連動していて、このままでは所定の位置まで降りずにオート不良の原因になったりします。

右側の、新しいラバーブロックに交換しました。


RIMG1429

シャッター羽根が粘っているようです。

下方に見えるコイルは、シャッター速度をコントロールする電磁石です。

結構電気を喰います。電池は、LR系よりSR系をお勧めします。


RIMG1435

シャッター羽根、駆動リングなど、全てバラしてクリーニングします。


RIMG1438

RIMG1439

初期型のエレクトロ35では、ファインダー窓の造りが独特で、立派な枠と、ガラス、マスクに分かれます。

マスクはアルミなのか柔らかい素材で、経年で歪んでおり、汚れもありましたので矯正・クリーニングしました。


RIMG1442

黒いボディーは、やっぱカッコイイですね!




次回の紹介機種は未定です。お楽しみに。



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2013年05月27日

カメラ修理 YASHICA ELECTRO35(ヤシカ エレクトロ35)

こんにちは。

きょうは、YASHICA ELECTRO35 です。

エレクトロ35は、1966(昭和41)年の発売。

「ロウソク1本の光でも写せるカメラ」と宣伝された、絞り優先EEのレンズシャッターカメラです。
ICを内蔵した国産初の電子シャッター(COPAL)を搭載しており、長時間の自動露光が可能でした。

エレクトロ35には多くの機種が存在しますが、本機はあまり見ない(個人の感想です)初期型です。
偶然でしょうが、このところなぜか本シリーズの修理依頼が多く、続いています。


シャッター不動修理を含めた、総合整備一式を行いました。

RIMG1990

レリーズダンパーの腐食は、エレクトロ35シリーズのウイークポイントですね。
本機も腐食して機能していませんでしたので、交換しました。


RIMG1992

シャッターユニットの整備を行います。
左下に見えるコイルが、露光時間を制御するソレノイドです。


RIMG2004

抵抗値の制御など摺動部分が多く、クリーニングとグリスアップを行います。


RIMG2021

ひと通り仮組みして通電したところ、オート露出が働きません。
各部点検ののち露出基板の不良と判断し、他機より部品を移植しました(左が良品)。
後期型の部品を使用することにより電子部品の信頼性がアップし、レリーズスイッチの摺動部も金メッキが施されたものとなり、まだまだ長く活躍出来そうです。


RIMG1980

外装も念入りに磨き上げました。



次回機種は未定です。お楽しみに。



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2012年07月28日

カメラ修理 YASHICA Mat-124G(ヤシカマット124G)

こんにちは。

きょうは、YASHICA Mat-124G です。

124Gは1971(昭和46)年の発売。「G」はヤシカおなじみの命名法で、基板の「金メッキ」使用をあらわしています。

シャッター/チャージ不能修理と、整備一式を行ないました。

RIMG0410

まずはチャージ機構のチェックです。

側板を外し細かに点検・観察しますが、不具合が発見できません。

しかしチャージレバーがどこかで引っ掛かって回りません。

この後レンズボード周りをチェックし、ヘリコイドの移動に伴いチャージリンク類が干渉して不具合が起こることがわかりました。

原因がわかり分解・調整。

その後、各部の点検・清掃・グリスアップなどの整備を行ないました。



RIMG0538

露出計は、若干アンダー気味でしたので調整後、清掃をします。



RIMG0542

テイクレンズ/ビューレンズも外してクリーニングします。

またファインダー周りは二眼レフの構造上、汚れやすい部分です。ここも分解してクリーニングします。

本機では、シャッターに特に故障はありませんでしたが、制御盤を外して整備しました。



RIMG0545

元々外観は大変きれいな機体でしたが、念入りに磨き上げました。



次回機種は未定です。お楽しみに。




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2012年03月26日

カメラ修理 YASHICA ELECTRO35 MC(ヤシカ エレクトロ35MC)

こんにちは。

今日は、YASHICA ELECTRO35 MC です。

エレクトロ35シリーズの中では、唯一距離計を装備しないゾーンフォーカス式。

トップカバー上のインジケーターは、露出警告灯ではなく、動作中を示すランプとなりました。

とても小さな、可愛らしいカメラです。

発売は、1972(昭和47)年。



レリーズ時の不具合修理を含む、総合整備一式を行ないました。

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レンズも全て取り出して分解、レンズカビのクリーニングをしました。


RIMG1099




次回機種は未定です。お楽しみに。





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