>>Nikon Fシリーズ
2014年02月25日
カメラ修理 Nikon F2 Photomic A(ニコンF2フォトミックA)
きょうは、Nikon F2 Photomic Aファインダー付きです。
F2は、1971(昭和46)年の発売。
1959(昭和34)年発売の、ニコン初の一眼レフ機「F」の後継機です。
フォトミックAファインダー付は1977(昭和52)年発売。
外観は、Fの角(かど)を落としただけに見えますが、「F」を越えることを目標に開発されただけあって、メカニカルカメラとして高い完成度を誇っています。
1/2000秒の最高速度シャッター、それを可能にしたチタン幕素材の採用と表面加工。
裏蓋開閉式の採用、容易なモータードライブの着脱性等、大きく進化を遂げました。
また、露出計を内蔵したファインダーを搭載した「F2フォトミックシリーズ」は、レンズのAi化をともなって数回改良され、進化していきました。
今回は、露出計不動修理を含めた、総合整備一式を行ないました。
F2では露出計メーターはファインダー内に収まっていますが、電源はカメラボディ本体側にあります。
メーターの不具合か、途中の回路に問題があるのか等を探っていきます。
ファインダーを別の機体に取り付け、メーター可動を確認、回路に問題があることが分かりました。

ボディとトップカバー間の接点には問題が無かったので、電池室周りの不具合が考えられました。
前板を外して点検です。

電池に接触する金属部分はステンレスのため錆びていませんでしたが、ご覧のとおり、ハーネスを繋ぐラグ端子部が、過去の液漏れにより腐食し通電しない状態でした。
ネジ穴から亀裂が入り、電池BOXそのものが壊れている症例も多いです。
修理によりメーターへの通電を確認、電池挿入中は常に力が掛かる部分であり、補強処置もしておきました。

メーターが無事動きましたので、総合整備のメニューをこなして行きます。
フォトミックAファインダーも、接眼レンズとプリズムを中心にクリーニングしました。
感心なことに、メーター精度にほとんど狂いはありませんでした。

いまどきのデジイチとは、比べ物にならないほどの重量感、そして質感があります。
やっぱりメカニカルカメラはいいですね。
次回の紹介機種は未定です。お楽しみに。
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当工房では、良いものを長く、愛着を持って大切にされるお客様の気持ちになり、真心をこめて修理致します。
国産MFカメラ修理専門
カメラ修理工房 ミノハ
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ブログをご覧の皆様へ
いつもご覧いただきまして、誠にありがとうございます。
当ブログでは、お客様からご依頼のあったカメラ修理の様子を中心にご紹介しています。
カメラ修理は、ご自分で分解などなさらず是非プロの修理屋さんにご依頼くださいますよう、お願いいたします。
また、記事の内容や表現等に、工房主の不勉強、無知識による間違いなども多々あるかと思います。
そのようなことがございましたら、どうかご了承いただけますようよろしくお願いいたします。
ありがとうございました(^_^)
工房主
2013年09月13日
カメラ修理 Nikon F(ニコンF)
きょうは、Nikon F です。
発売は1959(昭和34)年、東京オリンピックの5年ほど前になります。
レンジファインダー機のSPがベースとなっており、ほぼ同時期に設計されたそうです。
確かにトップカバー上のレイアウトや、使用部品が似て見えますね。
シャッター幕走行不具合修理を含めた総合整備一式を行いました。

シャッター、スローガバナ整備のため、前板&ミラーボックスを取り外します。
電装品がほとんどないので、大変シンプルです。

ミラーボックス底部のスローガバナは、分解して洗浄します。
古い油、溜まった汚れを落とし、ギヤの軸穴まで清掃します。


棚板と呼ばれる、シャッターダイヤルとレリーズボタンが乗った部分を外したところ。巻上げ部分も外してあります。

奥側に見える、黒いレバー(蹴飛ばしレバー)の動きが大変渋くなっており、これがシャッター走行不具合の原因でした。
分解・整備して組み直すと、シャッターは正常に走行するようになりました。

ファインダー内部も分解してクリーニングします。
まだプリズム腐食には至っていませんでしたが、モルトが劣化しているので、クリーニングと他素材への交換をします。

F2用ファインダーを載せた本機でしたが、各部が磨き上げられ、美しくなりました。
次回機種は未定です。お楽しみに。
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そのようなことがございましたら、どうかご了承いただけますようよろしくお願いいたします。
ありがとうございました(^_^)
工房主
2013年04月08日
カメラ修理 Nikon F2 (ニコンF2)
きょうは Nikon F2 です。
F2は、1971(昭和46)年に発売されました。
1959(昭和34)年発売の、ニコン初の一眼レフ機「F」の後継機です。
パッと見は、Fの角(かど)を落としたマイナーチェンジのようですが、中身は全く違っています。
シャッターの最高速度(1/2000秒)、シャッター幕素材(チタン)から、裏蓋開閉(ヒンジ式)、モータードライブの着脱性といったところまで、大きく進化を遂げました。
また、露出計を内蔵したファインダーを搭載したモデルもあり、こちらは「F2フォトミックシリーズ」と称し、レンズのAi化をともなって数度改良され、進化しました。
長期間使用されなかった機体の総合整備を行いました。

「F」では、SPなどレンジファインダー時代の設計手法を感じましたが、「F2」では部品構成や精度を含め、新しい思想を感じます。

プレビューボタンの操作が異様に重く、前板を取り外し整備しました。

各部清掃・グリスアップも済ませます。

新品同様、とはいきませんが、各部操作もかなり軽くなりました。
次回機種は未定です。お楽しみに。
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ありがとうございました(^_^)
工房主
2011年06月23日
カメラ修理 ニコンF & Photomic-FTNファインダー
こんにちは。
今日は、 Nikon F & Photomic-FTN ファインダー です。
ニコンFの発売は1959(昭和34)年ですが、F2が発売された1971(昭和46)年以降も2年間ほど製造され、トータル14年近く市販されていたことになります。
その間マイナーチェンジも行なわれ、後期型では一部部品の、F2との共通化もはかられました。
お客様から整備ご依頼のあったボディは後期型で、巻上げレバーの樹脂カバーで一目で見分けられます。
黒いボディが精悍な、F。
シリアルから、1972(昭和47)年当時のものと推察されます。
付属のアイレベルファインダー。
遮光モルトが劣化。蒸着面に悪影響を及ぼし始めていました。
接眼レンズとも丁寧にクリーニングし、再組み立てします。
本体の整備は、各部の清掃、グリスアップと、シャッタースピードの調整が中心です。
高速シャッターがかなり遅くなっていましたし、スローガバナも点検します。
チタン幕の表面。
薄く、軽量化するために強度を上げるリブ(凹凸模様)が見えます。
同時に整備ご依頼いただいたFTNファインダー。
こちらは1968(昭和43)年からの発売。
プリズム/接眼レンズのクリーニングと、露出計の調整、絞り連動機構のグリスアップをさせていただきました。
現在は、専用電池(V625U)2個をお付けしています。
前期型のシルバーと2ショット。
次回機種は未定です。お楽しみに。
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ご利用感謝「クーポン券」につきまして
当工房では現在、お客様のご利用に感謝し、修理代金割引「クーポン券」を差し上げております。
額面は¥1,000-で、1回の修理代金が10,000~20,000円未満ご利用で1枚、20,000円以上ご利用で2枚差し上げます。
ご使用は次回以降、修理見積り代金が10,000円以上の場合に限り、何枚でもご使用いただけます。
有効期限はありません。
どうぞご利用ください!(^_^)
試写用「専用電池」を進呈
一回の整備費用が¥20,000-以上のお客様で、Canon AE-1、Nikomat ELなど使用電池が「4LR44」の機種のお客様、
またはOLYMPUS OM-1、Nikomat FTN、minoltaSRT101など使用電池が「MR9型」の機種で、電圧変換型アダプターを使用されないお客様に「V625U」(アルカリ)を、 それぞれサービスでお付けしています。
(しかしどちらも、入手困難などの都合でお付けできなくなった場合にはこちらからお知らせいたします。あらかじめご了承ください)
試写用「カラーフィルム」進呈
一回の整備費用が¥15,000-以上のお客様に、試写用カラーフィルムを1本進呈しています。
業務用で申し訳ありませんが、「Kodak GOLD 100 24EX」という銘柄のものです。
(都合によりましては他銘柄となる場合もございます)
ブログをご覧の皆様へ
いつもご覧いただきまして、誠にありがとうございます。
当ブログでは、カメラ修理の様子を中心にご紹介しています。
これは、皆様に代わって内部の構造などをご紹介するという趣旨でありまして、カメラの分解をお勧めしているわけではございません。
また、当ブログの記事を参考に分解等された場合の不具合等につきましては、一切責任を負いかねますのであらかじめご了承お願いいたします。
カメラの修理は、是非プロの修理屋さんにご依頼くださいますよう、よろしくお願いいたします。
ありがとうございました(^_^)
工房主
2011年05月26日
カメラ修理 ニコンF
さて今日は、Nikon F です。

発売は1959(昭和34)年。
日本製「プロ仕様一眼レフ」の始祖です。
レンジファインダーの完成形Nikon SP(1957)をベースに設計されました。
「Nikon」のロゴはSPからの丸ゴシック体で、F2以降の角ゴシック(F4以降は斜体)と違っています。
お客様のご依頼は、総合整備一式でした。


スローシャッターが不調でしたので、ミラーボックスを降ろします。

このあとガバナを外して洗浄、注油。
動きの悪かった1秒も何とか動く様になりました。
また1/1000秒が開いておらず、調整しました。

プリズムは、一部腐食が認められたので清掃・処置します。
メカの整備と並行して外装品やレザーのクリーニングをします。
長年のアカやホコリが落ちると、新品同様とはいいませんが使い込んだ味わいはそのままに、カメラが美しく甦ります。
お客様にも、大変満足していただけました。
次回機種は未定です。お楽しみに。
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国産MFカメラ修理専門
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額面は¥1,000-で、1回の修理代金が10,000~20,000円未満ご利用で1枚、20,000円以上ご利用で2枚差し上げます。
ご使用は次回以降、修理見積り代金が10,000円以上の場合に限り、何枚でもご使用いただけます。
有効期限はありません。
どうぞご利用ください!(^_^)
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ありがとうございました(^_^)
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