>>Nikomatシリーズ
2012年05月14日
カメラ修理 Nikomat FTn(ニコマートFTn)
こんにちは。
きょうは、Nikomat FTn です。
Nikomat FTの改良版として1967(昭和42)年に発売されました。
FTからの大きな改良点は、レンズ装着時の開放F値設定の半自動化(通称ガチャガチャ)、シャッタースピードのファインダー内表示などです。
セルフタイマー不動、ミラーアップ不具合を含む、総合整備一式を行ないました。
トップカバーを外すと、小さな基板と、左にトップ面表示のメーター指針部が見えます。
電子カメラを見慣れた目にはとても素朴に見えてきます。
ミラー上昇がゆっくりになる症状修理のため、ミラーボックスを外しました。
各部点検しクリーニング、注油などの整備をします。
タイマー部分にアクセスするためにシャッターユニットを降ろします。
不動の原因はギアに重なる金属部品の爪が折れたことによるものでした。
レバーを、戻す方向へ無理やり回したためと思われます。
部品交換しました。
各部点検・清掃もすませ修理完了したFTnです。
次回機種は未定です。お楽しみに。
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当工房では、良いものを長く、愛着を持って大切にされるお客様の気持ちになり、真心をこめて修理致します。
国産MFカメラ修理専門
カメラ修理工房 ミノハ
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ブログをご覧の皆様へ
いつもご覧いただきまして、誠にありがとうございます。
当ブログでは、お客様からご依頼のあったカメラ修理の様子をご紹介しています。
カメラ修理は、ご自分で分解などなさらず是非プロの修理屋さんにご依頼くださいますよう、よろしくお願いいたします。
また、記事の内容や表現等に、工房主の不勉強、無知識による間違いなども多々あるかと思います。
どうかご了承いただけますよう、よろしくお願いいたします。
ありがとうございました(^_^)
工房主
2011年01月19日
カメラ修理 ニコマートEL
さて今日は、Nikomat EL です。
1972(昭和47)年発売の、電子制御による縦走り金属幕シャッター方式カメラで、ニコマートFTNのAE版といえます。
外観上の大きな違いは、FTNではレンズマウント部にあったシャッターダイヤルがトップカバー上に移ったことでしょうか。
知らないとチョッと戸惑う電池室の所在は・・・
なんとミラーボックスの下面にあります。
お客様からのご依頼は、点検・整備一式でした。
トップカバーを開けると、クラシックな感じの回路基板が現れます。
ここにはAE露出を記憶するコンデンサーやモノリシックICが搭載されており、Cdsもつながっています。
本機は長い間使われていなかったようで、フィルム室やミラーボックス内、ファインダー周りは黒いモルトくずでおおわれておりました。
シャッター周り、露出計周りなど一式を点検しますが、40年近く前のカメラとは思えないほどしっかりとしていますね。
当時のニコン製カメラは、さすがに他社とは違うなと実感できます。
このあと標準レンズであるNIKKOR 50mm/F1.4レンズの分解・清掃をしました。
まだまだ長く使えるカメラですね。
次回機種は未定です。お楽しみに。
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国産MFカメラ修理専門
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当ブログでは、カメラ修理の様子を中心にご紹介しています。
これは、皆様に代わって内部の構造などをご紹介するという趣旨でありまして、カメラの分解をお勧めしているわけではございません。
また、当ブログの記事を参考に分解等された場合の不具合等につきましては、一切責任を負いかねますのであらかじめご了承お願いいたします。
カメラの修理は、是非プロの修理屋さんにご依頼くださいますよう、よろしくお願いいたします。
ありがとうございました(^_^)
工房主
2009年12月21日
カメラ修理 ニコマートFTn 其の二(最終回)
Nikomat FTn の続きです。
シャッターユニットを丸ごと一度外します。
その前にフイルムカウンター部分を外すことになりますので、外しついでに巻上げギア周りの分解・点検・清掃をします。
部品点数は結構多く、丁寧に設計されているのが分かります。
さすがに一つ一つの部品も精度感がありますね。
下がシャッターユニットです。
今回手前の、羽根が収まるフレーム部分を交換しました。
奥に見える駆動部分は、スローガバナが不調でしたので調整・整備しました。
お客様のご要望でしたシャッタースピードも何とか規格内に収めることが出来、ホッと胸をなでおろしました。
当時の機械式ニコンで、シャッタースピードが出ない症状はあまり聞いたことがありませんでした。
今回も取付け緩みなどのトラブルから誘発されていたことがわかりました。
さて、次回の機種は未定につき、お楽しみにお待ちください。
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カメラ修理工房 ミノハ
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2009年12月20日
カメラ修理 ニコマートFTn 其の一
昨日は、私の住む東海地方でも雪が降りました。
朝目覚めると、あたり一面の銀世界に・・・・
お昼前には解けてしまいましたが、子供たちは寒さも忘れ、小さい雪だるま作りに夢中になっていました。
皆様の地方はいかがでしたか。
さて今日は、Nikon Nikomat FTn です。
以前FTは紹介したことがあります。
FTnは、交換レンズの開放F値の設定を半自動化した、FTの改良版です。
お客様のご依頼は、シャッタースピードの調整と金属シャッター羽根の偏磨耗、巻上げの重さでした。
羽根はかなり擦れており、塗装も剥がれて金属の地色が露出。
劣化したモルト片による汚れもあり、分解洗浄するまでもなく良品との交換ということでお客様とお話しました。
前板を外した本体の、大部分を占めるシャッターユニット。
羽根の偏磨耗の原因は、右側に見える羽根が収まるフレームを固定しているネジ類の緩みでした。
巻上げの重さもこれが原因と思われました。
この羽根ユニットのみを交換する予定です。
下側に見える1mm厚くらいの板が、シャッター羽根を収めるフレームの後板。
シャッターユニットを取り外すと、妙にスッキリする本体側。
この機体の電池室内側に、腐食は認められませんでした。
続きは次回と致します。
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2009年11月02日
カメラ修理 ニコマートFT 其の四(最終回)
今日は、 Nikomat FT 最終回になります。
不具合箇所の修理がやっと終わり、ホッとした気持ちと達成感を味わいながら、仕上げの整備に掛かります。
この機種やminolta SRTsuperなどは、フォーカシングスクリーン枠を受けるミラーボックス側にモルトが貼られています。
きれいに除去し、新しく貼り替えます。
マウント部からスクリーン部を見上げます。
多くの機種でもそうですが、ここにはミラーショックを和らげる緩衝材として厚めのモルトが使われています。
これが劣化してくると、ショックが大きくなるばかりかミラーを傷つけることにもなってしまいます。
部品を順に組み付けて行きます。
カメラの修理をしていますと、自分では使ったことの無かった機種でも、いつのまにか愛着が湧いてしまいます。
さて、次回はニッコールレンズ修理をご紹介する予定です。
お楽しみに。
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当店では、良いものを長く、愛着を持って大切にされるお客様の気持ちになり、誠意を持って修理致します。
カメラ修理工房 ミノハ
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