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2012年12月29日

カメラ修理 Canon PELLIX(キヤノン ぺリックス)

こんにちは。

きょうは Canon PELLIX です。

1965(昭和40)年の発売です。

このカメラの特徴は、クイックリターンミラーの代わりに半透明鏡が固定されており、一眼レフ特有のレリーズ時のファインダーブラックアウトがありません。

もちろんミラーショックもありませんが、レンズの明るさは減少してしまいます。

キヤノン初となるTTL測光(絞り込み)式カメラでした。

シャッター幕は、焼損を防ぐ為チタンを使用しています。


露出計の針が十分振れない症状の修理と、総合整備一式を行ないました。

RIMG0856

トップカバーを外したところ。


RIMG0857

電池の液漏れによる錆びが発生していて、十分に振れないメーターは交換となりました。


RIMG0862

RIMG0863

これがCdSの測光部分。起き上がった状態を後と前から。

プレビューレバーにより起き上がり、露出計のスイッチが入る仕組みです。


RIMG0866

総合整備も行ない、よみがえりました。



それでは次回をお楽しみに。


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当工房では、良いものを長く、愛着を持って大切にされるお客様の気持ちになり、真心をこめて修理致します。

              国産MFカメラ修理専門
              カメラ修理工房 ミノハ


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ブログをご覧の皆様へ

いつもご覧いただきまして、誠にありがとうございます。

当ブログでは、お客様からご依頼のあったカメラ修理の様子をご紹介しています。

カメラ修理は、ご自分で分解などなさらず是非プロの修理屋さんにご依頼くださいますよう、よろしくお願いいたします。

また、記事の内容や表現等に、工房主の不勉強、無知識による間違いなども多々あるかと思います。

どうかご了承いただけますよう、よろしくお願いいたします。


ありがとうございました(^_^)


工房主


camera_repair_minoha at 18:19|PermalinkComments(2)

2010年03月17日

カメラ修理 ベル&ハウエル ダイアル35(ll) 其の七(最終回)

こんにちは。

BELL&HOWELL  DIAL35(ll)
の続きです。


フィルムの巻上げも正常に可動し、まずは一安心。

DSC04479

ファインダー清掃を終えると、お決まりのモルト交換です。

本体フレームとカバーのすき間には、結構モルトが多用されています。

厚めのモルトをオーダーして、貼りこみました。



DSC04484

カバー装着前に露出の確認。

本機では、Cdsの反応が良すぎて露出アンダーぎみでしたので、NDフィルター代わりのフィルムを組み込んだ上で調整しました。



DSC04509

DSC04510

DSC04511

DSC04506


修理完了したダイアル35は、かん高いスプリングモーター音を響かせながら快調に巻上げてくれます。

リコーオートハーフにしてもダイアル35にしても、ゼンマイで巻上げてくれるところに、機械式の温かみを感じます。




次回からは、KONICA FTA をご紹介する予定です。





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camera_repair_minoha at 10:32|PermalinkComments(0)

2010年03月16日

カメラ修理 ベル&ハウエル ダイアル35(ll) 其の六


こんにちは。

BELL&HOWELL  DIAL35(ll)
の続きです。



DSC04475

さて、いよいよスプリングの回転方向を90度変えるためのウオームギヤ部分解です。

実はこの部分のグリスが全然入ってなく、その抵抗のためにフィルムを巻上げることが出来ていませんでした。

左上に見えているウオームギア(かなり荒目です)と相手のギアとの摩擦が大きくて、スムーズに動いていませんでした。

グリスアップして一件落着です。

しかし謎は、なぜグリスが全然入っていなかったのか。

分解痕もなく、ギア類はピカピカの新品状態でした。



DSC04476

中央は、回転のON/OFFを決めるギアの裏面についている部品。

どうも、回転速度を抑制する、あるいは停止時の反動を抑えるための遠心ブレーキと思われます。



DSC04477

てこ部品の変形も見られたので矯正します。



DSC04478

一通り整備して要所を組上げ、フィルムを装着してテストしてみます。

巻上げ、巻戻しとも、独特のうなり音をあげながら可動しました。

めでたし、めでたし。



続きは次回と致します。





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2010年03月13日

カメラ修理 ベル&ハウエル ダイアル35(ll) 其の五

こんにちは。

BELL&HOWELL  DIAL35(ll)
の続きです。


DSC04472

レンズハウジングの基台部分。

写真の右側が、実際には上になります。



DSC04473

同部品を、フィルム室側から見たところ。

スプロケットの黒いギヤが見えています。



DSC04474

外した部品は、古い油を洗浄しグリスアップするのですが、このカメラの場合はなぜか油による汚れはほとんどありませんでした。

しかし部品の変形が認められたので、補修します。

この部分はフィルム送りのスプロケットとダイレクトにつながっています。

シャッターが押されると、巻上げ軸のロックが解除され、巻かれたスプリングの戻る力によってフィルムが巻上げられ、フィルムのパーフォレーション(孔)によりスプロケットが回転し、それによりカム部品が動いてスプリング駆動を停止に切り換えるという仕組みです。

ハーフサイズの1コマ分送っては止まるという繰り返しをするわけです。


このカメラにはこれとは別に、フィルムを巻戻す機構も組み込まれています。

「R」ボタンを押すことでギヤを組み替え、スプリングの駆動をパトローネ側の軸に伝えます。

外観からはちょっと想像出来ないくらい、メカが詰まったカメラなのです。



続きは次回と致します。




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2010年03月11日

カメラ修理 ベル&ハウエル ダイアル35(ll) 其の四

こんにちは。

BELL&HOWELL  DIAL35(ll) の続きです。


DSC04470

レンズハウジングを外すということは、カメラのダイアル(名前の通り)部分と本体の間で情報をやりとりする部分は全て外れてしまうということですから、メモを取るなり写真を撮るなど記録しておかないと、元通りに組み立てられなくなってしまいます。

ひとの記憶は曖昧なもので、「このくらい憶えていられる」と思っていても、それは単なる思い込みで、時間が経つと忘れてしまうことがホント多いです。

最近特にそう思います・・・・・

自分の趣味なら笑って(あるいは泣いて?)済みますが、お客様のカメラ相手ですからそうもいかない訳で・・・・・



DSC04471

ハウジング裏側には、絞り羽根が見えています。

この時点でCdsも外すことになります。



DSC04472

ハウジングが取り付けられていた基台部分です。

この上部(写真では右側)に、このカメラの大切な部分=フィルム送りをコントロールするところ=がのっかっているのが見えます。

この部分がきっちり整備されていないと、スプリングの巻上げすら出来なくなってしまうのです。


続きは次回と致します。




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