>>35シリーズ

2015年04月06日

カメラ修理 OLYMPUS 35DC(オリンパス35DC)

こんにちは。

いつの間にか4月も第二週に入ってしまいましたね。

このブログをご覧の方でも、新しい環境のもとで、仕事や勉強に励んでおられる方も多いかと思います。

どうか、あまり頑張りすぎず、ほどほどに、がんばってくださいませ。



さてきょうは、OLYMPUS 35DC です。 

35DCは1971(昭和46)年の発売。

前々年発売のSP(スポット測光・マニュアル撮影可)を初心者向けに改良した機種で、レンズは明るいF1.7が奢られております。

「DC」は、デラックス・コンパクトの略だそうで。

レンズはF.ZUIKO 40mm F1.7。

シャッターはSEIKO 1/15(F1.7)~1/500秒(F16)。

プログラムEE方式の距離計連動カメラです。



総合整備一式を行いました。

RIMG1841

35DCはプログラムEE専用、いわゆるオート撮影専用カメラですので、このCdSが劣化等で逝ってしまっているとカメラとして機能しません。もちろん電池も必要で、無いとシャッターが切れません。

幸い本機のCdSは明るさの変化に追従して、抵抗値が変化していました。



RIMG1842

トップカバーを外し、レンズボード(前板)を外す準備として、張り皮を剥がします。

OLYMPUSはOMに至るまで、粘着テープによる張り付けですので、剥がすのは比較的容易です。

粘着が弱って、自然に端から剥れているものや、経年で張り皮が収縮しているものも多く、修理の際には接着剤で貼り付け直す場合がほとんどです。



RIMG1843

電池室周りは、基本的なチェックポイントの一つです。

当時の、水銀電池が発生させるガスにより、接点や配線の半田付け部が腐食していることが多いです。

もちろん液漏れでも起こります。

電池蓋によく開いている小さな2つの穴。ガス抜きの穴なんですね。

断線していなくても、具合を見てコードの交換や、半田の付け直しを行なうことがあります。



RIMG1845

写真中央はレンズボードの裏側。

ちょっと分かりにくいですが、露出計のメーターは、カメラ本体側の下部(写真の左上)に配置されています。

何となくファインダーの近くにあるイメージが強いですが、ちょっと変わっていますね。

オリンパスのカメラは、C社などに比べると部品構成がユニット単位で考えられている部分が多く、分解や整備がしやすく感じられます。



RIMG1846

ピカピカになった35DCです。

このサイズと手ごろな重さ、お散歩カメラとして最適ですね。



次回機種は未定です。どうぞお楽しみに。


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当工房では、良いものを長く、愛着を持って大切にされるお客様の気持ちになり、真心をこめて修理致します。

              国産MFカメラ修理専門
              カメラ修理工房 ミノハ


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ブログをご覧の皆様へ

いつもご覧いただきまして、誠にありがとうございます。

当ブログでは、お客様からご依頼のあったカメラ修理の様子を中心にご紹介しています。

カメラ修理は、ご自分で分解などなさらず是非プロの修理屋さんにご依頼くださいますよう、お願いいたします。

また、記事の内容や表現等に、工房主の不勉強、無知識による間違いなども多々あるかと思います。

そのようなことがございましたら、どうかご了承いただけますようよろしくお願いいたします。


ありがとうございました(^_^)


工房主


camera_repair_minoha at 21:38|PermalinkComments(2)

2014年12月16日

カメラ修理 OLYMPUS-35 SP(オリンパス35 SP)

こんにちは。

きょうは、OLYMPUS-35 SP です。

35SPは、1969(昭和44)年の発売。

35シリーズの中では大柄な部類に属し、35DCよりひと回り大きいサイズです。

「SP」とは「スポット測光」を意味し、ボタンを押すことで平均測光からスポット測光へ切替えることができます。

スポット範囲は、ファインダー内の中央、距離計の二重像合致部分に相当しています。

プログラムEE、マニュアル撮影も可能、フラッシュマチック機構も内蔵されたコンパクトEEカメラでした。


総合整備一式を行いました。

RIMG1790

写真では中央ファインダーブロックの奥隣り、四角いレンズのついたブロックが受光部です。

専用設計のCdS基板により、スポット測光を可能にしています。

この部分は、レンズキャップに関係なく常時光を受けますので、電源スイッチの無い本機では、使わないときは電池を抜くか、遮光できるものに収納しておく必要がありますね。



RIMG1792

レンズボード裏側。

レリーズのリンク機構はシャッターユニット、及びプログラムEEの針押さえ部分に連動しています。



RIMG1796

だいたいこれくらいに分解したあと、個々の整備に入ります。

あとは、ファインダーブロックも外すことが多いですね。



RIMG1793

RIMG1797

後玉レンズのクリーニング、ビフォー・アフター。

カビやクモリの程度によっては、痕が残る場合もありますが、出来る限りのクリーニングをしています。



RIMG1800

シャッターユニットはSEIKO FLA。

各部を点検、清掃し、必要に応じて注油等行います。

本機では、大変綺麗な状態でした。



RIMG1802

電池はH-D型ですが、SR44またはLR44で使用できるよう調整し、スペーサーリングをお付けしています。

本機は、42mm、F1.7の定評あるレンズで、写りのよさも魅力です。





次回の紹介機種は未定です。お楽しみに。



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ありがとうございました(^_^)


工房主


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2011年10月28日

カメラ修理 OLYMPUS TRIP35(オリンパス トリップ35)

 こんにちは。

きょうは、OLYMPUS TRIP35 です。

何度かご紹介してきました、おなじみの機種です。

長い間使われていなかったカメラの、全般整備一式です。

RIMG0610

トップカバーとファインダーを外し、張り皮を剥がしてレンズボード部の取り外し準備をします。

症状としては、露出メーター精度不良・赤ベロ動作不良・ファインダー内汚れ・レンズ汚れ・各部モルト劣化といったところでした。



RIMG0611

RIMG0612

こんな風に分解されます。

このあと不具合個所の整備及びグリスアップ、レンズ分解/クリーニング、シャッター/絞り羽根点検、シャッターユニット整備など行ないます。



RIMG0613

取り外したファインダー部分。メーターユニットも一体になっています。

使われるお客様にとって外観よりもむしろ一番気になるのが、ファインダーの見やすさではないでしょうか。



RIMG0614

ファインダーが曇っていると撮影する気持ちまでクモリがちになりそうです。



RIMG0615

一眼レフではもちろんですが、コンパクトカメラでも出来る限り綺麗になるよう心掛けてクリーニングさせていただいています。



RIMG0617

外装も綺麗になって、よみがえったTRIP35。

直径15mmに満たないちっちゃなレンズですが、写りには定評がありますね。




次回機種は未定です。お楽しみに。







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これは、皆様に代わって内部の構造などをご紹介するという趣旨でありまして、カメラの分解をお勧めしているわけではございません

また、当ブログの記事を参考に分解等された場合の不具合等につきましては、一切責任を負いかねますのであらかじめご了承お願いいたします。

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ありがとうございました(^_^)


工房主



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2011年01月26日

カメラ修理 オリンパス35 RC(後)

こんにちは。


さて、OLYMPUS 35RC の続きです。

カメラを拝見すると、ダイヤルを回してもシャッタースピードが可変しない症状でした。

DSCN0873

トップカバーを外したシャッターダイヤル周りはこんな感じ。

ファインダーにスピードを表示させる機構が被さっています。

ダイヤル自体が緩んでいたので、空回りが不具合の原因かと想像しましたが、そうではなさそうでした。



DSCN0874

レンズボードを外します。



DSCN0881

どうやら原因はスローガバナのようです。

ギアの1つのカシメが外れて、空回りしていたのです。

これではシャッタースピードが変わらないわけですね。



DSCN0884

ギアを修理し、無事「ジィ~~」と動くようになりました(^_^)



DSCN0882

シャッターユニットの分解・整備で、高速シャッターの速度も復活します。



DSCN0883

ファインダーもクリーニングしてスッキリくっきり!



DSCN0885

電池室右に見える金色の部分が露出メーターです。

本体側のホコリ、モルトくず、カビなどもクリーニング。



DSCN0888

きれいに甦った35RCです。

私も手に入れたいカメラの1つです。



次回機種は未定です。お楽しみに。





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ありがとうございました(^_^)


工房主


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2011年01月24日

カメラ修理 オリンパス35 RC(前)

こんにちは。


さて、今日は OLYMPUS 35RC です。

DSCN0886

このカメラは、1970(昭和45)年の発売です。

オリンパス35シリーズの中では、109×70×50mmという中々コンパクトなサイズです。

このカメラの人気の秘密は、何といってもシャッター優先AEに加え、マニュアル撮影が可能な点でしょう。



DSCN0887


トップ面にシャッタースピードダイヤルが備わっており、AUTOを解除して任意に絞り値を設定することが出来る本格派です。

プログラムEEのレンズシャッターカメラで、絞り値を設定出来る機種がありますが、多くはストロボ専用モードとなってシンクロするようシャッタースピードが固定されてしまうのでマニュアル撮影は出来ません。

ファインダー内には、上縁に絞り値、下縁にシャッタースピードが表示されており、指針が指すようになっています。



レンズ:E.ZUIKO 42mm/F2.8

シャッター:B、1/15~1/500秒

サイズ:109×70×50mm

重量:410g

価格:22,300円(当時)だったそうです。



続きは次回と致します。






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ありがとうございました(^_^)


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