>>PENTAX Kシリーズ

2015年04月14日

カメラ修理 ASAHI PENTAX KM(アサヒペンタックスKM)

こんにちは。

きょうは、ASAHI PENTAX KM です。

KMは、1975(昭和50)年の発売。

M42マウントから、バヨネットマウントである「Kマウント」移行と同時に発売された、K三兄弟の普及機です。

ユーザーが違和感無く移行出来るよう、SPFのKマウント版という位置づけの機種です。



お父様から譲り受けたという、お子様連れの女性からのご依頼でした。

プリズム交換を含む総合整備一式を行ないました。

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トップカバーを外し、腐食しているプリズムを降ろします。


RIMG1875

プリズムは、防塵のために水平に巻かれているベージュ色のモルトによって、帯状の腐食を起こしていました。

当時のペンタックスではよくある症状で、粘着テープからモルト部分がはみ出して蒸着面に接していると起こります。

SVなどの中には、モルトの代わりに「コルク材」が使われているものがあり、これは腐食を起こしません。


RIMG1889

スローガバナやリターン機構整備のため、ミラーボックスを外しました。

シャッター幕や金具に、カビがあるのがわかります。

幕の状態は悪くないので、ここはクリーニングできれいにしました。


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マウント部裏面の、レンズの絞りに連動する摺動部です。クリーニングとグリスアップをします。


RIMG1891

フォーカシングスクリーンは交換式ではありません。

ここにもベージュ色のモルトが使われており、いろいろと悪さをしています。

ファインダー周りのクリーニングは、小さなモルト粒でもプリズムやスクリーンに残ると目立ってしまいますから、気を使う部分です。


RIMG1893

露出計のメーターはシチズン製でした。メーカーが違うものもあります。


RIMG1900

RIMG1902

整備も終盤、フィルムカウンターが正常に動いていないことが分かり、何度か組み直してみるものの、一向に回復しません。


RIMG1903

フィルムカウンターは、巻上げ軸の中にレイアウトされており、軸中の部品の取付けが緩み、ギアがきちんと噛合わない状態でしたので、やむなくユニット交換をしました。


RIMG1904

 無事に整備終了。ファインダーもクリアになり、第二の人生?のスタートです。

 

次回機種は未定です。どうぞお楽しみに。



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当工房では、良いものを長く、愛着を持って大切にされるお客様の気持ちになり、真心をこめて修理致します。

              国産MFカメラ修理専門
              カメラ修理工房 ミノハ


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ブログをご覧の皆様へ

いつもご覧いただきまして、誠にありがとうございます。

当ブログでは、お客様からご依頼のあったカメラ修理の様子を中心にご紹介しています。

カメラ修理は、ご自分で分解などなさらず是非プロの修理屋さんにご依頼くださいますよう、お願いいたします。

また、記事の内容や表現等に、工房主の不勉強、無知識による間違いなども多々あるかと思います。

そのようなことがございましたら、どうかご了承いただけますようよろしくお願いいたします。


ありがとうございました(^_^)


工房主


camera_repair_minoha at 22:40|PermalinkComments(0)

2012年04月27日

カメラ修理 ASAHI PENTAX KM(アサヒペンタックスKM)

こんにちは。

きょうは、ASAHI PENTAX KM です。

先週同じシリーズのK2をご紹介していますので、そちらもどうぞご覧ください。

旭光学が、1975(昭和50)年にスクリューマウントからバヨネットKマウントへの移行と同時に展開したKシリーズの中で、CdSによる定点合致式のTTLマニュアル普及機です。

ファインダー情報や操作など、Sシリーズから違和感無く移行できるよう配慮された、いわゆるSPFのKマウント版といえます。



露出計不動はじめ、総合整備一式を行ないました。

RIMG0025

トップカバーを外すと、部品配置はSPFとあまり変わりません。



RIMG0024

メーター不動は、電池室に接続するコードの腐食断線でした。

仮につないで通電すると、メーター指針が振れました。

コードは中の芯まで腐食していることが多いため、新しいものに交換します。



RIMG0026

プリズムを降ろしたところ。このスポンジの劣化具合もSシリーズ同様です。

3つの丸い部品がCdS素子です。

プリズムは視野中央水平にうっすら腐食の黒い帯がありましたが、軽度なので進行しないよう処置し交換はしませんでした。



RIMG0031

プリズム/コンデンサレンズ/フレネルレンズ(スクリーン)という構成も同じですね。

’72年発売のオリンパスOM-1(M-1)では、プリズム下面をレンズ状に球面としてコンデンサを省略し、カメラの全高を抑えることに成功しました。



RIMG0021

各部清掃/グリスアップ、シャッタースピード/露出計調整、外装クリーニングを行ないます。

付属のレンズも大きなカビが繁殖しておりましたのできれいに分解クリーニングいたしました。




次回機種は未定です。お楽しみに。





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ありがとうございました(^_^)


工房主



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2012年04月16日

カメラ修理 ASAHI PENTAX K2(アサヒペンタックスK2)

こんにちは。

きょうは、 ASAHI PENTAX K2 です。

旭光学が、1975(昭和50)年にスクリューマウントからバヨネットKマウントへの移行と同時に展開したKシリーズの中で、唯一金属幕縦走行シャッター(セイコーMF)を搭載した、マニュアル/絞り優先AEの最上位機種です。

同時にKM(いわゆるSPFのKマウント版)、KX(マニュアル専用中級機)がラインナップされました。


プリズム腐食、シャッタースピードコントロールの不具合、総合整備一式を行ないました。

RIMG1099

トップカバーを外すと、プリズム上に束ねた配線が通っています。

この頃、フレキシブル基板はまだ使われていなかったんですね。



RIMG1100

RIMG1101

ファインダー視野の下辺左右に、白いモヤ状の腐食らしきものが。

修復はできませんので良品と部品交換しました。



RIMG1098

シャッタースピードコントロールの不具合は基板の故障と考えられ、これも部品交換です。



BlogPaint

部品交換と総合整備によりよみがえったK2。

AE精度、シャッタースピード精度もしっかり出すことが出来ました。

まだまだ活躍できそうですね。




次回機種は未定です。お楽しみに。




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ありがとうございました(^_^)


工房主



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2011年07月25日

カメラ修理 アサヒペンタックスKM(後)

こんにちは。

今日は、 ASAHI PENTAX  KM の続きです。

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スローガバナは特に1秒、1/2秒が不安定でした。

取り外して洗浄、注油を施し、慣らしを行ったところ回復しました。



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ミラーの一部が破損していましたので、交換します。



RIMG0186

電池ケースの配線が腐食し断線していましたので新しく引きなおしました。

一通り整備が終わり、ヤマはシャッタースピードの調整です。

後幕がかなり遅い状態でした。

規定のスピードに調整ができれば、作業も大詰めです。



RIMG0187

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付属のレンズは、写真のような状態でした。

分解しクリーニングをします。

このSMC PENTAXレンズは、PENTAX-Mレンズよりひと回り大きく、基本設計はSMC TAKUMARとほぼ同じようでした。



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レンズ、ご覧のように綺麗になりましたよ。



RIMG0209

晴れて整備完了。

実はこの機種名、私のイニシャルと同じなんです(笑)

私がカメラを買っ(てもらっ)た当時はMシリーズに変わっていて、既に入手できませんでした。
「自分のイニシャルが入っているカメラだ」と思ったことを今でも覚えています。



次回機種は未定です。お楽しみに。





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ご利用感謝「クーポン券」につきまして

当工房では現在、お客様のご利用に感謝し、修理代金割引「クーポン券」を差し上げております。

額面は¥1,000-で、1回の修理代金が10,000~20,000円未満ご利用で1枚、20,000円以上ご利用で2枚差し上げます。

ご使用は次回以降、修理見積り代金が10,000円以上の場合に限り、何枚でもご使用いただけます。

有効期限はありません。

どうぞご利用ください!(^_^)



試写用「専用電池」を進呈

一回の整備費用が¥20,000-以上のお客様で、Canon AE-1、Nikomat ELなど使用電池が「4LR44」の機種のお客様、

またはOLYMPUS OM-1、Nikomat FTN、minoltaSRT101など使用電池が「MR9型」の機種で、電圧変換型アダプターを使用されないお客様に「V625U」(アルカリ)を、 それぞれサービスでお付けしています。

(しかしどちらも、入手困難などの都合でお付けできなくなった場合にはこちらからお知らせいたします。あらかじめご了承ください)



試写用「カラーフィルム」進呈

一回の整備費用が¥15,000-以上のお客様に、試写用カラーフィルムを1本進呈しています。

「Kodak GOLD 100」という銘柄の24枚撮りものです。(都合によりましては他銘柄となる場合もございます)



ブログをご覧の皆様へ

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当ブログでは、カメラ修理の様子を中心にご紹介しています。

これは、皆様に代わって内部の構造などをご紹介するという趣旨でありまして、カメラの分解をお勧めしているわけではございません

また、当ブログの記事を参考に分解等された場合の不具合等につきましては、一切責任を負いかねますのであらかじめご了承お願いいたします。

カメラの修理は、是非プロの修理屋さんにご依頼くださいますよう、よろしくお願いいたします。

ありがとうございました(^_^)


工房主



camera_repair_minoha at 20:18|PermalinkComments(0)

2011年07月19日

カメラ修理 アサヒペンタックスKM(中)

こんにちは。

ASAHI PENTAX KM の続きです。

RIMG0155

案の定、劣化したスポンジが、まるでクッキーか何かのカスのように散らばっています。



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露出メーターには「STANLEY」のロゴ。



RIMG0168

前板を外してもミラーボックスは外れないタイプです。

KMはSシリーズと同様の部品構成のようです。



RIMG0170

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プリズム枠を外したミラーボックスは、各部モルト類の清掃・貼りなおし、リンク類のグリスアップ、ミラーの清掃などを行ないます。



RIMG0173

ミラーボックス床下には、スローガバナが隠れていました。

スローが不安定でしたので、外して洗浄・整備します。



続きは次回と致します。





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どうぞご利用ください!(^_^)



試写用「専用電池」を進呈

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「Kodak GOLD 100」という銘柄の24枚撮りものです。(都合によりましては他銘柄となる場合もございます)



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ありがとうございました(^_^)


工房主



camera_repair_minoha at 10:29|PermalinkComments(0)