>>SRシリーズ

2016年02月24日

カメラ修理 minolta SR505 ミノルタSR505



こんにちは。

今日は、 minolta SR505 です。

SR505は、1975(昭和50)年に発売されました。

SR-T SUPERの改良型という位置づけで、フィルムインジケータやメモホルダーが追加されました。

ヒットしたSR-T101に比べると、絞り直読、ホットシューの装備、スプリットイメージが追加されたスクリーンなど一世代新しい感じがします。

ただ、生産台数が少ないせいか、修理依頼はめったにありません。

SR101とともにSRシリーズ最後の機種となり、以降はXシリーズが開発されることになります。



今回は、亡きお父様の使われていたカメラを蘇らせたいとのご依頼で、総合整備一式を行いました。


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トップカバーを外すと、見慣れた中身が現れます。

絞り直読用のレンズ、ミラー部を除くと、SR-T101とほとんど変わらない印象です。

CLC測光システムを継承しており、これは以降のXシリーズの一部にも採用されますが、プリズムの前後にCdSセルが配置されているのが特徴です。



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スクリーン周りの整備のためプリズムを降ろし、露出メーターが付いたままのスクリーン枠を外します。

それには露出連動糸を外すなどの手順が必要で、テンションを緩めておくなど、糸を切ってしまわないような配慮が必要です。でも、めったに切れないですけどね。



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スクリーン枠を取り去ると、劣化したモルト類や、緑錆の生成された金属部分が現れます。

こういったところを綺麗にクリーニングすることも、カメラ修復のためには大事な作業です。



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前板を外してシャッター軸などの注油中に、セルフタイマーの歯欠けを発見。

この部分でゼンマイが解放されてしまい、タイマーが機能しません。

これは修復不可能でしたので、ユニットごと交換しました。



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カメラボトムにある、露出計スイッチの接点部です。

ちょっと見にくいですが、3つの接点が向きあっています。

接触不良でしたので、接触調整とグリスアップをしました。

写真中央に見えている金色のギアみたいなものは、シャッター先幕と後幕のテンション調整部です。



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露出計搭載のSRシリーズに、共通のボトムスイッチ部分です。l

露出計のオンオフと、バッテリーチェックが出来ます。

上写真のようになっていて、回転により本体側の接点と接触し通電するようになっています。



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最終的なシャッター速度の確認です。

Aは先幕、Cは後幕、Bは中間の速度を現しています。

1/1000秒の計測値で、問題ないと思われる値です。



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レンズも整備され、現役時代さながらに蘇りました。




次回機種は未定です。お楽しみに。




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当工房では、良いものを長く、愛着を持って大切にされるお客様の気持ちになり、真心をこめて修理致します。

              国産MFカメラ修理専門
              カメラ修理工房 ミノハ


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ブログをご覧の皆様へ

いつもご覧いただきまして、誠にありがとうございます。

当ブログでは、お客様からご依頼のあったカメラ修理の様子を中心にご紹介しています。

カメラ修理は、ご自分で分解などなさらず是非プロの修理屋さんにご依頼くださいますよう、お願いいたします。

また、記事の内容や表現等に、工房主の不勉強、無知識による間違いなども多々あるかと思います。

そのようなことがございましたら、どうかご了承いただけますようよろしくお願いいたします。


ありがとうございました(^_^)


工房主


camera_repair_minoha at 22:57|PermalinkComments(2)

2015年02月28日

カメラ修理 minolta SRT101(ミノルタSRT101)

こんにちは。

明日はもう3月です。
あっという間に1ヶ月が経ってしまいました。はやいですねぇ。

さて今日は、minolta SRT101です。

SRT101は1966(昭和41)年に発売されました。

布幕横走りシャッター、TTL開放測光のマニュアル高級機です。

CLC(コントラスト・ライト・コンペンセータ)式測光方式が特徴です。横長時の画面上下で分割測光することで、空の明るさに引きずられて地部の被写体がアンダーになりにくいよう補正される仕組みだそうです。

そのため、一般的には接眼レンズ左右に配置される例が多いCdSですが、本機ではペンタプリズムの頂部前後に1個ずつ配置されています。


総合整備一式を行いました。

RIMG1773

トップカバーを外したところ。

プリズム上、CdSが前後に配置されているのが分かりますね。



RIMG1774

CdSの配線。通常は並列につながれるのですが、CLCの場合は直列つなぎなのです。

シンプルですよね。

だけど縦に写真を撮るときは、CLCの効能はありません・・・・・



RIMG1775

SRT101では情報伝達に連動糸が使われています。

シャッター速度とフィルム感度を伝達するもの、ファインダー内のシャッター速度指標を動かすもの、絞り連動リングからの絞り値を伝達するもの・・・・

シャッターや絞りの情報は、巻き戻しノブ側にあるプーリー部で合成され、カムやレバーによって追跡指針を動かす仕組みです。



RIMG1776

RIMG1777

ファインダークリーニングはプリズムを降ろして行います。また、スクリーン枠はメーターユニットと一体なので一緒に降ろします。

接眼レンズはじめ、プリズム、コンデンサレンズ、フォーカシングスクリーンをそれぞれクリーニングします。

写真に見えているモルトは、スクリーン枠の外側を囲うものですが、たいがいは劣化してボロボロ、あるいはベトベトになっていますから丁寧に剥がして、新しく貼り込みます。



RIMG1795

各部整備、調整も終わって、磨き上げられたSRT101。

細身で、なかなか綺麗なフォルムをしていると思います。




次回機種は未定です。どうぞお楽しみに。


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ありがとうございました(^_^)


工房主


camera_repair_minoha at 22:15|PermalinkComments(2)

2012年09月03日

カメラ修理 minolta SR-1(ミノルタSR-1)

こんにちは。

きょうは、minolta SR-1 です。

SR-1は、1958(昭和33)年に登場したミノルタ初のペンタプリズム式35ミリ判一眼レフ「SR-2」の普及機として、高級機の「SR-3」とともに1961(昭和36)年に発売されました。

シャッター幕張替えを中心に、各部点検・清掃整備一式を行ないました。



RIMG0788

先幕と後幕の金具部分が貼り付いているところを、無理に巻上げて先幕を破いてしまったものと思われました。

RIMG0794

本機は、ミラーボックスと幕を含めたシャッター機構が一体になっていて、往年のレンジファインダー機を思わせるような構造です。整備性は良いようです。

RIMG0802

RIMG0808

古いシャッター幕を採寸し、金具だけ流用して新しい幕を製作します。

RIMG0810

きれいに張替えが完了しました。

RIMG0812

各部点検・清掃・グリスアップなどしながら組上げて行きます。

BlogPaint

レンズ絞りの粘り修理も完了し、甦ったSR-1です。



次回機種は未定です。お楽しみに。




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ありがとうございました(^_^)


工房主


camera_repair_minoha at 12:05|PermalinkComments(2)

2011年03月25日

カメラ修理 ミノルタSRT super (後)

こんにちは。

minolta SRT super の続きです。

DSCN1047

ミラーボックスを外すには、露出連動糸を外さなければなりません。

切らないように注意するとともに、テンションや位置など記録して、組上げに備えます。



DSCN1048

両面に布地が見えるタイプのシャッター幕には白いカビの発生がありましたが、清掃するだけで十分使用に耐えそうです。

モルトかすは悪さをするので、極力クリーニングします。

各部要所に注油し、巻上げ時の異音も解消しました。



DSCN1049

ミラーボックスも整備します。



DSCN1050

スクリーンは樹脂製ですが、コンデンサーはガラス製です。

今回、スクリーンは、フレネルレンズ側のキズと汚れがひどく、良品と交換となりました。



DSCN1059

DSCN1060

レンズの分解・清掃もします。

本機には、レンズマウントのロック不良という症状がありました。
原因は、過去に無理やり回された為か、ボディ側の金具と、レンズ側のマウントが変形していたためでした。

マウント側は修正がきかないため、良品との交換となりました。



DSCN1063




次回機種は未定です。






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これは、皆様に代わって内部の構造などをご紹介するという趣旨でありまして、カメラの分解をお勧めしているわけではございません

また、当ブログの記事を参考に分解等された場合の不具合等につきましては、一切責任を負いかねますのであらかじめご了承お願いいたします。

カメラの修理は、是非プロの修理屋さんにご依頼くださいますよう、よろしくお願いいたします。

ありがとうございました(^_^)


工房主


camera_repair_minoha at 09:22|PermalinkComments(0)

2011年03月23日

カメラ修理 ミノルタSRT super (中)

こんにちは。

minolta SRT super の続きです。



DSCN1037

トップカバーを開けますと、レンズの絞り値を読み取るミラー/レンズ類が目に入ります。

これはSRT101には無かったものです。

プリズムには、SRTシリーズの特徴である2個のCdsが縦に並んでいます。



DSCN1039

露出連動糸。



DSCN1040

スクリーン取付け枠ごと外し、クリーニング。



DSCN1045

DSCN1046

巻上げ時の異音等、症状がありましたので、ミラーボックスを取り外して整備します。



続きは次回と致します。






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ありがとうございました(^_^)


工房主


camera_repair_minoha at 11:35|PermalinkComments(0)