>>Xシリーズ

2020年07月10日

カメラ修理 minolta XD-s (ミノルタXD-s)の総合整備

こんにちは。

今日は、minolta XD-sです。

XD-sは1979(昭和54)年の発売。先代のXDに視度補正機構を組み込んだマイナーチェンジ版です。

先代は、世界で初めて絞り優先とシャッター速度優先AEの両優先AEを搭載して話題になりました。

自動露出の不具合修理を含む、総合整備一式を行いました。

整備の一部をご紹介します。

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診断したところ、露出計が大幅にズレていました。

原因はフィルム感動ダイヤル部分の断線でした。

このカメラでは良くある症状ですね。

トップカバーを外したら、ハンダ付けしておきます。



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リターンミラーの粘り整備の為にレンズボードを外しますと、プリズム、ミラーボックス、シャッターユニットまでひとかたまりで外れます。



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ん、セイコーのシャッターユニットですね。スタンプが確認できます。

ミラーボックス、巻き上げ機構、電磁石周りなど、クリーニングと整備をします。

絞り優先(A)とシャッター速度優先(S)で切り替わるファインダー内表示に不具合があったので、直しました。



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露出調整、モルト交換、各部のクリーニングを終えて完成したXD-s。

塗装とは一味違う、黒アルマイト処理による半艶の表面が渋いですね。


次回機種は未定です。お楽しみに!

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当工房では、良いものを長く、愛着を持って大切にされるお客様の気持ちになり、真心をこめて修理致します。

              国産MFカメラ修理専門
              カメラ修理工房 ミノハ


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ブログをご覧の皆様へ

いつもご覧いただきまして、誠にありがとうございます。

当ブログでは、お客様からご依頼のあったカメラ修理の様子を中心にご紹介しています。

カメラ修理は、ご自分で分解などなさらず是非プロの修理屋さんにご依頼くださいますよう、お願いいたします。

また、記事の内容や表現等に、工房主の不勉強、無知識による間違いなども多々あるかと思います。

そのようなことがございましたら、どうかご了承いただけますようよろしくお願いいたします。


ありがとうございました(^_^)


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2016年12月20日

カメラ修理 minolta XD ミノルタXD

こんにちは

きょうは、minolta XD です。

XDは、1977年に発売された、マニュアル及び絞り/シャッター両優先式AEカメラです。
デュアルAEと呼ばれ、トップカバーの切り替えレバーで選択することができました。



今回は、オートが効かず、露出計の点灯が不安定な症状修理を含めた、総合整備一式を行いました。

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オートが効かない原因が、接触不良などのマイナートラブルなのか、あるいは電子回路の故障によるものなのかを見極めます。

電気的摺動部分、接触部分、電池室周りなど確認し、クリーニングやグリスアップをしても、症状は改善されませんでした。



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電子基板を交換することにして、分解・整備を進めます。

レンズボードを外しますと、縦走り金属幕シャッターユニットまで付いてくる構造。

ファインダークリーニングのためプリズムを降ろし、プリズム枠周りも分解しクリーニング。

ファインダー内に現れるシャッタースピードや絞り表示はスライドして切り替わる仕組みで、複雑な構造をしています。モルトが劣化した粉状の汚れが多い部分。丁寧にクリーニングします。



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換装待ちの電子基板は、もちろん中古品(機能している良品)です。



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念のためシャッターユニットの羽根も分解・洗浄。

オイル付着など不具合はありませんでした。



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ご依頼品は、アニバーサリー仕様のブラックボディでした。



次回機種は未定です。お楽しみに。




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ありがとうございました(^_^)


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2014年10月20日

カメラ修理 minolta XD(ミノルタXD)

こんにちは。

きょうは、minolta XD です。

XDは、マニュアルとデュアルAEを搭載した、電子式金属幕縦走りシャッターカメラです。

デュアルAEとは、絞り優先とシャッター速度優先をレバー切換で選択できるもので、世界初の機構だったそうです。

さらにシャッター速度優先時は、絞りの調整範囲を越えた場合にシャッター速度を自動補正してくれるという優れた特徴ももっていました。

ボディは市場の流れから、従来機種よりも小型・軽量化されています。

1977(昭和52)年の発売でした。



巻上げが困難な症状修理を含めた、総合整備一式を行ないました。

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巻上げ困難の原因はスプールの不具合とわかっておりましたので、お客様からご提供いただいた部品取り機(XD5←輸出専用機)の部品と換装することにいたしました。


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トップカバーを外し、フィルムカウンターユニット周りを取外します。


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底面からは巻上げギヤ、リンク類を外し、スプール周りを取外します。


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取外した巻上げユニットと、交換用のスプールと、その軸部品です。


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右が不良のスプール。フィルム差込の爪が折れてしまい、ユーザー様が修復を試みた結果、接着剤が軸やその周辺へ回ってしまい不具合を起こした模様です。

部品は全く共用品でしたので、そのまま交換することが出来ました。

巻上げ機構を組みなおし、症状が解消したことを確認して、総合整備に取り掛かりました。


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黒い装いが精悍なXD。

当時のminoltaのロゴも、とてもよく似合っていますね。





次回の紹介機種は未定です。お楽しみに。



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ありがとうございました(^_^)


工房主


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2010年01月27日

カメラ修理 ミノルタXE 其の六(最終回)


こんにちは。

minolta XE の続きです。

プリズムを換装した本機の視野は、とてもクリアになりました。

腐食ゼロのプリズムと換装できなかったことが残念ですが。

換装前のファインダー像はこんな風でした。

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黒い腐食部分は、プリズムの構造上スクリーンのずっと手前に、壁のように立ちはだかります。

OM-1、2などはもっと下のほうにV字形に現れます。

どちらも腐食が軽ければ応急処置で目立たなくすることは可能なのですが、その部分でのピント合わせは不可能となってしまいます。



巻上げの不良(空まわり)は、多重露光レバー周りの油固着が原因のようで、注油し何度も動かすことで解消しました。

XEの持病のようです。


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XEにはフィルムカウンターが後ろについてます。

上の細長い窓はフィルムシグナルと称し、フィルムを入れると赤い指標が現れ装填中を表し、巻上げ/巻き戻しに応じて移動し教えてくれる親切設計。


外装品のクリーニングをすませると、整備済みの部品を組みつけて行きます。

露出関係の最終チェック、光学系のピントチェックを済ませると、晴れて修理完了です。

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お疲れ様でした。


次回からの機種は未定です。

お楽しみに。





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当店では、良いものを長く、愛着を持って大切にされるお客様の気持ちになり、真心をこめて修理致します。

              カメラ修理工房 ミノハ

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camera_repair_minoha at 11:20|PermalinkComments(0)

2010年01月26日

カメラ修理 ミノルタXE 其の五


こんにちは。

minolta XE の続きです。



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前板/ミラーボックスを上から見たところです。

スクリーンが見えるその上にごま塩状の模様が見えますが、これが劣化して変質したモルトです。

プリズムと枠の間に貼られているのですが、これが悪さをしてプリズムを腐食させてしまいます。

重度の場合、XEの場合ファインダーの下側1/3は真っ黒です。

お客様のカメラは正にその状態でした。

手配した中古のプリズムを載せましたが、こちらも軽い腐食があり、進行防止のため洗浄と、見映え向上の処置をしました。

XEの腐食の無いクリアなプリズムの入手は難しいようです。


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プリズム枠と露出計メーターはユニットになっています。

メーター横にシャッタースピードの表示(フィルム)が見えます。

メーターの手前に見えるポールには、レンズからの絞り情報を伝える連動糸の滑車が入ります。



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クリーニングのため全分解。

プリズム枠周りの構成部品です。



続きは次回と致します。





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