>>RICOH その他
2015年09月18日
カメラ修理 RICOH 35 FLEX リコー35フレックス
こんにちは。
きょうは、RICOH 35 FLEX です。
1964(昭和39)年の発売。
リコーフレックスといっても、「35」が入るとおなじみの二眼レフとは違います。
形態は一眼レフですが、レンズシャッターを搭載したモデルとなります。
レンズは固定式。そのため広角や望遠にするためコンバージョンレンズが用意され、前面へ取り付けるようになっていました。
トプコンウインクミラー、コーワフレックスなどと同方式のカメラといえばわかり易いでしょうか。
本機はセレン光電池の針押さえ式プログラムAE機で、マニュアル露光も可能(だったと思います)。
この後CdSを搭載したモデルも用意されたそうですが、OEM用に海外へ輸出されたものの国内では販売されなかったそうです。
この種はクイックリターンミラーと遮光板を持ち、レンズシャッターで光をコントロールするわけですから、おのずと構造は複雑になりますね。
リコーはホームページ上で当時のことを「フォーカルプレンシャッターの技術を戦争による軍需工場化によって失ってしまっていたため、レンズシャッター方式による一眼レフを手がけることになった。」と 明かしています。
各部油切れによる動作緩慢症状により、総合整備一式を行いました。
トップカバーを外したところ。普通の一眼レフと見掛けは変わりません。
レンズ鏡筒はとてもスッキリしています。オート設定や絞り値/シャッター速度はこの小窓で確認します。
写真には見えませんが、鏡筒下側の2個のノブをスライドさせて切替えます。
ペンタプリズムを降ろしたところ。長いメーター指針は定点表示式。
右の赤丸は未チャージ警告標(だったと思う)。
フォーカシングスクリーンは外して洗浄します。
上から覗いたミラー。曇ってかなり汚れています。
ミラーアップ/ダウンの動作が鈍い症状のため、ミラーボックスを外して整備します。
セレン電池裏面に、38.11.4の押印発見。
まずレンズボード部を外します。レンズ鏡筒、シャッターユニットまで一体です(写真上側)。
カメラ本体にはミラーボックスが残ります。
ミラーボックスを外したところ。汚れをクリーニングしたら、油切れの要所に注油します。
普段なかなか修理する機会が少ない機種ですので、興味深く拝見させていただきながら整備を進めました。
横縞に見えているのが降りた状態の遮光板表面です。上写真のミラーはアップ状態です。
当然ですがミラーは降りていないと、ファインダーは真っ暗です。
シャッターチャージされた状態で・・・・・
レリーズすると、まず指針が押さえられて露光が決定。
↓
開いていたシャッター羽根が閉じる。ファインダーはブラックアウト。
↓
ミラーと遮光板がアップする。
↓
決定された露光でシャッター羽根が開/閉して露光完了。
↓
遮光板とミラーが降りる。
↓
再びシャッター羽根が開いて像がファインダーに届く。
といった動作を瞬間的に繰り返すわけですね。なかなか忙しい・・・
各部がうまく連携しないと、具合が悪いわけです。
構造が複雑な分、故障も多かったのではないでしょうか。
レリーズボタンを押すだけで、「機械を操作してるー」と実感できるカメラです。
次回機種は未定です。どうぞお楽しみに。
*********************************************
当工房では、良いものを長く、愛着を持って大切にされるお客様の気持ちになり、真心をこめて修理致します。
国産MFカメラ修理専門
カメラ修理工房 ミノハ
*********************************************
ブログをご覧の皆様へ
いつもご覧いただきまして、誠にありがとうございます。
当ブログでは、お客様からご依頼のあったカメラ修理の様子を中心にご紹介しています。
カメラ修理は、ご自分で分解などなさらず是非プロの修理屋さんにご依頼くださいますよう、お願いいたします。
また、記事の内容や表現等に、工房主の不勉強、無知識による間違いなども多々あるかと思います。
そのようなことがございましたら、どうかご了承いただけますようよろしくお願いいたします。
ありがとうございました(^_^)
工房主
きょうは、RICOH 35 FLEX です。
1964(昭和39)年の発売。
リコーフレックスといっても、「35」が入るとおなじみの二眼レフとは違います。
形態は一眼レフですが、レンズシャッターを搭載したモデルとなります。
レンズは固定式。そのため広角や望遠にするためコンバージョンレンズが用意され、前面へ取り付けるようになっていました。
トプコンウインクミラー、コーワフレックスなどと同方式のカメラといえばわかり易いでしょうか。
本機はセレン光電池の針押さえ式プログラムAE機で、マニュアル露光も可能(だったと思います)。
この後CdSを搭載したモデルも用意されたそうですが、OEM用に海外へ輸出されたものの国内では販売されなかったそうです。
この種はクイックリターンミラーと遮光板を持ち、レンズシャッターで光をコントロールするわけですから、おのずと構造は複雑になりますね。
リコーはホームページ上で当時のことを「フォーカルプレンシャッターの技術を戦争による軍需工場化によって失ってしまっていたため、レンズシャッター方式による一眼レフを手がけることになった。」と 明かしています。
各部油切れによる動作緩慢症状により、総合整備一式を行いました。
トップカバーを外したところ。普通の一眼レフと見掛けは変わりません。
レンズ鏡筒はとてもスッキリしています。オート設定や絞り値/シャッター速度はこの小窓で確認します。
写真には見えませんが、鏡筒下側の2個のノブをスライドさせて切替えます。
ペンタプリズムを降ろしたところ。長いメーター指針は定点表示式。
右の赤丸は未チャージ警告標(だったと思う)。
フォーカシングスクリーンは外して洗浄します。
上から覗いたミラー。曇ってかなり汚れています。
ミラーアップ/ダウンの動作が鈍い症状のため、ミラーボックスを外して整備します。
セレン電池裏面に、38.11.4の押印発見。
まずレンズボード部を外します。レンズ鏡筒、シャッターユニットまで一体です(写真上側)。
カメラ本体にはミラーボックスが残ります。
ミラーボックスを外したところ。汚れをクリーニングしたら、油切れの要所に注油します。
普段なかなか修理する機会が少ない機種ですので、興味深く拝見させていただきながら整備を進めました。
横縞に見えているのが降りた状態の遮光板表面です。上写真のミラーはアップ状態です。
当然ですがミラーは降りていないと、ファインダーは真っ暗です。
シャッターチャージされた状態で・・・・・
レリーズすると、まず指針が押さえられて露光が決定。
↓
開いていたシャッター羽根が閉じる。ファインダーはブラックアウト。
↓
ミラーと遮光板がアップする。
↓
決定された露光でシャッター羽根が開/閉して露光完了。
↓
遮光板とミラーが降りる。
↓
再びシャッター羽根が開いて像がファインダーに届く。
といった動作を瞬間的に繰り返すわけですね。なかなか忙しい・・・
各部がうまく連携しないと、具合が悪いわけです。
構造が複雑な分、故障も多かったのではないでしょうか。
レリーズボタンを押すだけで、「機械を操作してるー」と実感できるカメラです。
次回機種は未定です。どうぞお楽しみに。
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当工房では、良いものを長く、愛着を持って大切にされるお客様の気持ちになり、真心をこめて修理致します。
国産MFカメラ修理専門
カメラ修理工房 ミノハ
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ブログをご覧の皆様へ
いつもご覧いただきまして、誠にありがとうございます。
当ブログでは、お客様からご依頼のあったカメラ修理の様子を中心にご紹介しています。
カメラ修理は、ご自分で分解などなさらず是非プロの修理屋さんにご依頼くださいますよう、お願いいたします。
また、記事の内容や表現等に、工房主の不勉強、無知識による間違いなども多々あるかと思います。
そのようなことがございましたら、どうかご了承いただけますようよろしくお願いいたします。
ありがとうございました(^_^)
工房主
camera_repair_minoha at 22:22|Permalink│Comments(2)│
2009年09月20日
カメラ修理 リコー オート35 (RICOH AUTO 35)
こんにちは。
今日は、RICHO AUTO 35 をご紹介します。
初めて見たとき、昔のSF映画に出てきそうなカメラだなと思いました。
設定したり調整するダイヤル類が見当たらないし、シャッターボタンの位置も形も変わっている。
コンセプトモデルのようなフォルム。
トリガータイプのフィルム巻上げレバーや巻き戻しノブはカメラ底面に収容。
ファインダーから眼を離さずに撮影できるメリット?というより、カメラ上面をシンプルにまとめたかった?
裏蓋には、フィルム銘柄に合わせた感度の設定表。
鏡筒のグレーのリングを、フィルム銘柄の番号に合わせれば撮影OK!
AUTO HALFの35mm版です、まさにAUTOだ。(スプリングモーターはないけど)
発売は1960(昭和35)年、レンズはリケン リコー40mm/F4。
シャッターはセイコー500型で、シャッタースピードは1/30~1/400秒でした。
発売当時、市場の反応は冷やかだったそうです。
当時価格¥11,500-
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当店では、良いものを長く、愛着を持って大切にされるお客様の気持ちになり、真心をこめて修理致します。
カメラ修理工房 ミノハ
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今日は、RICHO AUTO 35 をご紹介します。
初めて見たとき、昔のSF映画に出てきそうなカメラだなと思いました。
設定したり調整するダイヤル類が見当たらないし、シャッターボタンの位置も形も変わっている。
コンセプトモデルのようなフォルム。
トリガータイプのフィルム巻上げレバーや巻き戻しノブはカメラ底面に収容。
ファインダーから眼を離さずに撮影できるメリット?というより、カメラ上面をシンプルにまとめたかった?
裏蓋には、フィルム銘柄に合わせた感度の設定表。
鏡筒のグレーのリングを、フィルム銘柄の番号に合わせれば撮影OK!
AUTO HALFの35mm版です、まさにAUTOだ。(スプリングモーターはないけど)
発売は1960(昭和35)年、レンズはリケン リコー40mm/F4。
シャッターはセイコー500型で、シャッタースピードは1/30~1/400秒でした。
発売当時、市場の反応は冷やかだったそうです。
当時価格¥11,500-
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当店では、良いものを長く、愛着を持って大切にされるお客様の気持ちになり、真心をこめて修理致します。
カメラ修理工房 ミノハ
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camera_repair_minoha at 17:42|Permalink│Comments(0)│