オリンパスM-1
2010年03月02日
カメラ修理 オリンパス M-1 其の六(最終回)
こんにちは。
OLYMPUS M-1 の続きです。
シャッター後幕の交換も無事終了し、お預かりしていたカメラが息を吹き返します。
修理屋にとって、日常ではありますがやはり嬉しい瞬間ですね。
思い通りに完了した修理では、充実感や満足感が得られます。
これがまた、麻薬みたいなもので・・・・・(例えが不謹慎でした)
ここで、MとOMの相違点を2点ほど。
M-1にあって、OM-1にない機能の1つとして、「低照度自動警告スイッチ」があります。
これは、露出計のスイッチがOFFであったり測光保証範囲外の時に、露出を合わせようとしてもメーター指針が中央の適正露光位置を飛び越えて(合わせられない様にして)教えてくれる機能です。
OM-1でも極初期の物には搭載されているようです。
筒状のメーター側面に四角い穴がありますが、ここに電気接点が見えるのがM-1です。
OM-1は穴だけで接点は省略されています。
レンズキャップをしたまま、絞りが開放状態だとスイッチが入ってしまうような気がして、電池消耗が心配になってしまうのですが・・・・
(もちろんシャッタースピードの設定にもよると思いますが)
もう1点はフィルム室で、撮像枠周囲の、フィルムガイドピンの数がMは4本、OMは2本。
それにともないフィルム圧板の長さが、OMの方が長くなっています。
実は、その外にも沢山相違があるのですが、その内容についてはOMのファンサイトなどで詳しく紹介されていますので、興味のある方はご覧になってみてください。
無事修理が完了し、お客様のお手元に戻りました。
さて、次回の機種は未定です。
お楽しみに。
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当店では、良いものを長く、愛着を持って大切にされるお客様の気持ちになり、真心をこめて修理致します。
カメラ修理工房 ミノハ
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2010年03月01日
カメラ修理 オリンパス M-1 其の五
こんにちは。
OLYMPUS M-1 の続きです。
ガバナの調整も終わり、あとはモルト類の張替えをすれば組上げて完了というところでした。
お客様からは、撮影時光線カブリする症状を、実際の写真やフィルム同封で修理依頼をいただいておりました。
複数枚の写真には、被写体の上に、光の川が蛇行したような軌跡が写り込んでいたのですが、よく確認もせずに、モルトの劣化によるものと決め付けておりました。
ところが作業中に、シャッター後幕に極小のピンホールを発見。
確かに巻きぐせが付いているのは分かっていたのですが、まさか穴が開いているとは・・・・・
経験不足を痛感した一瞬でした・・・・・
これではシャッター幕交換しか手がありません。
MやOMの、シャッター幕を引っ張るリボンには、丸断面のヒモ状の物が使われていて特殊なのです。
これは、カメラの寸法を低くする為考えられたそうですが、幕を製作する材料が手元にありません。
幸い修行時代に、バラした中古品から外した良品の幕が手元にあったのを思い出し、それを使わせていただきました。
お恥ずかしい話、このタイプの幕交換は初めてでしたが、元通り復元することが出来、ホッと胸をなでおろしました。
続きは次回と致します。
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カメラ修理工房 ミノハ
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2010年02月27日
カメラ修理 オリンパス M-1 其の四
こんにちは。
OLYMPUS M-1 の続きです。
スローシャッター整備の為もあり、前板・ミラーボックスを取り外します。
ミラーボックスは、レンズマウント部/セルフタイマーユニット/露出計メーター/Cds及び電気回路基板/接眼レンズなどが付いたまま一体で外れます。
ボディ本体には、丁度ミラーボックス下部に収められているシャッターのガバナ機構が残ります。
この状態でもシャッターを切ることが可能ですので、ガバナの整備が行なえます。
外したミラーボックスを背面から。
レンズマウント部と露出計のメーター間には、連動糸が張られています。
このカメラは、マウント部にシャッタースピードダイヤルが組み込まれているタイプです。
連動糸やギア類が複雑に組み合わされており、レンズ開放値、絞り値の情報などを伝達する大切な部分ですから、ここの分解には細心の注意をはらう必要があります。
シャッターユニット。
右上方がスローガバナ。
お気づきですか?
シャッター後幕が、かなり傷んでいるのが分かります。
続きは次回と致します。
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カメラ修理工房 ミノハ
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2010年02月26日
カメラ修理 オリンパス M-1 其の三
こんにちは。
OLYMPUS M-1 の続きです。
降ろしたプリズム。
白くモヤモヤした部分が腐食しているところです。
アルコールでモルトを綺麗に拭き取った後遮光の処置をします。
モルトを取り去ってしまえば、これ以上腐食する心配はありません。
この状態ではOM-1との見分けは付きにくいですが、目立つのはファインダーの押さえスプリング、そして吊り環の形状くらいでしょうか。
M-1オリジナルの吊り環はおむすび型。
OM-1では丸になりました。
裏蓋を開けたところ。
写真の中央部分、シャッター幕のテンション調整ギアが見えますが、この部分には後からワインダー(モータードライブ)との電気接点部品がのっかってくるのですが、すでにスペースと、取り付けネジまで準備されているのが分かります。
続きは次回と致します。
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カメラ修理工房 ミノハ
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2010年02月24日
カメラ修理 オリンパス M-1 其の二
こんにちは。
OLYMPUS M-1 の続きです。
トップカバーを外しますと、お決まりのようにプリズム上の劣化したモルトが目に入ってきます(写真のゴマ塩状のところ)。
これは、プリズムと接眼レンズ間の遮光・防塵のための処置と思われますが、40年近くの経年により加水分解された状態といわれ、プリズムの銀蒸着を腐食させる原因となります。
ファインダーを覗いて、下部1/3くらいにV字状に発生する汚れは、この症状のためです。
メーカーでは、修理や調整のたびにカメラから除去したそうですが、腐食のないプリズムを搭載したM-1やOM-1はよほど運が良かった物か、載せかえられている物が多いようです。
シンクロジャック部分を外すと、ご覧のような状態。
丁寧に劣化モルトを除去します。
ちなみにM-1とOM-1では、ロットにもよるかもしれませんがプリズムの固定方法が違っており、M-1ではコイルスプリング4本で押えていますが(1、2枚目写真)、OM-1では上写真のように板バネで押える方法に変更されています。
幸いお客様のカメラのプリズム腐食は軽微でしたので、これ以上進行しないよう処置、清掃・遮光タッチアップを施しました。
腐食がひどい場合は交換、又は専門業者により再蒸着を施すこととなりますが、M-1(OM-1/2も同等)純正プリズムの良品確保は困難で、他機種のプリズムに換装する場合などケースバイケースです。
お客様とご相談させていただき決定させていただいております。
続きは次回と致します。
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カメラ修理工房 ミノハ
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