尾久 守侑って、読めない

詩を書いています。 第一詩集「国境とJK」(思潮社)絶賛発売中! http://amzn.asia/2gfT7A7

昨晩、帝国ホテルというとんでもなく豪奢な洋館に招待されたので行って参りました。

というと、そんな立派な洋館に招待されるなんて、ついに爵位を取られたのですか!おめでとう存じます!尾久先生は日頃の行いが素晴らしいからなぁ、スターバックスコーヒーで店員に聞かれてもいないのに「キャミーユです」とか自分の名前を名乗って欧米感を醸し出したりしないしなぁ、本当に徳が高いよなぁ、あー、今日はめでたい!なあ母さん、今日は鯛を買ってきてくれ!さあ、みんなで尾久先生を胴上げしよう、せーの!わーっしょい、わーっしょい、わーっしょい、わーっしょい

と脳内で空想していたら、知らぬ間にちょっと小声でわーっしょいと声が出ていてマンションのエレベーターホールで隣人に奇妙な目で見られてしまいました。

なぜ、そういった豪奢な洋館に招待を?あなたのようなボンクラ人間が?と言って思い出すのは以前椿山荘について書いた記事ですが、今回は決して勉強会などではありません。食事に招待されたのです。

というと、先程からお言葉は慎まれているが、まさかこんなところには書けないようなご身分の方からの招待?海の王子?あー、それ以上はお言葉にされないでください!空気の振動が高貴すぎて、耳が融解してしまいそうです!

と邪推する人がいるかもしれないがそんなこともありません。

帝国ホテルのレストランでひらかれた、前職場の新人の歓迎会に参加しただけなのです。

つまり今自分は、ちょっと自分をいい感じに見せるために、あたかも帝国ホテル側から直々に招待されたかのような書き方をしてしまいましたが、実際はただ後輩から来てくださいと招待が来たために、帝国ホテルに食事に来ただけのです。自分は好感度アップのために文脈のトリックを使って皆さんを騙そうとした、とんでもない極道者です。許してください!許してください!

そう叫びながら参加者全員に謝って回っていたところ、まだ何も口にせぬままに散会となってしまいました。

その後は、俗にいう2次会、俗に言わなくても2次会というものをホテル近隣で執り行いました。銀座、というと聞こえはいいですが、この近傍にはコリドー街というたいへん恐ろしい街が隣接しており、そこには足を踏み入れないように注意してすごしました。

コリドー街、というのは以前先輩に連れられて間違えて迷入したことがありますが、ワイシャツのボタンを3つもはだけたようなイケてるオーラ全開のサラリーマンが1万人くらい大挙して、道行く女性に声かけ行為を持続性に行い続けているという身の毛もよだつ絶叫スポットです。

なかでもなんとかという居酒屋は、朝の井の頭線渋谷行きくらい混雑した店内で、言語発生以前の喃語のような音声を発する女性と、ワイシャツのボタンを3つもはだけたようなサラリーマンが「なにそれめっちゃかわいいやんかー!」「ウイーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」「フォオオオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」などと大声で絶叫している、例えて言うならばこの世に突如として出現した地獄で、自分は二度とこのような地に足を踏み入れることはないようにしようとその時固く神に誓ったのでした。

昨晩はそういった怖い目にも遭わず、無事に家にたどり着き就寝し、そして起床してこれを書いているただの暇人なのですが、ふと、先ほどスーツに着替えている最中に、「もしこのボタンを上まで止めなかったら……」という邪悪な考えが浮かび、ワイシャツのボタンを3つもはだけたような格好のまま、虚空にむかって「なにそれめっちゃかわいいやんかー!」と少し大きめの声で言ってみてやっぱり自分とは違う世界の話だと感じ、今日も清潔感のある着こなしで仕事に行って参ります!
#暇人#帝国ホテル#めっちゃ綺麗やった#てか#料理の話書けや笑#それはそうと#みんな入職おめでとう#俺も仕事#頑張る#たすけてくれ!#インスタグラム星人に#身体を乗っ取られてしまった!#たすけて!#ハッシュタグが!#とまらない!#みんなも早くにげて!#インスタグラム星人に身体を侵食されてしまいそうだ!#早くログアウトするんだ!#あああああ#インスタグラム星人に消されてしm#最高の仲間#絆#仲間に恵まれてるなって思った 

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Reference 1) http://www.imperialhotel.co.jp/j/tokyo/wedding/concept/concept.html
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 ユリイカ5月号に詩「サラサラ」を寄せています。よかったら読んでください。

国境とJK』もよろしくお願いします。 

では。 

最近、詳細はよくわからないのですが、海の王子という人がすごく注目されているらしく、星の王子様みたいで非常にいいなあと思っています。

魚や甲殻類、人魚姫といった魚介類がたのしく暮らす海底の世界の王子様、そういう印象があって、例えばディズニーのアニメ映画かなにかなのではないかなあと思っています。

これがもしジブリ映画という種類になるともっと哲学的な概念が持ち込まれて、海洋汚染とかそういう社会的問題にさらされ、人間と戦いつつも、人魚姫などの魚介類と静かに愛を育むような、そんな話になりそうですし、サンリオピューロランドというアトラクション施設のアニメーションだったりすると、もっとキャラクターが単純化して朴訥とした「るるるるるプリンス」みたいな雑なネーミングの王子になりそうな気がします。

と思って「海の王子」をGoogleという検索サイトで調べて驚愕しました。

驚愕しすぎて脳が混乱し、気が付いたら四谷三丁目の交差点で異様に爽やかな顔つきをしながらタンクトップを着てエアロビクスを踊っていました。

なんと海の王子は実在の人物で、しかも複数いるらしいのです。

いちばん驚愕したのは、「海の王子」とは湘南藤沢の観光大使の異名だったということで、海って湘南の海かい、と思ったわけです。

しかし、ただの観光大使であれば観光大使と単純に呼べばいいわけで、これは偽りの情報と考えるべきでしょう。仮にも王子と呼ばれるくらいですから、実際に王位になくても男爵とかそういった貴人しか就任できない役職のなにかなのだと思います。

そうするとやはり、男たるものなんらかの王子になりたい、という欲望が湧いてくるのを強く感じます。いますぐに王子になりたい。必ず王子になりたい。そう強く念じ続けていたら再び脳が混乱し、気が付いたら四谷三丁目の交差点で異様に爽やかな顔つきをしながらタンクトップを着てエアロビクスを踊っていました。職場が近いので行動には気をつけたいのですが。もっと柏とか関係ないところで踊りたいものです。

ひとまず、「貴人でなくても王子になる方法」が知りたいと思い、カッコ内をそのままGoogleという検索サイトでサーチしたところ、なぜかマドンナ古文という、マドンナを自称する女性教師が古文を教えるという怪しいサイトにとんでしまったので、振り込め詐欺の人から電話がかかってきたらどうしようという不安を抱えつつ、ここは何かで有名になればいいのではないかと思いました。

たとえばハンカチ王子という人がいて、もういまはなにをしているのか全く知りませんが、かつて甲子園で優勝した高校のエースピッチャーの異名だと記憶しています。あの人はたぶん爵位とかはなかったような気がするのですが、高校野球という男の体育会!という雰囲気のなかで、一人涼やかにマウンドで汗をハンカチで拭う姿が、あたかも貴人のようだ、と思われてハンカチ王子という名前がついたのだと思います。

それからスシ王子!という堂本光一主演のドラマがあって、これは内容をぜんぜん覚えていないのですが、堂本光一が「お前なんか!」と言うと「よっ、スシ王子!」と合いの手が入り、再び堂本光一が「握ってやる!」と意味不明の決め台詞をいうようなドラマだったと記憶しています。これも貴族とは関係なさそうです。

ということを加味した上で、自分はいったい何王子になればいいのだ、と一日中考え、「自分とは」、「自分らしさとは」という哲学的な概念まで突き詰めて考えているうちに、四谷三丁目の交差点で魚や甲殻類、人魚姫、るるるるるプリンスなどと一緒に異様に爽やかな顔つきをしながらタンクトップを着てエアロビクスを踊っていて、そうかエアロビ王子という手があったか!と叫んでみて、やっぱりないかな、とちょっと小声で呟いてとぼとぼJR四ツ谷駅方面に歩いています。今。

hoshinooujisama

1)星の王子様

Reference
1) http://wwws.warnerbros.co.jp/littleprince/

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国境とJK』もよろしくお願いします。 

では。 

今日は誕生日でした!

サプライズで誕生日会を計画してくれたリョータ、わざわざケーキ作ってくれたさゆぽん、子どももいて大変なのに来てくれたゆっぴ、そしていつもくだらないことばかり言ってるけど友達思いのイッチーと大田、今回はこれなかったけどロスからSkype参加してくれた俊樹さん、そして前人未到の7留中の我らがゆーたそ先輩、ありがとうございました!

本当にぼくは仲間に恵まれてるなって思います!今日は楽しみましょう!






と叫んで目が覚めたのが午前11時でした。

いったいあの架空のホームパーティーはなんだったのだ。リョータとかさゆぽんとか誰なんだよ。

そう怒りながらPCを開くと、本当に誕生日おめでとうメッセージがたくさん届いており、今日が誕生日ということは事実なのだなと認識しました。

しかしいくら瞑想しながら時が経つのを待っても、誰かがサプライズでcreative office(要は自宅のこと)の呼び鈴をならして部屋に侵入し、

「ういーっす!誕生日なのに何してんだよ、早く着替えて飲み行くぞ、西麻布のダーツバー貸し切ってあるから!」

と言って去っていく、みたいなことは全然起らないし、テレビをつけても「今日は尾久さんの誕生日です。みてください!このすごい人だかり!今日28歳の誕生日を迎えた尾久さんの姿を、一目みようというファンが戸山公園に続々と集まってきています!<街頭インタビュー>(徹夜で並んでます、やっぱり誕生日にみないと意味ないかなとおもって)(青森からです!え、めっちゃ好きです!やばいやばい!)<ナレーション>しかし、近隣からは苦情の声も(なんだか知らないけど若い子がキャーキャー言って、こっちは普通の日曜ですからね)(気持ちはわかるが、マナーは守って欲しい)<スタジオ>まあすごい人気ですよね、ここまでの尾久さんの生い立ちをフリップにまとめました。」

といった番組がサプライズで放送されているということも全くない。

もしかして!と急に思って窓をあけて外を覗いてみたものの、誰かがサプライズで出待ちをしているということもない。なにかが変だ。

はっはーん、わかったぞ、テレビの企画だな。こうやって過ごしているうちに乃木坂46やなんかのメンバーがとつぜん壁を破って現れて、驚愕している自分の顔がニコ生でストリーミング配信されるのだろう。サプライズで。仕方ないな、少しは企画に乗ってやるか。

そう思って一人で「35億」と艶っぽくつぶやいて上裸で振り返ってみせたり、脈略なく平成ジャンプの歌を歌ってみせたりしたのですが、いつまでたっても乃木坂46の人が壁をぶち破って部屋に闖入してくることはありませんでした。

どうなってんだよ一体、とつぶやいて買い物にでかけたところ、身元不明のカープ女子5人くらいにサプライズでいきなり体当たりされて肩を脱臼しかけたり、ピザを注文したのにヤンニョムチキンという謎の料理がサプライズで運ばれてくるといった事故に遭ったり、なんだか災難なので、creative officeに帰宅してクリエイティブな作業な従事しようと思ったのですが、なんとなくテレビをつけたらサプライズで始まった大食い爆食女王決定戦を見続けているうちにサプライズで誕生日が終わりそうだということに気がつき、慌てて自室で「涙サプライズ」をサプライズで踊ったりして誕生日感を盛り上げてるという、そういう次第です。はい。




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では。 

最近、職場で皆が真剣な議論をしている横で「ああああっ、もうお腹が空いてガマンできないよおおお」と突然叫んで菓子パンをむさぼり食べたり、「大変な急ぎの用事を思い出した、早く帰らないと」というような切迫した顔つきで帰宅して、天才テレビくんやなんかを寝転がって視聴したり、creative office(要は自宅のこと)にこもってよく行くナチュラルローソンの店員のモノマネを練習したりといった奇行を繰り返しており、いよいよもって大丈夫なの?と妻にも心配されるようになりました。

でもよく考えたら自分に妻はいないし、ここには自分一人しかいないし、じゃあさっきの妻というのは誰なんだろう。もしかして、creative officeは時空の裂け目で、5年後の未来と繋がってる?タイムリープ?え、、、俺、、、なんで泣いてるんだろう。

というほどのことはないものの、なんとなく違和感は感じており、おそらく原因としては、4月に職場がかわって、多くの人と会話をするようになったからではないかと思っています。

3月までは、自分の担当している人、および担当ナース、医局の席が近い人、くらいとしか会話をせずに、総発話量よりもTwitterなどでつぶやいている語数のほうが多いのではないかと思うくらい寡黙に、竹野内豊とかをちょっと意識しながら渋く生きている感じでした。


psycho-doctor

しかし今となってはどうでしょう。大学なので指導医、後期研修医、初期研修医、学生が複数名ずつ渾然一体となって職場を埋め尽くしており、その全員と常に喋り続けている感覚に襲われています。

あんなに竹野内豊を意識した大人の落ち着いた男を目指して日々生きていたのに、いまの状態では誰も僕をみて竹野内豊を意識して生きていると思うことはないでしょう。(まず顔が似ていない、という暴徒化した民衆の声が聞こえます。)

そんなこんなで竹野内豊は諦めて、未来には希望がある、青空には夢がある、僕たちは今日も生きて行く、ハッシュタグをつけて生きて行く、最高の同期に巡り合えて感謝!みたいな爽やかな青春ソングを歌っている人のような顔つきをして毎日を暮らしているのですが、やはり学生と喋っていると、ふいに自分が学生だったころを思い出します。

そこで、ある重大なテーマを自分は何年も棚上げにしていたことに今日気がつきました。今日はこれに回答したいと思い、約7年前に更新したmixi日記を転載します。


慢心先生編集する
2010年10月08日09:57友人の友人まで公開
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最近とても気になっていることがある。

気になりすぎて毎日6時間、休みの日でも11時間くらいしか寝れず、大変な睡眠不足になってしまった。 

一体何をそんなに気にしているのかといえば、呼称についてである。 

何故臨床の先生は学生のことを「先生」と呼ぶのだろうか。 

(ちなみに臨床の先生というのは普段は患者さんを診察しているお医者さんのことである。)

例えば、以下のように呼ばれる。 

「あれ、先生早いね。出席とるから名前を教えて。」

「先生たちに今日覚えて帰ってもらいたいのはね…」

「じゃあ後ろの赤い服の先生はどう思う??」


それも1%くらいの人が言うなら分かるが、講義に来る人来る人誰もが我々を先生呼ばわりするのである。

これは一体どういうことなのだろうか。 

まず自分は医者ではない。何も尊敬されるところのない、ただのあほんだらである。 

しかも将来的に医者にならず、わらび餅販売をして生計を立てたり、突然ゴスロリに傾倒して「東京カワイイTV」に出演するなど、およそ医学と関係のないことをしているかもしれない。 

それにも関わらず毎日先生呼ばわりされてオギュウさんはどう思っているのだろうか。不愉快に思っているのだろうか。 

といえばそんなこともなく、むしろ愉快である。 

先生呼ばわりされて、なにか自分がとても偉いような、天才かのような気分になるのである。

なんの躊躇いもなく、随意に1グラム1000円の肉で焼肉をしたり、ハイヤーで通学したり、チャン・ツィーのようなとんでもない美人と豪遊したりしてもいいような気がしてくる。 

しかしこんな慢心が身を滅ぼすのであり、非常に危険なので、もはや医者や医学生を先生と呼ぶのは直ちに停止したらいいと思う。 

具体的には学生のことは動物呼ばわりし、医者には不遜な態度で接するのはどうだろうか。 

学生に対して先生は、 

「それじゃあそこのオランウータン、答えてみて」

などと呼び、学生は先生に対して 

「うっせー、キモいんだよ」

などと言う。一切慢心は生じないやり取りである。 


先生「おはよう、猿のお嬢さん」

学生「黙れカス野郎」

先生「今日は脳波について勉強します。大脳が人間よりも大分小さい皆さんにも分かるように説明しますね。」

学生「早く帰れよインドア野郎、お前の声が俺の聴覚野に入ると頭が痛くなるんだよ」

先生「おやおや、餌が足りませんでしたか??犬用ビーフジャーキーでも食べますか?」




来週の水曜日に教授会に出席するので、是非提案しようと思っている。 

ところで慢心してはいけないので今日の昼は節約して出前の寿司を5万円以下に収めようと思う。 

という話を友達に話したら殴られてそれから意識がずっとない。 


学生時代の文章で一部表現が不適切だったのでそこだけ修正したが、まあこんな日記を書いていた。今日のブログはこの日記に対するアンサーソング的な位置づけである。

医者になったいま、自分にもう一度問おう。



なぜ臨床の先生は学生のことを「先生」と呼ぶのだろうか。




答えは簡単で、「ただの言い間違い」である。

場合にもよるが、名前を呼ぶのが面倒だからか、名前を忘れているからか、後輩医師を「先生」と呼ぶことが、正しいかどうかは全く別にして世間一般にままあり、その延長線上で呼んでいるケースが多い気がする。

まあ別にいいか、と思ったのだが、学生のときの自分が書いたこの日記を見ると「先生」と呼ばれて、言っているほうが思っているよりも調子に乗っている様子であり、そういった慢心が、病棟実習がはじまったばかりの医学部5年生が、「あー実習きついわー」と言いながら、今までは定刻に行っていた部活にちょっと遅れて登場し「おう、1年生?よろしくね、まあこんな部活だけど気軽に見て行ってよ、俺はもう実習づけでボロボロだけど(笑)」などと先輩風をふかせるという医学部特有の現象を助長する恐れがあるので、明日から気を引き締めて学生と接したいと思ったり思わなかったり、ないしはそのどちらでもなかったりしている。


ユリイカ5月号に詩「サラサラ」を寄せています。よかったら読んでください。

国境とJK』もよろしくお願いします。 

では。 

GWなので当直行為ということをしてみたり、実家に帰ったりしているのですが、やはり実家に帰った時というのは、せっかくなので日頃のワークを放擲して、録画したテレビドラマを見続けたり、ケーキ菓子を食べたり、ダンスダンスレボリューションで遊んだりしたいなあといつも思います。

ダンスダンスレボリューションというゲームは子どもの頃随分流行ったけれども、たぶんどこかにいってしまったので、仕方なく録画したテレビドラマでもみようかな、と思ってハードディスクを立ち上げて驚愕しました。

そう、もう自分は何らのテレビドラマも視聴していない、ということに気がついたのです。

幼い頃から自分はテレビドラマの鬼でした。連続ドラマが始まるシーズンの前には必ずザ・テレビジョンなどの雑誌を購入して、どのドラマを見るか吟味したり、俳優や女優の顔同士が矢印で結ばれて、そこに(気になる上司)(対立)(元恋人)(気に入らないがお互いの仕事ぶりは尊敬)(好き)(?)といった文言が書かれている人物相関図をなるほどなるほど、と頷きながら何時間も眺めたりしたものでした。

自分が外でサッカーをしたりせず、また電車や乗り物を見たいと言ったりもせず、ひたすら録画したドラマを視聴し続け、そのクールの間じゅうドラマの登場人物のモノマネを一日中し続けているのを見て、家族は絶望していたと思いますが、なにはともあれそういった生活は、幼稚園のころから大学を卒業するくらいまでは波はあれど持続しました。

ところが社会人になって実家を出てから状況は激変しました。

夜間に労働することが多くなったため、また部屋においたテレビに録画機能がついていなかったため、テレビドラマを視聴するということが、ほぼなくなってしまったのです。

例えば以前の自分であれば「逃げ恥」という国民的人気ドラマを視聴していない、などということは到底考えられませんでした。「恋ダンス」が踊れない、そんなことが現象として起こるということ自体がありえないことだったのです。

「恋ダンス」はおろか、本来はそういうブームを狙って仕掛けられたけど全く売れなかったドラマの誰もやってないダンスとかまで踊れたはずなのに、今では見る影もありません。

以前の自分であれば、ザ・テレビジョンを読んだ時点で、もし「逃げ恥」を視聴しないという選択をして、後からヒットした、ということが分かった場合、自分の眼の不確かさに絶望して家出をしたり、盗んだバイクで走り出したり教室の窓ガラスを叩き割ったり、ドリンクバーの列で幼児を抜かして先にカルピスを注ぐといった非行に走ったりしていた可能性が極めて高く、要はまず「逃げ恥」を見落とすということはなかったわけです。

それが今となっては、周囲の人間に「逃げ恥」面白いからみたほうがいいよ、と勧められてしまうような体たらくなのです。

今回実家に帰り、そういうとても情けない状況を思い出してしまってとても落ち込みました。しかも、追い打ちをかけるように家族から「あなそれ」という自分の知らないドラマが今クールは流行るだろうという予想や、「リバース」という藤原竜也主演ドラマの話を聞かされて、プライドは傷つき、いっそう落ち込みはひどくなりました。

もうこうなったらいっそ、creative office(当家のこと)のテレビにも録画機能をつければいいのではないか?そこで「あなそれ」でも「ボク、運命の人です」でも「おんな城主直虎」でもなんでも録画して見ればいいではないか、そう着想しました。

タイミングのいいことに今日はドラマ好きで高校時代からよくドラマの話をしていた友人と会う予定なので、今クールの所感などといったところも聞いてみようと思っています。

まあこんなことを言っていると「ドラマを見る暇があったら今日みた症例について文献にあたりなさい」とか「というかそろそろ原稿を送ってください」とか「早く調べた論文スプレッドシートにまとめてくれよ」とか「もうっ、私と遊びに行くって約束はどうなっちゃったの?ひどいなー(これは妄想)」とか、「今日午後から外来だけどそろそろ家を出なくて大丈夫?」とか、






「今日午後から外来だけどそろそろ家を出なくて大丈夫?」とか、








大丈夫じゃないですね。行って参ります。

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Reference 1) https://thetv.jp/


ユリイカ5月号に詩「サラサラ」を寄せています。よかったら読んでみてください。

国境とJK』まだお読みでない方はぜひ。 

では。 

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