portman (23)portman (24)portman (2)portman (5)portman (9)portman (6)portman (3)portman (4)Portman


























上海でタクシーの運転手さんにカタカナでポートマンと言っても伝わる数少ない建物です。いろいろな呼び方がありますが上海商城でもOKです(発音難しいけど)。上海に住んでいるとなぜこのビルがポートマンと言うか気にもしないものですがこの名前は設計者ジョンポートマンから取っています。地下鉄二号線 南京西駅と静安寺駅のちょうど中間にあります。このエリアは高級ブティックがある上、北側は夜間不良外人のたまり場になっている上海の中でも特に外国のにおいがあるエリアです。

さて本題。上海ポートマンは現在建てられている高層ビルに比べてもクオリティが非常に高いためあらためてご紹介いたいと思いました。1990年竣工 設計はジョン・ポートマン・アソシエイツ https://www.portmanusa.com/en/?lite_escape=1
首題にもあるように施工は日本の鹿島建設です。現在では外資系(日系含む)ゼネコンは外資の建物しか建てられません。外資には土地の売買に規制があるので、自動的に日系ゼネコンは超高層建築がほぼ建てられないことになります(瀋陽和平は特別)。しかしこの時代は中国に超高層建築の技術がないので日系が入って請けていました。この建物の他、虹橋公寓:フジタ。国際貿易センター・花園飯店:大林組。上海森ビル:前田建設など2000年初頭までは日系が活躍していました。(上海環球金融中心は清水建設が最後までやっていないので除外)。

航空写真からわかるように建物は北側中央に1棟、シンメトリーで左右に1棟づつコの字型の配置で合計3棟でできています。外装はコンクリートパネルに塗装でガラスはブロンズカラーの熱線吸収ガラスです。サッシはアルミでアルマイト塗装がされています。
中央は48階建。この棟にはリッツカールトンが入っています。新しい建物がどんどんできる中、リッツがずっとここに入り続けることでわかるように、古くはありますが品質がいいことがわかります。この手の重厚感がある高層ビルは中国ではここだけ。日本でも丸の内あたりの開発前のビルにしか見られません。このビルの用途はホテルの他、事務所、住宅、劇場、スーパーマーケットなど。1Fにはお約束通りスターバックスが。

portman (8)portman (10)portman (14)portman (20)portman (17)portman (30)portman (22)portman (21)portman (13)portman (12)portman (11)







































このビルの1F中央部はピロティ。その上は有名な上海雑技団の演舞場があります。上の左の写真はチケット売り場です。意外と人気があって当日入れないこともしばしば。雑技が見れなかったから帰るのではだめ。ちゃんと建物も見て帰りましょう。

IMG_20170622_100036portman (26)portman (25)portman (28)













現場打ちのコンクリート階段。これを当時苦労して打ったんだろうなと当時の担当者をしのびます。裏の入口には中国庭園でよく見かけるデザインが何気なく使われています。壁の上もうねっていますし下には石が。特に上海から蘇州エリアで見られる様式です。アーチのゲートや2Fテラスの手すりにも中国庭園風デザインが使われています。色は当時と同じかはわかりませんが、中国の色彩が採用されています。

portman (32)portman (31)portman (1)IMG_20170622_103023













1F正面はリッツのエントランスです。1泊5万円くらい。私には泊まれない。ふと思うとこのビルにはほとんど鉄(鋼材)らしきものが感じられません。おそらく当時は建築用のH鋼などが中国で作れていなかったためだと思います。中国でできる高層ビル、特にマンションは今もほとんどがRC造です。それは技術の問題もありますがコストの面も大きな要素だと思います。また下手に鉄で作ってしまうと防錆処理(塗装や溶融亜鉛メッキ)や耐火処理も大変。であればコンクリートで作っちゃえ、となっているのだと思います。

IMG_20170622_103227隣では高層ホテルの外装が全面リニューアルされています。ポートマンビルはその必要もないほどの出来栄えなのでしょう。メンテナンスがいいので、古い感じはしません。今風ではないですが重厚感があってとてもいいかと思います。ちなみにこの写真で建物の前に交差している電線はトロリーバスの線です。電線が地下化している中国では日本のように電線や電柱が林立していることはありません。地震がないのにです。
電線がないことで景観が良くなる他、事故も無くなります。日本でも見習うべきかと思います。
電線が地下化していることの理由として電線の盗難防止もあるかと思います。以前銅が足りなくなったとき、電線の盗難が相次ぎました。泥棒が高圧電線を切って感電死したという笑えないニュースがあったくらいです。





2017-06-27 (3)設計士のジョンポートマンはこの建物を契機に上海でいくつかの高層ビルをてがけています。JWマリオットの入っている明天広場ビル、ウエスティンホテル最近虹橋地区にできたショッピングセンター新金橋(APITA)もこの設計事務所です。機会があれば紹介いたします。


IMG_20170623_084500この写真の右の白い建物と左の茶色い建物は何か違うと思いませんか。
同じマンションなのですが、右は外廊下。左は内廊下です。右は日本が設計したマンションなのです。中国では外廊下がほとんどありません。