YU (6)ZA (3)今日の目的地はここ。1周4.5kmの豫園城の敷地ぎりぎりに建っている小南門警钟楼です。別名上海救火連合会火警钟楼と言います。1910年に作られた鉄筋コンクリート造と鉄骨造による火の見やぐらです。
そもそも中国には消防という概念がありませんでしたが租界が発展すると火事も増えてきます。1879年にフランス租界地で大きな火事が発生します。この時には被害が甚大でしたから消防はいずれにせよ導入しなければならないシステムでした。

■小南門警钟楼
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6層構造、最高位35mで当時の上海としてもかなり高い建物でした。何気にありますがコンクリートの彫り込みがありおしゃれに仕上がっています。しかし当初からこの構造だったかは疑問もあるようです。材料はどこから持ってきたのかがいまいちよくわからないためです。上海市の保存指定を受けていますのでそれなりに保存されてはいます。

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現在は警察署(派出所)の敷地となっていて奥には住宅もあり、まだ人も住んでいるようです。これはこれでいい感じに見えてきます。今回は別段怒られなかったのでずけずけと入って写真を撮りました。階段は鉄の棒でできていますがしっかりさび止めしなくちゃね。もったいないですよ。

ネットに昔の写真が出ていました。このエリアは古くは南市と呼ばれ外国人が管理する租界地ではなく中国人が独自に管理していたエリアでした。バラックが立ち並ぶ上海の中でも人口密度の高いエリアでしたし多くが木造で一旦火事が起こると大変なことになることからこのように火の見櫓ができたとのことです。一旦火事を見つけるとこの最上階付けてある銅の鐘を鳴らしました。その音は数キロ先まで聞こえたとのことです。




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建設後は単純に火の見やぐらとしてのみ使用されたわけではなく1911年の辛亥革命時や1927年の武装蜂起などの時には、その合図発信地として使用されたようです。こういった歴史から上海市として取り壊さず現在まで残していると言えます。

年代は1930年ころだと思われる地図と写真がWEBにありました。今回の建造物は上の地図の右下になりますがよく見ると円形の道に沿って電車が走っていることがわかります。映画やドラマで租界時代のシーンでは路面電車が町の中を走っています。最もにぎやかな南京路(旧大馬路)から豫園城まで右上の写真のように走っていたのです。しかしこのような煩雑な状況、一昔前の上海市内の路線バスを思い出しますがこの時代を古き良き上海という人はほとんどいないと思います。外国に管理され、三不管と揶揄され、治安が悪く街中では道端で糞をする人が多く(私も10年程前に見たことがある)家でしたものも外に捨ててしまうなど不衛生で悪臭が立ち込めていたと言います。現在かなりましになったとはいえ中国でのトイレ事情は褒められたものではありません。残念ながらそれも彼らの文化で未だに引き継いでいると言えますし、この火の見櫓を見ていても何となくその雰囲気がしてしまいます。外国人たちがこの地に足を踏み入れ発展が進むと、この不衛生さにはさすがに我慢できなかったと思います。ある意味租界ができ、そちらに避難できなかったら上海には投資が行われず今のような発展もなかったのではないかと思います。

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豫園城エリアの夜の今の風景です。一歩入るとこれが本当にあのきらびやかな上海かと疑いたくなるような風景がまだこのエリアには残ります。歴史とは怖いもので過去のオーラは簡単には消えないもの。かつてはここでアヘンを吸い売春をし賭博があり、召使、港湾労働者、車夫、糞尿処理者、こそどろ、ヤクザ、乞食、ポン引き、殺人犯などあらゆる中国人が隠れるように住んでいました。夜歩くと今尚男でも怖く感じる場所です。
歩いていると川湘(四川料理)のレストランがありました。夜8:00頃でしたが汚く狭い店におっさんたちが所狭しと座りお酒を飲んでいます。ここに住む人たちは立ち退きを迫られ郊外に家が準備されています。そこに移りたい人、このバラックがいいと思う人、人儲けをしようと今もたくらむ人たちが住み
上海の発展の光と影が見え隠れします。きらびやかな上海になったから昔いた人達がいなくなったわけではありません。上海の発展もピークとなりこれから難しい時代に入りそうです。その時に今まで底辺にいた人たちがまた頭を上げてくるかもしれません。

MAPしばらく前に紹介したザビエル聖堂とはこのような位置関係にあります。
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豫園城をお散策される際には立ち寄ってみてください。