中国では国民党=派手で悪い奴 共産党=質素ですばらしい人たち という図式ですが本当にそうでしょうか。。共産党上層部は数千億円の蓄財があるのでなんとも説得力のないことですし、こと残された建築物を見ても前任者の国民党の形跡をたどるとどうもそうとは思えません。


前回(↑)の続きです。
五角場は国民党が計画した近代西洋都市計画だったことは前回で紹介しましたが、日中戦争が激しくなることでとん挫となりました。しかし計画自体はある一定程度進んでいて街路の区画と共に公共建築がいくつか建てられました。体育場、体育館、水泳場、図書館、博物館、病院、政府機関などです。今回はこの中でまずは図書館に行ってみます。

■上海楊浦区図書館
2012年リニューアルオープン。投資額1.8億元(30億円)修復後の総面積 14152㎡ 蔵書数133万冊
外観はお城と思える特徴的なデザインとなっていますがこれも国民党時代のデザインを修復して使っています。元の設計は董大酉。1936年開館。中洋折衷の中国復興様式 上部は朱雀門を模しています。中央から羽を広げた感じがいけてます。

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身分証明書(パスポート又は居留証)があれば日本人でも自由に入場閲覧が可能です。公共図書館ですからもちろん無料。荷物検査は避けて通れませんし貸し出しはしてくれないと思いますが仕方ありません。閲覧室は1Fと2Fで1Fの入り口横にカフェが併設されていて建物の中央の広間には机が置かれ勉強や閲覧ができるようになっています。この広間はしっかり修復され天井や梁の装飾も修復されていますので建築的にもゆっくりと見学が可能です。恐らく古くはここに多くの本が置かれていたのだと思いますが今は増築されたコーナー4つの部屋に本が並んでいます。敷地にゆとりがあるので広々としていて気持ちがいいです。

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一部室内には古くからの外壁を残し修復されていますから建築自体を見るのには非常に興味深い施設と言えます。修復時の資料などが壁に飾られていますので同時に見学するといいでしょう。興味深いのは中列右の写真でドアの欄間部にロートアイアンの朱雀(孔雀?)がデザインされています。この建物が朱雀をモチーフにしたことが感じ取れる部位ですしデザイナーの遊び心や思いを見て取ることができます。

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修復前の様子や資料がありました。

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閲覧室にはアジア文学として日本の作家の本がたくさん並んでいます。もちろんすべて中国語に翻訳されているものです。林真理子などは読んで面白いのかな、著作権は??中国の図書館にはほぼ同じ本が2冊づつあります。借りられてもいいためなのか本の数が少ないのかはわかりません。ただ全体的にどの図書館も開架している本数は決して多くはありません。
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私の興味は2F中央にある五角場の都市計画の資料室です。五角場に関する色々な資料が閲覧できモニターでは概要が流されとても興味深く見ることができますし、現在調査された資料などが保管されていますが今回は細かく見る時間はありませんでしたのでもっと時間を作ったほうがいいと反省です。

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■旧上海博物館
図書館の北側の道を出て東へ100mほど進むと右側には1949年開所の解放軍ゆかりの長海病院があり左側には上海体育学院の門があります。それを通り超えると右の奥に図書館と同じデザインのお城みたいな建物が見えてきます。14号楼と呼ばれています。

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この建物は旧上海博物館です。国民党の都市計画の際に図書館と一緒に作られた兄弟施設です。案内板には1934~35年に作られたと書いてあります。瓦は黄色。実は国民党政府棟は緑色の屋根瓦です。施設によって色を変えたのだと思いますが現在の韓国政府の建物は青瓦。これらの建物を意識しているのでしょうか。また左の写真のように日本の関東軍瀋陽本部(昔は新京)は日本のお城を模していますのでこのデザインをパクっているのか。。図書館が朱雀門でしたのでこちらは玄武門なのでしょう。

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病院ですが自由に入ることができます。入ると天井が修復されていることがわかります。すぐに表れる大きなアトリウムも当時のものでしょう。ひょっとして図書館も当時は吹き抜けだったのかもしれません。床のデザインが興味深いですが貼りものがあって見えないのが残念。

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14号棟の北側には22号棟(研究生楼)があります。この建物も古く国民党時代に作られた上海市病院です。外壁に五福捧寿が彫られているところが中国らしい。

これら施設を見ていると南京で政府機関を作った国民党政府は上海でも外国に対抗できる都市を作りたかったことが見て取れます。台湾にある故宮博物館は中国から持って行った貴重な文物がたくさんありますから保管施設としてもこの施設がを作ることが重要だったことがわかります。1900年前後上海は世界と中国が厳しくぶつかった都市です。この場で租界時代にこれらすごい施設を作っていたと考えると、関わった文化人や政治家はすごい人たちだったのでしょう。ひょっとして文化大革命は共産党が最終支配を確定させるためこういった過去の不要なパイを捨てに行ったのかもしれません。しかし大中華帝国が本当であれば何とももったいない政治闘争だったと言えますね。

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場所は五角場駅から北に3㎞程行ったところです。8号線翔殷路駅から行くのが一番早いかと思います。
上海体育学院には旧国民党政府ります。現在修復中ですので出来上がったら訪問してみようと思います。




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