West Bund整備計画もかなり進行してきました。その中で世界のエース級スターアーキテクトが大型の美術館を設計し最近オープンしました。

■上海西岸美術館 上海市徐汇区龙腾大道2600号
設計:デビッドチッパーフィールド(戴卫·奇普菲尔德)延べ床面積25000㎡ 2019年11月正式オープン。フランスパリのポンピドーセンターとの協力の元5年の計画期間と3年の工期で竣工しています。(Le Centre national d'art et de culture Georges-Pompidou)

data (8)data (1)月曜休館 10:00~19:00 ですが展示内容によって変わります。
常設展は70元です。中国は平日と休日で値段が違いますし最近の美術館は結構高いので調べてから行きましょう。








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外壁は白の結晶化ガラスとALC?かポリカかセラミック印刷したガラスの表面をフッ酸処理したのか、みたいなボードの2種がほぼ全面を覆っています。下にある内照する部分が結晶化ガラスの部位で写真では下層の濃い部分がそれになります。サッシは縦方向にスチールのH鋼のようなものに上から差し込んでいる、日本で言えば仮設の工事現場的な意匠です。外部階段はポンピドーを意識したのかもしれません。

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川側のデッキからは遠くに高層ビルが見え天気のいい日は最高ですが施工が悪いのできれいには見えないのが残念です。外装のパネルもいろがばらばら。床材の石もブラスト仕上げの目に色々なものが付着してしまっていますしノロ水も出てしまっていて悲しい状態です。

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中央ホールは無料休憩所とショップになっていますがまだオープンしたてなので不十分な感じです。列柱が印象的,
かつては工場地帯だったので工場内のイメージを踏襲しているのだと思います。この日は平日でしたがまずまず多くの人が訪れていましたので、上海でも注目のプレジェクトだということがわかります。

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廊下とカフェです。廊下は別段感想はありません。カフェからは外が見えとても気持ちいい。今日は紅茶を頼みましたが1杯400円くらい、最近の上海では平均的な価格です。ケーキもありますがいまいちな感じ。中国の人はこういった所でかなりゆっくりと時間を使いますし、店員さんの白い目もないので日本よりも優雅に時間を使うことができます。この点は大好きです。閉店は19:30

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内部階段です。美術館らしい。ただそれだけの感想ですね。

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展示ルームです。RCの構造体に単純にはめ込んであるという意匠です。左の写真でRC構造体の隙間にコンクリートブロックを押し込んで施工していることがわかります。現在上海で多く採用されている壁の作り方で以前はレンガを詰めていましたが、環境問題で現在はコンクリートになっています。残りの4枚は結晶化ガラスの部位です。外部からの光を内部に取り込んでいます。街路樹の影が映ってきています。

このガラスは当社でも検討可能ですので以下サイトを参考にしてみてください。
Brave Blossoms 桜花
https://www.camsa-bglass.com/b-glass

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夜間は内照しますから結晶化ガラスの部位が非常に重要だということがわかりますが、作り込みが甘いので色のばらつき、照明の配置など全くいけてません。内装の光壁はしっかりできています。なぜこのような差が出ているかまではわかりません。外構の照明計画もいけていません。石井幹子大先生に頼んでもらいたいものです。

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常設展には名画がありますが数点だけですから客寄せパンダ感がぬぐえません。その他今日は現代アートがありましたがこのブログでもお届けしている通り、現代アートは不足していてどの美術館も作品には苦労しているように思います。とにかく美術館を作りすぎです。

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xiyan (70)xiyan (88)カフェの他にイタリアレストランとフランスレストランも併設されています。この周辺は住民が多い場所ではありませんから近くの住民が日常からたくさん訪れることは無いでしょう。恐らくこの美術館は上海の現代美術の中心的存在になるでしょうから、ある程度の賑わいがないとポンピドウの力を借りても悲しいことになることは必至です。現在すでに外観の劣化が見て取れますので、今後どうなるかは定点観測する必要があります。

総評として、大先生の設計の割には空間構成がいけていません。材料の選定もいまいち。施工品質は良くないし管理は最低、動線も荷物預け場所が地下で面倒と、これくらいで大先生に多額の費用を払ったのなら残念としか言いようがありません。

現在周辺は大開発中ですからそれを眺めながら訪問はいいでしょう。西岸はWEST BUND計画指し芸術を中心とした開発を行っています。その最後のアート的施設ですが、訪れるべき建築の中には残念ながら入れることができませんね。

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