2006年06月17日

心をむすぶ

僕はいつも彼女と創価学会のことについて悩んでいた。
彼女の口から発せられる言葉は僕を悲しみのどん底に突き落とすのに十分な破壊力を持っていた。

「学会活動の邪魔をする奴(僕のこと)なんて本気でいらないわ。」

「私があなたの思うように変わるなんて期待しないで。」

彼女の言葉は残酷に僕の希望を打ち砕いた。
どれだけ真正面から彼女に愛を注いでも何も変わらなかった。

彼女の心には何か大切な感情が欠けているような気がしていた。

僕は彼女をこんなふうにしてしまった創価学会について勉強した。創価学会に入会していない時からすでに彼女よりも創価学会の歴史に詳しいほどになった。本屋に寄ると創価学会の本を探すようになった。もはや「学会マニア」であった。彼女に聖教新聞を渡されるのが苦痛でしかなかったが、情報収集のため読みたいと思うほどになった。

そして・・・飽きた。
創価学会について勉強していくと、同じ事ばかりで、底の浅い全体像が如実に見られた。

振り返ってみると、彼女と、創価学会と向き合ってきたこの1年、僕の心は激しい浮き沈みを経験してきた。
彼女に告白し付き合うことになった喜びを経験し
創価学会に入らなければ結婚できないことを告げられ深い悲しみを経験し
それでもあまりに脆い二人の愛にしがみつき、壊れないように守ってきた。

先日連れて行かれたセミナーで男子部の人に「家庭訪問にいってもいいかな?」と言われた。僕は返事ができなかった。もちろん来て欲しくないからだ。
そして、彼女に本部幹部会、新入会者大会、青年部大会みたいなものに行くように言われた。

なんとか大会がどんなものか説明してもらってないが、彼女とじっくり話し合うつもりだ。
穏やかだった学会員隠居生活に嵐が訪れようとしている・・・

僕は学会に入ったとはいえ、創価学会がカルトであることを明確に認識している。学会活動はしなくてもよいと約束した彼女の言葉が嘘であれば、彼女との関係は危ういものとなるだろう。

僕が入会することで取り除こうとした彼女との間にあった「見えない壁」はまだ消えていないのだ。それはきっと「心の壁」だ。どんなに彼女の側にいても、題目をあげる彼女を見ているとものすごく遠くに感じる。僕の部屋で「お経」を唱える彼女の姿は奇妙である。学会員が題目をあげている姿を見ると、一般人は一気に血の気が引く思いをするだろう。僕がしぶしぶ受け入れている彼女の姿は、本当はそれくらい恐ろしいものなのだ。

僕の心も「奇妙な」彼女の姿と「愛しい」彼女の姿を交互に見つめながら複雑な感情を抱えている。
僕と彼女の間にある「心の壁」を取り除きたい。

誰かに「言いなさい」と言われた言葉を伝えても人の心には届かない。
誰かに教えられた言葉も人の心には届かない。

人の心に届く言葉は自分の本当の気持ちだけだ。

言いにくいことを心の中に抱えていて、伝わらないまま、心が離れたまま生きていくのは残酷だ。側にいるのに寂しいなんて悲しすぎる。

大切な気持ちを大切な人に伝えよう。

身体ではなく「」で抱きしめ合おう。



トラックバックURL

コメント一欄

1. Posted by おさぽん   2006年06月17日 17:32
5 痛いほど気持ちが伝わってきます。悪いとわかっていてもどうしようもないもどかしさ、自分にも理解できます。でも負けないで下さい。必ずcanaryさんの気持ちが最後には伝わるはずです。自分は今夜、創価学会の都道府県レベルの県長や方面団の部長と非公式ですが会います。妻の実家で自分が疑問に思ってることに分かる範囲で答えるとの事ですが向こうにしたら折伏です。自分対創価学会員6人です(苦笑)
2. Posted by こう   2006年06月17日 19:21
1 読んでて彼女と創価学会のせいにばっかりしてる気がしてないですかぁ?そうやって自分以外のせいにして責任転嫁して、逃げてるけど、彼女と付き合ったのも創価学会に入ったのも理由はなんであれ最後は君が決めたことでしょ?そんな君が彼女幸せに出来るの?そんな君は幸せになれるの?少なくとも君が変わらないと彼女も変わらないと思うし。ごめんね偉そうで。でも図星だと思う。いつまでも逃げ道は用意されてないんだよ。
3. Posted by かずこ   2006年06月17日 20:10
あなたのおかげでわかりました
学会の人間は自己満足で生きる愚かな団体だと
家族、まわりの友人はほとんどが学会
でも全て捨てます
あなたのおかげで気が付きました
学会の人間が気持ち悪い
二度と接触したくない
4. Posted by canary_wind   2006年06月18日 00:08
>おさぽんさん

ありがとうございます。
リンクの件、感謝いたします。早速リンクさせて頂きます。
実家で学会員6人と対談ですか〜想像しただけで頭が痛くなってきました。おさぽんさんの知識力だと余裕で勝ってしまいそうですが常識の通じる相手ではないですからね。
心中お察しします。
5. Posted by canary_wind   2006年06月18日 00:28
>こうさん

僕は逃げてるつもりはありません。彼女との別れを回避し、二人でずっと生きていくための最適な方法を模索しているのです。僕が学会に入ったのもそのためです。
僕が創価学会に入ったのは彼女と別れないためであり、彼女を創価学会から取り戻すためです。
彼女には僕が必要だし、僕には彼女が必要です。
だからといって創価学会を受け入れる気は全くないし、彼女と別れる気も全くありません。

>かずこさん

学会の人間に接触したくない気持ちはよくわかります。でも彼らも「特殊な教え」をたたきこまれただけの普通の人間ですよ。中には精神を全て学会に奪われてしまった人もいますし、一般的な常識を持った人格者もいます。人間関係を全て捨てるというのは簡単ではないですから、よく考えてから決断されたほうが良いと思いますよ。
6. Posted by あこ   2006年06月18日 00:32
初めまして。
私にも付き合って1年の彼(2世)がいます。
お互いに結婚を考えるようになり
そしてこの信仰のことで(多くの皆さんと同じように)迷い、悩んでいます。
調べれば調べるほど違和感を感じる学会の組織、そして大切な人が信じる考えを受け入れられない自分の心の小ささにどんどん追い詰められるようになりました。
そんな中で、彼女への愛を選び、あえて自分でも違うと思う学会の中に飛び込んでいったcanaryさんの選択に感銘を受け、ずっとBlogを読ませて頂いていました。

7. Posted by あこ   2006年06月18日 00:34
続きです。
今の私も彼に言葉が届きません。
というより、上手く伝えることができません。
学会をどうしても受け入れられず、だけど彼が信仰する気持ちを否定しているわけではなく、と口では言いながらも勤行してる彼の姿を見ると心が乱れ、やっぱり一緒に生きて行くにはツラすぎると思ったり、それでも好きだから離れたくなかったり。
だけどこんな気持ちを伝えることも怖くてできません。
何度も何度も、私がどうしても学会を好きになれないことを話しましたが、「知らないのに否定ばかりしないでまずやってみて欲しい。絶対に幸せになれるから」とずっと言われています。

8. Posted by あこ   2006年06月18日 00:36
さらに続きです(本当に長々ごめんなさい)
いつか彼に言われたことばが今頃になってトラウマのように自分をしめつけてるのも分かっているのに。

「学会を知らないあこが知ってる幸せなんて所詮それなりのものでしかないんだよ」

「困った時の俺に、あたしを頼って欲しいと言ってくれた気持ちは嬉しいけれど、学会を分かろうとしない今のあこは俺の中ではそういう人じゃない。そういう人にして欲しい、じゃなくてそういう人になればいい」

ここまで言われてなんで、一緒にいようとするのか自分でもばっかみたい。って思うけれど、こんなにボロボロになってる自分を分かりながらもどうしても別れようと決断できない。好きな気持ちに負けてしまう。弱い自分がイヤになってしまいます。

9. Posted by あこ   2006年06月18日 00:37
・・・ごめんなさい、初なのにこんな長々と。

今までずっと読ませて頂くばかりでしたが、canaryさんがしんどい思いをされてるのを知り、そして今の私が抱える気持ちとあまりにも近かったのでつい長々と書き込んでしまいました。
頑張ってくださいと書くのは簡単で、そしてそんな簡単なことでももちろんないのだけれど、辛い思いを越えて、少しでも心のままの言葉を彼女さんと共有できますように。もちろん私も自分の気持ちに負けないように、きちんと彼と話をしないといけないと改めて思っています。

お互いに大切なモノを見失わないようにしましょうね。。。
10. Posted by canary_wind   2006年06月18日 01:13
>あこさん

はじめまして。
たくさんのコメントを読ませていただいて、大変共感してしまいました。

大切な人が信じる考えだからといって、受け入れられないのは当然ですよ。
「絶対に幸せになれる」なんて本気で信じさせられるものですからね。彼らも頭の中ではわかっているのだと思いますが、幸せでなくても「自分は幸せだ」と思い込まされてしまうのでしょうね。

あこさんの彼の言葉、残酷ですね。でも僕の彼女の言葉ととても近いと感じました。彼女に「私を救ってあげるなんて、軽々しく言わないで。学会員でないあなたが私を救えるわけがない。」ということを言われたことがあります。
11. Posted by canary_wind   2006年06月18日 01:13
>あこさん(つづき)

こんなことまで言われて、こんなにつらい思いまでさせられて、それでも嫌いにはなれなくて、心から受け入れてほしいだけなのに。彼らが求めるのは「創価学会」の枠に入った「条件」をもつ人間なんです。僕は何も信じていないのにその「条件」だけを手に入れようとしたんです。

あこさんの話を聞いて、僕と同じ思いを抱えていることを知り、僕と彼女の将来について深く考えさせられました。
あこさんもどうか、彼と穏やかな日々を迎えられるように進んでいきましょう。ほんの少しでもあこさんが彼と話し合うヒントを僕の経験から伝えられたら嬉しいです。
12. Posted by かず   2006年06月18日 01:41
はじめまして。canary_windさんのブログをリンクさせていただいたのですが、宜しいでしょうか?してから言ってすみません(汗)
僕のブログはまだまだ始めたばかりですが、宜しくお願い致します。。。
13. Posted by canary_wind   2006年06月18日 02:02
>かずさん

リンクフリーですので全然かまいませんよ。むしろ大歓迎です。
ブログ、拝見しました。生まれたころからの創価環境、大変参考になります。
もし、僕が生まれたころから学会員だったら、かずさんのように激しく疑問をもっていたと思います。これからも是非参考にさせていただきたいです。
こちらからもリンクしてもよろしいでしょうか?
14. Posted by かず   2006年06月18日 02:39
5 >canary_windさん

ある意味過酷な環境です(泣)
「心をむすぶ」なのですが、凄く伝わるものがありました。
僕の彼女との間にも、分厚く強い透明な壁があるのです。

リンクですが、僕にはcanary_windさんのような文章力がありませんので、あんなブログで宜しければ是非ともお願い致します。
ありがとうございます。
15. Posted by canary_wind   2006年06月18日 02:58
>かずさん

ありがとうございます。
早速リンクさせていただきます。

かずさんのブログ記事「そして病気になった」の内容は、痛いほどよくわかります。彼女に対する思いが強いほどに、僕らの苦しみも大きいですからね。

>創価がらみで精神的な病気になる人は非常に多いらしい。

大変、興味深い内容です。やはり創価学会には心と精神のバランスを崩壊させる力があるのだと思っています。
16. Posted by みき   2006年06月18日 12:42
はじめまして。
非会員、学会2世の方と交際していた、みきです。チョココさんのブログ、上のかずさんの
ブログも閲覧させていただいてます。
5年近く交際してましたが、ダメになりました。
入会までして、なお続くあなたの苦悩を思うと
当時の自分を思い出し、この様にコメントするの躊躇しました。
ダメになった私が言う事ではないかもしれませんが、この問題で疲れるのは自然な事です。
自分を責めたり、自分が弱いなんて思わないでくださいね。
そんな時もあるかもしれません。
疲れた時は疲れたでいいと思います。
見えない壁、自分との葛藤の連続ですよね。
だけど、あなたのありのままの姿を相手に訴え続けるしかないと思います。
下手に頑張れとは言いません。
痛い程、心境が伝わってきます。






17. Posted by canary_wind   2006年06月18日 17:53
>みきさん

はじめまして。
5年も続いた交際をダメにしてしまうほどの苦しみ、僕には想像もできないほどだと思います。でも別れという選択肢もお互いのためになるのであれば結果的に良い選択になるはずだと思います。

心配して頂いてありがとうございます。みきさんの言うとおり、落ち込むこともありますが、「しあわせになりたい」という気持ちで進んでいきたいと思います。
18. Posted by みき   2006年06月18日 20:03
私が5年も交際してダメになった原因は色々ありますが、5年近く経っても相手にはあなたも今感じていらっしゃる違和感とか、不安とか、
憂鬱や、目の前で勤行して、学会至上主義を
表現されたらどんなに苦痛かが、口で言うほど伝わってなかった事に気力が無くなった事にあると思います。
さんざん、話し合って、時には壮絶なやりとりをして、疲れて、鬱にやられてる私を見ても、
伝わらないのです。
相手は黙って学会の話を切り出さなくなりました。
そうです、彼の思考停止です。
ずーーっと堂々巡りでした。苦痛になります。
こうなって欲しくありません。

「本当の気持ち」を精一杯ぶつける事を応援してます。


19. Posted by canary_wind   2006年06月19日 00:03
>みきさん

彼女は「私には誰に何をいわれても気にしないという強さがある」と言っていました。
やはり、学会員は外部の批判的な気持ちを受け入れない事に美学を感じています。
僕は「そんな人間だと、人の苦しみもわからないのではないか?」と聞きましたが、明確な答えは返ってきませんでした。

もっと心の奥底でわかり合いたいです。
みきさんの体験も参考にして、ただの学会批判ではなくて、本当の気持ちを伝えたいです。
20. Posted by kalunde   2006年06月19日 21:21
記事には関係ないことをふたつちとお訊きしますがご容赦くだされ。

・学会員の方は、酷くネット情報を嫌う傾向があるように思いませんか? このブログを書き綴っていることは彼女さんはご存知なのでしょうか? これがバレると、彼女さんとの関係が一気に破綻してしまう恐れはありませんか?
・斉藤孝氏の『三色ボールペンで読む日本語』をお読みになったことがありますか?

僕の相方さんは、彼女との会話でちと気になったことを2ちゃんねるでふらっと訊いたことにとても怒ってます・・・orz
三色ボールペンの方は、前回前々回の記事を見てふと気になった次第です。僕は斉藤氏のなんちゃってファンです。
21. Posted by canary_wind   2006年06月19日 22:23
>kalundeさん

・確かに今彼女にこのブログがばれたら、とんでもないことになるかもしれません。でも僕は自分の思ったことを正直に書いてますので、彼女と会話するための準備にもなるんです。目標は彼女にこのブログを見せても大丈夫なくらい普通の人になってもらうことです。元々は自分の考えをまとめるための「メモ」くらいのつもりだったんですが、たくさんの方に見ていただけるようになって驚いてます。

・「三色のボールペンで読む日本語」は読んだことはないですね。「三色」と聞いて創価を思い浮かべた僕はやばいかな(笑)。持っている創価学会の本には赤のボールペンで大事なところに線は引いてますよ。
22. Posted by みき   2006年06月21日 12:15
自分の正直な気持ちは、どこかで持っていて欲しいです。
私は、自分の気持ちが疲労と将来の不安とで
わからなくなりました。
こうして、ブログでもメモでも何でも、自分を持つ事はcanaryさんにとってとても大切な事だと思います。
目の前の日常で、今は表現できなくても・・・です。

現実を見たり、自分で疑問を持つ事が怖いから
「誰に何を言われても気にしない強さ」
と思い込むのでしょう。
それは、怖い事ではないんだよ・・・と訴え続けるしかありません。






23. Posted by canary_wind   2006年06月21日 20:04
>みきさん

そうですね。自分の日々の考えを書き溜めていくことはすごく大切なことだと実感しています。自分の書いた記事を読み返して、あらためて気づくことも多いです。

彼女にはただの批判ではなくて、日常的な視点から大切なことに気づかせてあげたいと思います。

コメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価:  顔   星
 
 
 
最新記事
Profile

canary_wind