東京でもこのバカ騒ぎを繰り返すのか “平和の祭典”の醜悪


(日刊ゲンダイ) より


東京でもこのバカ騒ぎを繰り返すのか “平和の祭典”の醜悪
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/222906
2018年2月9日 日刊ゲンダイ 文字起こし


  
   いよいよ開幕(C)共同通信社

 9日夜に開会式を迎える韓国の平昌五輪だが、“平和の祭典”の裏にドス黒い政治的思惑やメディアの商業主義が透けて見え、すでに多くの視聴者が辟易しているんじゃないか。アスリートの姿はどこへやらで、スポーツの政治利用を禁じた五輪憲章は有名無実化。米朝の緊張関係がそのまま平昌に移ったような醜悪さが漂っている。

 政治的思惑という観点では、北朝鮮が先頭を走っている。いまや五輪関連のニュースは北に完全にジャックされてしまった。美女揃いの「三池淵管弦楽団」の公演が決まって以降、やれ玄松月団長が視察に来た、楽団が万景峰号で到着した、などと一挙手一投足が報じられる。8日は選手村での北朝鮮選手団の入村式に応援団が参加し、民謡「アリラン」の演奏を披露するなど異例の盛り上がりに、テレビは大騒ぎだった。

 金正恩委員長はナンバー2の金永南最高人民会議常任委員長だけでなく、妹の与正氏まで開会式に派遣。10日の南北会談への参加も決まり、文在寅韓国大統領に揺さぶりをかける。

 こうした北を文政権は平和の祭典の名の下“厚遇”し、独自制裁中の万景峰号入港を「特例」としただけでなく、国連決議で海外渡航禁止となっている崔輝国家体育指導委員長の「例外扱い」まで安保理に要請。韓国政府自身が“政治五輪”を加速させているのだからどうしようもない。

■チケット大量売れ残り

 そんな五輪に韓国国民はソッポだ。3日のIOC発表によれば、チケット販売は全体の75%にとどまり、大量に売れ残っている。マイナス15度という極寒五輪なのも相まって、「この寒さでは死んでしまう」とボランティアが逃げ出すドタバタも起きている。

 日刊ゲンダイに平昌五輪の現地生情報を届けている国際ジャーナリストの太刀川正樹氏がこう言う。

「韓国は今月15日から旧正月に入ることもあり、故郷へ帰る人が多く、五輪への関心は薄いですね。チケットは膨大に売れ残り、開会式は動員でなんとか乗り切れるかどうかというところ。陸海空の優秀な軍人に“ご褒美”としてチケットを配っているという話もあります。テレビが唯一騒いでいますが、流しているのは北朝鮮の美女軍団一色。もっとも、北朝鮮の参加がなければ、さらに寂しい五輪になっていたわけで、文大統領にとっては『北朝鮮さまさま』です。北を優遇してばかりなので、韓国国内では『文政権の平等・公平政策とはこういうことか』『五輪憲章に違反している』などと批判的な論調が多く聞かれます」

■平昌の惨状は2年後の東京の姿

 高額の放映権料をIOCに支払っているテレビ局は視聴率が取れるなら何でもアリで節操などない。他方、観光客も少なく閑古鳥が鳴く五輪開催国にはメリットどころか、巨額の開催費のツケが残され、いいことナシだ。

 平昌では新スタジアム建設やメイン会場のスキーリゾート新設など過去の例に漏れず費用が膨らみ、招致時の見積額8兆~9兆ウオンが14兆ウオンへと倍増している。2年前のリオ五輪も、終了後は市民に還元されるはずだった巨大施設の多くが今も活用されず、負の遺産が問題化しているのは有名な話だ。

 これらは2年後の東京の姿に重なる。東京都が先月発表した来年度予算案にすると、2020年東京五輪の経費は現時点で2兆円を超え、このままでは3兆円に達しかねない状況なのだ。

 加えて、国を挙げての五輪ワッショイで共謀罪まで通し、改憲後の新憲法発布を五輪のある2020年に合わせたがる狂乱首相がトップに居座る。既に五輪の政治利用が常態化した日本だけに、平昌の惨状には先が思いやられるのである。

 ジャーナリストの斎藤貴男氏が言う。

「東京五輪が1つの目標地点になっていて、今年の明治維新150年、来年の天皇退位と、2020年に向け、『日本はすごいんだ』という空気をつくろうとしているのが安倍政権です。五輪というものに誰も逆らいようがないムードができている。それを後押しするのは、五輪のオフィシャルパートナーになっているマスコミです。いまや報道機関ではなく、商売の道具として五輪に関わっている。特に日本の五輪中継は、NHKを筆頭に民放全てが『ジャパンコンソーシアム』に入って同じ映像を流すという国ぐるみ。そこに国威発揚やらが加わり、東京五輪は史上最悪の五輪になるんじゃないかと思います」

  
   グロテスクな2人(C)共同通信社

右手に平和の旗、左手に鉄砲で乗り込む日米


 それでなくとも、五輪を巡って前代未聞のグロテスクさなのが、日本と米国だ。

 7日の安倍・米ペンス副大統領会談で、北朝鮮に対し「圧力を最大限まで高めていく」ことを確認。共同会見で安倍が「北朝鮮の『ほほ笑み外交』に目を奪われてはいけないということを関係国に訴えていく」と凄めば、ペンスも「地域を脅かしている現実を五輪の旗の背後に隠すことは許さない」と応じ、徹底的な対決姿勢を強調した。五輪期間中は見送られた米韓合同軍事演習の実施の重要性まで日米で一致したという。

 が、この2人はその足で平昌五輪の開会式に出席するのである。華やかな式典を祝うために行くのではない。右手に平和の旗、左手に鉄砲という態度で当事者の韓国だけでなく各国を脅しに行くのだから異様だし、異常だ。特に米国は、トランプ大統領が核戦略指針「核態勢見直し(NPR)」を公表したばかり。小型核兵器の開発に踏み込み、オバマ時代の「核なき世界」から大転換し、世界中が軍事衝突の危機を恐れている。トランプならやりかねないし、ペンス訪韓もそのための下地作りにさえ見える。五輪の旗の背後に脅威を隠しているのは、日米だって同じじゃないのか。

■日本が次回開催国という喜劇

 国際ジャーナリストの春名幹男氏はこう言う。

「今行われているのは、韓国を巡っての北朝鮮と米国の綱引きです。米国は北に対し最大限の圧力を米韓日で掛けたい。北は南北同じ民族なのだからと韓国に訴え、五輪を機に米国を排除したい。それを両者ともが韓国世論に向けて実行しているところです。北は言うまでもなく美女軍団であり、米国はトランプ大統領の長女・イバンカ氏の訪韓を使って世論を米国に向けさせようとしている。その一方で米国は、平昌終了後の米韓合同軍事訓練を予定通り行うつもりです。平和の祭典に出席しつつもユニホームの下には鎧を着けた状態なのです。そんな中で日本はといえば、安倍首相は米国に言われて開会式に出席するなど、ただただ米国に付いていくだけ。本来は米韓の間に立って外交をリードすることもできるのに、平和的解決のアイデアすら出せない。情けない限りです」

 過去を遡れば、冷静時代の1980年のモスクワ五輪を西側諸国がボイコットし、その後の84年ロサンゼルス五輪には旧ソ連など東側諸国が不参加だった。

 五輪の裏には常に政治が付いて回る。そこにIOCとテレビ局が一緒になって商業主義に走り、開催国の負のツケは国民の血税で賄われる――。かつて奪い合いだった五輪開催が今や“お荷物”で、いったん招致に手を挙げても撤退するケースが後を絶たないのは当然だ。

 そんな中で、平和の祭典に最もふさわしくない日本が次回開催国とは、喜劇としか言いようがない。

分党で揺れる「希望の党」 細野豪志氏の居残りに官邸の影


(日刊ゲンダイ)より


分党で揺れる「希望の党」 細野豪志氏の居残りに官邸の影
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/222907
2018年2月9日 日刊ゲンダイ


  
   真っ先に出て行きそうな細野豪志氏だったが…(C)日刊ゲンダイ

 分党問題で混迷中の希望の党。7日、保守系の松沢成文参院議員団代表ら5人が、憲法改正や安保法に対する執行部との立場の違いを理由に分党を申し出た。

 松沢氏と行動を共にするのは、小池百合子前代表の一本釣りで出馬した元防衛官僚の井上一徳衆院議員、「日本のこころ」を離党して希望結党に参加した中山成彬元国交相と中山恭子元拉致問題担当相の夫妻に加え、行田邦子参院議員だ。5人とも党創設メンバーで、「国会議員5人以上」の政党要件も満たす。

 ここで疑問なのが、同じ創設メンバーで、真っ先に出て行きそうな細野豪志元環境相は、なぜ同調しないのかだ。

「当初は細野氏も、松沢氏と一緒に出て行くと言っていたのです。創設メンバーの中でも細野氏に近い笠浩史衆院議員は迷っているようでした。そこへ、官邸サイドから、希望に残って欲しいと連絡があったそうなのです。分党で出て行くメンバーは今後、“極右政党”として、日本維新の会と連携していくことになる。彼らはもちろん安倍首相の憲法改正に賛成しますが、官邸としては、希望の中からも改憲に賛成する声が上がった方が都合がいいと考えたようです。長島昭久政調会長に『細野を出すな』と指示し、残留するよう説得させたと聞いています」(希望の党関係者)

■官邸にうまく利用される

 細野氏の残留は、野党分断にも効く。昨年の衆院選直前、細野氏が野田佳彦元首相らへの「排除」発言をした恨みは根深いのだ。

「野田さんだけでなく、岡田元代表も細野氏に対して『許せない』という思いがあるようです。岡田さんの周辺は『細野がいる限り、希望とは組めない』と言っている。当然、立憲民主党も排除された側だから、細野氏とは一緒にやれない。細野氏の存在が野党連携の足かせになっているのです」(民進党中堅議員)

 憲法改正に巻き込むと同時に、野党連携を阻止する。官邸からすれば、細野残留は一石二鳥にも三鳥にもなる。細野氏がいる限り、希望は官邸の出先機関にされかねない。

「官邸と連携したいのなら、離党して自民党に入れてもらうのが筋でしょう。ただ、野党のあり方も試されている。好き嫌いの人間関係でいがみ合いをやっていたら、与党を利するだけです」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)

 希望の玉木雄一郎代表ら執行部は“細野問題”にどう対処するのか。難しいかじ取りを迫られている。

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