2017年05月07日

いずれ来る将来と未来について_1

最近音沙汰がなかった友人から、突然電話があったのは、2月のこと。

携帯電話がなり、着信元を見て友人の名前を呼ぶが、反応がない。どうしたのかと思うとすぐに「八川さん、ごめんなさい。年賀状を無駄にしてしまって。」と繰り返す彼。

僕はそんなことのために電話をしてくれたんだとなんだか申し訳ない気がして、ありがとうと言いながらも、「ごめんなさい」を繰り返す彼に近況を聞くのも憚られて、じゃあまたと言って電話を切ってしまった。

新しい住所を聞きそびれたのに気が付くのに30分くらいかかり、自分の間抜けさ加減に呆れながら電話をするが、相手は出ない。嫌な予感がして何度か電話をするが、なかなか出ない。メールを出して返信で住所を教えてもらおうと思ってメールを送るが返事がこない。

月曜・火曜と日が過ぎるが、電話もメールも届かないので、何か知らないかと共通の友人に連絡をとっても誰も近況を知らない。昼間仕事の手を休めたついでに携帯電話を見るが、何が起こっているのか分からず、いらいらする自分に気がつく。

ようやく土曜日にメールが届き、近況が分かった。

ALS(筋萎縮性側索硬化症)で昨年2016年11月に埼玉の専用施設で療養をしており、体が動かないので家族が来た時にしか電話もメールもできないとのこと。

見舞いをと思い、場所を尋ねるが「気持ちだけで良いから」との返信に、返す言葉がない。せめて近況をと、メールで自分もパーキンソン病にかかり、進行は遅いが、徐々に体が動かなくなっていることを伝えた処、「自分だけが辛い目に会っていると思っていた」との返信が届いた。

あれから連絡を取ってはいないが、手も足も動かず、いずれ呼吸が出来なくなって死を待つばかりの姿を見せたくないのだろう。自分を彼に重ね合わせながらも、人間はいつかは死ぬのだからと自分に言い聞かせながら、心の準備ができていない自分が怖くてメールが出せないでいる。

いずれ来るメールが彼の死を知らせるものであることを知りながらも…。


2008年10月13日

ワールドカップ2054のための習作0014

キーパーが大きく蹴りこんだ。

バックスピンがかかって伸び上ると、左のサイドラインに切れ込みながら落ちていく。センターラインを15メートルくらい駆け上がった僕はアウトサイドでトラップした右足からツンッと左足に持ち替えた瞬間に強く蹴り出し、スピードに乗った。トップスピードでゴール前に差し込んでいく動きにディフェンスがつられると、左右にフォワードとミッドフィルダーが開いていく。

しばし、ゴールに向かって一人旅。

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2008年09月26日

体内年齢って何だ?

体重計が壊れていたので、買い直すことにした。

大井町のヤマダ電機で品定めをするが、体重計も多機能化していることに驚いた。

体組成計といって、脂肪・筋肉・骨など体を構成する成分を測れるらしい。

体に電気を通して、電気抵抗の具合でわかるのだそうだ。

試しに測ってみたところ、体内年齢25歳…???という表示が出た。

実年齢は50歳なのに、25歳とは…。

筋肉量が多く、体脂肪率が低くて、体重あたりの基礎代謝量が高いほど、若いということらしいが、25歳という数字はとっても嬉しい。これも日頃テニスなどで鍛えたおかげか?

でも、ひょっとして、どんな人にもこうした「嬉しい」数値が出てきたりして…。

けど、ここまでわかる(メーカーは推測と言っているが…)のなら、そのうち、脳みその量とか性ホルモンの量とかも測れるかも知れない。まじで。

そんな時代が来たら、健康診断の風景も一変するような気がする…。

「おい、今日の健康診断どうだった?」

「脳みそが500mmgも増えてたよ。脳増量剤のおかげかな?」

「ちっくしょう。俺も使えばよかった。来月昇進試験なのにどうしよう!」

なぁ〜んてね。


2008年09月14日

金の獅子舞2

先週都内をぶらぶらしていたら、とある会社のロビーに獅子舞が展示されていたのを発見した。

http://livedoor.blogimg.jp/captain_ken/imgs/9/5/9543de85.JPG>

曰く。町内会のものなのだが、長年使ううちに痛んできたので、修繕の上、保管スペースを兼ねて展示スペースを提供しているとのこと。

CSRの観点から素直に評価したいところだが、少しひっかかる部分もある。つまり、金を出していることはわかったけど、汗を書いている???ところをきちんと書かないと変に勘繰られてしまうのでは…ということだ。

お正月や祭りにつかうものだから、社員がボランティアで参加していて、一緒に汗も書いている写真の1つや2つあっても良いのだが、奥ゆかしいのか、そんな展示は何もない。何もないから判断しようがないのだが、普通に考えて、業務時間外や祝日・盆休み・正月休みを潰して、住んでもいない地域の町内会のお祭りに参加する社員がいるとも思えないし、少し意地悪な見方かな…と思わないでもない。

でも、そうすると何をもって企業市民として地域に参加するのかという命題に応えることができなくなってしまうという理屈もある。う〜ん、難しいなぁ。というのが本音である。


2008年09月13日

久しぶりのブログ書き1

久しぶりにブログを書く気になった。

もう何も投稿しなくなって2年も経ってしまったが、ようやく最近何か書こうかな…という気が湧いてきた。

思えば、2年前はショートショートを書き出したことで、ショートショートを書くことが目的となってしまい、ネタがない=書くことがないという感じになってしまい、もともと日記的に書こうというところからかなり離れてしまっていた。

何でも過ぎたるは及ばざるがごとし…というが、とりあえずは、何となく、目的も目標もなく、徒然に書いていこうと思う。その中でまた、書きたくなればショーとショートを書き出しても良いし、書いたものの中から短編を書いていきたいと思うことがあるかも知れない。

それも含めて、風任せ・運任せで、ふらふらとのんびりやっていこうと思っている。


2006年11月03日

怠け者の家来(ショートショート)3

昔、昔、ある処で、一人の怠け者に王様から家来が届けられました。

『おまえの怠け癖は、一方ならぬものがある。何にでも秀でいるのは、素晴らしいことだ。家来一人を遣わそう。』

家来が来てからというもの、怠け者は本当に何もしなくなりました。一方、家来は言い含められていたので懸命に主人に尽くしましたが、何もすることがなくて、そのうち段々と怠け者になっていきました。二人の怠け者は、朝から晩まで寝てばかり。夜から朝まで飲んだくれていました。

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2006年10月15日

くったくのない殺人者(ショートショート)3

最近少し疲れているのは、結婚したせいかも知れない。夜毎二人で燃え上がるせいで、明け方まで眠むれない。それでも生活に張りができたおかげで、仕事にも身が入るようになって、ちょっと頑張り過ぎかも…。


もう一人じゃないんだから…と張り切るのは、自分で言うのも何だけど、彼女に対する責任感ってやつ。幸い、去年の大仕事のおかげで名前も売れたし、ようやく仕事を選べるようになってきた。



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2006年10月07日

神無月の頃(ショートショート)2

神無月の頃は日本中の神が出雲に集まるので、出雲の地は神で溢れている。さながら、千と千尋の神隠しに出てくる湯屋のようだ。


中には、来て欲しくない神もいる。貧乏神にたたり神、死に神達だ。そんな神達もこの月ばかりは仕事返上で、飲めや謡えやの大騒ぎ。こういうのに限って酒乱が多いのだが…。



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2006年09月29日

マイプチ神様(ショートショート)3

最近の流行りは、『マイプチ神様』というんだそうだ。

福の神とか学芸の神様といった、ある分野のいわばエキスパートに別々に願い事を頼むのではなく、自分専属の神様に何でも頼むのが今風らしい。


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2006年09月23日

追いかける女(ショートショート)4

私の読書好きは母親ゆずりで、通勤の往き帰りだけでなく、帰り道にある書店で1時間なんてことはよくあること。


最近は、立読みどころか、読書コーナーに入り浸ってはせっせと好きな作家のリストを征服する毎日が続いている。


そんなある日、図書館で借りた本に挟んであったメモ用紙に、ふと興味を覚えた。『12月24日の夜7:00。品川駅南改札口で待っています。』と簡単に書かれたメモは、宛先もない、誰かの忘れもの。クリスマス・イブの約束を伝え損ねたこの恋人さんは、イブの夜を愛しい人と過ごせたのかしら…。そんなことを考えていると、何となくロマンティックな気分になって、一日中幸せな気分で過ごした。


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