2013年06月25日

Yahoo! トップニュースの規制反対記事に反論 3

Yahoo! トップニュースの規制反対記事に反論 1

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Yahoo! トップニュースの規制反対記事に反論 4




前回の幸森軍也氏の規制反対記事批判に続き、
今回は6月12日に、おなじく Yahoo! トップページに配信された、
昼間たかし氏の記事に対する反論を行う。

この反論は、内閣府スレ★54への私の書き込みを
基に構成してある。(レスナンバー859から)

最初の論点である 「単純所持による冤罪加害」 のみ、
反論のレスがついてちょっとした議論になったため、
分量が他に比べて大きくなっている。

注 ・ 正確には、目的を問わない単純所持は違法化されるだけなので、
   施行されても逮捕されることはありません。
    罰則が科せられるのは性的好奇心を満たすためという、
     自己目的所持の場合です。



児童ポルノの単純所持禁止で“犯罪者”が続出する?
      (web 魚拓)

5月29日、自民・公明・日本維新の会の3党が児童ポルノ禁止法改正案を国会に提出した。そのポイントは、児童ポルノの「単純所持の禁止」が追加されたことだ。もし改正案が成立すれば、どのような事態が起こり得るのか。

例えば、「単純所持の禁止」を謳(うた)う以上、18歳未満のアイドルの水着グラビアが掲載されている写真を持っているだけでも逮捕される可能性も否定はできない。また、イヤなヤツを陥れようとしたら、そうした画像をカバンの中やノートパソコンに仕込んでおくだけで犯罪者に仕立てあげることができる。


嫌がらせを目的とした単純所持冤罪加害の場合、大きな問題になるのが
「どうやってイヤなヤツの所持を偽装するのか (仕込むのか)」 という点だ。

規制反対派は、簡単に 「カバンに忍ばせる」 
「ノートパソコンに仕込む」 などと言うが、
仕込むには相手のカバンやパソコンに接触する必要があり、
しかも人知れず、仕込みの痕跡を一切残さずやらないといけない。

もし現場を目撃されたり、状況からして
告発者が仕込んだ以外の可能性はない、などと
警察に判断されたら、性犯罪関連の虚偽告訴は徹底的な社会制裁を
受ける以上、慎重に慎重を重ねて行わねばならない。


仕込む場所も問題になってくる。
イヤなヤツが普段使っているカバンなどに仕込んでも、
頻繁にカバンを開け閉めしていればすぐに見つかって捨てられてしまうだろう。
下手すると、「あの時カバンに触れたのはあいつしかいない」 と
疑われる危険もある。

となると、本人もなかなか気づかない場所を選択する必要があるが、
気づかれにくい場所になればなるほど、それは本人のプライバシーに
深く踏む込む必要に迫られるという事だから、
冤罪加害発覚の危険性は増大する。


ノートパソコンに仕込むとなると話はもっと大変で、
実際にパソコンに接触する危険はもとより、
パソコンを操作して画像を仕込むにしても、デスクトップなどではなく、
ファイルの階層の深い場所を選択する必要がある。
メールでの送付は本人が添付ファイルを開くかどうかわからないし、
本人が否認した場合メールの送付元を辿られたりしたら自分が危ない。


何とかしてイヤなヤツの生活空間に侵入したり、
パソコンにログインするなどして、
気づかれにくい場所への仕込みに成功したとしよう。
今度は告発の際に、さらに高いハードルが現れる。
警察に 「なんで告発者はなかなか本人も気づかないような、
そんなところにあるのを知ってるんだ?」 と疑問を持たれてしまうのだ。
したがって、警察はイヤなヤツに聴取する前に、
告発者に詳しい事情を聴くことになる。

冤罪加害を目論む告発者は、警察や法廷でイヤなヤツと
真っ向から闘う覚悟など全く持ち合わせていないだろう。
自分はあくまで安全な場所に身を置いたうえで、
イヤなヤツに濡れ衣を着せて困らせてやろうと考えているはずだから、
告発時に自分の身元を明かす由もない。

その告発方法も、電話やメールは危険なので
書面送付ということになるだろうが、どこの誰だかわからない
怪文書一枚しか単純所持の証拠がないなら、警察はあっさり無視するだろう。

ゆえに、この手口では、
危険や労を多くして全く成果を為さない、という事が言える。



さて、児ポ法には現行でも提供罪というものが存在する。
私は以前から、

「単純所持で濡れ衣を着せるよりも、
  提供罪で濡れ衣を着せる方が簡単だ。
   でも児ポ法が出来て10年以上たつが、
  そんな事件は起きていない」


と主張していたが、改めてここで説明してみたいと思う。

児ポ法提供罪を悪用してイヤなヤツを陥れる場合、
手口は、写真など児童ポルノの現物と手紙を警察に送付し、
「あいつ (イヤなヤツ) から貰いました」 と告発するだけ。
非常に簡単で安全性も高い。

もちろんこの場合も告発は匿名で行う事になるだろうが、
動かぬ証拠が警察に提出されているため、警察がイヤなヤツへの
聴取に乗り出す可能性は、単純所持罪よりはるかに高いだろう。
 (あくまで単純所持罪と比べるならば、であるが)

故意性の偽装という点でも、この手口は優れている。

単純所持の場合、カバンの中やパソコンに違法物があったというだけでは、
違法性 罰則適用の要件を満たさない。
「性的好奇心を満たす目的」 という条件が付されているのだ。
したがって、イヤなヤツがそのような目的を持っていたかのように
偽装しなければならない。

おそらく大量の所持が条件になるだろうし、保管場所にしても、パソコンなら
整理されたフォルダに区分けされているとか、
DVDなど現物ならいつでも視聴できる状態に
置かれているとかの状況が必要になってくるだろう。
そのような偽装だけでも大変な事だ。

しかし、提供罪の場合は、軽くこの問題をクリアしてしまう。
一般に考えて、提供というのは故意を伴わないとできない。

また、提供罪の構成要件に 「性的好奇心を満たすため」 という
条件は必要ない。
ただ、「児童ポルノを渡そうと思って渡した」 という意思だけで十分。

したがって、検察による故意の証明は容易であり、警察も動きやすくなる。
過失(うっかり渡した)という可能性もある事はあるが、告発者が
「もらった」 と言っている以上、イヤなヤツにも認識があったと考えるが妥当。
違法物の児童ポルノをうっかり渡すなどという状況は考えにくい。


冤罪加害が発覚した場合の危険性についても触れておこう。

まず提供罪の場合、これは現行法下での加害が前提だが、
もしばれたら虚偽告訴罪に問われるだろう。
しかし、単純所持罪の場合、それだけでは済まない。

イヤなヤツのプライベートに踏む込む以上、住居不法侵入や
不正アクセスの罪にも問われる可能性がある。
下手したら、自分が単純所持罪に問われる危険すらある。
なぜなら、仕込みの段階で
自分も大量に児童ポルノを入手する必要があるからだ。

入手履歴やパソコンを調べられたりしてそれら児童ポルノが発見された場合、
性的好奇心の存在を疑われるのは当然のことである。
児童ポルノ収集中に提供相手が逮捕され、イヤなヤツを陥れる前に
イモづるで自分も逮捕、なんて事態になったら笑い話にもならない。

この手口では、加害者の方に複数の犯罪行為に
手を染める覚悟が要求されるのである。



以上、児童ポルノ法違反による
   冤罪加害において、
    単純所持罪による虚偽告発よりも、
      提供罪による虚偽告発の方が、
    安全性、簡便性、効率性、実効性、
  心理的余裕面において
 はるかに優れているという結論に達する。




ちなみに、単純所持罪にしろ提供罪にしろ、
匿名告発では警察はおいそれと捜査に動かないだろう。
裁判で証人台に立つ覚悟で告発して、決定的な証拠を提示したとしても、
個人レベルの譲受ならよほど悪質じゃないと
着手すらしないんじゃないかと思う。

したがって、昼間氏の単純所持冤罪被害の懸念に関しては、

単純所持罪による冤罪加害は手口として難しく危険。
提供罪による冤罪加害の方がよっぽど簡単で安全である。
にもかかわらず、そんな事件はひとつも起きていない
   (確認されていない)。
どっちにしろ、匿名告発だけでは警察は動かない。
にも拘らず、いったい何がどうなれば

「カバンやパソコンに仕込む だけ で犯罪者に仕立て上げる」

などといった冤罪加害が多発するような状況になるのか、
規制反対派は一切説明できていない。



という反論が導かれる。




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captain_nemo_1982 at 21:42│Comments(4)TrackBack(0)児童ポルノ法関連 

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この記事へのコメント

1. Posted by わらぽん村の名無しさん   2013年07月27日 16:00
単純所持をすれば、逆にそういう冤罪が起こる可能性も否定出来ないでしょ
海外では起きているんだから

そもそも、日本の司法は中世と海外から批判されるほど、お粗末なものだ
個人レベルの冤罪被害が、今では余り報道されてない可能性も多い
例えば、スピード違反で検挙されたくらいでいちいち新聞のトップ記事を飾るか?
ネットニュースに登るか?ということ
2. Posted by 名無しさん   2013年07月28日 04:48
 >はいはい、「悪魔の証明」。

 日本と欧米とでは、検察・警察の立件スタンス(立件できる事件のみ扱うかそうでないか)の違いについては既に言及されているんだけど。
 日本と欧米とでは「冤罪」に至るまでのプロセスが違うってことがまだ解らないの?
3. Posted by あけぼの   2013年08月03日 21:50
>単純所持をすれば、逆にそういう冤罪が起こる可能性も否定出来ないでしょ
>海外では起きているんだから

日本人である私達がそれら海外の事件が「冤罪」だと認識出来るのは何でだろう?
「無実」であると判明して報道されたからではないのでしょうか?
ならば日本で児ポ法が改正され単純所持が違法とされて、
警察に逮捕されても不起訴、
裁判に進んでも無罪判決、
で終わりなんじゃ?

それから他人を陥れる為にそういう悪質な工作(「カバンに忍ばせる」「ノートパソコンに仕込む」) をしたことが発覚したら自分の方が窮地に陥るのが分かっていて、
そんなことやるバカいるの?
4. Posted by あけぼの   2013年08月04日 13:15
http://uramono.org/archives/31161547.html
http://mainichi.jp/select/news/20130803k0000m040024000c.html

この通り現行児ポ法(単純所持は合法、販売頒布は違法)でも逮捕者は出ているわけですが、だからといって不当逮捕や冤罪が行われているという例は聞きませんね。
勿論そんなことがあったら規制反対派がそれこそ鬼の首を取ったように大騒ぎするでしょうし。

にもかかわらず単純所持が違法になった途端に、それまで発生していない不当逮捕や冤罪が起こる可能性がいきなり生まれると主張する根拠が分かりません。

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