2014年11月03日

「児童ポルノ規制よりも本当の児童虐待を先になんとかしろ」 という欺瞞




児童虐待 - 児ポ法規制反対派の欺瞞 全記事一括表示

「児童ポルノ規制よりも本当の児童虐待を先になんとかしろ」 という欺瞞
児童虐待発生件数は実質的に減少している
すでにかなりの部分まで強化されている虐待防止法
児童相談所が強権的運用を回避する理由
実情を踏まえた上で、厳罰化や運用強化を強行したらどうなるか?
児ポ法反対派は、児童虐待冤罪の可能性を否定できるのか?



「児童ポルノの単純所持規制やマンガアニメ規制よりも、
  本当の児童虐待を先になんとかしろ」 


という主張をときおり目にする。

普通に児童の人権保護の優先度を考えれば、
ただ単に児童ポルノを所持していたり、
児童を性の対象としたマンガやアニメが流通していたり、
ということよりも、実在の児童が直接危害を加えられている
虐待の方が重要であるという意見はまっとうに聞こえるかもしれない。

しかし、ことはそう単純な話ではない。
なぜなら、それを言っているのが
「児童ポルノ法で冤罪が多発する」 と言っている
規制反対派であることがほとんどだからだ。

「本当の児童虐待をなんとかしろ」 とは、要するに
児童虐待防止法の改正厳罰化、担当部署の権限強化、
ならび運用強化などが具体的な要求として挙げられるだろう。

しかし、そんなことをしたら、
 児童虐待防止法による冤罪が多発する
  危険性が増大するのではないか?



児童ポルノ法と児童虐待防止法はさまざまな点で似通っている。
共に児童の人権意識の高まりとともにほぼ同時期に施行され、
摘発や通告件数は毎年のように過去最悪記録を更新し、
社会の注目度が上がると共に数度にわたり改正されている。

定義はあいまいで、違反容疑がかかれば社会的非難を
浴びる危険性を伴い、捜査によってプライバシーは侵害される。
「日本中の男性全てに、児ポ法冤罪の危険性がある」
というなら、児童虐待防止法だって、男女の区別なく
児童の保護者すべてに冤罪の危険が生じる。

であるならば、規制反対派は

自分たちが冤罪被害に遭うのは
 イヤだと言いながら
  日本中の児童の保護者を
   冤罪の危険にさらそうとしている


という結論になるだろう。

この結論を自覚したうえで言ってるのなら欺瞞だし、
自覚なしに言ってるのなら誤謬だ。

私はここで彼らに対して  「人間のクズ」 「卑劣で自分勝手」
などと言った非難を浴びせようとしているわけでは無い。
そう言いたい気持ちが全くないわけではないが、
多分彼らは自覚もなしにそんな事を言ってるのだろうから、
動機を倫理的に攻め立ててもあまり意味は無い。
主眼はあくまで、論理的誤謬を指摘することにある。

詳しく論証する前に前提を確認しておくが、まず

前提① ここで批判に晒される規制反対派は、
       「児ポ法で冤罪が多発する」
        「本当の児童虐待を何とかしろ」

      この2つの主張を同時に行っている者に限定される。

前提② ここでいう 「本当の児童虐待」 とはあくまで
       児童虐待防止法違反行為であると認識している
      反対派を想定して話を進めることにする。

      もしかしたら、児童ポルノ製造や頒布など、
      所持行為よりも法益侵害が大きい犯罪行為、
       もしくは強制わいせつや強姦などの
      ドメスティックでない性虐待行為を
     指している者もいるかもしれないが、
      今回はそこには触れない事にする。
       (それらはそれらで突っ込みどころはあるのだが)


この前提①②に該当する規制反対派が、
今回の私の批判対象となる。


以下、論点を5つに分割する。

論点① 児童虐待発生件数は実質的に減少している

論点② すでにかなりの部分まで強化されている児童虐待防止法

論点③ 児童相談所が強権的運用を回避する理由

論点④ 実情を踏まえた上で、厳罰化や運用強化を強行したらどうなるか?

論点⑤ 児ポ法反対派は、児童虐待冤罪の可能性を否定できるのか?



captain_nemo_1982 at 10:12│Comments(4)TrackBack(0)児童虐待 | 規制反対派の欺瞞

トラックバックURL

この記事へのコメント

1. Posted by ノロノロ   2015年01月04日 05:56
こんにちは。初めまして。

この視点から意見する規制反対派がいないので、同じように疑問を感じてた人がいたんだとこの記事を読んで思いました。

児童虐待防止法を適用しようとしたらブログ主様がお書きになってる問題が必ず出てくるのですが、ネット掲示板等で「表現規制と児童虐待虐待防止法の問題は類似してる部分があるけど誤認で保護されたり行政の権限が強まることにどうおもってるのか」と問いかけしてもほとんど無視されます。

間接的な表現規制と違い児童虐待防止法は直接的に行政が家庭に介入してきて、正しい保護ならばともかく誤認だったとしたらその地域に住めなくなってしまう危険性や社会的に危険な人物であると見られる可能性があります。

いろいろ考えれば規制反対派が実在児童の保護が先と簡単に言うのは根本的に問題を理解してないのだと思います。
2. Posted by captain_nemo_1982   2015年01月05日 04:42

はじめまして。

児童虐待法の厳罰化も、児童ポルノ法の厳罰化も、
根っこは同じなんですよね。こどもが大事って言う。

だから、どっちかに賛成してどっちかに反対するってのは
矛盾してるし、無理が出てきます。
こどもの人権に関してなんにも考えてない規制反対派なら
答えにつまるのは当然であると思います。
3. Posted by ノロノロ   2015年01月05日 07:26
極端な仮の話としてジュニアアイドル問題を出せば児相に保護された子どもは当然ながら行政の管轄にあります。

もしも保護されてる子どもがジュニアアイドルになりたいと言い出したら児童福祉行政はカウンセリングを受けさせるなど何らかの対処がなされて全力で行かせないようにすると思います。

規制反対派はジュニアアイドル問題の規制にも反対していて子どもの意志を尊重するべきであり行政が口だしすることではないと言ってますが、保護下にある子どもを行政がジュニアアイドルへ送りだすとなればおかしな話になってきて、国内だけではなく海外からも批判され大問題になり制度の存続さえ危ぶまれます。

規制反対派が保護下の子どものジュニアアイドル希望に賛成、反対のどちらを選んでも現在の規制反対派の主張からするとおかしな話になってくるので、結論を言えば規制反対派はどこへ行こうとしているのか全く分かりませんw
4. Posted by captain_nemo_1982   2015年01月06日 05:09

子どもがジュニアアイドルしたいって言うのを
認めるかどうかという、自己決定権の話ですね。

子どもに性的自己決定権を認めろってのは、
さすがに規制反対派も言わなくなってきてると思います。
筋が通るかどうかというより、性的搾取を認めてるという
印象を与えてしまいそうだからだ、と思います。

コメントする

名前
URL
 
  絵文字