2014年11月03日

児童虐待発生件数は実質的に減少している




児童虐待 - 児ポ法規制反対派の欺瞞 全記事一括表示

「児童ポルノ規制よりも本当の児童虐待を先になんとかしろ」 という欺瞞
児童虐待発生件数は実質的に減少している
すでにかなりの部分まで強化されている虐待防止法
児童相談所が強権的運用を回避する理由
実情を踏まえた上で、厳罰化や運用強化を強行したらどうなるか?
児ポ法反対派は、児童虐待冤罪の可能性を否定できるのか?



児童虐待通告件数は、厚生労働省が1990年に統計を
取り始めて以来、凄まじい勢いで年々増加している。

児童相談所での児童虐待相談対応件数の推移(厚労省調べ)


しかし、実質的には虐待発生数は増えておらず、
逆に減少し続けている、という指摘が存在する。


児童虐待発生数が増加しているように見えるのは、

 児童虐待の定義が近年拡大し、昔ならしつけや放任という理由で
   許されていた体罰やネグレクトが、虐待としてカウントされるようになった
 児童の人権意識の高まりにより、児童虐待を
     放置してはならないという社会の関心が、通告件数を押し上げた

という理由によるものであって、こんにちで虐待と定義される行為が
必ずしも昔に比べて増加しているわけでは無い、というのだ。

その有力な根拠の一つは、虐待児童の死亡件数と嬰児殺件数である。

死亡事案というものは、虐待と違って定義が不変的であり、
暗数化しにくく発生件数がほぼそのまま認知件数として
カウントされると推定できるため、児童虐待数の長期推移を
客観的に推し量る有力な根拠となる。

そしてその件数は戦後一貫して減少し続けており、
近年ではほぼ底を打った状態であると言えるのだ。

虐待または無理心中による死亡児童数


嬰児殺等の認知件数


この件に関しては、名古屋大学の准教授である
内田良氏が、綿密な検証を行っている。

児童虐待の発生件数をめぐるパラドクス PDF

非常に面白く刺激的で興味深い論考だが、ちょっと文章が硬くて
読みづらい印象は無きにしも非ずなので、

「児童虐待7万件超 過去最悪」のウソ――減少する虐待死、煽られる危機感
      (web 魚拓)

同氏によるこちらの記事なら、適度な煽りや誇張が織り交ぜられていて
より面白く読みやすいものとなっている。


さて、内田氏も主張している通り、虐待発生数が実質的に
減少しているからと言って、少ないものをさらに少なくしたいという
社会の認識や要望があったって悪いわけでは全然ない。

そういうものはその時その時の社会の価値観で基準がきまるので、
さらに改善したいという要求が多数を占めるのであれば、
どんどん改善や対策に打って出ればいいだろう。

私が問題にしたいのは、児ポ法の規制反対派までもが
その社会的要求にのっかって持論を組み立ててしまっていることだ。

彼らが  「本当の児童虐待を何とかしろ」 という時、
その論拠にあるものは虐待件数の増加やマスコミ報道の多さだろう。

しかしこれは先述のとおり、児童の人権意識の高まりが生んだ
いわば見せかけの事態悪化現象だ。
そして同じく児童の人権保護を目的とする児ポ法も、
その流れからは当然無縁ではいられない。
単純所持規制や、マンガやアニメも児童ポルノに含めようという
国際的な動きは、まさにこの潮流から生まれているのだ。

児童虐待に関しては人権の定義拡大をあっさり容認する反対派が、
なぜ児童ポルノに限ってそれをかたくなに拒絶するのだろうか?

これはこれだけでも十分弾劾に値する論点ではあるのだが、
ここではあえてそこには触れず、

児童虐待の定義の範囲は年々拡大しており
 規制反対派はそれを無批判に容認している


という事実のみを確認しておくに止めることとしよう。



captain_nemo_1982 at 10:25│Comments(0)TrackBack(0)児童虐待 | 規制反対派の欺瞞

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