アガペ 4 (4) (MFコミックス)

ひっさびさに、心の底から駄作だと断言できるマンガに出会えた。
さるまんのとんち番長を彷彿とさせる、ダメ加減。
目にする何もかもが一定レベルのクオリティを保っていることが当たり前の現代日本において、ここまでのダメを見れるとは思わなかった。
いやあ、ひどい。
内容は、絶対的な「愛」を持って犯罪人と交渉する女子高生はるかと彼女に関わる犯罪者達のエトセトラ・・・
って書くとそこそこおもしろいのではなんて思ってしまう人もいるのだろうけど。
これ、原作と作画が別なの。
で、作画が、今をときめく石黒正数。
で、どう考えても石黒が原作に憎悪を持っていたとしか思えない壊しっぷりなんだわ。悪ふざけにもほどがある。
回をますごとに無意味に(そして確信犯的に)ボリュームアップしていく主人公の乳。(スタートはアヤナミレイ、ラストはエイケンって言ったら通じる??)
無意味すぎて、ギャグにしか見えないパンチラ。
崩れまくるキャラクター達の顔。最近じゃ、ギャグマンガでもここまでくずさんぞってくらい崩れるから、コマによっては誰なのかわからない。
そして、ジョジョよりえげつないポージング。
おそらく意図的にさるまん化していったラストの精神世界。
そして、原作者が後書きでわざわざこれはわたしのアイデアではないと明記した、作品世界をぶちこわすとんでもないオチ。
もともと残念なマンガが、さらに台無しになるというマンガ至上まれに見る、だれも喜ばないちゃぶ台がえしに、眩暈した。

この珍品を描いたのが、完成度の高さがウリな「それ町」の作者ってのが信じられない。
バランスが悪すぎる。商品として成立していない。

あと、具合の悪いことに、これは石黒の初連載だったらしい。
つまり、初連載らしく絵もまだそんなに巧くないんだわ。
むしろ素人くさいというか・・
ほんと素人の落書きみたいなページが大量生産されてんだぜ。
コマワリのリズムもどこまで確信犯なのかわかりかねるんだけど、読んでいて不快になるような、生理的におかしいコマワリ。
特に3巻以降は、読んでいて、その読み心地の悪さに驚く。
そのあたりもまたトリップ感というか、とんち番長感を味わわせてくれるわけで。

まあ、わるふざけのセンスなんかは間違いなく石黒正数だし。
そもそも、その読み心地の悪さとか、ひっかかるところも、意図的な感じが匂ってくるのだけども・・・それにしても・・・。

とりあえず、読み終えた時に、今までついたことないくらいのディープな溜をついた。
ここまでのは最近はなかったから、新鮮な読後感ではあったが・・・

こうなってくると、逆におすすめみたいな気もする。
ひさびさに、誰かと一緒にこのマンガのひどさについてオールナイトで語り合いたいとは思った。
・・・・・・・「逆におすすめ」なんて言葉、ひさびさに使ったな・・・

さるまんのとんち番長が好きだった人は読んでみてもいいかも。
あと、とんち番長を読んでいない人は人生の半分を存しているので、必ず読みましょう。

サルまん 21世紀愛蔵版 上巻 (BIG SPIRITS COMICS)